※pixivの【プラネットイーターのお仕事】の後のお話となります。 本編をお読みになった後、こちらを読んで頂ければ…。 本編前提なので、省略してる所もあるかもしれませんので…(著者が気が付いていないところで…) -------- 「こんにちは!ご無沙汰してます!!」 私は元気に挨拶をしながら、スタジオへと入って行った。 「おっ!【沙耶(さや)】ちゃん、久しぶり!」 そう返事を返してくれたのは、撮影スタッフの方。 「ホントに久しぶりです。私なんか覚えていてもらえるなんて、嬉しい限りです」 「まっ…そりゃ、色々あったからな。強烈に覚えてるよ」 「んもう…。ホントにあの時は、色々ありましたから…」 「んっ?隣の彼は…彼氏さんかな??」 私はそう言われ、隣に立つ【誠(まこと)】に目を向けた。 「え…えぇ…じ…事務所の先輩なんですけど…か…彼氏です…」 照れながらも、本当のことを口にした。 「ハハッ…照れるな照れるな。って…同じ事務所って事は、彼もスーツアクターなのか?」 すると、誠さんがスッと一歩前に出て口を開いた。 「は…はいっ。大城誠と言います。スーツアクターをやらせてもらってます」 「そっかそっか。じゃあ今日は二人で見学していきなよ」 「はいっ!ありがとうございます!」 私たちが見学に来たのは、【プラネットイーター ネクスト】という映画の番宣番組の撮影現場。 そう…プラネットイーター…それは私が前作の番宣番組で、色々と大変な目にあった映画。 その続編の作品である。 前回と違い、今回は番宣番組は一度きりらしく、今日だけの撮影となる。 撮影スタッフさんたちは、ほぼ同じメンバーで構成されていて、今回、私は中身として出演するわけではないが、スタッフさん達に、是非見学においでと言われて顔を出したのだ。 最後に酷い目に合った作品なので、苦しい思い出となっているが、それはプロデューサーの【五十嵐(いがらし)】さんが悪いだけで、撮影スタッフは皆、いい人ばかりだ。 そのスタッフさん達に声をかけてもらったので、ここに来たのである。 前回の作品では酷い目にあったが、悪い事ばかりでもなかった。 私は横に立つ誠さんに目を向けた。 そう…誠さんと私が付き合う事になったのも、その作品があったから。 それまで誠さんが付き合っていた、【五十嵐 杏奈(いがらし あんな)】さん。 私の事務所の先輩であり、前回、私が大変な目にあった元凶。 そして、プロデューサー五十嵐さんの娘である。 しかし、付き合っていたと思っていたのは周りや私達だけで、実は、後から聞いた話、杏奈さんが一方的に付きまとっていただけで、付き合ってはいなかったらしい。 誠さんは優しいので、そんな杏奈さんも邪険にせず、接してきたのが、周りから勘違いされていた。 そして、結果、あの作品の後、私と誠さんはしっかりと付き合う事になった。 まあ…性癖の一致もあったのだが…。 私は着ぐるみの衣装を着たまま責められる事に快感を感じ、誠さんはそれを責める事に快感を覚える。 そんな二人の変態的な性癖の一致だ。 まあ、そこは置いておいて、とにかく今日は中身としてではなく、一観客としてここにいる。 気が楽といえば、気が楽だけど、実際、中身をやってみたいという願望もあるのも事実だった。 すると、今回のプラネットイーターが扉から入って来た。 「あっ!あれが今回のプラネットイーターか…」 前作と同様、全身をゴムのような素材で包まれていて、女性感がたっぷりでるモンスター造型。 もちろん全体的なデザインは違うが、私の時との大きな違いは、えらくがに股で歩いている事と…胸が大きい事だ。 (うぅ…なんだか…私の胸が小さいと言われているようで…屈辱…) すると、誠さんがその造型を見て、直ぐに言った。 「うおっ…胸…でかっ!!」 誠さんのそのリアクションにショックを受ける。 「も…もう!誠さん!私だって、今見た瞬間、そう思ってショックを受けてたのに…。あんまり、そこを口に出さないで下さいよ!」 「ゴメンゴメン。そういうつもりで言ったわけじゃないから。それに、俺…胸って大きくない方が好きだし」 そう言って、私の胸に視線を向ける誠さん。 つられて、私も自分の胸に目をやる。 「うぅ…嬉しいのやら…悲しいのやら…」 「まぁ…まぁ…」 「どうだ?あれが今回のプラネットイーターだ」 撮影スタッフの方が、私たちに自信満々に質問した。 「さ…さすが、皆さんの造型ですね。海外にも引けをとらないと思いますよ」 「だろだろ?」 鼻高々な撮影スタッフ。 「ところで、今回のプラネットイーターはずいぶんと、がに股な演技なんですね?」 「あ?あれ?あれ、演技とかっていうより、あの衣装着ると、ああなるんだよ」 「え??そうんなんですか?」 「そう…デザインの時点で、あの状態でデザインが完成したから、着ぐるみの衣装も、股の辺りから真横に足が生えているんだよ。だから閉じようとする方が大変なんだ」 「へぇ…そうなんですね…」 (中のアクターの人、大変だろうな…) 常時、がに股でいなければならないのは、かなりきついと思う。 (ある意味、私の時は普通の人型でよかったなぁ…) すると、プラネットイーターが私たちの方に近づいてきた。 「お疲れ様です!」 私は中身の人に聞こえるよう、大きな声で、視界が悪いだろうからと、分かりやすいように大きく頭をさげ、挨拶をした。 すると、プラネットイーターは私達二人の方を見た瞬間、ピタリと動きを止めた。 少しの間、止まっていたプラネットイーターだったが、再び動き始め、無言で私たちの前を通り抜けていった。 (役作りかな…リアクションくらいあってもいいと思うけどな…) 私がやっていたときは、衣装に包まれれば、アテンドの杏奈さんの前意外、もちろん声は出さなかった。 