~登場人物紹介~
名前:一ノ瀬さん(2年生)
その脚速はチーターに迫るとも言われている。
名前:三崎さん(2年生)
狡猾な作戦で泥棒を追い詰める。
名前:二宮さん(1年生)
警察官に憧れており、悪人を捕まえて牢屋に入れる妄想で毎晩興奮している。
学年混合ケイドロ大会の日がやって来た。
ケイドロとは警察役と泥棒役に分かれて追いかけっこする遊びのことである。一学期に一度行われるこの大会は全校生徒を巻き込んで大々的に行われていた。
ツインテールが特徴の二宮が息を切らして追いかけてくる。一学年上級生の一ノ瀬はその健脚で二宮を翻弄していた。
「ま、待って先輩……いや、どろぼう~……!」
「遅いおそーい!」
一ノ瀬にとってはジョギング程度の労力で逃げているのだが、足の遅い二宮ではとても追いつけない様子だった。
(ふふ、楽勝ね。さっさと逃げてどこかに隠れなきゃ)
背後の二宮が握りしめている縄へ視線を向ける。
もし警察役の生徒に触れられてしまうと逃走と抵抗を禁じられ、その場で縛られなければならないルールだ。
まだ大会は始まったばかり。今捕まってしまうとお昼までずっと縛られっぱなしになってしまう。
(いつかは捕まるのかもしれない。でも今は逃げるんだ)
他の警察に見つかって挟み撃ちにでもされたら脚の速さだけではとても逃げ切れない。困った事態に陥る前にスピードを上げようとした時だった。
「はい、お疲れさま」
校舎の角を駆け抜けた瞬間、右肩が誰かに触れられる。
「げっ、三崎!」
相手はクラスメイトの三崎だった。
「二宮ちゃん、一ノ瀬ちゃんを捕まえたわ。ナイス誘導よ」
「えへへ。三崎先輩の作戦通りでしたねっ」
その会話を聞いて一ノ瀬はすぐに状況を察した。
息を切らしながら一ノ瀬を追いかけていた二宮は囮だったのだ。後ろから迫る二宮を意識している間はどうしても前方が不注意になる。三崎はその隙を突ける位置の物陰に身を隠し、追い込んだ泥棒を捕まえられるように待機していたのだ。
「ううっ、悔しいっ……!」
警察にタッチされた泥棒は抵抗してはならないルールのため、もう逃げ出すことはできなかった。
「じゃあ一ノ瀬ちゃんを逮捕しましょう」
「はーい! 一ノ瀬先輩、覚悟してくださいね~?」
縄を構えた二人が一ノ瀬に迫る。
ギチッ ギチッ
自分の上半身を縛る縄が音を立てている。
「ちょっ、変な風に縛らないでよ!」
わざと胸を強調するような縛り方をされてしまい、絞り上げられた自らの乳房を見て一ノ瀬は頬を赤くする。
「いいじゃないですか。縛られた先輩可愛いですよ? ふふっ、ふふふふ……」
「一ノ瀬ちゃんは縄映えするね~。お昼になったら写真に撮りましょ」
「やーだー!!」
恐ろしい計画を耳にした一ノ瀬は力いっぱいに身をよじらせる。縄が音を立てるばかりでとても縄抜けできそうにはない。
(ううぅ……いつか復讐してやる……)
牢屋として指定された場所まで運ばれる間と、牢屋に閉じ込められている間もずっと、一ノ瀬は恥ずかしい縛り方をされた体を隠すこともできず制限時間を待ち続けるしかなかった。
かし
2024-04-20 11:19:56 +0000 UTC