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着ぐるみ配信サイト【ファンフェアチャンネル】 Side Story ~ 水稀 Side ~ 【後編】

※こちらは後編になりますので、前編から先に読んで頂けると幸いです。 ・・・ そして次の配信日を迎えた。 「みなさん、こんばんわ~~~!!今日も【ファンフェアチャンネル】始まるよ~~!!」 いつも通りのセリフで今日の配信が始まった。 「はい、皆さんこんばんわ!ファンタジーフェアリーの赤い閃光【エンカ】で~す!」 本当にいつも通り…。 しかし、いつもと違う事が一つだけあった。 「ん!?どうしたのみんな??なんか疑問があるの??」 「あっ!?私の自己紹介の事??…そうそう、【稲妻】が不評だったので、また【閃光】に戻しました!…ん!?…え!?…そこじゃない??」 「あっ…そうか…みんなが疑問に思ってるのは、私【一人】だって事か~~」 「そうだよね~。いつもはシズクと二人だから、みんなも疑問に思うよね。ふふ~ん…それじゃあ、シズクがどうしてるか教えちゃうね」 ひたすらに、真琴の声だけが私の耳に届いてくる。 しかし、相方の亜矢の声は一切無い。 「シズクがどこにいるかっていうと…ジャジャ~ン!!ここで~す!!」 恐らくカメラは私を捉えたのだろう。 そう…私は今、【袋の中】に閉じ込められている。 着ぐるみを着たまま、その上から袋を被せられ、袋詰めにされた状態で、さらにベルトで拘束され自由を奪われているのだ。 視界は全く無い…。 外の景色は見えず、外で何が行われているかは全く分からない。 私が外の状況を把握するための情報は、【音】。 つまり、真琴や亜矢の声、そしてその他の音から感じるしかないのだ。 呼吸は出来なくはないが、やはり着ぐるみのマスクの上から袋を被せられているので、しやすいとはいえない。 体はベルトにより拘束されているので、モゾモゾと動くくらいの動作が限界。 見えない動けないこの状況、私には逃げも隠れも出来ない…既に他の三人の思うがままの状態なのだ。 「え?シズクはどこかって??ん~…だ・か・ら…この中にいるのがシズクで~す!!」 「まだ、みんな信じられないの??じゃあ、シズクがなんでこうなったか、今日の【やってみた】の映像いってみよ~!!!」 そして、いつも通りやってみたの映像に切り替わったようだ。 ・・・ 「は~い!今日の【やってみた】のコーナーで~す!」 そこにはエンカと私の二人が映り込んでいる。 (うぅ…なんで…また…) カメラに正面を向かずにモジモジとしていると、エンカが言葉をかけてきた。 「ん?どうしたのシズク??」 「あ…あの…エンカ…な…なんで、私はこの格好なの??」 「あっ?それ?前回のお便りのコーナーで、すっごい好評だったので、今日もシズクにはスクール水着で登場してもらいました~」 そう、私は再び、前回のようにスクール水着を着せられて、カメラに撮られているのだ。 状況は変わらない…。 乳首もワレメも分かってしまうスクール水着。 (うぅ…恥ずかしいよぉ…) なんとか両手で、その部分を隠しながら演技をする。 「そ…そう…好評だったの??」 「うん、とっても!」 「で…でも…ちょっと恥ずかしいな…」 「恥ずかしがらなくてもいいよ。シズク、めっちゃ可愛いし。それに、今日は外じゃないから、人目にもつかないしね」 「そ…そう…しかたないな…」 (仕方なくない!!!もう…亜矢ぁぁぁ) 中身の私の恥ずかしさなど関係ないといった声の主達の会話。 しかし、私は亜矢の声に従うしかないのだ。 今日の撮影場所は、倉庫のような広い建物の中。 殺風景だが、邪魔するものも、他人もいない場所だ。 「って事で、今日のやってみたのお題だけど…それは…【袋詰め】です!」 「ふ…袋詰め???な…何それ??」 (袋詰め???何の事??) 全く聞いた事のないフレーズ。 使われるとしたら、お菓子の袋詰めとかだろうか? それが【やってみた】とどう繋がるのかが想像が付かない。 すると、脇から写真つきのフリップが、黒い手によって差し出された。 「え…っと…【袋詰め】というのはこういう感じの事!」 すると、エンカが手渡されたフリップをカメラに向けた。 (ん?何?私も見よっと…) そして、私は横に回りこみ、そのフリップを覗き込んだ。 (ん??な…何…???これ…人??じゃ…じゃないよね??) あまりの不思議な光景に、理解が追いつかない。 「ん??えっ??これ…人が入ってるの??」 亜矢が私の疑問を言葉にするように質問した。 「そうそう、これは中に人が入ってるんだよ」 (ひ…人が!?) エンカが持っているフリップには、一本の棒のように布に包まれたものが写っている。 その中身が人間だと言うのだ。 足先から顔まで、完全に布に覆われ、そして身動きが取れないように、節々にロープにより縛られている。 首、胸の上下、太腿、脹脛、それらをロープで絞られているせいで、体のラインがはっきりし、中身が女性だという事が伺えた。 (え!?ほ…ホントに…この中に人が入ってるの??) あまりにも非日常的な絵面に、まだ真実味が沸かない。 「へぇ…な…なんか…凄いね…これ…息とか出来るの??」 「布だから、大丈夫だよ。ゴムとかビニールだったらやばいと思うけど」 「ふ~ん。…で…今日の【やってみた】がこれって事は…やっぱり、これをどちらかが体験するって事…かな?」 (え!?) 「ご名答!さすがシズク、理解が早い!」 「うぅ…本気かぁ…」 その会話に嫌な予感しかしない。 「ってことで、それじゃあ…早速。