みんなが使えるセックスドール 篠原美奈子の場合 1話先行公開版
Added 2022-11-22 13:07:29 +0000 UTCとある島国の首都、東陽。その中に無数ある巨大都市からは少し外れたベッドタウンの中平新町。 そこに設立された歴史ある小学校、中平区立中平第一小学校にて、ある一人の女性教師が働いていた。 「はい、みんなー! 席についてー! 朝の会始めるよー! まずは朝礼からの朝の出席からね!」 気持ちのいい日光が差す2階教室の4年3組にて、廊下の外まで響くような、綺麗で耳心地の良い大人びた美声で生徒達に呼びかけた女性教師の名前は篠原美奈子。 年齢は23歳。品行方正な印象を強めるサラッとしたセミロングヘアーで、前髪はしっかりと中央で分けられている。 顔立ちはまるで画面の向こうの女優がリアルに現れたかの如くスッキリとして整っており、誰もが憧れる大人の女性というイメージを体現していた。 体型も、厚手のスーツでスタイルこそ隠れているが、それでも隠しきれない程の魅力的かつ母性的な胸の大きさに、線が隠れる衣服でもしっかりと着こなしていると言える程のスタイルの良さ。 隠れてはいるものの無駄肉を一切感じさせない綺麗な太ももと、長く綺麗な美脚も相まって、まさに美奈子は誰もが見惚れるような容姿を持った、メディアの向こうにいる高嶺の花とも思えるような存在だった。 「今日は欠席の子はゼロと。みんな健康で良かった! 何事もまずはやっぱり元気なのが一番だから、こういう日が続くといいなって思いますね! でも、病気はいつ来るかわからないからね。ちゃんと毎日手洗いうがいは気をつけてね」 「はーーーーい!!」 そんな彼女は、教師になってからは2年程で、中平第一小学校に来た年月と同じ。その間にも、彼女は教師としての役目を次々とこなしている。 担任のクラスだけに留まらず、様々な生徒達から多大なる人気を受けていた。 「はい、それじゃあ今日の算数は、昨日のテストを返してから始めますね」 「ええーーーやだーーー!!」 「授業そのままやってくれればいいのにー!」 「そうは言っても、返さないといけないからね……じゃ、出席番号順から始めますよ。相原平次くん!」 時には普通の教師と同じく、やることなすことを嫌がられたりもするが、反発の雰囲気はどこか少しだけ薄い。 それは、彼女の常日頃からの対応にあった。 「はい。前よりも点数あがったね。その調子! これからも頑張っていこう!」 「はい。点数は落ちちゃったけど、答えられたのは難しいところが多いね。これは誇っても大丈夫だよ、自信持って!」 目線を子供たちに合わせつつ腰を少し屈めて、褒める言葉で気持ちを押し出しながら答案を出す。 他の生徒には聞こえないように声の大きさをうまく変え、一人ひとりに違う言葉を向けていく。 彼女は答案用紙に書かれた正誤を全て覚えており、目の前に来る生徒達がどこを間違えたのか、どんな間違いをしたのか、どんな式や内容で答えを書いたかなどを完全に記憶していた。 「優子さん。9問目の解き方、とても良かったよ。その考え方をこれからも大事にしてね。でも数字の書き間違えは惜しかったね……」 だからこそ、一人ひとりにきちんとした優しい指摘もかけてあげられる。耳心地良い声と、間近に迫る綺麗な微笑みが生徒達の心をくすぐり、嬉しい気持ちを自然と奥底から引き出していた。 「今日の体育はサッカーで行きましょう! でも、いきなり試合をするのは大変だから、私がゴールキーパーになって、みんなは一人ずつ、好きにどんどんサッカーボールを蹴るっていうのはどうかな?」 「やるやるー!」 「先生が点取られたらなんかその分の罰ゲームやってー!」 「罰ゲームはちょっとできないかな……でも、何かいいことは考えておくかも」 美奈子の実力は、普段の座学授業には留まらず、身体を動かす状況でも発揮される。 彼女はどんな教科でも臆することなく、きっちりとわかりやすく、楽しく内容を把握できるように、そして疑問を持たれたらすぐ解説できるようにと、ほぼ完璧に教科ごとの内容を頭に入れている。 だがその一方で、体育でも自ら動きつつ授業として成立するような工夫を凝らし、最大限楽しめるような努力を考えていた。 体育の授業ではいつもジャージに着替え、スーツの時よりもその魅力溢れるボディラインが浮き出るようになりながらも、まるでスポーツ選手だったかのような軽い身のこなしを披露する。 