注文していた物がようやく届いた。安心安全の材料と製法で調合された飲み薬だ。
早速私は科学部の実験だと偽って助手くんに協力を迫り、薬の効果のほどを試すことにした。
もちろん最初は可愛らしく上目遣いでお願いしたのだが、私の素行の悪さも相まって断られてしまう。
「だったら……無理やりにでも飲んでもらうぞ」
私は助手くんを勢いよく押し倒して腹に跨った。
いかに男子と言えどこれでは逃げられまい。私は元の瓶から試験管に移した例の薬を飲ませようと彼の口に近づけていく。
薬の正体を端的に言うと強力な媚薬だ。一口でも飲んだ者は目の前の相手に欲情し、性欲に飢えた発情期の獣のように変貌してしまうという。
「さあさあ、遠慮することはない。甘いジュースを飲むのと変わらないさ。先輩の奢りだぞ?」
別に彼を私に惚れさせてどうこうしようというつもりはない。ただ欲情した男子があられもなく悶える様を見て楽しもうという試みだ。
顔を真っ赤にさせる助手くんはさぞかし可愛かろう。期待に胸を膨らませながら薬品を押し付けていく。
しかしそこで予想外の抵抗を受けた。助手くんは力尽くで私を突き飛ばし、半拘束状態から脱出して見せたのだ。
「な、何をするんだっ。いたたたた……」
その拍子に落とした試験管は床に落ちて割れてしまい、薬は床に染み込んでいく。
勿体なかったが薬はまだ瓶にたくさん残っている。早速新しい試験管に移し直すべく立ち上がろうとした。
しかしそれは叶わず、私は突如床に組み伏せられてしまう。すると今度は助手くんが私に馬乗りになっていた。
一体これはどういう事態だ。まだ薬は飲ませていないはずだが……!?
よく見ると彼はその手に縄を握り締めている。
まずい! 私を縛るつもりか!?
逃れることもできずに腕は後ろにまとめられ、両足も立ち上がれないように縛り上げられてしまう。
「くっ、解け! なぜこんなことを……」
床で身動きが取れない私を横目に、助手くんは私が持ってきた瓶を取りラベルを見る。
すると何を思ったのか、薬を試験管に移し始めた。
まさか薬の正体を知って自分で飲むつもりもあるまい。ということは、つまり……
「ま、待ってくれ。私が悪かった……もうイタズラはしないから、許してムゥっ!!」
顎を鷲掴みにされ、無理やり口を開けられる。助手くんはその僅かな隙間から試験管の薬を流し込み始めた。
甘い液体が私の口を満たす。すぐにでも吐き出したい所だったが、色付きの液体が白衣に付いて欲しくないと躊躇ってしまい、ついには飲み込んでしまった……。
じわじわと体温が上昇し、胸が疼く……。
薬の効果によってに私は強い性欲を覚え始めていた。
助手くんはこの液体が媚薬だと認識した上で私に飲ませた。縄で縛り、動きを封じてもいる。
するとこれから起こるであろう情事を想像し、私らしくもないことだが心臓が高鳴って抑えが効かなくなっていた。
やるなら……は、早くして……。
即効性の薬はあっという間に全身に回ってしまい、とても正常な思考ができない状態になってしまった。
もう我慢できない。彼の手であればどうにでもして欲しいと思った。何をしても良いから、この疼きを止めて……。
しかし助手くんは立ち上がったかと思えば扉の方へと歩いていく。
そんな……何も、しないの……?
「行かないで……はぁ……はぁ……ん、ううぅ……ッ」
残された私は、どうにもできない劣情を抱えて悶えるしかなかった……。
ぬ!@一次創作限定
2023-12-05 11:02:34 +0000 UTCユーリ
2023-12-04 21:46:47 +0000 UTC