シズク、手を後ろに回してくれる?」 「後ろに…って!?なんで私がやることになってるの!!」 (!?や…やっぱり私!!!なんで私なのよぉぉぉ!!) 亜矢の声に合わせて、私も猛抗議する。 「そのためのスクール水着じゃん。縛りやすいし、包みやすい」 「えぇ…そんな~」 (な…何を…言って…) 「それにリスナーからも、シズクにやって貰いたいって意見があったし(嘘)」 「うぅ…リスナーから…。そっか…それじゃ仕方ないか」 (えぇっ!!!) 私の【声】が仕方がないと言ったのに、私のリアクションは驚きを表すものだった。 (し…仕方なくない!!仕方なくないよぉぉぉ!!!) しかし、声の主は無情にも素直に受け入れる。 「分かった…頑張るね」 「よしよし」 (分かった…じゃ…なぁぁぁぁい!!こらぁぁ!!亜矢ぁぁぁぁ!) と、心の中では抗議するものの、やはり私は着ぐるみの中身。 声の主のいう事には逆らえないのだ。 (うぅ…や…やるしか…ない…よね…この流れ…。うぅ…袋に閉じ込められるの…) 結局、私はそれを受け入れるしかないのだった。 だって…私は着ぐるみの【中身】だから…。 スーツアクターなんだから…。 私は渋々と、立ったまま背中を向け、手を後ろで組んだ。 「それじゃあ…手はこの道具で拘束しちゃうよ」 エンカの手にあるのは両手を纏める為のベルトのようなもの。 後ろに組んだ両手を横向きに揃えるよう促され、そのベルトのようなものを付けられる。 すると私の両手は、背中側で折り曲げ組んだ状態で拘束された。 「どう?動かせないでしょ??」 (うっ…ホントに動かせない…) 両手を動かそうとしてみたが、見事に私の手の自由を奪っている。 「う…うん…動かない…」 「それじゃあ、次は足ね」 すると、エンカは渡されたベルトで、私の膝と足首をそれぞれ、一纏めに縛りあげた。 (あっ…足が…全然開かない…) 「これでもう歩けないね」 「う…うん…足も…全く開かない…」 これによって私はまともに歩く事も出来ず、そこから体勢を変える事すら容易ではなくなった。 「さあ、メインの【袋詰め】に行くよ!その前にっと…シズクにこの髪飾りをつけてっと…」 何故か真琴が渡して来た髪飾りを付けられる。 (ん?なんで髪飾りなんてつけるの??) その疑問など関係なく、作業は進んで行く。 「それじゃ、袋…いきま~す!」 そして、取り出された大きな長い袋を、私の頭のから被せ始めた。 (うわっ…いきなりっ!!まだ、心の準備が!!!えっ…!?な…何も見えない…) ゆっくりと袋が足の方まで下ろされていった。 すると私は全身を袋で覆われ、外の景色が一切、見えなくなった。 「それじゃあどんどん行くよ!」 もう、外の状況は見えない。 私が把握できるのは、聞こえて来る【声】と【音】のみ。 (うぅ…ちょ…ちょっと怖い…よぉ…) 視界を奪われ、何をされるか分からない怖さが込み上げてくる。 すると、私の首付近が何かで縛られる感覚があった。 (うわっ…く…首に…何か巻かれてる…) どうやら袋の上から、首の付近を縛られたようだ。 首に巻かれたものは、首を絞めるという程のきつさはなく、呼吸が出来ないという事は無い。 しかし、マスクの中の空気は一気に篭った感じがする。 とはいえ、さっき真琴が言った通り、ゴムやビニールではないので、空気が抜けないという事はなさそうだ。 「どう??息は出来る??」 (う…うん…なんとか…) 私は軽く二回ほど、頷いた。 しかし、亜矢の声は入らない。 普段なら今のリアクションにも声を当ててくるはずだが、そこに反応がなかった。 袋に包まれた事で、亜矢の声は入れないという設定なのだろうか? だとすると、私の動きだけが意思表示になる。 となれば、肯定も拒否も私の意志が出せると言うことではないだろうか? 否…真琴も湊も、そんなに甘いわけは無い事を、私は良く知っている。 淡い期待はやめよう…。 「よし、じゃあ下も縛っていこうか」 そして、次々と袋の上から縛り上げられ拘束されていく。 胸の上部、胸の直ぐ下、腰、足の各所、何箇所も縛り上げられて行った。 袋の中でも既に拘束されている上、袋の外からも拘束される。 もう既にまともに動く事も出来なそうだ。 (うぅ…ホントに…完全に拘束されてる…) 「よ~し、じゃあこのまま寝かせて、足側の封を閉じれば、袋詰め完了だね。…黒子さん、ちょっと手伝って貰えるかな??」 真琴の声がそう言うと、四本の腕が私を捉える。 すると、突然、真っ直ぐ立っていた私を横に倒されたのだ。 (きゃぁっ!!な…何!!?) 全く見えていない状況、急に体を倒されるだけで驚いてしまう。 体を倒された事に驚いたが、体はその手に支えられ、ゆっくりと横になっていった。 そして、私は床に寝転ばされた。 「それじゃあ、袋の入り口を閉じてっと…」 すると、何やら私の足の方でゴソゴソと作業を進めるエンカ。 「よし!!かんせ~い!!【シズクの袋詰め】で~す!!」 どうやら私は袋の口を閉じられ、本格的に袋の中に閉じ込められたのだった。 「シズク!本当に入ってるって分かるように、ちょっと動いてみて!」 真琴にそう言われ、自らが動かせる最大で動いてみる。 (うぅ…ほ…ほとんど動けない…) 全力で動いてみたのに、まともな動きは出来なかった。 そこまで動きを制限された拘束に、少し恐ろしさを感じる。 「うん、いいよ!いい感じ!!」 (はぁっ…はぁっ…はぁっ…こ…これ…動くと…空気が…) 無理に動いたせいで、呼吸が乱れ、マスク内の酸素が薄くなった気がする。 ただでさえ、着ぐるみのマスクを被っているのだ。 