しかし、撮影スタッフや関係者に挨拶されれば、喋らないものの、リアクションだけはいつも取るようにしていた。 まあ、人ぞれぞれ役に対するこだわりはあるから、しょうがないとは思うが。 がに股のまま、私たちを通り過ぎ、現場へと進んでいったプラネットイーター。 なにやら、その背中からは苛立ちのようなものを感じた。 「と…ところで、今日は、なんで私が呼ばれたんですか?…は!?ま…まさか…またあの中身を…」 この状態ではないだろうと思いつつも、撮影スタッフの方に質問をする。 「ハハッ!それはないよ。まあ…今回の撮影は沙耶ちゃんには是非見てもらいたいっていう、撮影スタッフ全員の意見でさ…」 「私に…是非??」 「まあまあ…とにかく見学してってよ。聞きたい事があれば答えるからさ」 「は…はい…」 少し腑に落ちない所もあったが、久しぶりの撮影現場の見学というのも悪くない。 (まあ…とにかく、楽しみますか…誠さんも一緒だし♪) そして、私達はゆっくりと傍らで撮影を見学する事にした。 今回も番宣用にアトラクション的にゲームをするというものらしい。 前作の時はいろいろあった。 まるで人間扱いされず、本当に死んでしまうと思った事もあったくらいだ。 まあ、しかし、今となっては思い出にしか過ぎないのだが。 すると、今回の出演者であるタレントが3人現場入りした。 男性お笑い芸人のコンビと、アイドルの女の子一人。 3人ともテレビでは良く見る顔だ。 その向こうでプラネットイーターが準備をしていた。 何やら、体にワイヤーのようなものを取り付けている。 恐らく吊り下げがあるのだろう。 そうこうしている内に撮影の準備が整ったようだ。 司会進行のタレントさんが、話を振りながら、タレント達とカメラの前で話をしている。 どうやら撮影が始まったようだ。 その向こうにはだだっ広い場所の真ん中に、ワイヤーをつけたプラネットイーターが待機している。 すると、進行役の人が一つ目のゲームの説明に入った。 「ということで、皆さんに挑戦して貰う一つ目のゲームは【プラネットイーターを止めろ!】で~す。みなさんは今、手に持っている銃でプラネットイーターにダメージを与えて、弱らせてもらいます。制限時間内に規定のダメージを与えられればクリアとなります。ルールは簡単、プラネットイーターのいる場所の前に赤のラインが引いてあります。そのラインより外側から、銃を撃って、プラネットイーターに命中させてください。当たり判定であれば、ダメージが加算されます。弾数制限はありません、弾切れしたら、違う銃を手にして下さい、まわりに沢山置いてありますから。そして、時々赤い弾丸があります。それはスペシャルボーナス!ダメージ3倍ですので、しっかり当てて下さいね!まぁ、撃たないと弾の色は分かりませんが。時間は5分ハーフの前後半、その間にクリアしてください。あっ!尚、プラネットイーターは上下左右と移動しますので、うまく狙ってくださいね」 説明を聞く限り、プラネットイーターは銃で撃たれまくるらしい。 (あぁ…私もゴム弾で打たれたっけ…あれは痛かったなぁ…) 前作の撮影の記憶が蘇る。 よくよく考えれば、その時のゴム弾も杏奈さんの陰謀だったので、あんなに痛いものを使用された訳だ。 通常、あんなものは使用しないだろう。 「それじゃあ始めますよ、準備はいいですか??」 「オッケー!いつでも!」 すると、プラネットイーターが空中へと吊り上げられ始めた。 吊り上げと共に、蠢きを見せるプラネットイーター。 その不気味な演技は中々のものである。 (あの…中身の人…演技から迫真な感じが出てる…凄いな…) その動きに、同じく中身をやる人間として感心してしまった。 「それじゃ…よ~い…スターート!!」 進行役の合図と共に、タレント達が構えた銃を発射した。 【バシュッ!!!】 (え!?) その発射された弾丸の速さに驚いてしまった。 そんなに弾丸の勢いがないと思っていたのだが、私の予想を上回る。 そして、プラネットイーターを吊るすワイヤーが天井に備え付けられた機械に操作され、その体を上下左右に動かし始めた。 「す…すごい…機械…」 その機械の動きについ言葉が漏れてしまう。 「そうだね、俺もこんな機械見たことないな…アクターをこれだけ自由に動かせる装置なんて…」 隣にいる誠さんも、これだけ激しくかつ自由に動かせる装置は見た事がないようだ。 裏を返せば、中身のアクターは、その装置により自由自在に振り回されるという事だ。 動きが反転する際は、もちろん体に仕込んだハーネスに、相当の負荷が掛かる。 よほど高性能なハーネスを着用しているか…もしくは、中身のアクターに相当な痛みが掛かっているかだ…。 そして、ついに一つ目の弾丸が、プラネットイーターに直撃した。 【バシッ!!】 【ヒット!】 当たり判定を告げるヒットという音声が入る。 そして驚くべきは、その当たった弾丸である。 (え!?今…かなり…跳ね返った…) そうプラネットイーターに当たった弾丸は、勢いよく跳ね返ったのだった。 そして、弾丸を食らったプラネットイーターは宙吊りにされながらも、痛みに苦しむような素振りを見せている。 (こ…この弾丸…まさか…私の時と同じ…ゴム弾!?) それは私の予想通りだった。 私が前作で何発も食らったあのゴム弾。 食らえば着ぐるみ越しでも、かなり痛みのある弾丸。 それが、今、また使用されているのだ。 (それじゃぁ…) そう、あのプラネットイーターの中身の女の子は、宙吊りにされ、自らでは逃げようも無い状況で、あのゴム弾を浴びせられている。 それが、あの苦痛を与えるゴム弾だとするなら、運営側の方向性が読めてくる。 恐らく、あの中身の子が着用しているハーネスも、それ程特別なものではないだろう。 