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無人島のフロッグマン Side Story ~ 朱音 Side ~ 【後編】

そして、私たち二人の洞窟生活が始まった。 着ぐるみに包まれ、正体も分からない見ず知らずの女の子に、ここまで真剣に向き合ってくれる桜井さん。 彼の優しさが心に突き刺さる。 そして、そんな桜井さんに、私の心はどんどんと惹かれていった。 桜井さんは洞窟内、そして洞窟の外の周辺をいろいろと調査してくれた。 そして、調査の結果、隠しカメラを発見し、ある考察を立てた。 桜井さんの考察では、誰かがこの全てを仕組み、カエルの着ぐるみ同士のハンティングの様子を楽しんでいるのだろう…という事だった。 確かに、様々な状況を考えると、その説明がしっくりくる。 しかし、何故、私がハンティングの獲物になったのかが、謎のままである。 その後、私は桜井さんと筆談を交え、彼との交流を深めて行った。 私は基本、外に出られないので、日中も洞窟内で過ごす。 時間はたっぷりと合った。 私のこと、彼のこと、お互いの事をいろいろと聞き合い、お互いを分かりあって行った。 そして、何事もなく時間は過ぎていった。 迎えの船が来る予定の前日を迎えた。 「よし、明日の朝には迎えの船が来る。俺は一旦、船着き場までの道のりを確認しに行ってくる」 (桜井さんがいないと…ちょっと不安だな…私も一緒に…) 「だめだ、朱音はここにいろ。夕方とは言え、まだ外は気温が高い。外を出歩くのは、暑さ的に危ないからな」 そう思った瞬間に、桜井さんから釘を刺される。 それだけの仕草で、考えが読み取られる程、私の事を理解しているという証拠でもある。 (わ…分かりました…) 「日暮れまでには戻るから、中にいるんだぞ」 (はい…) 私はその言いつけを守り、ジッと洞窟内で待つことにした。 最初の頃は、桜井さんが散策に出ても、それ程、不安は感じなかった。 しかし、一緒にいるのが長くなるのにつれて、私の心が惹かれるのにつれて、【いない】という事が不安に感じるようになったのだ。 (ふぅ…桜井さん…まだかな…) 不安に駆られながら、桜井さんの帰りを待つ。 (まだかな…) どのくらい時間が経っただろうか…。 待ち望んで、待つ時間はとても長く感じる。 すると、洞窟の入口の方から音が聞こえてきた。 【ザッ…ザッ…ザッ…】 これは、洞窟の入口の砂利のような場所を踏む足音。 (あ!?桜井さん!帰ってきた!!) 私は、家で主人の帰りを待つ犬のごとく、飛び起き、入口のほうへと足を進めた。 すると、入口の方から人影が現れた。 (え!?そ…そんな!?) そこに現れた人影…それは桜井さんではなかった。 招かざる存在…男性のフロッグマンだったのだ。 その光景に一気に恐怖がこ込み上げて来る。 「うぅぅっ!!うううう!」 (いやぁぁぁぁ!!逃げなきゃ!逃げなきゃ!!) すると私の姿を目視したフロッグマンが、一直線に私に向かって来た。 (いやぁぁぁぁぁ!!) 私はフロッグマンに捕まらまいと、必死に逃げる。 そんなに広い洞窟内ではない。 すぐに、追いつかれてしまう。 後ろから腕を掴まれた。 (あぅっ!!いやぁぁ!!放して!!放してぇぇぇ!!) 必死の抵抗…私は死に物狂いの力で、掴まれた手を振りほどこうとする。 (いやぁぁぁぁぁぁ!!) その抵抗がうまくいったのか、フロッグマンの手を振り払う事に成功した。 (逃げなきゃ!逃げなきゃ!!) 再びフロッグマンから必死で逃げ出す。 捕まれば犯される…。 