普段から、マスクを被っていれば、普通の人より呼吸がしにくいのは当たり前。 それに加え、私のマスクは袋に覆われ、首の部分を締められることにより、マスク内の自由な空気は少ないのだ。 (はぁっ…はぁっ…はぁっ…く…苦しいよぉ…) 空気不足を感じて、肩で大きく呼吸をしてしまう。 しかし、苦しかろうが、私は声の主達に従うしかない。 多少の苦しさはアクターとして我慢するのが筋。 とはいえ、状況的に苦しい事を伝えようと私は袋の中、なんとか演技で外に表現してみた。 しかし、私の苦しさは外に伝わる事無く、話は進んで行く。 「さてここからだけど…私の部屋まで誘拐ごっこしま~す」 (ゆ…誘拐ごっこ!!?なな…何を…) 真琴のそのセリフに体がビクッとしてしまう。。 完全に拘束され、その言葉の不安から逃げる事は出来ない。 なんとか、やめて欲しいという私の意志を伝えようと体を動かすが、その動きはただただウネウネともがくだけだった。 (うぅ…なにされるの…いやぁぁ…) 「まずは車まで運ぶんだけど…黒子さん手伝って!私一人じゃ難しいから」 (く…車…!?運ぶ??) その言葉に疑問を抱いていると、頭側と足を二人に掴まれ、持ち上げられそうになった。 (いやっ!!やめて!なにするの!!) 最大限の出来る抵抗で、体をウネウネと捩らせる。 「ちょ…ちょっと!シズク暴れないでよ」 すると、二人の手は離れ私は、再び床に降ろされた。 (うぅ…助かったの??) そんな安堵も束の間、すぐにそれを打ち消す真琴の一言が入る。 「んもう…。あっ!?そうだ、持ち上げるのも誘拐っぽくないし、引きずっていこう!!」 (ひ…引きずる!?え!?そ…そんな…やめてぇぇぇ!!) 「それじゃ足の方を持って…っと。あっ…黒子さんもお願いね」 真琴の声を聞くに、今度は二人とも足の方に回ったようだ。 そして私は、足の方を引っ張られ、床を引きずられ始めた。 (いやぁぁぁぁ!!!) 先程と同じように体を捩らせ抵抗するも、今度は足を掴む手は離れない。 私が体を多少動かした程度では、引きずるには支障がないようだった。 そして私は袋に詰められ、拘束されたまま、床を引きずられていく。 (うぅ…足が…痛いよぉ…) 引っ張られる足に痛みを感じる。 しかしそれを外に伝える事は出来ない。 伝わった所でやめてくれるかも分からない。 つまり、私は引きずられながらも、ただ耐えるしかないのだ。 すると、暫らくして、小さな段差を通り抜ける。 (うぅっ!!痛い!!) 扉の部分にあるような小さな段差ですら、引きずられる私には痛みを感じさせる。 (うぅ…酷い…酷いよ…やめてぇぇ…) そして私は暫らくの間、その痛みに耐えながら、引きずられ続けたのだった。 ここで一度、カメラが止まり、シーンが変わる。 映し出されたのは駐車場。 そこには一台の車が荷室を開けて止まっている。 その車は、ワゴンではなく、トランクが座る空間と別になっているタイプの車。 しかし、その様子は視界を失った私には知るよしも無い。 「よいしょ…よいしょ…っと。到着~~」 どこか目的地に辿り着いたのか、ようやく引きずられるのが終わり、体が止まった。 (はぁ…はぁ…はぁ…苦しい…お…終わったの…) 引きずられながらも、体に力が入っていたので、呼吸が乱れる。 されるがままだったのに、私の体力はかなり消耗していた。 「じゃあ、ここにシズクの袋詰めをいれちゃいま~す」 (え!?入れる…??ど…どこに…) すると、今度は頭側と足を持たれ、持ち上げられた。 先ほどまでのような抵抗する体力は残っておらず、すんなりと持ち上げられてしまう。 【ドサッ】 (うぅ…なに…) 私は再びどこかに降ろされたようだった。 降ろされた私は少し体を丸め、様子を伺った。 「ん~…なかなか、犯罪感があってドキドキするね!」 (犯罪感…なにを…え…) 「さて、それじゃあ閉めま~す!それじゃシズク、暫らくバイバイだね!じゃあねぇ~~」 (え!?なに???) その言葉に不安を感じ、一瞬体を起こそうとした。 しかし、自由の利かない体では、何もする事は出来ない。 すると、聞いた事のある大きな音がした。 【バタン!】 (え!?い…今の音…く…車のドア…!?) 視界のない私にとって、音だけで状況を把握するしかなかった。 そして、そのバタンという音と共に、包んでいる布を通して薄っすら感じていた、外の明るさが無くなった。 (ドア…この暗さ…何?ど…どういう事…?) 暗い中、周りを確認しようと私は体をくねらせ動こうとする。 すると、動こうとしたすぐ先には四方八方に壁がある事が分かった。 どうやら、私は狭い空間に閉じ込められたようだ。 すると、エンジンが掛かる音がし、全体が振動し始めた。 つまり、私は車の中にいる…。 そして、この空間の狭さ…。 ドアの閉まる音…。 それらを考えると、導き出される答えは一つ。 私は車のトランクに入れられているのだ…。 実際にトランクのある車をマジマジと見たことはない。 しかし、映画などで拉致された人とかが、トランクつきの車のトランクにぶち込まれるのを見たことはある。 つまり、今の私は、その拉致された人と同じように、袋詰めにされたままトランクに入れられているのだ。 (うぅ…いやぁ…出して…苦しい…苦しいよぉ…) 暗闇の中、息苦しさが私を襲う。 しかし、私は今、誰とも接する事の無い、トランクの中。 ただただ、この中で運ばれていくのを受け入れるしかないのだった。 ※テロップ 【車の運転は、知り合いの人にお願いしてます】 そして、車は進み目的地へ到着する。 ここからは映像が撮られていない部分である。 