SamSuka
土装番
土装番

fanbox


二人のアオイ 記憶を消された機械人形 3

「ああっ…………あんっ…………あお、い…………これから、何をしてくれるのかしら……あ……もっと、気持ちいいこと……ん…………ほしい…………あっ……あんっ…………」 「これから私達のような機械だからこそできることをしてあげるわ……私達がいつもしているような、少しずつ人間らしい部分を擦り減らしていくようなことをね……」  碧は両手に力を入れ、葵の頭部を右に大きく捻り始めた。  首の部分に存在する小さな継ぎ目に従い、葵の人間らしい頭部が、人工皮膚に皺を作らずスムーズに回転していく。  そのまま頭部は人間ではまずあり得ない180度の方向まで回り、葵の顔は首から下が向く真正面とは正反対の方向を向いた。  そこからさらに軽く力を入れると、首の接続部からかちりとはっきりとした着脱音が聞こえてきた。 「ああっ! 首から…………あっ、何か……ぁ…………首がきもちい……はあ……あっ…………」  本来性器や性感帯でもなんでもないはずの「首の内側」から発生する快感に、視界を動かされながら嬌声を上げる葵。  そして、何の抵抗も無く視界がふわりと浮き上がり、全身の感覚そのままに葵の頭部は身体から離れ離れになった。  碧はマネキンの頭部を扱うように、綺麗な黒い長髪をはらりと動かしながら再度頭部を半回転させ、葵の顔を自分と向き合わせる。  今にも鼻の頂点が当たりそうな程に近い距離。瞳の奥の動作まではっきりと確認できるが、二人の唇の間に呼吸は存在しない。 「ほら、私達は機械だからこうやって首と身体を離すこともできるのよ。それに、外した瞬間首元が気持ちよかったでしょ?」 「ええ……胸や女性器ユニットを使われた時ほどじゃないけど……ん……あっ…………それとも違う初めての感覚が……あっ…………」  生首の状態になっても、スピーカーからの発声によって問題なく会話を続ける葵。  ようやく快楽信号の処理が落ち着いてきたのか、床の上で震えていた女性器ユニットの挙動も先程より小さくなり始めていた。 「私達はね、どんな感覚も快楽信号に変換して処理できるの。女性器ユニットや胸への刺激、キスはもちろん、全身のセンサーから感じられるものは全て…………私達に痛いや苦しいなんて感覚は無いわ。叩かれても皮膚を破られても全てが性感になるの。だからね…………」  そう言って碧は、両手の位置を下にずらして人差し指を両耳の奥まで突っ込み、人間ならば鼓膜が破れんほどの強さで集音ユニットを押し込んでいった。   「あああ、あ、あ、あああっ! 耳が、あ、あ、あああんっ! おお、音が、頭の中が、あっ、ああっ!」  未知なる不思議な快感が両耳の奥から弾け、脳内に響く雑音と同時に刺激される気持ちよさが人格データを痺れさせた。  ぽかんと惚けるように開いた口から、口内に残存していた人工唾液がぽたぽたとこぼれ落ちる。  碧はそんな彼女の唇を塞ぎ、追い打ちをかけるようにディープキスを与えていった。 「どう? 身体中から気持ちよくなる気分は。まだまだ序の口なんだから……ん……ぅ…………」  雑音に混じって入り込む碧の誘惑するような声。クリトリスを弄るような指の動きでがりがりと刺激される集音ユニットと、ついさっきまで溺れるくらいに愉しんだ肉感的なキス。  機械的な快感と生物的な快感が電子頭脳に同時に襲いかかり、葵の思考は骨抜きになるような感覚に襲われる。  どくどくと流し込まれる碧の人工唾液。美味しそうに葵がそれを飲み込む度、首の断面からとろとろとこぼれ落ちて首なしの身体へと垂れていく。  淫靡にばたつく身体に、ひとりでに振動する女性器ユニット。  半分バラバラ死体のような様相になり始めた葵の身体は、パーツそれぞれに溶けるような悦楽を表現した。 「私、ここ、こんな、私って、こんなにきもちいいことを、あっ、あっ、あああっ! あんっ、耳の中が、ぁ……はああっ、ああっ!!」  人間的な性感帯以外の部分への刺激を与え始めてから、言動にやや不安定さが現れ始めた葵。  何度も何度も交わした濃厚なキスを飽きずに享受しながら、我慢できなくなったのか、首なしの身体は自ら乳房を揉みしだき乳首を摘み始めた。  