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同人誌が出来るまで ~Chino meets Chino?~ の場合 その1

口下手なのもあって普段はあまり制作状況など書かないのですが、

「他の人はどうやってるんだろう?」と思って調べて見たら案外参考になるところがあったので、

自分でも原稿が出来るまでの作業について書いてみようと思いました。


※解説の都合上、拙著「Chino meets Chino?」の軽度のネタバレを含みます。

上記を読了頂いてから本記事を読んで頂けると、より理解が深まるかと思います。

「ご注文はうさぎですか?」の二次創作本ですので、そちらも含めある程度理解した上でお読み頂けると。

メロンブックス様委託中です

過去記事で最初4pほどサンプル掲載しています


※一般的な漫画の書き方をある程度理解している前提で記載しています。

「下記の工程がどんなものか」までは掘り下げませんので、「なんじゃそりゃ?」と思った方は、一般的な「漫画 書き方」とかで検索して予備知識を付けた上で続きを読んで頂けると。


原稿の進め方としては、

 ・プロット

 ・ネーム

 ・下書きx2

 ・ペン入れ

 ・仕上げ

になりますので、それぞれ分けて記載していきます。

・プロット

いわゆるネタ出しですね。まずは描きたい、思いついたキーワードをメモアプリに羅列していきます。


今回のエピソードでは、「死後のキャラ(チノ祖父&サキ)への思い」を描きたかったので、

 サキは何で死んだ?その時の子供チノの心情は

 子供チノ&ココアが出会っていたら

 ティッピーが喋らなくなったら

 タイムリープ

 入れ替わり

 降霊術

などでしょうか。


それを元に原作のエピソードを漁って、何か拾えそうなネタがないか探っていきます。


降霊術、ティッピーが喋らなくなったら

 →6巻p49-51付近、アニメ3期ハロウィン回、きららMAX2022-06号

子供チノ、サキ

 →アニメSing for you

タイムリープ、入れ替わり

 →過去に見たアニメ、漫画、ラノベ、映画、同人などを思い出して、必要ならあらすじ等を深掘りする


このままだとお話としてまとめられないので、起承転結の転~結の部分、話のオチをまず考えます。

本作で言うと、「母が居ないことに寂しさを感じていたチノが、それを乗り越える」でしょうか。


当初は「サキが死んでしまって子供チノが泣いている所に子供ココアが来て、それを乗り越える手助けをする」という筋で考えましたが、その時系列での情報不足、配役不足(子供キャラだけで問題解決させるにはハードルが高い。かと言ってタカヒロ、チノ祖父を出すのはちょっと違う。強いて言えば青山さん辺りは適役かもしれないが…)などもあり、構成が難航して筆が止まっていました。

そういう時は視点を変えて、「サキじゃなくてチノ祖父が死んだ時は?」とか「子供チノが現代に来たら?」とか色々考えました。

そして2案目の「子供チノが現代に来たら?」を掘り下げたのが本作になります。配役はココチノメインで展開したい気持ちはありましたが、「母が居ない寂しさ」という壁を乗り越えるのを手助けするのは、未来の自分(大人チノ)にした方がしっくり来るなと思ったので、こういった展開にしました。なので結果的にココアはアドバイザー的な立ち位置になりました。


ここまで考えた時点での話の流れは、

起 落ち込んだ子供チノが現代に来る

承 現代のメンバーで励まそうとする

転 チノと子供チノが、母の居ない寂しさを乗り越える

結 未来に向かってそれぞれの道を歩む

になります。


そこにそれぞれどういったエピソードが必要かを考え、肉付けしていきます。

起の部分で必要なのは状況説明なので、「チノが歩いていたら泣いている子供を見かけたが、どこか見覚えがあるので心当たりを探ってみたら...」という展開にしていました。その後「他のメンバーが加わり、どうしたら励ませるかを考える」が承になります。これ以上は完全にネタバレになってしまうので詳細は控えますが、拙著をお持ちの方はご自分で考えて頂けると理解が深まるかと思います。

承の中でもいくつかエピソードを入れて変化を付けていますので、起承転結の「承」の中でさらに「起承転結」の構成を考えていきます。


次に考えることは、「漫画に落とし込んだ時にどれぐらいのページ数になるか」です。そのためには、「場面転換が何回あるか」「どれだけの会話があるか」「イベントがあるか」を見積もっていきます。台詞や演出もこの時点でメモアプリになるべく詳細に起こしてしまい、絵なしで作れる情報はなるべく作り込んでしまいます。そうすれば自ずと「このシーンは何pぐらいで消化できそう」「ここは説明不足だから追加したい」「これは余計だから削りたい」など全貌が見えてきます。



実際これらを組み立てると、以下のようになります。

メモアプリはOneNoteですが、大した機能は使っていないので、他のソフトでも同じようなことは出来るかと思います。




・ネーム

大きいキャンバスに枠線を引いて、そこにガシガシと書き込んでいきます。

自分はこんなファイルを作ってあるので、そこに枠線と絵をざっくり入れていきます。



実際にネームを作ったところ。

レイヤーは枠線1枚、キャラクター2-3枚、背景2枚ぐらいでしょうか。どのレイヤーに描いてあるか分かるよう、それぞれ色分けしています。後で消したり移動させたくなった時にぐちゃぐちゃにならないように、隣の絵と重なる場合はレイヤーを分けています。

枠外には、入れたけど使わなかった絵や台詞をとりあえず退避させたり、構成で悩んでいることなどを書いておきます。こういう事のためにも、枠外の余白はあった方が便利です。


それぞれのページの中である程度の解像度を保つためには仕方ないですが、考えてみれば恐ろしいピクセル数...

ネーム完了後はラスターレイヤー7枚、ベクターレイヤー1枚、べた塗りレイヤー1枚、文字レイヤー多数で、ファイルサイズは50MB程度でした。




以下のように、「クリスタのページファイルを作ってそれに書き込む」って人も見かけましたが、ページの入れ替え、追加等をしたい時にそのままレイヤーの一部を移動で対応出来るので、敢えて1ファイルにまとめています。


また、縮小表示すれば、前後のページで同じようなコマ割りになっていないかの見通しが付けやすいのもメリットかと思います。

デメリットは、見られる解像度を維持しようとすると、キャンバスが巨大ゆえに、1ファイルがめちゃくちゃ重くなる、レイヤー操作もそれなりに気を使わないと自由変形などでフリーズしないか冷や汗をかくことです。特にベクターレイヤーの操作は重くなりやすいので、綺麗に処理する必要がないこの工程では、敢えてラスターレイヤーだけで処理しています。

文字は手書きで書くと潰れて読めなくなってしまうので、プロットで作った台詞を一通り入力しています。ネーム時点で他人のチェックを受けることも多いので、「他人でも読めるネーム」にするために、この作業は必要になってきます。


以上をまとめると、このやり方は


メリット

 全体の見通しが付きやすい。

 ページ構成変更に対応しやすい。

デメリット

 1ファイルが重くなる

 次の工程に移る時に文字は打ち直す必要がある


といったところでしょうか。


長くなったので次回更新に続きます。。。

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