↓前回「自縛するエスパー少女」
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人口の一割が超能力者と言われる時代に、その少女は国家最高峰とも言われる才能の持ち主だった。
念力、透視、瞬間移動等々、扱える能力は数知れない。そんな彼女でも唯一できないことあり、今日も悩みの種を解決する方法を考えていた。
「自分で自分を縛るのは簡単なんだけど、その気になればいつでも抜けられちゃうんだぁ。はぁ、本当の意味で縛られたい」
「そう言われましても……」
エスパー少女のぼやきを聞かされている相手は機関に在籍する者の一人で、非能力者ではあるものの優秀な管理能力で様々な指揮を担当する女性管理官だった。
女子寮に住まう超能力少女たちの面倒を見るのも管理官の仕事だが、以前の出来事がきっかけでエスパー少女の性癖を知る唯一の人間となってしまい、今ではよく猥談に近い話を聞かされる羽目になっていた。
「超能力なんか無かったら……でもそれじゃ縛れないし……ああんどうしたらいいの~!」
「せっかくの能力なんだから無ければなんて言わないで。そして使い方も改めなさい」
「ぶぅ」
頬を膨らませて拗ねる姿などは可愛らしい少女そのものなのだが、頭の中が少々残念なのが玉に瑕と思わずにはいられなかった。
「頭が残念なのが玉に瑕って思ったでしょ」
思考を読む能力まで持っているのがさらに厄介だ。
「あーあ、私もお姉さんみたいに縛られて絶望的な目にあってみたいな」
「何もいいことはありませんでしたよ。全身痣だらけにされて大変だったんですから」
「な、治してあげたんだから水に流してよ。ごめんね? ね?」
とは言ったものの、同じような目に合えばこの少女の考え方も変えらえるかもしれない。こちらがどれだけ痛い思いをしたか知らしめる術はないだろうか。
例えば心と体を入れ替える能力を持つエスパーに協力してもらうとか──
「私それできるよ! それだぁー!!」
また心を読まれたようだ。
「えっ、それ初耳なんですが……」
機関に在籍するにあたって彼女らが持つ能力の確認は怠っていないつもりだったが、どうやらまだまだ隠し持っている能力があるらしい。またよく確認しなければ……。
超能力少女の力により心と体の交換を終え、能力を使えなくなったことを確認したエスパー少女(体は管理官)はうきうきと隠し持っていた縄を取り出してきた。
「じゃあこれで縛って。ギューってキツめにしてね。ま、股縄も……」
「はいはい」
管理官は甚だ遺憾ではあるが、さっさと終わらせてしまいたいので言われた通りに縛っていくことにした。
エスパー少女の体の支配権を借り受けた状態ではあるが、自在に超能力を操ることはできなかった。緊縛は普通に手作業で行うことになる。
「そうそう、そこに縄を通して……あんっ! ハァハァ……ふふ、興奮しちゃう……」
「私の顔と声で変な反応しないでください!」
「あんっ!」
思わず手に力が入る。しかしエスパー少女(体は管理官)は苦しむどころか喜んでいるようだった。
「ああ、本当に自力じゃ抜けられない……これが本当の緊縛なのね……!」
──私は一体何をやっているのだろう。
縛られて何がそんなに嬉しいのか全く分からない管理官にとっては不可解極まりない行為でしかなかったが、エスパー少女(体は管理官)が楽しそうなので言わないことにした。
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2024-02-18 16:21:14 +0000 UTCユーリ
2024-02-01 15:51:23 +0000 UTCnyann
2024-01-29 14:38:50 +0000 UTC