親方は、ガキだ。
汗まみれの労働で出来上がった筋肉の上に乗った、たっぷりの脂肪。その上をさらに覆う剛毛。禿げ上がりゴツゴツした、ジャガイモのような顔。3メートル先まで漂う加齢臭。ヨダレの出そうな、パーフェクトな、純度100%原液のオヤジ。
でも、本質はガキだ。バカでイタズラ、無邪気。おまけに、友情にも厚い。
親子ほど歳の離れた俺が友達と言っていいのかどうか分からないが、俺への接し方(というか弄り方)は、ガキ同士のじゃれ合いを思わせるようなところがある。
小便でちんちんを見せ合うのも、親方にとっては友情を深める儀式なのだ。それ以上でも、それ以下でもない。
でも、親方の芋のようなマラを見せ付けられる俺は、たまったもんじゃない。抑えている感情が爆発しそうになる。何度、このマラを思い出し、センズリをかいたか分からねえ。
無邪気な親方は、俺の狂おしい思いを知らない。親方の無邪気な振る舞いは、俺を苦しませる・・・。
俺は、親方のことが急に憎らしくなり、ふとあることを思いついた。
「そういや親方、エリサちゃんと最近どうなんすか?」
エリサちゃん、というのは少し前から親方が入れ込んでいるキャバ嬢だ。本人はもうちょっとで落とせると思っているらしいが、もちろん、体よくあしわられているだけである。
「な、何だよいきなり…おまえから珍しいなぁ」
親方の顔が急に赤くなり始める。親方は、俺と車で2人になった時、よくこのエリサちゃんの話を振ってくる。目尻を下げ、スケベな本性剥き出しのにやけ顔で。それだけじゃない。親方はいつもそんな時、作業着の前を突っ張らせることに、俺は気付いている。
だから、俺はあえて今、忌まわしいその言葉を口にしたのだ。
(続く)