なんとかして、逃げ切らなければならない。 (あっ!!) 必死に逃げまわっていると、完全に壁を背に、追い込まれてしまった。 「ううぅぅぅっ!!!」 (いやぁぁぁぁぁ!!助けてぇぇぇぇ!!!) するとその時である、待ち望んだ声がこだました。 「朱音!大丈夫か!!」 「うぅぅぅぅっっ!!」 (桜井さん!!!!!!) 桜井さんが戻ってきてくれたのである。 するとフロッグマンはその声に気が付き、そちらに目線を向けた。 「させるかぁぁぁぁ!!!」 そして、桜井さんが勢いよくフロッグマンに飛びついた。 そのまま、フロッグマンとの揉み合いになる。 「く…くそっ!!」 桜井さんの手を振り払おうと暴れるフロッグマン。 さすがに中身が男なだけあって、力が強い。 「…邪魔をするな…」 「しゃ…しゃべった!?」 揉み合いになってる最中に、フロッグマンの中からくぐもった男の声が聞こえてきた。 「うをっ!!」 少し力が緩み、抑えていた手が振りほどかれてしまった。 すると、即座にフロッグマンは桜井さんに殴りかかった。 フロッグマンの拳が桜井さんに向かっていく。 その拳を桜井さんは、いなす様に交わし、フロッグマンの後ろを取った。 「これなら…どうだぁぁぁ!!」 背後を取った桜井さんは、背中から全体重を乗せた、ドロップキックをぶちかました。 【ドフッ!!!!】 フロッグマンの背中に、しっかりと両足がヒットし、フロッグマンを吹っ飛ばした。 【ゴロゴロゴロ…ドカッ!!!】 吹っ飛ばされたフロッグマンは、転がりながら洞窟内の壁に激突した。 そしてフロッグマンは、そのままそこへ崩れ落ちた。 気絶してるのだろうか、動きを見せないフロッグマン。 桜井さんはすぐさま、ロープを取り出し、フロッグマンに近づいた。 そして動きを見せる前に、手足をロープで縛りこみ、身動きが取れないようにしてしまった。 「これで大丈夫だな…」 処理の終わった桜井さんが私のほうに視線を向けた。 「大丈夫か朱音!!」 そして、私のもとへと駆け寄って来た。 「うっ…うっ…うっ…」 (だ…大丈夫…大丈夫…で…す…) 呻き声に泣き声が混じってしまう。 襲われた怖さと、助けられた安堵感で、涙が溢れて来ていた。 「朱音…もしかして…」 「ううううぅぅぅっ!!」 (大丈夫…襲われてないです!!) 私は大きく体を横に振り、違うという仕草を見せた。 「じゃあ…間一髪、セーフだったか…」 「うぅぅっ…」 その言葉に私は大きく体を縦に振る。 涙が溢れて止まらない。 (こ…怖かったよぉ…怖かった…でも…助かった…) 「うぐっ…うぐっ…うぐっ…」 「そうだな間に合ってよかったが…よしよし…怖かったな…よく頑張ったな…」 桜井さんは私を抱き寄せ、大げさなくらいに頭を撫でてくれた。 大げさに撫でてくれて、分厚い着ぐるみの上からでも、それがはっきりと感じられた。 (桜井さん…桜井さん…桜井さん!!!!) 暫く、そのまま抱き寄せられていると、桜井さんが口を開いた。 「よし、朱音、移動するぞ。もうここは危険だ。苦しいかもしれないが、頑張って着いて来て欲しい」 私はゆっくりと立ち上がり、大きく頷いた。 (頑張らなきゃ…桜井さんがここまでしてくれているんだから…私が頑張らなきゃ…) そして、私たちは暗くなり始めた夕暮れの森を、桜井さんのテントに向けて移動していった。 桜井さんがルートを確認しておいてくれたおかげで、動きにくい私でもすんなりと進むことが出来た。 「よし…到着したぞ…」 そして、テントへと入り休憩を取ることにした。 「ふぅ…疲れたな…朱音、ゆっくり休んでいいぞ」 夕方とはいえ、季節は夏。 