SamSuka
あんどん丸
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アンパンマンマーチを口ずさんだ夜

寝入り端にスマホをいじっていたら、久々に(というほどの久々でもないけど)、あいつがSNSで自撮りした動画を目にしてしまった。


動画の中のあいつは元気そうだった。一人でカメラに向かってしゃべっていた。ユーチューバーみたいに。


一人でしゃべっていたけど、あいつはさみしそうじゃなかった。オレとは違って。


もちろんそれは動画の中での話で、動画の外ではどうなのか分からない。


でも、少なくも、オレと2人でいる時よりも、あいつは楽しそうだった。


動画を見終わって、オレは何度かいいねをしたり、外したりした。でも、オレからのいいねがついていてもついてなくても、あいつにはどうでもいい事だと、オレは知っていた。


オレはスマホを置いて、おもむろにパンツを下ろしオナニーした。あいつのことを考えずに射精できたらオレの勝ちだ。


でも射精の瞬間、やっぱりあいつの顔が浮かんだ。こんな一人芝居ですら、オレは負けてしまうのだ。


飛び散った精液を拭き取りながら、オレはアンパンマンマーチを口ずさんだ。愛と勇気だけが友達。そう、愛と勇気だけが友達なんだ。


オレはその言葉を苦い思いで噛み締めて、眠りについた。


(終わり)


※このミニストーリーはフィクションです。













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