「いいよいいよ! どんどん蹴って! サッカーで楽しい瞬間の一つはシュートだからね!」 献身的な授業へのひたむきさと、生徒達の楽しみと学習を第一に据えた授業内容が功を奏したのか、彼女のクラスはとても良い雰囲気に包まれており、成績も優秀と言えるものになっていた。 さらには、彼女のハイスペックぶりは、生徒達の前だけでは終わらない。 「えっと、この文章からはこれが読み取れてるし、答えの内容もきちんと書けてる、と……」 ある日の昼休み。美奈子は職員室にて、他の教師よりも特にしっかり整理整頓されている机の上で、この日行った国語のテストの採点を行っていた。 とても小さな声で、考えていることをそのまま出しているような独り言をつぶやきながら、てきぱきと○☓をつけていく。 だが、その速度は、他の教師が思わず目を見張る程に早く、正確で、全く非の打ち所がない。 特に算数に関しては飛び抜けており、まるで自身が計算機になったかのような正確さと速度で、答え合わせを横に置かなくても見事な仕事ぶりを実現していた。 「いやあ、ちょっと前から美奈子さん本当にすごいですねえ。前からいい先生だとは思ってましたけど、なんだか覚醒したみたいだ。何かあったんですか?」 その働きぶりは、同僚の教師たちの間でも少しだけ話題になっていた。 以前から美奈子は評判の良い教師であり、持ち前の美貌と先生としての心持ちや資質もあって、期待された人物だった。 それが最近は特に、いきなりその能力が向上しつつある。 同僚の男性教師がどうしても気になり、軽く質問をぶつけてみた。 「さあ……思い当たるようなことは特に。私も、最近自分でも色んなことができてるなあって驚いてるんです。しいて言うなら、引っ越したことぐらいですかね」 美奈子は素直に、自分が思っていること、近況に起きた思い当たる理由を口にした。 その言葉通り、最近の彼女は自分でも色んなことが出来ている上に、肌ツヤや身体の調子もとても良くなっていることを疑問に思っていた。 物覚えもかなり良くなり、書き文字も綺麗になり、暗算や丸暗記も前より軽々と出来るようになったが、特別なことは何一つしていない。 変わったことと言えば、新築の大型マンションに引っ越したぐらいのもの。それ以外に、思い当たる節は何もなかった。 「きっとそれですよ! 環境が変われば人も大きく変わるって言いますし、意外と大きな効果出たんじゃないですか? ほら、新しい部屋ってほんと新しい部屋だー! ってテンション上がる匂いしますし」 「もうなんですかそれ。でも、確かに気分転換のおかげかもしれないですね……なんだか気分がいいです」 自分への違和感こそないわけではないが、同じ仲間の教師たちと話していると、なんだかそれもどうでもいいことのように思える。 美奈子は談笑と並行してしっかりと採点作業や授業準備をこなしつつ、より周囲との親睦を深め、魅力を振りまいていった。 輝かしい彼女の姿だが、そんな美奈子を不愉快に、恨めしく思う人物も、少なからずいるのだった。 「なんなのよあいつ……多少私より若くて仕事できるからってチヤホヤされて……ああいうの程エグい裏があるんだから見てなさいよ……!」 * * * ある日の金曜日の午後。生徒達はようやく迎えた休日前の下校に、祭りのようにはしゃぎ盛り上がっていく。 休みなのは先生達も同様で、ひとまずの激務から開放されるこの時を待っていたのだった。 「今週も一週間の授業終わりー! でもあんまり疲れてないなあ……本当に、引っ越したおかげかも」 それは美奈子も例外ではなく、たくさんの生徒達に勉強を教え、時間を共有した後は、一人の時間も必要だと彼女は考えている。 だからこそ、常日頃から生徒達のことを気にかけつつも、自分の時間が訪れたことに喜んでいた。 少し浮足立った足取りで、自宅までの帰路を向かっていく美奈子。 不思議となぜだか、最近はこういう時になると食欲が湧いてこない。口にするとしても、牛乳やお酒のような飲み物ばかりである。 だけどもそれを、美奈子はおかしいとは思わなかった。 ちらちらと、道中の街道にある施設や待ちゆく人々の賑わいを横目にしながら、彼女は寄り道せず、教師の鑑とも言えるような真面目さで、真っ直ぐと帰っていった。 そして、彼女が辿り着いた新築の大型マンション。 入り口はオートロックで、エレベーターもついており、それぞれの部屋の感覚もかなり広い為、非常に快適な生活空間が築かれている。 美奈子は、管理者と自分しか持っていない514号室のカードキーを使い、意外ともう住み慣れた新居の玄関に足を踏み入れる。 