着ぐるみを来て歩いているだけで、着ぐるみ内の温度はかなり上がる。 私は呼吸が荒くなり、肩で息をしていた。 (ふぅ…ふぅ…少し休ませてもらいます…) 「ちょっと、俺は周りを確認してくる」 そして桜井さんは、テントの周囲を確認しに行った。 月明かりが強い夜で、真っ暗ではなく、むしろ明るさを感じるような夜だ。 テント内も月明かりで、様子が分かるくらいの明るさだ。 そして私はゆっくりと呼吸し、落ち着きを取り戻した。 「問題なさそうだな」 桜井さんが確認を終え、戻ってきて、私の横に座り込んだ。 「ようやく、明日の朝で終わりだな…。なんとか乗り切れそうだ」 (そっか…明日の朝で終わり…なんだ…桜井さんとの時間も…) 私はその言葉を聞き、体が固まってしまった。 桜井さんとの時間に終わりが来るというのを認識してしまったから。 早く着ぐるみを脱ぎたいという事とは裏腹に、桜井さんとの時間が終わってしまう事に切なさを感じてしまっているのだ。 「さてと、寝るとするか…俺は外で見張りをしながら仮眠をとるから、朱音はテントの中で寝るといい」 そう言った桜井さんが立ち上がろうとした。 (桜井さん…) 「えっ!?」 立ち上がりかけた、桜井さんの腕を私は掴んだ。 私の手は自然に…私の思考とは関係なく動き、桜井さんの腕に伸びて行った。 「どうした?」 質問をした桜井さんをよそに、私はその手を引っ張り、桜井さんに抱きついた。 動揺する桜井さん。 しかし、私自身も意図的ではなく、自らの本能で動いてしまっていた。 「お…おい…どうしたんだ…?」 座った桜井さんの上に覆いかぶさるように、抱きしめる。 「ううぅ…うぅ…」 (いやだ…離れたく…ない…) 抱きついたまま、モジモジと足を動かす。 (桜井さん…桜井さんと…離れたくない…この時間が終わるなんて…) そして、私は桜井さんの上に跨ったまま、上体を起こした。 私の目の前には、驚いた表情の桜井さんがいる。 (せめて…桜井さんに…私の全てを伝えないと…) それを決意した私は、自らの指を自分の陰部のほうへと伸ばして行く。 その指は、陰部へと到達すると、少しだけだが、ゆっくりとその中へと入り込んだ。 (んぅ…) 指が陰部へと入り込む…それが意味することは一つ…。 そして、陰部に入り込み自らの愛液で濡れた指を抜き出し、桜井さんに見せつけた。 (実はね…私の陰部は曝け出しちゃってるんだよ…) 隠していた事実…。 恥ずかしい…恥ずかしいけど…その事実を桜井さんに知って欲しかった。 すると桜井さんがそれを見て口を開いた。 「気が付いてたよ…」 (え!?え!?えぇぇ!?…き…気づいて…た!?) 予想外の一言に、驚きを隠せない。 (そ…そんな…ホント!?い…いつから!?) 知られていないと思っていた事が、当たり前のように気が付かれていた。 それだけでも恥ずかしい。 しかも、その内容が、自らの陰部を曝け出していたという事なのだ。 動揺しないほうが無理である。 「気が付いてたけど…一応、気が付いてない振りをしてた…。君がそう思っていたから…」 (そそそ…そんな!…あっ…で…でも…さすが…桜井さん…優しいなぁ……。ふぅぅぅ…よしっ!!) 私は大きく一回、深呼吸をした。 深呼吸が終わると、再び桜井さんのほうに見つめ直した。 そして、私の手が桜井さんの性器のほうへと伸びて行く。 嬉しい事に、桜井さんの性器はビンビンに勃起している。 「しょうがないだろ…朱音がそんな普通に曝け出してるんだ…俺だって反応しちまうだろ…」 私はもう止まらない。 桜井さんのズボンに手をかけ、そのズボンを降ろそうとした。 