上下左右に振り回される事で、その度に体に痛みを感じているはずだ。 そう思って見ると、動かされる時に見せる蠢きは、痛みを感じているから出てくる動きと取れる。 (そ…そんな…酷い…またこんな酷い事を…) そして私はふと、隣にいた撮影スタッフに目を向けた。 (えっ!?) そこには平然とした表情で、その様子を傍観する姿があった。 私が中身をやっていたときは、撮影スタッフの皆は、私が酷い扱いをされると、苦い顔をしていた。 皆、プロデューサーの意向には逆らえないといった雰囲気で、渋々やっていたのだが、今のスタッフの表情からはその気配が無い。 (な…なんで…みんな変わってしまったの…?) その光景を目の当たりにした私は、傍にいた撮影スタッフの方に言葉を漏らした。 「あ…相変わらず…五十嵐さんは酷い演出をするんですね…」 その言葉には、ちょっとした皮肉も込めていた。 「ん?あっ!?そうか…。沙耶ちゃんは知らなかったっけ」 「え?何をですか?」 「プロデューサーの五十嵐さんは、もういないよ」 「え!?いない!?」 「そう…五十嵐さんは、金銭的な不祥事を起こしてね。プロデューサー職からは解任されたのさ。そして、ニュース的な大事にはならなかったけど、多額の借金を抱えて大変な事になってるんだよ」 「そ…そうだったんですか…。じゃぁ…今回のプロデューサーは誰ですか??」 「今回は、【秋山(アキヤマ)】さんだよ」 「え!?あ…あの秋山さん!!あの前回の時にお世話になった?」 「そうそう、あの秋山さん」 私はその名前を聞き、とても信じられなった。 何故なら、秋山さんは前作の時に、とても私によくしてくれた人。 そして、皆に優しく、人望も厚い。 その秋山さんが、こんな酷い仕打ちを、中身のアクターの子にさせているなんて、とても考えられなかった。 「そ…そうですか…あの…秋山さんが…。それにしては…なんというか…過激な…演出というか…」 つい、本音が口から零れてしまった。 「過激??もっと率直にいったら??…酷い仕打ちって…」 「え!?」 スタッフの方の言葉に不意打ちを食らう。 このスタッフの方も、この行為が酷い事だという認識がある上で、あの表情で、この光景を眺めているという事だ。 「じゃ…じゃあ…なんで…」 その質問に、スタッフの方が私の方に向き直し、私の目を見て言った。 「あの、プラネットイーターの中身が【五十嵐 杏奈】だからだよ」 「え!?あ…杏奈さん!!!」 「うそだろ!?」 そのスタッフの言葉に、私も誠さんも、全く予想だにしていない驚きを示した。 そして、私は再び宙吊りにされたプラネットイーターに目を向けた。 「え!?…あの…中身が…杏奈さん??」 改めて見てみると、体の細さ、身長も杏奈さんに似ている。 そして私よりも豊満な胸、それもまた杏奈さんの特徴の一つ。 そう言われて見ると、仕草も、杏奈さんがキャタクターを演じている時の癖もある。 「な…なんで…杏奈さんが…」 見た感じが杏奈だんだという事は飲み込めるが、何故、中身をやっているのかが理解出来ない。 確かに、最近、こっちの事務所のほうでは見かけていなかった。 しかし、その彼女が、何故ここで中身をやっているのか? すると、スタッフの方が口を開く。 「五十嵐さんが自分の娘を売ったんだよ」 「え!?」 あまりの衝撃の発言に困惑が隠せない。 「自らの負債を返済するために、娘になんでもやらせてくれと、会社に泣き付いたんだ。そして、この現場が、それを受け入れた…。なんでもやるという条件で」 「そ…そんな…」 「まあ…前作の現場の時に、あの親子にはかなりの横暴を受けたからな…。ここのスタッフ全員が、あの親子に対して思う所ばかりなんだよ。沙耶ちゃんは知らないと思うけど、君のいないところでの、あの娘の横暴な態度は、そりゃ酷かったよ。二言目には【パパに言うわよ】だったからなぁ…」 「そんな…全然知らなかった…」 杏奈さんに酷い仕打ちを受けたのは自分だけだと思っていた。 しかし、スタッフさんの言葉からするに、この人達も何かされていたという事。 「だからね、今回の撮影は、親だけじゃなく、彼女自身が招いた事でもあるんだ」 スタッフさんの言葉に凄みがあり、重さが感じられる。 「沙耶ちゃん、君もだいぶ酷い事をされたからね。それを止められなかった我々も、力不足だった。だから、今回はその謝罪を踏まえて、君をこの現場の見学に呼んだんだ」 「そ…そうなんですね…」 私は再び、プラネットイーターの方へ目を向けた。 宙吊りにされながら、弾丸を浴びるモンスター。 その中身は杏奈さん…。 そして、彼女は今、自ら犯した行為の代償として、痛みを受けているのだ。 不思議と、可哀想とかそういう同情心は沸いてこない。 かといって、ざまあみろとかいう感情も出てこない。 杏奈さんに対する怒りも、そこにはない。 ただ冷静に思った事…。 (自分で引き起こした事なのだから、最後までやり遂げて下さいね…) それは、これから起こる事への、不思議な期待感でもあった。 苦しむ彼女が、最後まで彼女でいられるのか…。 それとも、耐えられずにギブアップするのか…。 いや…ギブアップはないだろう…周りがそれをさせてくれない。 ならば彼女が最後まで辿り着くのを、私は見たいと思ったのだった。 「ピ~~~~~~!!前半終了!!」 すると、前半が終わり、少しばかりの休憩に入った。 休憩と言っても、タレントが水分を取りながら、コメントを撮影する程度のもの。 「どうでした?前半の感想は?」 「いや~結構難しいですわ~」 そんなタレントのやり取り繰り広げられる。 その中、プラネットイーターは宙吊りにされたまま、放置されている。 肩で大きく呼吸をしているのが見て取れる。 ゴム弾から必死に逃れようと、もがき続けたのだ。 当たり前のように呼吸は乱れる。 