「く、ぅ…!」
鎖が摺れる音を鳴らしながら、呻くアルティナ。
気を取り戻した時、彼女は石畳の上にいた。
いつの間にか四肢に鋼鉄の枷をはめられ、その手足を大きくX字状に引き延ばされる状態で拘束されている。
さらには、ちょうど臍の裏側にあたる腰部に10cmほどの出っ張りが存在しており、それが彼女に臍を天に向かって突き出す体勢を強要していた。
今は臍の激痛は収まっているものの、無理矢理体を逸らされたまま拘束される状態が地味に彼女に苦痛で与えていた。
「こんなことしてただで済むと思ってるの!?早く私を解放しなさいッ!!」
叫ぶアルティナ。
その時、ふいに一つの人影が現れた。
「やれやれ、五月蝿い王女殿だ」
「あ、アナタは…アルベリッヒッ!?」
憎むべき帝国の将の一人、アルベリッヒを前にして、憎悪の目を向けるアルティナ。
「一体私をどうするつもりなのッ!?」
「フフフ…」
さらにその背後から"もう一人"人影が現れる。
「あ…ッ!?」
"その姿"を見て血の気が引く感覚を覚えるアルティナ。
それは…自身の臍を徹底的に痛めつけてきた張本人、あのローブの人物だった。
「あ、あなた、やっぱりソイツらの…!!」
拘束されながら怒りに震える彼女に向かってゆっくりと歩み寄ってくるローブの人物。
「よ、よくも私をこんな目に…!!」
「…オヘソノ具合ハドウ?」
「ッ!?」
不意に発せられた言葉に驚くアルティナ。
それは意外にも女性の声であった。
だがどこか作り声のように聞こえる。
「オヘソ…ミテアゲル」
不意にその手がアルティナの臍に向けて伸ばされる。
「う,うぅ…さ,触らないで!!」
これまで散々自分の臍を責め立ててきた張本人が,またもその部位に触れようとしていることに抵抗しようとするアルティナであったが,鎖で完全に四肢を拘束されている彼女に為すすべはなかった。
そんなアルティナの意に反して,臍に埋め込まれた宝石についに触れる手。
「う…!」
その禍々しいまで光沢を放つ表面をしばらく指で弄るローブの女。
まるでオヘソの中身を弄られているような感覚にアルティナから微かなうめき声があがる。
やがて親指と人差し指で挟み込むように宝石の縁を摘ままれる。
「んぅ!」
「フ,フフフ…」
「な,なに…?」
「コノ時ヲ…コノ時ヲ待ッテイタ…」
「こ,この時って…」
「…ソウ!!アナタの“熟成した”オヘソを衆目にさらけ出すこの時をねッ!!」
叫びと同時に引き抜かれる宝石。
「んウ"ぅンッ!!???」
以前アルティナが必死に外そうにも全く臍穴から剥がれなかった宝石がいとも簡単に外れる。
その瞬間、まるで臍穴から体内のあらゆる臓器が飛び出したかのような感覚にビクンと体を震わすアルティナ。
同時に異常な臭気が彼女の鼻についた。
「…えほッ!!」
あまりもの臭さに思わずえずいてしまうアルティナ。
腐った卵,動物の排泄物,まるでありとあらゆる臭気を混ぜこぜにしたようなこの世ならざる臭さ…
「なんという臭気だ…」
「フフ,凄い…凄いわ…まさに"見た目通り"の臭いね…」
そういう二人の視線が自分のお腹に注がれていることに気づくアルティナ。
そして徐々に自分のむき出しの腹部の中心に"何か"が存在している感触を覚える。
「な,なに…?わ,私のおへそ…が…?」
体勢的に自分のへそが見れないアルティナ。
だが何か異常事態が発生していることは感じ取れた。
「フフ,エルフの姫君,これでよく見えるのではないかな?」
パチンと指を鳴らすアルベリッヒ。
その瞬間,アルティナに向かい合わせになるように天井に巨大な鏡が出現した。
「えっ……,ヒィッ!!!???」
鏡に映りこんだその"悍ましいもの"を目にした瞬間,アルティナの口から悲鳴が上がった。
「フフ,アルティナ…よく見なさい。これが新しく生まれ変わった,あなたの…"おヘソ"よ」
【続く】
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2023-03-04 11:25:48 +0000 UTCユウ
2023-03-04 04:24:14 +0000 UTC