「いいのか…?」 その言葉に、私は桜井さんの顔を見つめ直す。 そこには実直な…嘘偽りのない桜井さんの顔があった。 桜井さんの問いに私は無言のまま大きく頷いた。 (もちろんです…桜井さん…) そして、私は桜井さんと繋がった…。 こんな私のような、着ぐるみに包まれた見た事もない女の子…。 そんな私を優しく助けてくれる桜井さん…。 数日一緒にいて、彼の優しさ…頼もしさ…誠実さがヒシヒシと伝わってきた。 その度に、私の心は惹かれ、桜井さんを求めるようになっていった。 桜井さんに恋をしたのだ…。 しかし、彼は私の顔を見てはいない…。 本当の私を知らない…。 でも私を受け入れてくれた。 唯一、着ぐるみに包まれていない、私の陰部で、彼と繋がった…。 こんな経験、そうはないだろう…。 知らない無人島のテントの中、私は着ぐるみを着たまま、恋をした男性と繋がっているのだ。 着ぐるみに包まれ、唯一の外界との窓口である陰部から、桜井さんを感じ取る。 なんとも幸せな気持ちに包まれる。 (あぁ…桜井さん…好きです…) そして、その夜は、フロッグマンの襲撃なく更けていったのだった。 翌朝、ついに迎えの船が船着き場に到着した。 「ふぅ…なんとか、これで島から脱出できるな…」 二人の間に安堵感が漂う。 船から初老の漁師が姿を見せた。 「学者の兄ちゃん、無事だったか~?」 漁師のお爺さんが俺たちの方に目を向けた。 (ん?あのお爺さん…どっかで会った事が…) 「って!?兄ちゃん!なんだ!その化け物は!!!」 私を見たお爺さんが驚きの声をあげた。 まあ、リアクションとしては当然のリアクションだ。 「大丈夫、人間だよ。中身が人間の着ぐるみだ」 桜井さんがそう言うと、お爺さんは大きくため息をついた。 「なんだ…そういう事か…驚かせるな!」 「別に驚かせたい訳ではないんだけど…」 「正体は分かったが、なんでこんな無人島に着ぐるみを着た人間がいるんだ?」 まあ、当然の質問だ。 「話せば長くなるから、とにかく船を出して、この島から離れてほしい」 「わ…分かった…じゃあ、すぐに出航だ…」 そうして、私と桜井さんは船に乗り込み、島を後にした。 船が島から離岸し、少し島から離れた所で、再び島の方を眺めた。 言葉には出していなかったが、恐らく、私を桜井さんは同じこと考えていた。 …何故、こんな無人島に私は着ぐるみを着せられて連れてこられたのか… …何故、オスのフロッグマンが存在したのか… …仕掛けられたカメラ…用意された洞窟… …首謀者の意図… 結局、何も分からないまま、私たちはこの島を離れるのだった。 「おう、学者の兄ちゃん、これ飲んどけ、酔い止めだ。海が荒れてるからな」 そう言ってお爺さんは桜井さんに、酔い止め薬の瓶を渡した。 「すまない、助かる」 桜井さんは受け取った薬を一気に飲み干した。 「カエルの着ぐるみの人は飲めるのか???」 そう言われ桜井さんが私の方に目を向けた。 (ちょっと…その瓶では飲めないかな…) 着ぐるみの舌で、その小さな瓶を飲むのは難しい。 「少し難しいかな…朱音には我慢してもらうしかないな…」 (うんうん…) 「まあ、それならしょうがねぇな…」 「朱音、申し訳ないけど、飲みようがないから頑張ってくれ…ん?」 桜井さんはそう言うと、何故だか突然、足元をふらつかせ始めた。 (ん!?桜井さん?どうしたんですか!!) 「ん…なんだ…景色が…」 ぐらつきを増す桜井さん。 なんだか様子が普通ではない気がした。 「な…これは…ね…眠気…か…」 すると桜井さんは、その場に眠り込んでしまった。 「うううっ!!」 (桜井さん!