乳液が排出される度に背中が大きく仰け反り、周囲に白い液体を撒き散らしながら蠱惑的に身体をくねらせる。 「耳の中だけじゃ満足できないでしょ? もうちょっと葵と口移ししたいな……なんて」  現在の首だけの葵には、胴体部に備わった体液タンクと繋がっていないために口から体液の排出が不可能となっている。  そこで碧は、無線によって外部と通信し、何もない床からとろっとした無色透明の液体が詰まった細いホース付きの小さいタンクをオーダーした。  軽く液を排出すると、碧はその先端を葵の接続部から差し込み、喉の途中まで挿入した。 「ん…………ああっ…………何か、ぁ……喉から何かが入って…………ああっ…………こんなのも気持ちいいなんて……」  異物が逆流しているような違和感すらも、今の彼女達には快感に置き換えられる。  喉元の肉部分がホースを締め付けるようにして固定したのを確認すると、碧はタンクを操作し、透明の粘液を排出した。  液は瞬く間に葵の口内を満たし、どくどくと口端から垂れる程に溢れさせた。 「ん……どう……? 喉からシロップに満たされる感覚は……あっ……葵の口から出るシロップ……ん……ぅ……甘くておいしい…………」  タンク内に詰められた液体の正体は、コーヒーに使われるようなただのとろっとしたシロップだった。  本来は人間の食事に使用される甘味料だが、二体のスレイブドールに対しては、あくまでシチュエーションを作り上げ盛り上げる為の玩具として扱われている。  機械の生首から湧き水のように溢れるシロップが、唇や舌に絡み、甘く表面を汚していく。 「んん……ぅ…………ん…………私の中から……あっ……こんなに甘いものが…………あっ……おいしい…………碧の唇……舌……柔らかい……きもちいい…………」  口内に広がる甘ったるい味を機械的に認識し、互いの電子頭脳が人間的な反応を作り出す。  生首から注がれるそれを、碧はごくごくと美味しそうに顔を蕩けさせながら飲み込み、重ねた唇の隙間から漏れ出す程のシロップがぽたぽたと床に落ちていく。  痺れるような激しい快感が一時的に鳴りを潜めたからか、葵の身体と女性器ユニットの動作は落ち着きを取り戻した。  が、快楽信号によって艶めかしく動作しているのは変わらなかった。 「ん…………あ…………んん……ぅ…………葵…………愛してる……大好きよ…………」 「碧……あんっ…………んむ……ぅ…………私も…………こんなロボットをこんなに…………あっ……あんっ…………ん……あっ…………」  甘ったるい液まみれの舌が絡みあい、静かな空間に淫靡な水音がいやらしく響く。  無秩序に放出されるシロップは葵の意志では止まらず、口を閉じても溢れ出す。  その量は口内容量を越え始め、ついには鼻の穴からも漏れ出すようになっていった。  しかし人間でない彼女は、口内から逆流する液に苦しむこともくしゃみを出すこともなく、ただ液体が通っているだけという認識でなんのリアクションも起こさない。  何度も何度も、樹脂の舌で甘く味付けされた唇と舌を肉欲のままに味わっていると、とうとうタンクの中身が空っぽになってしまった。  葵の喉奥からは空気を多量に含んだ、人体ではまずなり得ないやや激しい音が発され、絶えず溢れていた蜜も、口内の残存した分以外は全て碧の体内か床へと落ちてしまった。  そんなことはお構いなしと、まだしばらく口づけを交わし続ける二体。  そして、肉色の樹脂を覆っていたシロップが全て舐め取られ、表面が乾き柔らかな感触が戻った所で、碧は名残惜しそうに口を離した。  味わいあった唇との間には、人の手で作られた甘味料の糸が引く。 「シロップが無くなっちゃったわね……もっと葵と一緒に味わっていたかったんだけど」 「私も……でも、碧にこんなに気持ちよく楽しませてくれて、私はとっても嬉しいわ……」  甘くとろけた笑みを互いに浮かべ二体。碧が両手を動かして再度頭部を近づけ、軽く一度キスを交わす。  外部からの付属品で如何様なプレイもこなす事ができる機械の身体。  記憶データがさっぱりと消え去った、成熟した人格のみだけが歪に残った葵にその幸福をさらに学習させてあげようと、今度はどのようなプレイをしてあげようかと思考する碧。  