20/05/16 「私」【夢日記】
Added 2020-05-17 04:33:47 +0000 UTC私は、いませんでした。 私は「私」になっていたのです。 女性の体になっていた私は、ビル群に囲まれる街中にいました。 自分で動かせる体なのに、心は別人のままのような、不思議な感覚を覚えます。 見下ろすと随分丈の長い服を着ていることに気付いたので、「私」の姿をはっきり確認したく速足で姿の映るものを探しました。 やがて鏡のように反射するスイーツ店のショーケースを見つけた私は、「私」の姿を確認しました。 桃色ストライプのワンピースにお洒落な可愛い靴、長い髪を大きなリボンで後ろに一本にまとめた、私ではない「私」がそこに居ます。 顔はよく思い出せませんが、全くの別人で、改めて私が「私」になっている、ということを認識させられました。 「私」の年齢は若く子供と言える程です。 本来の体と重なる部分が全く無く、手の形も、喉を触った感覚も、何もかもが「私」のものでした。 初めての体験で新鮮な気持ちになり、何度も頬に手を当て、腹に手を当て、声を出し、飛び跳ねます。 そうしているうちに、驚くほどにしなやかに体が動き、運動能力が子供の頃のそれであることに気が付きました。 楽しくなってきた私は「私」の体で街中を脱兎の勢いで駆け抜けました。 障害物は飛び越え、勢いをつけて横回転し、思いっきり笑います。 私が「私」の体で遊んでいる姿を、待ちゆく人々がほほえましく見守っていることに気が付きました。 そんな人々の為に、私は「私」がより可愛く、美しく見えるように踊りました。 踊りの経験は無かったのに「私」は勝手に振り付けを辿り、人目を楽しませます。 「私」を囲むように観衆が集まり、その様子を、私もいつの間にか観衆に紛れて第三者視点で魅入っていました。 そのことに疑問を抱き、自分の体を確認しました。 小さな手、細い胴体、丸い小締まりとした輪郭…。 私は再び「私」になっていました。 手を叩く観衆に囲まれており、見回して先程までいたはずの私を探しましたが、そこには見覚えのない大人たちばかりで、私はいませんでした。 楽しい気持ちと共に、私はもう二度と私に戻れないのではないかと、不安な気持ちになりました。 ここで夢は覚めます。 「私」は私になっていました。