彼女のことをよく知らない人たちには、その目つきや性格がキツいと思って近寄り難いと感じるらしい。
実際に話してみても案の定といった感じで、先日も同じ班の女子生徒と激しい口論に発展した結果ついには泣かせてしまっていた。
あれから放課後を経て、私は自室に招いた彼女から相談を受けていた。
「ねえ、どうすればいいと思う? 本当はもっとみんなと仲良くしたいのに……」
「うーん」
幼馴染として彼女の繊細さと不器用さを知っている私にはその悩みがもどかしく、なんとか解決してあげたい気持ちでいっぱいだった。こんなにも照れ屋さんで可愛い子はツンデレキャラとしてクラスの子達にも絶対にウケるはずなのに、その一歩手前でいつまでも足踏みをしているのだ。
私でも協力できることはないかと考えてみる。
「そうだっ。とりあえずその泣かせちゃった子にはごめんなさいしなきゃだよね」
「えー、謝るの苦手。大体あれ私は全然悪くないし!」
「そういう気が強い性格、良いところだけど災いの元だよ?」
「うぐ……」
分かってはいるけどどうにもできない。そんな不器用過ぎる彼女には一から百まで私が手伝ってあげないといけないようだ。
「とりあえずお仕置きね」
「えっ、おしおき……?」
「そうそう。ほら、さっさとベッドで横になって」
私は彼女をベッドの上に押し倒し、その華奢な腕を強引に背中へ持っていく。
「な、なになに? ちょっ、それって縄? お仕置きって……縛るの!?」
困惑と逡巡で抵抗が薄い内に手早く縄を絡ませ、私はあっという間に彼女を縛り上げた。
手足の自由を奪い、豊満な胸をこれでもかと絞り出して強調する。
「ふぅ、いっちょあがり!」
この緊縛姿を見れば彼女の不遜な振る舞いを恨む気持ちなど誰もが忘れてしまうだろう。
「や、なにこれ……あんっ! もうっ、どこに縄を通してるのよ!?」
足をもじもじさせている所を見るに股縄を気にしているようだけど、私は構わずスマホのカメラを起動して彼女にレンズを向けた。可愛い照れ顔も惜しみなく撮りまくる。
「この写真を見せれば反省してることはみんなにも伝わるね」
そう言った瞬間の表情の変わり様も是非収めたかったが、動画モードにしていなかったので決定的瞬間を撮り逃してしまった。
満足いくまで撮り終えた私は写真のデータをクラスのグループチャットに上げるためのアプリを起動する。
どういう言葉を添えようかな? 適当に『悪い子反省中』でいいか。
さっきから縛られた体でドタバタ暴れてギャーギャーうるさいけれど、そんな彼女にも明日から友達がいっぱいできることだろう。感謝のあまり私にお礼を言う姿が目に浮かぶようだ。
ああ、良いことをすると気持ちがいいなぁ。