そして、恐らく私の時のように、あの衣装も呼吸は満足には出来ないのだろう。 更には体に巻きつけられたハーネスも体を締め付けている。 後半のために、必死に息を整えているのだろう。 その宙吊りにされたままのモンスターが、非常にシュールに映る。 しかし、そのシュールさとは裏腹に、中身の杏奈さんは必死なのだ。 そのギャップがたまらない。 「さあ、後半戦に行きましょう!皆さん、頑張って規定のダメージまで到達してくださいね」 「おぉ~~~!!」 その言葉に、吊るされたプラネットイーターがビクッととした動きを見せた。 「それじゃあ、後半戦、スタート!!!」 そして、再び弾丸の雨がプラネットイーターを襲った。 宙吊りにされて、ワイヤーに振り回されるプラネットイーター。 弾丸が命中し、苦痛の様子を浮かべる。 きっと杏奈さんの呻き声が漏れているだろう。 しかし、スタジオ内に流れる大音量のBGMがそれを掻き消す。 そして経験した事のある私には聞こえてくる。 杏奈さんの悲痛の叫びが…。 【痛いっ!!痛いっ!!やめてぇ!!いやぁっ!!痛いっ!!あうっ!!】 その動きから、その声が聞こえて来るように伝わる。 そして、ついにボーナス弾である、赤い弾丸がヒットした。 【スペシャルヒット!!】 その音声が入ると、プラネットイーターが今までにない、大きなリアクションを見せた。 宙吊りにされたまま、体を伸ばすように、大きく体を反った。 (い…今のリアクションは??) 私が心の中で、疑問を浮かべると、それを見透かしたかのように、スタッフの方が答えた。 「スペシャルヒットした時に、彼女の中に仕込まれたものが作動するんだよ」 「し…仕込まれた!?」 「そう、彼女の大事な所には、彼女を責める道具が仕込まれているのさ…。そして、その道具が動きを見せたという訳だ」 「だ…大事な所…し…仕込まれて…る…」 【ゴクリ…】 とんでもない事を言い放った、スタッフの人。 しかし、その発言を聞いた私は、それに驚くものの、それを否定したり、拒絶もしなかった。 むしろ、あの状況で…宙吊りにされ自由を奪われた状態で、陰部を責められている杏奈さんを見て、すこし興味が沸いてしまった。 そして、陰部に刺激を与えられ、もがくプラネットイーターであるが、弾丸の勢いは止まらない。 そこに畳み掛けるように、弾丸は降り注ぐ。 杏奈さんは、プラネットイーターの中で、陰部に刺激を与えられながら、更にはゴム弾の痛みに耐えているのだ。 逃げようもない状況…。 ただただ、彼女はひたすら続く、この痛みに耐えるしかないのだ。 ゴム弾が、彼女の手足、体、そして頭部までもを襲う。 【バシッ!】 誰にも聞こえていないが、私だけには聞こえてくる、杏奈さんの叫びが。 【あぅぅぅっ!!!いやぁっ!!痛いっ!うぅんっ!!こっちも…いやぁぁ!!!】 そして、その後も時間ギリギリまで、弾丸は降り注ぎ続けた。 「ピ~~~~~!!クリア~~~!!!」 ダメージは規定に到達し、このゲームはクリアとなった。 「やったぁぁぁ!!!」 喜ぶタレント達。 「おめでとうございます!これで、次のゲームの挑戦権を得ました!!」 はしゃぐタレント達の後ろでは、宙吊りにされたまま、うな垂れるプラネットイーターの姿が。 その様子は、本当に弾丸によって弱らされたという雰囲気が出ている。 そう…それは演技ではない…。 本当に力の入らない中身の女の子が、そこに宙吊りにされているのだった。 「それでは、次のゲームの準備に入りますので、ここで一旦、トークタイムとなりま~す!」 タレント達がトークタイムを撮影している間に、次のゲームの準備に取り掛かられた。 宙吊りにされていたプラネットイーターは地面に降ろされ、急いで奥へと運ばれて行った。 「あ…あの次のゲームは…」 私は、どこかに期待を持ちながら、スタッフの方に質問した。 「まあ、見てのお楽しみってとこで」 「は…はい…」 私達は次のゲームの準備をするまで、待つことになった。 その間、誠さんとは、最近、杏奈さんを見かけなかった事や、私の知らない杏奈さんの事務所のメンバーへの横暴の話も聞いた。 誠さんも、この光景に対し、それ程、何と言う感情も抱かなかったようだ。 感覚としては私と同じであった。 すると、暫らくして、準備の出来たプラネットイーターが運び込まれて来た。 運び込まれてきた、プラネットイーターは全面が透明のアクリル板のようなもので出来たボックスの中に入れられていた。 そして、その中で、足を開き、立ったまま腰を折る様な体勢で、上半身を台に乗せられ、その台に上半身を拘束されている。 足も足首で固定されているようで、まるで自由はない。 そして、体のあちこちにホースのようなものが接続されている。 そのホースは透明のようだが、中に緑色の液体が入っているらしく、やや透明感のある緑色のホースのように見える。 (こ…これは…映画の終わりの方であった…) 映画を見た私は、この雰囲気にリンクするシーンを思い出す。 確か、弱ったプラネットイーターをカプセルに閉じ込め、特殊な液体を注入する事で退治しようとしたシーンだ。 結果、倒しきる事が出来ず、最後のシーンに続くのだが。 すると、準備が出来たタレント達が、再び撮影を始めた。 「さあ、次のゲームです。次は【プラネットイーターを倒せ!】です。弱まったプラネットイーターを倒す為に特殊な液体を注入するのです。もう捕らえられたプラネットイーターはあちら!!」 全員の目が、プラネットイーターに向けられる。 「後は、液体を注入するのみですが、方法はこの機械を操作する事です。この機械は数字のパズルになっていて、正解すると液体が注入される仕組みになっています。全ての液体を入れ切り、プラネットイーターを倒せれば勝利です。