そんな彼女の姿を、首だけの葵は主人からの餌を待つ犬のような眼できらきらと見つめていた。 「葵、これからもっともっと、機械として、性欲を発散するロボットとして、私達のような存在にしか体感できない快感を体験させてあげるわ。だから、少しだけ自慰をして待っててね」 「わかったわ。碧のためだったら、私はいくらでも待てるもの。もっとたくさん、気持ちいいことを知りたい……」  碧の言葉も折り混ざり、性玩具としての自己認識がさらに強固な物へとなっていく。  過去も分からず、碧の言葉のままに記憶を確立し、己を0から作られた快楽信号を発散する為の機械人形だと信じる、元人間の葵。  いつもは外部からの命令やプレイ時の操作や思考命令によって葵を操作しているが、こんな人間相手の洗脳的な操作方法も悪くない。  むしろ今までの中でも変わった趣向な分、葵のことが一段と愛おしくいやらしく可愛らしく思える。  碧の内側で、元々非常に高かった好感度が上限まで振り切れる。  そんなオリジナルを、今回は無知のまま、偽りの認識のまま機械として絶頂を迎えさせてあげようと、まずはシロップまみれの顔を手で拭い取った後、性感を全身に散らすようにくねくねと動く葵の胴体、その乳房の先端に頭部の唇を近づけた。 「口で自分の胸を気持ちよくするのもいいわよ。胸の中に広がる熱い感覚が堪らないの……」 「ありがとう碧。私、まだまだいっぱい気持ちよくなれるのね……んん…………ああっ! あああ……ぁ……」  コピーのアドバイスのままに、葵は自身の豊満な右乳房に吸い付き、固くなった先端を甘噛みした。  その鋭利な刺激をきっかけに乳の内部でほとばしる熱くも弾けるような快感。  快楽信号を呼び水にして放出された乳液が、口内に残存したシロップと混ざり合って、電子頭脳に性欲と味覚の幸せを同時に与えていく。  再び全身に伝わった甘美な感覚に全身の挙動が激しくなり、両足がぴんと張りながら小さくばたばたと暴れる。  牛乳に近い味のする乳液と、シロップが混ざり合った液体は、樹脂の舌を満たした後で首の穴からだらだらとこぼれ落ち、さらさらとした腹部の上を伝って床に流れ落ちた。 「胸で遊ぶだけじゃ物足りないでしょ? オナニーするなら、やっぱり自分のあそこで遊ばないとね……」  ぺろっと葵の顔から拭き取った蜜を舐め取り、ずっと床の上で生物のように震えて跳ねてを繰り返していた女性器ユニットを手に取り、電動式の玩具のような震えを人工皮膚越しに体感する。  本体と繋がっていない分、一滴の人工愛液も分泌されておらず、残存していた分も全て吐き出し乾いてしまった。  それではオナホールとしての使い道も少しだけ困るだろうと、碧は床に多量に撒かれたシロップを手で掬い、それを女性器ユニットにべたべたと塗りたくった。 「あはああっ!! な、なんたか……ぁぁ……あたしの中が、あ、すごく気持ちいい感覚が、あっ! ああんっ!」  大きな乳房で口の塞がった葵から、明瞭な発音で新しく与えられ処理された快楽が声となる。  塗りつける度に生きた魚のように振動する女性器ユニット。その敏感なピンク色の肉から液体の冷たさ、優しくも刺激するようなので葵の手付きを強く感じ取る。  ひくひくともっと沢山の肉欲を求めるように蠢く肉裂に、いっぱいに濡らした二本指を挿入し、本当に甘い蜜を膣でたくさん味わわせてあげる。  べっとりと膣内を満たしたシロップは、肉壁同士の接触で糸を引き、まるで生きた肉壷のような淫靡さを作り出した。 「あは……作り物だけでこんなに生っぽくなるなんて……私も全部作り物だけど。私がこれを沢山弄ってあげたいけど……今回は葵に任せちゃおっと」  大好きな葵の女性器ユニットは何度弄っても飽きることはない。  人工的な生殖器で人間的な反応する姿、時には機械的な快楽反応を示す姿がたまらなく愛おしくて官能的。  今回もそうしてあげたかったが、これを渡せばもっと愛玩人形らしさに染まってくれるだろうと思考し、碧は精巧な肉筒を持ち上げて、ぴくぴくと震えてばたつく、手持ち無沙汰な葵の右手の中に収めた。 「はいどうぞ。