大丈夫ですか!?今…眠いって!!!) 私は桜井さんの元に駆け寄り、桜井さんの体を揺さぶってみた。 しかし、本当に眠ってしまったようで、反応がない。 「大丈夫だ。疲れから眠気が来たんだろうよ」 お爺さんが後ろから、そう声をかけてくれた。 (つ…疲れか…) 確かに、ここ数日、夜も気を張っていたのだから、疲れるのも無理はない。 そう思い、桜井さんの方に目を落とした…その瞬間である。 【プシュー!!!】 (え!?何??) 後ろからお爺さんが私を取り押さえるかのように、掴み掛かりながら、着ぐるみの鼻の覗き窓の所から、何かを吹き入れてきた。 (な…何!?ガ…ガス!?) それと共に、舌のホースが塞がれ、呼吸が制限される。 口のホースを抑えられた事により、私は鼻から呼吸をするしかない。 (く…苦しい!!!) 必然と着ぐるみ内に噴出されたガスのようなものを吸い込む。 (う…息が…息が…苦しい…く…くる…し…い…) 苦しさと共に、一気に意識が薄くなっていく。 (ぁ…く…くる…し…ぁ…ぁ……ぁ………) 「四ノ宮朱音さん…見事…あなたはクリアしたよ…。あとはゆっくり眠るといい…【ごゆっくりどうぞ】…」 お爺さんの言葉が遠くのほうで聞こえた気がする。 そして、私はその言葉を聞きながら、意識を手放した。 ・・・ 「ん…あれ…私…眠っちゃて……ん!?」 目を覚ますと、私は自分のマンションの部屋で寝ていた。 見慣れた風景、そこはあからさまに無人島ではなかった。 「え!?あれ?なんで??ここ…私の家だ…」 自らの手に目を向けると、そこには見慣れた自分の手があった。 「あ…あれっ?着ぐるみ…着てない…!?っていうか、普通に喋れてる!!」 久しぶりに喋る人間の言葉、自分が喋れるのに驚きを現してしまう。 (え…私…船に乗って…そうだ!?お爺さんにガスみたいなものを吸わされて…眠っちゃったんだ…) 自らの記憶を呼び覚まし、状況を把握する。 しかし、どう考えても、今、置かれている状況は、いわゆる日常。 無人島のような非日常ではない。 服も普通に自分の服を着ているし、ここは自らの家。 なにもいつもと変わりはない。 「え!?ちょっと待って…着ぐるみを着てたのは…夢だった…って事…?」 状況を考えると、あれが夢だったと思うのが筋が通る。 しかし、記憶は鮮明に残っている。 着ぐるみが脱げなかった事…。 着ぐるみの中が暑かった事…。 フロッグマンに襲われた事…。 桜井さんに出会った事…。 そして、桜井さんと繋がった事…。 その全てが、夢だったというのだろうか? 夢だと思いたくはない…桜井さんとの事が夢で会って欲しくない。 しかし、状況は、それが夢だと物語るくらい…普通の日常がそこに広がっていた。 「う…うそ…そんな…」 それが夢だと思わせる日常に愕然とする私。 その私の目に、唯一、自らの部屋で見慣れないものを発見した。 「ん?何…あのダンボール??」 そこには、見覚えのない大きなダンボールが置かれていた。 私は恐る恐る、そのダンボールに近づいてみた。 【ビリビリビリ…】 そして封をしてあるガムテープをはがした。 その箱の蓋を持ち上げる…すると私の目に驚くべきものが映りこんだ。 「カ…カエルの着ぐるみ!?」 そう、そこにはカエルの着ぐるみと大きな鞄が入っていたのである。 そして、私は丸まったカエルの着ぐるみを引っ張り出してみると、その大きさは、まさに私が着るのにちょうどいいサイズだった。 そして、股の部分には大きな穴が…。 そう私の陰部を露出していた穴だ。 「これ…!?っていう事は…やっぱり…あの無人島での事は本当だったんだ!!」 