車が止まり、トランクが開けられた。 【バンッ】 その音と共に、再び私の周りが明るくなり始めた。 (うぅ…やっと着いたの…) しかし、明るくなったとはいえ、私の視界はゼロである。 どこに着いたかも分からない。 すると、再び手で掴まれ、持ち上げられたかと思うと、車の外へと下ろされた。 今度は、なにやらの台の上に置かれたようだ。 「さっ…亜矢はすぐに編集、私と湊で部屋まで運ぶわよ」 声優としてではない真琴の声が聞こえた。 すると、ガタガタという振動と共に、私が移動し始めた感覚があった。 恐らく台車か何かに乗せられて運ばれているのだろう。 既に長時間袋詰めにされている私は、息も荒くなり、体力も消耗し、抵抗する気力も失っていた。 なので、されるがままに運ばれて行く。 暫らく移動が続いたと思うと、振動が無くなった。 どこかに到着したのだろう。 すると再び二人で持ち上げられ、私は床へと降ろされた。 外からは周りで歩き回る足音だけが聞こえる。 マスクの中には相変わらず自らの大きな呼吸音が響き渡る。 移動は終わったのにも関わらず、布で遮断された外界。 満足に空気は入って来ない。 私は体の動きを止め、呼吸だけに専念していた。 「よし、真琴、ここを切って」 湊の声が聞こえて来る。 外が見えないので、湊が今、湊としてそこに居るのか、それともエンカとしてそこに居るのかも分からない。 とにかく分かる事は、そこに湊と真琴が居て、何かをしようとしているという事だけだ。 【ドスッ】 「うぐっ…」 突然、お腹の上から圧力が掛かり、呻き声が漏れてしまった。 (うぅ…何…?…お…重い…) 「私が抑えてるから」 その声は湊の声、つまり、私の上に湊が乗っかって来たという事。 湊がお腹の上に乗っかったせいで、私は全くもって体を動かす事が出来なくなった。 (うぅ…重い…う…動けない…) すると、突然、私の陰部付近を触られる感触があった。 「んうっ!!」 つい変な声が漏れてしまう。 (あぅっ…そんなとこ…触らないで…) しかもその感触、それは袋越しではない、直接、私の肌タイツに触れた感触だ。 (…な…なんで…え!?…) 私は袋に包まれているはず、なのに直接肌タイツを触られている。 何故という疑問が生じる。 【真琴、ここを切って】 湊の先ほど言った言葉が頭に過ぎる。 (そ…そんな…まさか…) そう、恐らく私に被せた袋の、私の陰部付近を切り、穴を開けて中に侵入したという事。 侵入という事実に悪い予感がする。 そして、そこを触られた所で、袋詰めに拘束され、その上から湊に抑えつけられた私は、全く抵抗は出来ない。 すると、私の陰部付近を触っていた手が、コソコソと動き始めた。 「んんぅぅっ!!!」 カメラを回している訳ではないと思うが、本能的にキャラクターの中身として、声が出ることを我慢してしまう。 その手の動きは、私に快感をもたらそうとしている訳ではなさそうな動き。 しかし、その付近を触っているという事は、なにやらよからぬ事をしているのだろう。 すると次の瞬間であった。 「小さくね」 「分かった…」 湊と真琴の謎の会話。 【チョキン…】 その音は私には届かなかったが、その瞬間に、私の股間付近に新鮮な空気が感じられた。 (ちょ…ちょっと!!待って…え!?も…もしかして…) そのもしかしては正しかった。 私が危惧した次の瞬間、私の陰部に何者かが入り込んで来たのだ。 「んうぅぅっ!!!」 (あうぅっ!!んあっ…な…何ぃぃ?んうぅっ!!) その刺激に体が一瞬ビクつき、喘ぎ声が漏れる。 そう…私の危惧通り、先程の感覚は、私の肌タイツに穴を開けられ、私の生の陰部が外に露出したという事。 それを裏付けるように、全身を肌タイツに包まれていたらありえない、外部からの私への侵入があったのだ。 「水稀…可愛い…。いい反応…」 湊のうっとりとした声が聞こえて来る。 (ううぅっ!!何?何を入れたのぉぉ!?) そしてその私の疑問に答えるように真琴が言う。 「今ね、アソコにバイブを入れたから。それで今から、穴を開けた肌タイツを縫うから、動かないでね…水稀」 (バ…バイブ!?…ぬ…縫う!?) 「大丈夫、私が抑えてるから。それでも、ホントに動くと危ないからね、水稀」 湊がサラッとそんな事を言う。 どうやら、一度、鋏か何かで開けた、肌タイツの穴を、これから縫製して元に戻すという事らしい。 つまり、今から陰部付近で針を使われるという事。 (うぅ…こ…怖い…よぉ…) 「じゃあやるね」 真琴はそう言うと、私の陰部付近をゴソゴソと触り始めた。 分かっていても、何も見えない状況で、体の直ぐ傍で針を使われるという事に恐怖を感じる。 (うぅ…怖い…怖い…怖い…) 体に力が入り、ギュッと縮こまる。 その恐怖に怯えていると、あっという間に真琴がその作業を終わらせた。 「はい、オッケー。これで大体元通り」 「やるう~。さすが真琴。ついでに袋の方縫っちゃってよ」 「オッケー」 私たちの肌タイツはかなりピッタリと締まる素材とサイズ。 それに開けた穴は縫われ、再び元通りにされた。 つまり、タイツにより、私の陰部に挿入された道具は外に出ることはなくなったのだ。 そして、袋の方もあっという間に縫ってしまう真琴。 彼女の裁縫スキルの高さが伺える。 ともあれ、私は再び元の袋詰めへと戻されたのだ。 …違う事といえば、私の陰部に私を責めるための道具が仕込まれたという事。 「よし、じゃあ、亜矢の編集待ちね。湊どうする??一回脱ぐ??」 「そうだね~。一回マスクだけ取ろっかな。衣装はもう一回着るの面倒だから、このままでいいけど」 「うん、分かった」 どうやら湊はまだ、エンカを着たままだったらしい。 