さあ、頭を使ってパズルを解いてくださいね!」 進行役が説明を終えると、タレント達が盛り上がり始めた。 「さあ行きますよ、スタート~~~!!!」 まずは芸人の一人が問題に取り掛かる。 【ピッ…ピッ…ピッ…ピーン!!】 開始の電子音と共に問題が出題される。 数字を入れ込んで解いていく、パズルゲーム。 「おっ!意外にいけそうだ」 流石に最初の問題とあって、簡単に解けていく。 「よし!完成!!」 【ピロン!】 最初の問題が解かれ、正解の音がこだまする。 【ブゥゥゥゥン】 何かの作動音がし始めた。 すると上部のケースに溜まっていた、緑色の液体が減り始めたのだ。 それと同時に、ビクッと体を動かしたプラネットイーターが、しきりに体を蠢かせ始めた。 その様子は、私の目には苦しんでいるように映る。 そして、それが演技ではない事が、先程までの状況から汲み取れる。 必死にもがくように蠢くプラネットイーター。 何かに苦しんでいるようだが、拘束されたその体では、それから逃げる術は無いのだ。 そして、きっと着ぐるみの中から漏れでているだろう呻き声は、透明なケースにより完全に遮断され、外には聞こえてこない。 (あぁ…何か…何かで苦しんでいるのね…) すると、スタッフの方が再び説明をしてくれた。 「あれね…。たくさん伸びたホースの一本が、彼女の肛門に刺さっているんだよ」 「え!?こ…肛門…」 驚きのあまり、つい口にしてしまったが、隣にいる誠さんと目が合い、恥ずかしくて下を向いてしまう。 「そう、たくさんあるホースだけど、肛門のホース以外はダミー。最後に使うだけだよ。だから、あの上で減って行っている液体は、全て彼女の肛門に注ぎ込まれているんだ」 「う…うそ…」 浣腸液とでもいうのだろうか。 そんなものが、人に入れられていくのなんて、もちろん初めて見る。 なんとなく、そういうプレイの情報は知っている。 入れられると、暫らくして壮絶にお腹が痛くなるらしい。 するとスタッフの人は冷静に説明を続ける。 「パズルを解かれる度に、液体は注入される。どこまで入れられるのかな…?あっ…もちろん、肛門のホースの先はアナルプラグになっていて、こちらが抜いてあげないと、肛門の栓は抜けないよ」 (す…すごい…こんなの…初めて見る…) 中身の杏奈さんは拘束され動けない状態で、どんどんと液体を肛門に注入されていく。 そして、どれだけお腹が痛くなって出したくても、スタッフサイドが栓を抜いてくれない限り、出すことは許されないのだ。 いや、仮に出したとしても、杏奈さんは、こんな人前で排泄をする事になる。 プライドの高い杏奈さんにとって、そんな事は恐ろしく恥ずべき事だろう。 つまり、先に進もうが、そこで立ち止まろうが、杏奈さんにとっては苦痛でしかないのだ。 一人目の挑戦者が終わり、タレント達の会話が弾む。 そんな中、拘束されたプラネットイーターのお腹の中では、注入された液体が着実に彼女を蝕んでいくのだ。 そして二人目の挑戦者が問題に挑む。 【ピロン!】 正解の音と共に、次に控えていた液体が注入されて行く。 激しく悶えるプラネットイーター。 もう既にお腹の痛さは訪れているのだろうか…。 拘束されたまま、必死にその体を悶えさせる。 その動きから、杏奈さんの必死な叫びが想像出来る。 【やめてぇぇ!!もう無理ぃっ!入らない!もう入らない!】 しかし、あくまでそれは私の想像。 ゴム弾の痛みは私も味わったが、肛門から液体を注がれた事とは私には無い。 だから、それはプラネットイーターの着ぐるみが見せる動きから、私が想像する言葉。 そして、その事実を教えられた私だから想像できる言葉なのだ。 想像ではあるものの、私の想像と、プラネットイーターの着ぐるみの動きやリアクションは一致する。 あの着ぐるみの中で、杏奈さんが苦しんでいるのは間違い無い事だ。 ゆっくりと進む撮影の進行。 それが、肛門から液体を注入された彼女を苦しめる。 そして、再びタレントが正解をして、液体が彼女の肛門に追加されていった。 その度に体をビクつかせ、必死に抵抗を見せるモンスター。 しかしその動きは、事実を知らない人達からみれば、中身のアクターの演技でしかない。 上部から注入されている液体が、どこに消えていっているのかは、傍目には謎なのだ。 つまり、傍目には、そこに着ぐるみに包まれ、肛門から浣腸液を注入されている女の子がいるとう事実は無い。 カメラに収めらえているのは、ただ迫真の演技を見せる、プラネットイーター…それだけ。 タレントが問題に挑戦している時以外も、既に注入された液体が杏奈さんを襲う。 カメラが回っていない状況でも、プラネットイーターは蠢き続ける。 何も変化は無くても、腹痛に襲われている時間は容赦なく進む。 その姿は、本当に叫びが聞こえてきそうな程だった。 拘束された全身を必死に動かし、やめて欲しいと必死に懇願している。 【痛いっ!痛いっ!お腹が…お腹が痛いっ!んぉお…お願い…トイレに…トイレに行かせてェェェ!!!】 本当にそう聞こえて来ている様な、悲痛なプラネットイーターの動き…。 中身の彼女は襲い来る腹痛に必死に抗う。 しかし、その腹痛から逃げる手段は彼女は持ち合わせていない。 それから開放されるには、肛門を塞ぐホース付きのプラグを抜いてもらい、注入された液体を排出するのみ。 そのプラグを自ら抜く事は出来ない…。 誰かに抜いてもらうまで、どうしようも出来ない。 故に、今の彼女は、ただその苦痛に耐えるしか、自ら出来る事はないのだ。 4問目が終わった頃には、プラネットイーターは大きな動きはやめ、足首で拘束された両足をプルプルと震わせながら、痙攣じみた動きをし始めていた。 (あぁ…もう限界なのね…おなかの痛さも…お腹の容量も…) そして、ようやく5問目に到達した。 