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あんどん丸
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(R-18童話)森のおじさん(5)(結)

「おおっ・・・はうっ・・・ううっ・・・気持ちいいッ・・・」


絶頂に近づくにつれ、おじさんの息はますます荒くなり、手の動きも早くなるのでした。


今、おじさんはがむしゃらでした。頭の中は、ただ孤独な、しかしどうか崇高な雄の快楽を追い求めることでいっぱいでした。こんな時、おじさんの心を悩ませる、里でのいやな思い出も何もかも、さっぱり消え去ってしまうのでした。


「うおおおおおーーーーっ!!」


おじさんの雄叫びが森の中に響きます。これが里なら、何事かと皆驚くことでしょう。でも、森はおじさんの心の叫びを静かに受け入れ、そっとこだまを返すのでした。そんなふうだから、おじさんは人の世界ではなく森が好きなのです。


日の光がキラキラと射す中、おじさんは、岩の上でどっしりと、ただひたすらに、猛然と竿をしごき続けます。今や、おじさんの全身は汗でびっしょりになっていました。


もう我慢できねえ。いくぞぉーーーーーっ!!


おじさんが叫ぶと、岩の下に集まった魚たちがばちゃばしゃと興奮して跳ねました。みな、あれを待ちわびているのです。


どぴゅっ・・・


おじさんの鈴口から、白濁した液が勢いよく飛び出てきました。白くねばねばした液は、空に向かって放物線を描きます。日の光をあびて、それは瞬間、真珠のような粒をきらめかせまたが、またすぐに形を変え、泉へと流星のように落下していきました。


白濁した液は、水面に落ちるやいなや、魚たちが争って口に入れていきます。栄養をたっぷり含んだおじさんの濃い汁は、魚たちにとってもたまらないごちそうなのです。


「ぐはあっ・・・ぐふうっ・・・おぐっ・・・」


何度かの噴出が繰り返される間、おじさんは目を閉じて天を仰ぎ見、全身を突き抜ける絶頂の快感を耐え忍ぶのでした。その姿は、どこか真剣に祈る人のようでもありました。


「はあっ・・・ふうっ・・・」


おじさんは荒い息を鎮めると、萎み始めた竿をぎゅっと根本からぎゅっとしごきあげ、残っていた汁を全部絞り出しました。


「天からもらったこの体が作った汁、一滴でも残すともったいねえからな・・・」


おじさんはいつものやさしい表情を取り戻し、泉の上で手をふって搾り取った液を魚たちに分けてやるのでした。


「おうおう、みんな食べられちまったなあ・・・俺の大事な雄汁、よく味わえよ」


魚たちに向かってそう言うと、おじさんは、指に残った汁を自分の舌でぺろりと舐めました。その味で、自分の体が健康かどうか分かるのです。


「へへ、どうやら元気みてえだな・・・」


おじさんは笑い、腰をおろして日の光を仰ぎ見ました。


「今日もいい一日になりそうだ」


おじさんは、しばらく濡れた竿をおひさまの光で乾かした後、むっくり立ち上がりました。


「さて、男の精を出してばかりいないで、そろそろ仕事に精出すとすっか・・・」


おじさんは、自分で自分のダジャレに「へへっ」と笑い、のっし、のっしと森の奥へ薪を集めに向かうのでした。


(終わり)


(おまけ画像)お絵描きAI「StableDiffusion」で描いたイメージ画















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