というより今の会話からするに、湊は一度マスクを取って休憩するようだ。 それに比べて、私はシズクの着ぐるみを着ながら、袋に詰め込まれ、拘束されて、更には陰部に道具を仕込まれている。 その私には休憩という選択肢は与えられない…。 (うぅ…酷い…酷いよぉ…) しかし、そうは思うものの、体を必死に動かして抗議したとしても、湊と真琴は何も答えてはくれないだろう。 むしろ、体を動かす事で、自らの呼吸を追い込むだけ。 だとしたら、このまま…袋詰めにされたまま、成り行きを待つ方がいい。 頭ではそうされる事を否定しているのだが、心のどこかで受け入れている自分がいるのだ。 「はぁ…はぁ…はぁ…」 私は体を動かす事をせず、ただただ袋の中で待ち続けるのだった。 何も見えない、どうする事も出来ない、呼吸は満足に出来ない。 その状況でただ待つ時間…。 それは恐ろしく長く感じられる。 しかし、私はただ待つしかない。 どれ位そのまま待っただろうか…。 突然、真琴の声が聞こえて来た。 「ってな訳で、シズクは袋詰めにされて、ここに運ばれてきた訳で~す!」 「ん??なになに??」 「え??映像が今日撮ったものじゃないんじゃないか?って??」 「いやいや、今日撮った映像だよ。それで、急いで配信に間に合うように編集してもらったんだよ」 真琴の声は声優モード。 そして話の内容からして、どうやらライブ配信が始まったようだ。 それに伴い、理解した事実。 今回の【やってみた】のコーナーの映像を撮った流れで、そのままライブ配信に至っているという事。 そして私は袋詰めのまま、ライブ配信に突入したという事だ。 「ん??なに?え?じゃあ…シズクはどの位、袋に詰められているかって??…う~ん…そうだなぁ…車で移動して、編集してだから…一位時間半くらいかな??」 (はぁ…はぁ…い…一時間半…そんなに…私…閉じ込められてるの…) 体感で分からなかった時間を言葉にされ、驚きを隠せない。 「あっ…そうそう!編集作業が終わるまでの間に、ちょっとシズクに悪戯をしちゃいましたぁ…ムフフフ…」 「何をしたかっていうと…シズクが抵抗出来ないのをいい事に、大切な所付近の袋を一回切って、穴を開けて…その中にバイブを仕込んじゃった!もちろん、動いても外れないようにガッチリ固定してね!」 (うぅ…言われると意識しちゃうよぉ…) 先程までは、袋に包まれ苦しい中、呼吸に専念していたが、陰部へ挿入された道具の事を口にされ、自らの陰部を意識してしまう。 「という事で、今日はお便りのコーナーはやめて、【シズクと遊ぼう!】のコーナーになります!!」 (え!?…シズクと…遊ぼう…) その響きに、悪い予感しかしない。 「でわでわ、早速、シズクと遊んじゃうね!」 すると、私の胸に袋の上から触る感触があった。 「んぅっ…」 突然の事に、つい小さく声が漏れてしまう。 私は胸が弱い…その事を分かり尽くした湊の手は脅威。 キャラクターの中身でありながら、一瞬、その脅威に声を出してしまった。 (んぅ…し…しまった…声が…) すると、その手が一度、離れていった。 (ん…どうした…の…) 普段の湊の行動から考えれば、一気に責めて来る気がするのだが、その手は離れ、何故か暫らく私は放置された。 すると、少し間があったかと思うと、次は両胸を触る感触が訪れた。 「んっ…」 (あぅ…来たっ…やっぱりぃぃ!!) やはりこれで終わるわけが無い。 湊の両手が私の胸を優しく揉みしだく。 その刺激に、体がビクッと反応してしまう。 そしてその手は、休む事無く私を責め始めた。 「んんぅぅ…」 (うぅぅっ!!んぁっ…ダメ…声が…声が…出ちゃう…) 必死に声が出ないよう我慢しているが、耐えられない声がうっすらと漏れてしまう。 声を我慢しているせいかもあって、体がその刺激に反応しウネウネと動き始める。 (あぅっ…ダメ…み…湊…ダメだよぉ…) そして、その手の動きは激しさを増す。 その動きに比例して、襲い来る快感も増し、私の体は高揚させられる。 弱い胸を刺激され、私の体は恐ろしく反応してしまう。 「んっ…んっ…んんぅ…ぅうっ…ぅ…」 (あんっ…ううぅっ…ぁっ…ぁっ…ダメ…んあっ…イっちゃ…う…) もうイってしまうのではないかと思うほどの所まで追いやられた。 しかし次の瞬間、その手は突然、私の胸から離れて行った。 (え!?…んぁ…うぅぅぅ…) イきそうになったところで、その刺激はやめられたのだ。 「んはぁっ…!はぁっ…はぁっ…はぁ…」 胸への責めのせいで、与えられた快感は私の呼吸を大きく乱す。 (はぁっ!はぁっ!はぁっ!く…苦しい…苦しいよぉ!!) 空気を取り込もうと、激しく呼吸をしても、私を包む袋が呼吸を阻害する。 ただでさえ、着ぐるみのマスクを被っているのだ。 空気の通り道は少ない。 その上から布に包まれているのだから、満足な空気が得られるはずは無い。 しかし、私は必死に空気を取り込もうと呼吸する。 「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」 そして必死に呼吸を整えようとしていると、ついに招かざるものが訪れた。 【ブゥゥゥゥゥン】 「んうぅぅっ!!!」 (あぅぅぅぅっ!!んあぁぁっ!!来たァァァ!) 今まで必死に声が出ないよう我慢してきたが、この刺激には耐えられず、つい大きな喘ぎ声が漏れてしまった。 「んぅぅっ!!ぅ…うぅ…んぁ…うぅ…」 (あぅっ…んうぅ…むりぃぃ…こ…声が…出ちゃぅぅ…) 陰部に与えられる刺激、この快感に耐えられず、声が漏れてしまう。 