かなりの時間が掛かったものの、タレント達は5問目をクリアした。 【ピロン!】 そして、最後の液体が注入されていった。 動きが小さくなっていたプラネットイーターが、激しく腰を振り始めた。 もう限界が訪れている所への止めのような注入。 その注入は中身の彼女の全てを崩壊させていくのだった。 【いぎぃぃぃ!!!もうムリィィ!!入らない!もう入らない!やめて!やめて!やめてぇぇぇぇぇ!!】 その必死な動きからは、本当にそんな言葉が聞こえくるようだ。 そして無情にも最後の注入が終わり、5回分の液体が彼女の腹の中に溜まっている。 すると、プラネットイーターの動きは痙攣をするような動きに変わった。 「さあ!全ての液体が注ぎ込まれれました!果たして、プラネットイーターを倒す事は出来たのでしょうか!?」 進行役がそう言うと、タレント達の目もプラネットイーターの方へと向けられる。 その時であった。 スタッフの方が、一言…手に持ったリモコンに指をかけながら言った。 「これはおまけだよ…」 【ピッ】 その瞬間、プラネットイーターの腰が跳ねるように動き始めた。 そう、それは何かに突然襲われたかのように、唐突に激しく。 すぐに私はそれが何なのか理解した。 恐らく、先程から陰部に仕込まれた道具のスイッチ。 その道具が、杏奈さんの中で暴れ始めたのだろう。 杏奈さんは着ぐるみに包まれ拘束された状態で、肛門から大量の浣腸液を注入された。 襲い来るお腹の膨張感、そして襲い来る排泄できない腹痛、それらに見舞われながら、更には陰部を道具で責められ、快感を与えられているのだ。 全て自らでは逃れようも無いものに、責められている。 「プラネットイーターの動きが激しくなりました!どうだ!?倒す事は出来たのか!?」 煽りながらも、結果を焦らす進行役。 焦らされれば焦らされるほど、中身の彼女の苦痛は続く。 するとようやくドラムロールのような効果音が入り始めた。 その音は段々と盛り上げるように早くなっていく。 そして、ついにその時は来た。 【ドンッ!】 「さあどうだ!?倒す事ができたのかぁぁぁ!!!」 進行役が最高潮に盛りがって、その言葉を放った次の瞬間であった。 【ズポッ!】 ホースが接続されたアナルプラグが引き抜かれたのだ。 【ブシャァァァァァァ!!!】 プラネットイーターの肛門から、勢いよく緑色の液体が噴射された。 下半身をビクッと大きく跳ね上げ、その姿勢のまま硬直する。 そして、硬直させた体…その肛門から、噴水のように緑色の液体を流し出し始めたのだ。 それと同時に体中に接続されていたホースからも緑の液体が噴出され始めた。 つまり、今の絵面としては、プラネットイーターが全身から緑の液体を噴出しているように映る。 しかし、事実は違う…。 プラネットイーターの体内…いや…中身の彼女の体内から噴出されているのは一箇所。 後はホースから噴出されているダミー。 事実を知っている人だけは分かる…。 そこにいるプラネットイーターは肛門から、大量の排泄物を噴出しているのだ。 こんな人前で、さらに言うならカメラに撮影されながら、彼女は排泄させられているのだった。 更に言うなら、排泄が出来ているという事は、彼女の肛門は外に曝されている…つまり、肛門をカメラに収められているとい事になるのだ。 (あぁ…杏奈さん…こんな人前で…ウンチを…。私なら…恥ずかしくて…死にたくなるな…) 肛門から緑の液体を噴出しながら、ビクビクと腰を痙攣させるプラネットイーター。 恐らく、陰部に与えられた快感でイってしまったのだろう。 ようやく排泄させてもらえた…そして腹痛からは開放された。 しかし、こんな人前でイキながら、排泄をしてしまったのだ。 苦しさからは逃れられたが、その心はもう折れてしまっているだろう。 痙攣をしている下半身からは、未だ緑の液体が出続けている。 本来なら、相当な臭いがするはずだが、アクリルボックスの中に閉じ込められているが故、その心配もなかった。 アクリルボックスの中、プラネットイーターの足元には、自ら排出した液体と、ダミーホースから流れ出た液が混ざりあう。 そしてその液体はボックスの下の角から、どこかへ吸引されていくのだった。 やがて、プラネットイーターの肛門から噴き出す緑色の液体は底を付き、全てが出切った。 それと共に、ダミーホースから出ていた液体も止まった。 大きな動きはなくなったが、痙攣じみた下半身の動きを見せるプラネットイーター。 「さあ!?どうだ?プラネットイーターは倒せたのか!?」 プラネットイーターは、同じように痙攣のようにビクビクと動きを見せている。 自らの意志で動いているのではなく、いわゆる反応として、体が反応している動き。 もうそこに彼女の意志の動きは、ひとかけらも見受けられない。 「いや!!!まだ止めをさせてはいなかった!!なんというプラネットイーターの生命力!!しかしこれで終わるわけには行きません!!!」 この時に、プラネットイーターが動かなければ、展開は変わっていたのだろうか。 しかし、杏奈さんのあの動きは、もう自らの意思でどうこう出来る動きではない。 本能に近い動き…。 つまり、動かないという事は、到底無理な話なのだ。 【シャーーーーー!!】 するとボックスの上部から大量の洗浄液が噴出され、プラネットイーターの全身を洗い流していく。 それは、むしろプラネットイーターを洗うというより、ボックス内に噴出された排泄物を洗っているのだろう。 暫らくして、その洗浄が終わると、アクリルボックスの蓋が外された。 そして再びワイヤーが降りてきて、プラネットイーターに接続された。 その接続先は背中付近だと思われるが、背中に取り付けられたワイヤーの途中に、両足を纏められ、接続される。 