「自宅に煩わしさがないっていいなあ……うーん」 帰宅して早々に玄関で背筋を伸ばし、綺麗に靴を脱いで寝室へと入っていく。 室内は全体的に不自然な程に殺風景であり、彼女の趣味や趣向を感じさせるようなグッズ類は、殆どと言っていいほど見かけなかった。 学習本などの類も異様に少なく、最低限これがあればいいというものしか置かれていない。 その代わり、室内にはローションやディルドのような性玩具類やその関連品がずらりと並べられており、それらの数は趣味の範疇を明らかに超えていた。 「広くて思いっきり身体伸ばせるし、周囲の音も気にならないし、オートロックだし……引っ越してよかったぁー!」 すると、美奈子は新居の心地よさを実感しながら、おもむろにスーツを脱ぎ、さらにはその下に着けている下着類も全て脱ぎ始めた。 まるでそれが当然であるかのように、股間の割れ目や乳首まで曝け出し、まるで展示会のフィギュアのように扇情的かつ整った身体を空気に曝す。 元々彼女には、このような趣向は一切ない。このマンションに引っ越した日から、突然現れた行動である。 それから、彼女はリビングへ移動する。すると、そこには異様な存在感を放つ、人一人が余裕で収納できるような、楕円形のポッドが設置されていた。 明らかに不審な物体であり、一般的な家内には存在するわけもないもの。だが美奈子は、それが当たり前であるかのように受け入れており、視線を移すようなこともしなかった。 それから、美奈子はキッチンに向かうと、シンクに自分の両胸を差し出し。乳首を下に向ける。 「明日は予定空いてるけど、どうしようかな……もうそろそろ運動会に時間が割かれるし……あっ……」 すると、彼女の乳頭から突如、母乳のような白い液体ではなく、水道水と同じ水が噴き出してきた。 汗などの類ではなく、決して人体からは出ることのない液体が、何かの機器から放出されるように流しへと吐き出されているが、美奈子はそれを当たり前のように行っている。 同時に、乳首を弄り胸を軽く揉み込んでいる間、美奈子は感じているような性感の声を上げ、クリトリスをひくひくと揺らしていた。 しかし彼女の言動は、その自慰行為に連なるものではなく、日常の一部の言葉ばかりで、声色こそ影響されているが快感に浸っているような様子は全く無かった。 水の出が悪くなったところで、美奈子は冷蔵庫を開け、飲み物ばかりです食材の類が全くと言っていいほど見当たらない中から牛乳入りパックを取り出す。 「授業内容をちょっと……あんっ……考え直したほうがいいかな……あっ……」 先程の気持ちよさが残っているのか、小さな嬌声を漏らしつつ、その牛乳を一気に口から中へと流し込んだ。 ゴクゴクと飲み込んでいる様子はなく、まさに容器に注いでいるような様相。その間、彼女の喋りは止まらないどころか、声が牛乳によって淀むような気配すらなかった。 空になった牛乳パックを捨て、再びシンクに両胸を向けると、今度は乳首から水ではなく牛乳が溢れてきた。 微量の放出が確認されると、美奈子は両乳首周りを軽く拭き取り、何事もなかったかのように自室へ向けて歩きだした。 「今は復習の時間にあてて、少し遅れちゃってる生徒にも……えっ?」 生徒達のことを一番に考えているが、行動や現状が明らかに噛み合っていない美奈子。 一人だけの空間で自覚のない様子の奇行に走っていたその時、玄関の扉が開く音が聞こえてきた。 この部屋はオートロックで、カードキーを使わなければ誰も入ってこれないはず。合鍵など当然作っていない。 美奈子の胸中に、驚愕と恐怖の感情が一斉に湧き上がる。 「だっ……誰!?」 美奈子の視線は、開いた玄関に一直線に突き刺さる。 そして、この自宅に上がりこんできたのは、彼女が一切見知らぬ男性だった。 「ははは、要望通り本当に全裸で待ってくれてたな! こりゃ嬉しいぜ」 「な、なんですかあなたは!? 全裸って、いったいなんのことをいって……」 ズカズカと上がり込み、真っ直ぐ自分めがけて迫ってくる知らない男性に、恐怖に染まり怯え竦んだ表情に塗り替わった美奈子。 一歩、また一歩と下がるが、男性は臆することなく進み、ついに彼女の目の前まで近づいた。 「もうしばらくこの状態楽しむのも悪くねえけど、セクサロイド状態を見に来たんだからな。とっとと起動するか。