しかし、私は必死にリスナー達には気が付かれないよう、声を抑えるよう我慢しようとする。 (うぅ…声が…漏れちゃう…んあぁっ…でも…この…この大きさなら…んぅっ…湊にだけ…しか…あぅっ!!) 必死に声を抑えようとするため、体を動かす事で自らを誤魔化そうとする。 その体の動きが、自らの呼吸を荒げる事になるとしても、この訪れる快感に耐え、着ぐるみの中身として声を出さないようにするため、私はその選択をする。 「んぅぅ…んっ…ぅっ…んぅ…」 (んあっ…うぅっ…いやぁっ…やめてぇ…こ…声が…うぅっ…) 私は拘束された体をクネクネと動かし、なんとかこの責めに耐えようと、必死に堪える。 逃れる事は出来ない…。 その道具は私の中に仕込まれ、そして肌タイツによって出ることを許されない。 そして全身を拘束された私に、それを取り除く事も出来ない。 今の私に出来る事は、この陰部に与えられた刺激に耐え、スーツアクターとして声を出さない…つまり、自らがキャラクターの中身としてあり続ける事だけだ。 だから、私が出来る限り溢れ出る声も抑えるしかない。 (うぅんっ…あぅ…が…我慢…しなきゃ…んぅぅっ…あぅっ!) 私は必死にその刺激に耐えようとした。 しかし、その私に全く予想をしていない事態が訪れる。 【バサッ】 「んむぅっ!!」 (あぅっ…んぁっ!な…何…!?んぅぅっ…) 聞きなれた音ではあるが、何の音かは分からない。 しかし、湊や真琴がやっている事なのだから、私にとってはいい事ではないというのは理解できる。 私はとにかく、必死に頭を振り、せめてもの抵抗を見せた。 【ビーーーーー】 すると次に聞こえて来た音も、聞き覚えがあるが、何かは分からない音。 しかし、その音も私にとっていいものでは無いことだけは感じられる。 「んうぅぅぅぅぅ!!!」 (何!?んぅぅ…何を…してるの…あぅっ…今の…んぁっ…音は…!?) 湊達が行った行為が何かは分からない。 とにかく、【何か】をされた事だけは確かである。 そして、暫らくするとその行為の正体が分かり始める。 (はぁっ…はぁっ…はぁっ…く…苦しい…そ…外の空気が…) マスクの周りでシャカシャカと聞こえる音…。 そして、一気にこもり始めたマスク内の空気。 今までに無い、一気に襲い来る、恐ろしい程の苦しさ…。 …私の呼吸は、外と繋がっていない…。 この苦しさとその音から考え、その答えに辿り着く。 この音…聞き慣れた【ビニール】の音。 そして、マスク内のから外界に出て行かない空気。 それから導き出された私の今の状況…。 それは、マスクの上…マスクを包み込む袋の更に上から、ビニールで包み込まれ、私の呼吸は完全に遮断されたという事…。 「んぅぅぅっ!!!んうぅっ!うぅっ!!」 (あぅっ…く…苦しいっ!苦しいっ!い…息が…息が出来ないっ!!) あっという間に激しい苦しさに包まれ、必死に頭を振り動かす。 その間も引き続き、陰部への責めは続けられている。 その苦しさに重ねて襲い来る陰部への刺激。 危機的状況に陥っているせいか、その刺激が更に大きくなっているようにも感じられる。 「うううぅぅぅっ!!うううぅぅぅうっ!!ううぅぅ!!!!」 (あぅっ!んぅっ!苦しいっ!!息がっ!息がっ!あうっ!んあぁぁぁ!!) もはや声を我慢するどころではない。 自らの生き死にがかかり始めたのだ。 私は必死に頭を振り、ビニールをとって欲しいと懇願する。 (息がっ!息がっ!んあぅっ!!死…死んじゃうっ!死んじゃうっ!!んむぅっ!!) しかし一向にビニールを外してくれる気配がない。 私の呼吸は限界を向かえ、私の脳裏に本気【死】の予感が過ぎる。 「ううぅぅぅっ!!うぐぅぅ!!ひぐっ…ううぅうぅぅぅぅぅぅぅ!」 (もうムリっ!!もうムリっ!死んじゃうっ!死んじゃうよぉっ!いやぁぁぁ!!助けて!タスケテェェェェ!!) 死を予感する恐怖。 呻き声に泣き声が混ざる。 ビニール袋の下、袋に包まれた着ぐるみのマスクの中で、自然と涙が溢れ出る。 (いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!) 絶叫じみた声が出てしまった直後だった。 【ベリベリ…バサッ】 「うぅっ!!ん…んはぁっ!!はぁっ!はぁっ!はぁっ!はぁっ!」 (えっ!?あ…空気が!空気が入って…くるっ!) ビニールを剥がす音が聞こえたと思うと、先程まで全く入ってこなかった空気がマスクの中に入って来た。 私は必死に空気を取り込む。 (空気!空気!空気!空気!!!) 袋詰めにされた状態では満足に空気は入って来ない。 しかし、私は可能な限り取り入れられる空気を必死に取り込む。 (はぁっ!はぁっ!はぁっ!生き…生きてる!!生きてる!) 呼吸が出来て、自分が死んでいないという実感が沸いてくる。 必死に空気を取り込んでいると、私の陰部に仕込まれたバイブが動きを止めた。 「んむぅ…!はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」 (んあっ…と…止まった…とにかく…空気を…) そして暫らくは、私は空気を取り入れることに専念した。 少し呼吸が落ち着いた所で、先程の恐怖が再び蘇ってくる。 「はぁ…はぁ…ぅ…ぅぅ…」 (うぅ…し…死んじゃうと…思った…苦しかった…怖かったよぉ…) 激しい呼吸の間に泣き声のようなものが混じる。 涙と鼻水が止まらない。 私は体で呼吸をしながら、その場に転がっていた。 すると久しぶりに、真琴の声が入った。 「あれ??おかしいな??なんかシズクの声と違う声がしたんだけど…。