今は視界に移せないでしょうけど、今手の中にあるのは、葵の股に装着されてた自分の女性器ユニットよ。次のフェイズに入るまでは、存分に弄ってあげるといいわ。もしうっかり壊しちゃっても、私達には予備のパーツがあるからね」 「はああ……あんっ…………ありがと……碧…………あんっ! 女性器ユニットが……触ると……こんな……あぁぁ…………」  葵は手元の感触とパーツの形状を電子頭脳内で照合しながら、震える手で持つ位置を調整していく。  体液ではない粘液に包まれた肉筒を魅惑的な指と手の動作で触れながら、少しだけ乾き始めたシロップをべたべたと纏いながら、葵は二本指を重ねてずぶっと挿入した。 「はあああっ! 私の……私の女性器ユニット……あんっ、あっ、あああっ! いっぱい触って、穴の中に入れるだけでこんなに…………ひああっ!! あんっ、あんっ……」  こんこんと指でクリトリスを刺激しつつ、膣内で指を前後させる度に、シロップが空気を含んでずぷ、ぐちゅ、と卑猥な音を立てて肉壁が刺激される。  体液ではないそれを潤滑剤に、自身の肉筒を外側から内側から虐める程に、キスの時とは比べ物にならない程の快楽信号が発信される。  自分が動けば、刺激すればもっともっと求めている感覚が自分の中に発生する。  快楽中毒になり始めた葵は、乳首を噛む力と吸う力をさらに強め、女性器ユニットへの刺激をエスカレートさせていった。 「あんっ、あんっ、あっ、あっ、あああっ!! 私、あっ! えっちなロボットで、あんっ、ん、ああっ! こんなに、きもちいいのが、快楽信号が……ああっ! 碧、私……とっても……きもちいい………あはあああっ!!」  それまではまだ葵という人格データの人間らしい部分は残っていたが、碧が一気に与えた倒錯的な性行為の数々によって、すっかりと葵は快楽信号を貪るロボットとしての自覚が芽生えてしまっていた。  歯型が残る程に綺麗なピンク色の乳首を噛みながら、今首が本来の位置に接続されていれば、女性器ユニットを舐めたり出来たのにと、また別の自慰行為の可能性を演算しつつ放出される乳液を飲み込み、接続部の穴から垂れ流す頭部。  大人のおもちゃのように振動する女性器ユニットの膣内を、爪を立てて引っ掻きながら、左手で子宮ユニットも一緒に揉み込んでいく。  胴体から外されてから時間も経っているために女性器ユニットはすっかりと人体の体温以下になってしまっているが、生体ではない彼女にはそんなことは関係ない。  快楽信号の赴くままに機械人形的な自慰行為にひたすら耽っている葵は、人格データの以外の全削除を以て作られた歪な純粋さによって、一人遊びを続ける性的な機械人形へと変貌してしまっていた。 「こんなオリジナルもいいわね……ずっと自分は人間だとか、機械じゃないって現在の状態を否定しながら壊れあって絶頂に達してたけど、こんな風に人間じゃない今を受け入れさせるのも……ふふっ、人間だったって記憶もないんだけど。あっ…………葵を見てたら、私も濡れてきちゃった……」  オリジナルの葵が乱れる様をずっと眺めているうちに、さらに人格データの情動が疼き始めてきた碧。  大きな乳房の先端からぽつりと乳液の雫が溢れ、陰核をひくひくさせながら、艷やかな太ももを伝うように人工愛液が垂れていく。  このまま自分も一人で快感に溺れ始めたい。なんなら葵と一緒に乱れ尽くして壊れてしまいたい。  しかし今はそれよりも優先すべき事項がある。  人格データの挙動を無理やり抑え、組み込まれたプログラムに従い、碧は葵に次のフェイズに進ませるための行動に移った。 「ねえ葵、今はどんな気持ち?」 「私、わ、私……し、幸せ……あんっ、あっ、あんっ……碧……こんなに嬉しくて、気持ちよくて、きもちいい…………は、あっ、あああ……ぁぁ…………ひゃうっ!!」  頭部を胴体の上から落とさないように、女性器ユニットを落とさないように、胴体を過度に動かさないための動作調整、激しく変動する人格データの反応、そして全身から発生する膨大な快楽信号が同時に電子頭脳に多大なる負荷をかけ、葵の挙動や言動に明らかな綻びが見え始める。  感情いっぱいになり言葉がうまく紡ぎ出せないというよりも、まるで音声が突然飛んでいるような言葉の途切れ方。  