桜井さんとの出来事が、夢ではなく本当の事だという確信が持てた。 その事実が幻ではなかったと分かり、心が踊る。 「よかった…よかった…。…桜井さん…」 そして、ダンボールの中に入った鞄を取り出した。 「これは…なんだろ…」 鞄のファスナーを開けてみた。 「え!?」 そこには恐ろしいほどの札束が入っていた。 「な…何?この大金は…」 するとそのお金と共に、一通の手紙が入っていた。 その手紙にはこう記されていた。 【クリアおめでとう。このお金はクリアの報奨金なので、自由に使って下さい】 「ほ…報奨金…」 それが意味すること…。 つまり、あの無人島での出来事はゲームで、そして私はそのゲームをクリアしたという事になる。 しかし、何故、私がそのゲームに参加する事になったのか…。 その謎は、分からないままであった。 そうして、無人島での謎の出来事は終わりを迎えた。 そして、あの島の出来事から一か月ほど経った。 私はある場所に訪れていた。 【ガチャ】 「失礼します…」 私は扉を開き、中へと入った。 私の目の前には研究に没頭して、こちらに背を向ける男性がいた。 「俺は助手はいらない…適当に帰ってくれ」 その男性は、まるでこちらを見ることなく、そう言い放った。 そして、私は改まり、自らの自己紹介をした。 「あ…あの…今日から桜井博士の助手をする事になりました…【四ノ宮 朱音】です…」 そこに座った男性の動きが止まった。 そして暫く動きを見せなっかた男性はゆっくりと、私の方へと振り返った。 振り返ったその表情は、驚きを隠せないという表情だ。 「桜井さん…お久しぶりです…」 桜井さんは目を真ん丸にして、驚いていたが、直ぐにいつもの優しい目へと戻る。 「久しぶりだね…朱音。…いや…俺からすると【初めまして】かな…」 「私はずっと桜井さんを見ていましたから…。でも…【初めまして】のほうが良いですか…?」 「どっちでもいいかな…」 そう言い放った桜井さんの雰囲気は、あの時のままだった。 そして立ち上がった桜井さんが、私のもとへと歩み寄った。 「よかった…君との記憶が幻じゃなくて…。なにより、朱音が無事で良かった…」 「私も…桜井さんにまた会うことが出来て…良かった…」 そして桜井さんは、私を抱きしめた。 自らの記憶が幻では無かった事を確かめるかのように…。 私たちは再会した…。 あの出来事は、本当だった。 紛れもない真実だった。 そして、私たちを再び結びつけるのだ。 私は桜井さんの助手を務める事になった。 その助手は、単なる助手ではなく、人生のパートナーとして…。 -----------------------END--------------------------

無人島のフロッグマン Side Story ~ 朱音 Side ~  【後編】

Comments

コメントありがとうございます!! 本作については、色々と謎を秘めた作りにしましたので、あえて脱ぎ着の部分も・・・ 皆さんのご想像にお任せ致します(,,ᴗ ᴗ,,)

ももぴ

やっと読ませていただきました、ありがとうございます!! 欲を言えば着脱の仕組みも知りたかったですね…

(´Д`)

コメントありがとうございます! フフ…どこかにあるかもしれませんね…そんな島が…^ ^

ももぴ

もしかしてこの島、女子が犬の着ぐるみを着させられる謎のサバイバルゲームが行われたりしてませんか?(ももぴ様ピクシブ作品を読みつつ)

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