ん~…【髪飾りのマイク】からかなぁ~??」 (え!?マ…マイク!!??) その言葉を聞き、体がビクッと反応してしまう。 (ど…どういう事…か…髪飾りのマイクって…!?そういえば…袋詰めにされる前に…湊に髪飾りを付けられた…。…え!?…あ…あれが…マイク!?) 真琴のそのセリフに困惑する。 すると、すぐ近くから突然、エンカの中身の湊自身の声が聞こえて来た。 「水稀の声、マイクで拾ってるから、配信中って事だよ…」 (え!?み…湊の声…。は…配信中って…。髪飾りのマイクで拾われた声が…配信されてたって…事?) 「さっきの気持ちよさそうな声も…ね…」 (え!?…そ…それじゃ…さっきまでの声も…配信されて…) マイクは袋詰めされたその中、着ぐるみのマスクに仕込まれている。 つまり、私が中身として必死に我慢し、こぼれ出てしまった声も拾われていたのだ。 私が小さく上げた喘ぎ声も、全て聞かれていたという事になる。 (うぅ…そ…そんな…あぁ…いやぁ…恥ずかしいよぉぉ…) 更には、それを知らされてしまった以上、ここからの声もネットに曝されるという事なのだ。 すると真琴の悪魔のセリフが入る。 「さてと…コーナーはまだ終わりじゃないよ」 (うぅ…いやぁぁぁ…) そのセリフに恐怖を感じ、グッと体に力が入る。 そして、悪魔の声と悪魔の着ぐるみが、私に襲い掛かったのだ。 再び聞こえて来るビニールの音。 この音からするに、また私の呼吸は止められる事が想像できる。 (いやっ!!やめてっ!苦しいのはっ…もういやぁぁぁ!!!) 必死に頭を振って、抵抗する。 しかし、頭を振るだけの抵抗では、何の意味も持たなかった。 すぐに湊は私の頭部を捉え、再びビニールを被せてくる。 【バサッ】 (いやぁぁぁ!!やめて!!やめてぇぇぇ!!) 必死に頭を振り抵抗するも、既に私の頭部はビニールに覆われてしまった。 【ビーーーーー】 テープを引き伸ばす音、そして直ぐに首の回りが締め付けられる感覚が訪れる。 (あぁっ!!いやぁぁぁ!!) あっという間に、私の頭部は再びビニールに包まれ、テープで固定される事で、空気を遮断されてしまった。 先程と違い、声は出さずに必死に頭を振って、やめて欲しいと懇願する。 声は、マイクに拾われている。 小さな声すらも出すわけにはいかないのだ。 そして、必死に体を動かす事で、逆に自らを苦しめる。 体を動かし、呼吸が荒くなる事で、一気にマスクの中の酸素が足りなくなり始めた。 (うぅ…苦しい…や…やばい…も…もう…こんなに苦しく…) 「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」 声は出していないが、必死に呼吸音は止める事が出来ない。 すると、再び悪魔の声が聞こえて来る。 「さてと、じゃあ、これもいっちゃおうかなぁ♪」 (これ!?えっ…いや…む…ムリだよぉ!やめてぇぇぇ!!) 予測はしていた…しかし実際にこの苦しさで陰部を責められるのは、かなり追い込まれる。 しかし無情にも、そのスイッチは入れられた。 【ピッ】 「んうぅぅぅぅぅっ!!!!」 (あぅぅぅぅぅぅ!!!!むりぃぃぃ!!) 拾われているのが分かっているのに、我慢出来ずに声が出てしまう。 「んうぅぅんっ!んっ…んあっ!!あぁぁ!!」 呼吸を制限されているせいか、快感が大きくなる。 そして、先ほど襲ってきた窒息という恐怖が、私を追い込み、快感による声を抑えきれなくなっていた。 (あぅっ!んんうぅっ!ムリィィ!!た…耐えられな…あぅぅっ!!!) 苦しい上の快感、それに私は耐えられなくなっていた。 そして、追い討ちをかけるように、私の胸を湊の手が捉えてくる。 「んあぁぁぁっ!!あんっ!!んぁっ!うぅっ…んはぁっ!!」 (いやぁぁぁぁ!!!むりぃぃぃぃ!!!苦しい!!ダメェ!そこは!んうぅっ!!) この状況で襲い来る胸への刺激。 その刺激は、さらに私の心と体を高揚させ、一層、呼吸を荒立たせ、空気を奪っていくのだった。 直ぐに頭部の中の空気の限界を迎える。 「んぅ…はぁっ!はぁっ!!うぅぅぅぅうっ!!はぁっ!はぁっ!」 (うぅぅっ!ムリいぃ!!苦しい!苦しい!息が…息が!!んあぅっ!そ…そっちもムリィィ!!) 苦しさに頭を必死に振り続ける。 そして体は快感に耐えようと、ウネウネと動かし続ける。 どんなに苦しかろうが、拘束され自由を奪われた私には、ビニールと取ることは出来ない。 そして陰部の刺激からも逃れる事は出来ない。 出来るのは必死に懇願しながら、頭を振り、体をくねらせるだけなのだ。 呼吸を制限され、苦しさに追い込まれたせいか、快感がいつもより増幅している。 呼吸が出来ない苦しさが私を襲う…。 そして、被せるように、耐えられない程の快感も私を襲う…。 その二つが重なり、私の思考はそれらに完全に支配された。 「あぅっ!!んぁっ!!も…もう…ムリ…んっ…く…苦しい!苦しいよぉぉぉ!!」 そして限界を迎えた私は、自然と【言葉】を発してしまった。 着ぐるみの中身であるのにもかかわらず、中身の人間の声を…言葉を発してしまった。 そう…私はその事実が飛んでしまうほどに、追い詰められ、生き死にの境まで来てしまったのだ。 (息がっ!!息がっ!!もうムリっ!死んじゃう!!死んじゃうよぉぉぉぉぉ!!!) 言葉をも発して、必死に頭を振り、ビニールを取って欲しいと懇願する。 しかしそれでも、ビニールをとってはくれない。 限界を迎えた私は更に激しく動く。 動くといっても、袋詰めにされて拘束された状態。 イモムシが転がるように暴れるだけである。 「苦しいっ!!