操作コード:169905」 「そもそも、なんでここのカードキーを持ってるんですか!? まさか、盗………………」 戸惑い怯え、腰が引けたままなんとか声を出そうとする美奈子。 そんな様子もお構いなしに、男性が6桁の番号を口にした瞬間、彼女の喋りはいきなりぶつ切りに途切れ、表情から生気と感情が失われた。 しばらく、そのままの形を保っておくには辛いであろう下がり気味のポーズで固まったかと思うと、美奈子はいきなりゆっくりと立ち上がり、お手本のような気をつけの姿勢で、じっと男性の方に視線を釘付けにした。 「操作コードを受諾しました。登録されたユーザーを認識しました。一時的に操作権限を譲渡。セックスドールモードを起動します」 それまでの怖気づいた姿からは想像できない、まるで案内ガイドのような、聞きとりやすく感情を感じられない声で喋り始めた美奈子。 とても機械的な内容の言葉を喋り終えた後、すくっ、と立ち上がり、両手を前に置いて、丁寧に頭を下げた。 「お待ちしておりました、松尾 賢二様。本日はセックスドールである私、篠原 美奈子を利用して頂き誠にありがとうございます」 自らをセックスドールだと宣言し、出会ったこともないはずの男性の名前を、何の不思議もないように堂々と口にした美奈子。 それもそのはず。彼女は現在、生身の部分が一切存在しない、元人間のセックスドールへと生まれ変わっていた。 美奈子はある日、フェイマテックと呼ばれる組織に目をつけられ、彼女の意思も関係なしに機械化手術が施された。 現在住んでいる引っ越したばかりのマンションもフェイマテックの所有物であり、他の部屋にも同様に、改造された女性達が居住している。 これまでの、突然色んなことが出来るようになったという能力向上ぶりは全て、自分の身体が生身でなくなり、無自覚に完全な機械へと置き換えられたことによる性能の飛躍的向上から来たものでしかなかった。 特に計算能力に関しては、人間だった頃のそれを大きく超え、人型の電卓の如き力を得ていただけ。 体育で軽やかな身のこなしができるのも、記憶力向上も、全て機械になったからである。 だが、今の美奈子の真価は、登録された相手を悦ばせる為の性機能にある。 「賢二様は何度もセックスドールの御利用をされてきますね。いつもありがとうございます。その為、説明は省略させてもらいますが、よろしいですか?」 「当たり前だろ。もう何度も聞いてる」 「かしこまりました。では、存分に私の身体をお楽しみください」 「軽い前戯として……おい、人格エミュレートを起動してお前の寝室まで向かえ。入ったらオフにしろ」 「かしこまりました。人格エミュレートを起動します…………ごめんなさい賢二様、先程は無礼なこと言ってしまって」 宣言の後、微小な動作音を頭部内で鳴らし、数秒程動作と声の沈黙が訪れる。 そして、徐々に彼女の表情に、学校で教師をしている時のような柔らかさが宿ると、見知らぬ男に向かって様付けをしながら、指示通りに寝室へと移動し始めた。 美奈子は通常時、今までと変わらぬ人間として、自覚がないまま日常を過ごしているが、今の篠原美奈子という個人の人格は、知らない誰かを愉しませる為のフレーバーであり、人間を演じる為のいちデータでしかない。 いくらでも複製、改竄可能な、ただのコードの羅列の塊にすぎないのである。 美奈子は己に組み込まれたシステムに従い、顧客である賢二に丁寧に接しながら歩く。 「既に牛乳の補充は済ませていますので、私の胸は自由に使っていただいて構いませんよ。女性器ユニットを消毒済みですし、人工体液も満タ…………人格エミュレートを停止しました。寝室に到着しました、賢二様」 まるで上司や重役を扱うかのような振る舞いと声色。だが、美奈子の人格では、設定としてこの知らない男への好感度は強制的に大きく引き上げられていた。 現在美奈子は、賢二のことを大切な顧客かつ、ずっと愛し続けた恋人かのように大好きだと思考している。 そして、いざ寝室に到着すると、命令通りに人格エミュレートが停止し、元の機械的で感情のない音声へと戻った。 ゆらぎのないきちんとした気をつけの姿勢で、改めて賢二の顔を見つめる。 「ま、今回は人格エミュレート使おうとは思ってねえからな。おい美奈子、お前の部屋にディルドあんだろ? それ使って見せつけながらオナニーしろ」 「かしこまりました、賢二様」 美奈子は命令に従い、引越し時から予め備え付けられていた引き出しに手を付ける。 そこから姿を現したのは、無数の性玩具。