それまでも何度か兆候は見せていたが、ここに来て明らかにはっきりと現れている無機質かつ無意味な痙攣。  あまりに気持ちよくなりすぎた結果、その限界が近づいているのかもしれない。  しかしそこからが彼女達の本番と言っても過言ではない。碧はそんなオリジナルの姿に妖しい笑みを浮かべ、未だ子供のように夢中で弄り続けている女性器ユニットを手に取る。 「そっか。それじゃあ…………これからもっとその先まで行きましょうよ」 「あ、あ、あ、あ……私、私の女性器ユニ、ユニット…………あん、あんっ、あんっ……ああああ…………もっと、女性器ユニットを……」  自身の乳房とその上しか視界に写らない葵には、自身の膣部が取り上げられたことにただ声を上げることしかできずに、空っぽになった両手をあたふたと動かす。  そんな最中でも並行して、葵は乳房への刺激を止めずに快感に喘ぐ。  機械人形らしさを見せる姿にまたもや性感を煽られながら、碧は女性器ユニットを空洞となった股間部へと押し当てた。 「大丈夫よ。これは元の場所に一旦戻してあげるから。今度は自分の手じゃなくて、眼で見つめながら舌で弄るのよ」  碧はその生殖器をかちっと接続音が鳴るまで押し込み、本来の姿を取り戻させた。  次の瞬間、それまで溜め込んでいたフラストレーションを放出するように、何度も人工愛液による潮を噴かせながらどろどろと何の味もしない無色透明の粘液を垂れ流した。 「こんなに愛液を排出できないで溜まってたのね……」  吐き出された一部を指で掬ってちょっとだけ舐め取ると、ほのかに甘い味がする。  どうやら付着したシロップがわずかに混ざり合っていたらしい。  本来は無味無臭の量産品だけど、こういう偶然も悪くないと思いながら、碧は自身の乳房に夢中な葵の頭部を手にとった。   「あっ、碧……待って……私の胸……もっと気持ちよくなりた……い…………あたまが……なんだかあつい……の…………」  口から離された乳首には、乳輪まで到る無数の歯型が形成されており、そのいくつかは人工皮膚を明らかに千切られていた。  それでも彼女の胸からは血の一滴も流れず、痛がる様子すら一切ない。  首の断面からぽたぽたと白い雫を垂らしながら持ち上げられると、葵は頭部を自身の股間まで移動させられた。  眼の前に現れたのは、肉感豊かな太ももの間、その奥で淫らな液を出しながらひくひくと蠢く女性器ユニット。 「どう? 人間だとまず見ることのできない視点よ。自分のあそこを真正面から見るなんて、こうやって自由に首を外せる私達にしかできないわ」 「あは…………なんだか胸の奥が熱くなる…………自分の女性器ユニットを見るのってこんな気分なのね……」  まるで初めて抱く感情というように、正しく装着された己の生殖器に興奮する葵。  碧は何も言わずにゆっくりと押して近づけてあげると、葵は舌を出してシロップと乳液まみれの舌で陰部を欲望のままに舐め始めた。 「あはっ、あっ……ああんっ! 手で触れるのとは……違う気持ちよさが……あっ、あん………あああ……ぁぁ…………甘……い…………は……ぁぁ…………」  自ら秘部を動かして開放し、樹脂製の肉穴を美味しそうに舐る葵。  それに連動し、下半身がぴくぴくと微振動を起こす。  首のない以外はいかにも人間的な反応を示しているが、碧が今から与えようとしているのは、そこからはまた別の機械的な気持ちよさだった。 「あぁ……ん……あっ…………きもち……いい…………ずっと……あっ…………こうしていた外部からの命令を受信しました。後頭部ハッチを開放します」  碧から送信した無線命令によって、葵は唐突に無表情になり、システムメッセージを発しながら後頭部の電子頭脳を開放した。  葵の電子頭脳は多大なる負荷によって発熱し、人間が触れるだけでも火傷してしまいそうな程の熱さを帯びていた。 「私達の快感は肉体のそれだけじゃないの…………こうやって中枢をね…………」  待ちに待ったと言うような柔らかな妖しい笑みを作り、碧はたっぷりに人工唾液とシロップを纏わせた舌を出す。  そして、一度ぺろりと優しく、晒された電子頭脳を舐め取った。


More Creators