苦しいっ!!んぁうっ!んぅ…ムリぃ!!もうムリぃ!!」 (死んじゃうっ!!苦しい!んあぅっ…そっちもムリィィィ!!なんか…なんか来るゥゥゥゥ!!) 苦しさと恐ろしい程の快感、それらで頭の中がグチャグチャになり始めた。 窒息して死んでしまいそうな苦しさに恐怖を覚え、再び溢れ出る涙。 「んあぁっ!ムリィィ!!もうムリムリムリムリィィィィィ!!んむぅぅぅぅっ!」 私の声は泣き声交じりの叫びとなり始めた。 それでも、私はそのまま放置される。 どんなに叫んでも、私の声は届かない。 「はぁっ!はぁっ!んぁうっ!いいいいやぁぁぁぁぁ!!とって!とってぇぇぇぇ!!」 (死ぬぅぅ!死んじゃうっ!息がっ!息がっ!あうぅぅっ!!頭があぁっ!!) もう全てが限界だ。 私は必死に頭を振り、叫び、助けて欲しいと懇願する。 もう取り込める空気が無い…。 そして襲い来る快感は、私の思考を壊していく…。 そして…呼吸と思考の本当の限界を迎えた…。 「んあぅっ!!ぁっ!いやぁっ!!ムリぃ!!もうムリぃ!んぁっ…た…助けて…タスケテェェェ!!!タスケテェェェェェェ!!!イィィィィ!!」 (イヤァァァァァ!死にたくないぃぃ!!タスケテェェ!あぅっ!!くるっ!くるっ!くるゥゥゥゥ!!!) 頭の中がグチャグチャになり、自らの口から出る言葉もよく分からなくなっていた。 そして、極限の苦しさの中、襲い来る快感に私の頭は蹂躙された。 「んあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!…ううっ!!」 (イイイイイイクゥゥゥゥゥゥゥ!!!!…ンアッ…) 体がエビぞりのように跳ね上がり、空中で停止する。 私は苦しさの中、絶頂を迎えた…。 (…ぁ…ぁ…ぁ…ぁ…) 苦しさも何もかも、その一瞬で私の中から抜け出ていった。 全てが抜け出ていき、空っぽになった気がした。 私はどうなったのか…。 もうそんな事はどうでもよくなっていた。 全てが抜け出ていく事で、全てから開放されたのだ。 そんな思考すらも薄っすらとなり消えて行く…。 そして私はそのまま意識を手放した…。 そして、そのまま崩れ落ちるように、床へと転がったのだ。 (…ぁ……ぁ………ぁ……………ぁ……………) ・・・ 「…シズク!シズク!シズク~~~!!」 何やら遠くで叫ぶ声が聞こえる。 (…誰?…シズクって…) (…誰を…呼んでいるの…) (…私は…何をしているの…) 「シズク~!!シズク~~~!!」 再び遠くから誰かを呼ぶ声が聞こえる。 (…シズク…シズク…シズク…) (…シズクは…私…私はシズク…) (…私を…呼んでいるのね…そう…私を…) 自らをシズクだと認識した瞬間、体がビクッと動き、意識が戻ってくる。 (…ぁ…わ…私…あ…い…生きて…る…) そして私の視界にエンカが映り込む。 (あ…エンカ…ぁ…あれ…なんで…私…寝てるの…) 思考がはっきりしない。 自分が生きているという確認をした。 しかし、なんで自分が生きているかどうかの確認をしたのか分からない。 ただ、なんとなく自らが生きていると分かり、ホッとした。 しかし、今の状況が飲み込めない。 体が動かない…。 何かが抜け出てしまったかのような体…。 私は仰向けで、マスクの覗きから見える景色をボーっと見つめていた。 すると真琴の声が聞こえて来た。 「ってことで~~~!袋の中身は本当にシズクだったでしょ??さて、これで今日の配信は終わり!!また次も楽しみにしててね~~!!まったね~~~~!!!」 (配信…あれ…私は…今日は出演してない…の…) 真琴の声は【今日の配信は終わり】と言った。 という事は、今までライブ配信が行われていたという事。 頭が回転しない…私は何をしていたのか…。 分からないが、とにかく配信は終了したと言うのが事実。 (…まぁ…いいか…) 色々考えようとしても、全く答えが見えてこない。 体も全く力が入らず、動ける気もしない。 私はもう答えを探す事をやめ、何も考えず、【このまま】いる事を選んだ。 すると、私の視界にエンカが映り込んできた。 (ん…エンカ…どうしたの…?) 私を上から見下ろすエンカの着ぐるみ。 その着ぐるみのマスクからは、見覚えのある雰囲気が醸し出されている。 表情の変わらない着ぐるみのマスク。 しかし、そのマスクから表現される表情を私は知っている…。 (あ…ぁ…み…湊…そ…その顔…その顔は…!?) その表情、それは私を獲物と定めた、ハンターの表情。 (ぅ…ぁ…そうだ…そうだ…私は…私は…あぁぁぁぁぁぁ!!!) その表情が、私の記憶を呼び覚ます。 先程まで、私が何をされていたか…。 私がどういう目に会い、どのような思いをしたか…。 それが全て私の脳裏に蘇ったのだ。 そして、その表情をしたエンカが私に近寄る。 後ろには黒い全身タイツに身を包んだ二人組みを引き連れながら…。 (ぁ…ぁ…ぁ…そ…そんな…ぁ…) すると、真琴の声ではなく、中身の湊自身の声が聞こえて来た。 「さてと…【シズクと遊ぼう】の配信は終わったから、ここからは【水稀と遊ぼう】の時間だね…」 (いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!) -----------------------END--------------------------

着ぐるみ配信サイト【ファンフェアチャンネル】 Side Story  ~ 水稀 Side ~ 【後編】

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