つまり、構造上、接続した背中より、両足首が上部に来ることになる。 ワイヤーを巻き上げられれば、逆さ吊りにされるという事だ。 両手は先程、拘束されたままのため、自由は無い。 もう力の入らない、プラネットイーターは抵抗する事もなく、ただされるがままになっていた。 これから自分の身に何が起こるのか分からずに…。 すると、スタッフの人達が大きなセットを運び込んできた。 それは、巨大な水槽であった。 水槽の前面の横にはついたてのようなものがついていて、正面から見ると、四角い水槽の前面しか見えないような造りになっている。 恐らく正面から撮影した際に、水槽の横にスタッフ等がいられるように隠すためのセットだろう。 すると、先程、ワイヤーを取り付けられらた、プラネットイーターが宙へと吊られ始めた。 足側から引き上げられ、逆さ吊りになるプラネットイーター。 予想もしていなかったのか、驚くような素振りを見せ、モゴモゴと暴れ出す。 しかし、手は拘束され、足も固定され、直立した姿勢で拘束された彼女は暴れるといっても、体をくねらせるくらいしか出来ない。 「ぅぅぅっ…ぅぅっ…」 薄っすらではあるが、まだ準備中でBGMが流れていないため、中身の杏奈さんの呻き声が聞こえた。 しかし、それは私がそう気にして聞いていたから分かるもので、タレント達は全く気が付いていないようだ。 そして、上部まで吊り上げられたプラネットイーターの頭の下に、何か黒い大きな物が取り付けられた。 (な…なんだろう…あの黒いの…) 疑問に思っていると、スタッフの方が説明をしてくれる。 「頭の下に重りをつけたのさ」 「お…重り…!?」 水槽、逆さ吊り、重り…この三つのキーワードから連想される事。 つまり、この後、プラネットイーターは水槽に【沈められる】という事だった。 確かに私もプラネットイーターを着たまま池にぶち込まれた事もあった。 しかし、その時は、拘束もされていなければ、重りもついてはいなかった。 それでも、溺死するのではないかと思ったくらいだ。 今の杏奈さんは、体を拘束され、重りを付けられた状態。 泳ぐ事も出来ないし、一度沈めば、浮かぶ事はない。 恐ろしく追い込まれた状況だ。 その状況が理解出来たのか、プラネットイーターは必死にもがく。 しかし、どれだけもがいた所で、進行は止まらないのだ。 そして、プラネットイーターは逆さ吊りのまま、水槽の中央上部へと移動させられた。 「さて、最後の勝負です!液体でも止めをさせなかったプラネットイーター。最後は酸の中に落として、完全に溶かしきるしかありません。皆さんの前に四角いケースがありますね。その中に、周りにあるボールを出来るだけたくさん入れてください。たくさん入れる事で、プラネットイーターについた重りが重くなって行き、3分以内にクリアできれば、プラネットイーターを沈める事が出来ます」 タレント達が入れるボールのケースと、プラネットイーターに取り付けられた重りが連動しているはずがない。 つまり、場の盛り上がりを見ながら、スタッフのさじ加減で、ワイヤーを降ろし、沈めるといった所だろう。 「さあ、内容は簡単ですね。それでは準備はいいですか?よ~い…スタート!!」 進行役の合図と共に、タレント達がケースにボールを入れ始めた。 すると少しボールが入った所で、一気にワイヤーが降ろされた。 【ジャブン!】 そして、プラネットイーターの頭が水に沈んだ。 首まで丁度沈む高さで、ワイヤーが止まる。 頭が水に沈んだプラネットイーターは、必死に体を折り曲げ、頭を水面へと持ち上げる。 きっと、マスクの中にも水が入り込んで来ているだろう。 中身の杏奈さんはパニックを起こしているはずだ。 とにかく必死に息が出来るよう水面に出るしかない。 そして、マスクの中に入りこんだ水を出さなければ、マスクの中で溺れてしまう。 しかし、女の子の筋力では、体を曲げているのも、それ程もちはしない。 【ザブン!】 再び、水の中に頭を突っ込むプラネットイーター。 そして、また必死に体を曲げ、頭を水面に出す。 そう、彼女は今、溺れ死ぬかどうかの瀬戸際なのだ。 そんな彼女に関係なく、わいわいとしながら、ボールを投げ入れるタレント達。 まさか、呼吸が出来るか出来ないかを必死にさまよう女の子がそこにいるとは知らずに。 そして、ボールはどんどんと入れられていく。 しかし、一向にワイヤーが動く気配はなかった。 つまり、プラネットイーターは常に頭を水に突っ込み、再び起き上がって必死に呼吸をする、それが繰り返されているのだった。 時間は2分50秒を過ぎたところで、アラーム音が鳴った。 【ビービービー!!】 「あっ!みなさん、重りの重さが充分に溜まりました!離れてください!!」 進行役がそう言うと、タレント達が水槽の傍から離れた。 「さあ、これで最後です!!」 進行役がそう言った瞬間であった。 【ザブーーーン!!!!】 ワイヤーが一気に緩められ、プラネットイーターは水槽の中へと沈んでいったのだ。 激しく水中でのたうちまわるプラネットイーター。 その動きからは、断末魔の叫びのような表情が感じられる。 傍から見れば、迫真の演技だろう。 しかし、それは実際に中身の杏奈さんが苦悶している様子なのだ。 両手は拘束され動かす事は出来ない…。 体は真っ直ぐな状態で逆さに、ワイヤーに固定されてる…。 重りにより沈められた彼女は自力でそこから脱出することは不可能…。 彼女の命はスタッフの手に委ねられている。 彼女が出来る事は、ただ体を必死にくねらせる事だけ…。 それは助けて欲しいという意志表示かもしれない。 しかし、その意志は誰に届く事もない…。 【苦しいぃぃ!!息がぁっ!息がぁっ!!死ぬ!死ぬ!死ぬぅぅぅぅ!!!】 そんな叫びが聞こえてくるようだった。 激しくもがくプラネットイーターが大きくのけ反った。 そして、その瞬間に、水槽の前面にパネルのような板がスライドして来た。 そこには【クリアー!!】という文字が書かれていた。 「やりました!!クリアーです!!」 そのパネルのせいで、タレント達側、つまり正面からは、水槽の中が隠され見えなくなった。 見えなくなる事により、パネルの外側と内側の世界が隔たれる。 そして、パネルより外側では、盛り上がるタレント達と進行役が、ゲームをクリアーし、最後のエンディングの撮影へと移って行った。 そのタレント達とは別の空間、パネルの後ろ側では、再び水槽から引き上げられるプラネットイーターの姿があった。 スタッフの方が呟く。 「償ってもらわなければならないけど、死なれる訳にはいかないからね…」 そして、引き上げられたプラネットイーターは、拘束されたまま、ビクビクと痙攣を起こしていた。 全身をビショビショに濡らし、そこに横たわるプラネットイーター。 痙攣のような動きではあるが、体が動いているところを見ると、意識を失っている訳ではなさそうだった。 しかし、度重なる体と心への責めにより、体力的にはもちろん、精神も折られてしまっているのではないかと思えるような状態だ。 私はそんな状態のプラネットイーターに近づき、上から見下ろした。 そこには、ヒクヒクと蠢くプラネットイーターの姿が。 その中身…それは私のよく知る人物…そして、私を前作で貶めた人物。 不思議とそんな姿で横たわる杏奈さんに、怒りや蔑み、同情や哀れみの感情は全く沸いて来なかった。 そして、私は屈みこみ、プラネットイーターの頭部へと近づいた。 「お疲れ様でした。なかなかいいものを見させて頂きました。勉強になります…杏奈さん…」 私がそう言うと、心なしかプラネットイーターがビクッと動いた気がした。 そして私は立ち上がり、振り返ると、誠さんの方へと歩いて行った。 するとスタッフの方が私に近づいて来て言った。 「どうだい??少しは気が晴れたかい??」 その言葉を聞き、私は微笑みを浮かべながら答える。 「えっと…私…杏奈さんには、それ程【怒り】や【憎しみ】は残ってませんから…。あの一件で、得たものもありますし…」 そう言って私は誠さんに目を向けた。 視線のあった誠さんは少し恥ずかしそうに、目線を逸らし、頭を掻いた。 「そうなのかい?」 スタッフの方が意外そうな顔をしている。 「ええ…でも、今日はとても面白いものを見させて頂きました。ありがとうございました」 「沙耶ちゃんは凄いな…。あれだけの仕打ちを受けて、そんな感覚がもてるなんて」 「そんな大層なものじゃないですよ」 「まあ…それにしても…今回は俺たちの意志でもあったんだが…。一番、被害に合った沙耶ちゃんに満足してもらうと思ったんだが…う~~ん…」 スタッフの方が困ったという顔をしながら頭を掻く。 「そ…そんな…気を使わないで下さい」 「なんかしてあげないと…こちらの気が済まないんだよな…」 「そ…それじゃあ…一つお願いしてもいいですか??」 「おう、俺たちに出来る事なら」 「前作のプラネットイーターの着ぐるみって、まだ残ってます??」 「ああ、もちろん。使われる事はないけどね」 「それ…私にくれませんか?」 「え!?」 スタッフの方が私の発言に驚きを示す。 「苦楽を共にしたものなので、可能なら…」 言ってみたものの、突飛な話で、受け入れられるか分からず、少しモジモジしてしまう。 驚いた表情をしていたスタッフの方が、表情を緩めた。 「オッケー。分かったよ、会社には俺から話を通してあげる。それじゃ、住所を教えてくれれば、今度、送っておくよ」 「あ…ありがとうございます!」 「ほ…ホントに【そんなの】でいいの??」 「いや…【そんなの】じゃなくて…【それが】いいんです」 「ぅ…わ…分かったよ。沙耶ちゃんがいうならそれで」 そうして私は前作の時に着続けたプラネットイーターの着ぐるみをもらう事になった。 そして、私達は現場を後にしようとした。 スタッフの人たちが片づけを始めている。 振り返ると、未だ、床に転がったまま、ビクビクとしているプラネットイーターがそこにいた。 (さようなら…杏奈さん…) 私達は無言で振り返り、その場を去った。 ・・・ 帰り道、誠さんが隣を歩く。 杏奈さんが私を貶めたおかげで今がある。 その杏奈さんは、今、あんな状況に陥っている。 とても複雑な気持ちだ…。 しかし過去を振り返っても…過去に囚われていてもしょうがない。 今…私は誠さんと共に歩んでいるのだから…。 「そうそう、沙耶ちゃん。今日の撮影、なかなか凄かったね」 いつもの雰囲気で明るく話しかけてくれる誠さん。 「そうですね。ちょっとびっくりしちゃいました…」 「それでだけどさ…」 「嫌ですよ」 「え!?」 言葉を遮るような私の返答に、うろたえる誠さん。 「か…浣腸は…嫌ですよ」 「そ…そうだよね…」 「まぁ…で…でも…こ…呼吸を制限されるの…だったら…」 「ホ…ホントに!!!」 私の言葉に目をキラ付かせる誠さん。 (んもぅ…この純粋な反応が可愛いんだから…) 「じゃぁ!プラネットイーターの衣装届いたらやってみよっか!」 「しょ…しょうがないですね…」 【ゴクリ…】 言葉ではそう言ったものの、誠さんの言った事に想像を膨らませ、期待を抱いてしまっている自分がいた。 「いや~楽しみだなぁ~~~♪」 私は期待感を全開に出している誠さんに背を向け呟いた。 「ホントに…楽しみ…」 「ん?沙耶ちゃん、なんか言った??」 「何も言ってないですよ!!!」 今後も、私と誠さんの関係は続いていくのだった。 杏奈さんにより開拓された、その関係が…。 -----------------------END--------------------------