これらは彼女がセックスドールモードを起動していない時は認識すらできず、何かの拍子に目に入っても無視される。 あくまで自分が使って気持ちよくなる為の道具ではなく、彼女の利用者が彼女で楽しむ為のアイテムでしかないのである。 美奈子はそこから長く太いディルドを手に取り、彼から全身がよく見える位置まで移動。 ピンク色の割れ目を強調するように両脚を大きく広げると、潤滑液にするための人工愛液がじわじわと分泌され始めた。 彼女は機械であるが故に、体液の排出も自由自在。たとえ快感を覚えていなくても、発情していなくても、自由に愛液を出すことができる。 「人工愛液の排出が完了しました。これより、命令に従いオナニーを実行します」 情景も何もない宣言の後、美奈子は指で液を塗りたくり、割れ目にいやらしさを纏わせる。 そして、何の躊躇もなく、ディルドを一気に膣内へと押し込んでいった。 奥へ奥へと挿入し、子宮口を悠々と貫き、最奥の子宮ユニットの内壁まで突く。 接触を認識すると、ディルドの余り部分と、膣壁の動作調整を駆使して、何度も前後に動かし膣内を刺激し始めた。 余計な音のない静かな部屋に、人工愛液を纏った膣肉が擦れる音が鳴る。 「現在、快楽信号が発信されています。私はこれと同様の動作を男性器へ行うことで、ユーザーへの極上の性体験を提供いたします。膣内動作は、私が人間だった頃よりも自由度が格段に上昇していますので、女性器ユニット単体でもセックスと同等の快感を与えることができます」 淡々とした解説の声だけでは、とても気持ちよく感じているようには見えない。 しかしその一方で、彼女の全身は小さくかくん、かくん、と震えており、乳首を固くしながら、人工愛液の分泌量は確実に増加していた。 クリトリスもぴくぴくと気持ちよさそうに揺れており、無表情と声さえなければ、まるでよがっているようにしか見えないだろう。 「次はお前のアソコを取り外してオナニーしろ」 「かしこまりました。女性器ユニットを開放します」 賢二は新しい動作を求めて、別の命令を与える。 それに従い、美奈子は一旦ディルドから手を離すと、割れ目の周囲に非常にうっすらと走っていた継ぎ目が可視化され、かしゅっ、という音と共に生殖器官が前面に迫り出してきた。 生まれた隙間に指を滑り込ませ、道具を取り出すようにそれを引きずり出す美奈子。 周囲の皮膚と割れ目で出来た前面の奥には、膣内となるピンク色の樹脂肉で出来た肉筒。そのさらに奥には、ユーザーの精子や液体を受け止める、自ら子を成す機能は備わっていない子宮ユニットが付けられていた。 外された女性器ユニットは、ディルドを咥えていることで肉筒がパンパンに張っており、子宮ユニットにも突起が生まれている。 それを男性器のように見立てて幾度となく、くにくにと蠢き、単体の生物かのような挙動を起こしていた。 「はは、いつ見てもよく出来てら。しっかり見せろよ」 「かしこまりました、賢二様」 美奈子は命令に従い、差し出すようにして女性器ユニットを前に出し、ディルドを何度も前後させた。 ユニット単体には液体を保管する機能は備わっておらず、外れた後は人工愛液を分泌する術はない。 残存した液を潤滑液にし、何度も何度も肉壁を刺激する。 無線によって快楽信号が電子頭脳へ送信され、美奈子の全身を性感で震わせる。 だが、どんなに気持ちよくても、どんなに脳内が弾けそうな悦楽が襲ってきても、感情のない今の美奈子は嬌声一つ上げない。 おもちゃの人形のように、ユーザーの命令通りに動作を実行し、それによって電子頭脳に負荷をかけていく。 たとえそれで壊れても、美奈子はそのために存在している。ユーザーの満足こそが、今の彼女の存在意義である。 「おい、頭を無線接続に切り替えろ」 美奈子を使った機械人形遊びはさらに進んでいく。 一旦彼女の正面に立ち、こめかみに両手を当てて新しい命令を与える。 「かしこまりました。頭部ユニットを開放します」 美奈子は、人間であれば自殺しろと言っているのと変わらない命令にも従順に従い、女性器ユニットの時と同じような着脱音を首元から鳴らした。 首の継ぎ目がはっきりと浮き出し、頭部が身体から離れていく。 無線接続に切り替わった彼女の身体は、人間ならば最重要な器官である頭部が離れた後も、変わらずディルドを前後させ震え続けていた。 飾られたマネキンヘッドのように、賢二の手の中に収まった美奈子の頭部。 その瞳は常にユーザーを捉え続け、瞳の絞りを何度も調節している。 賢二はおもむろにキスをすると、美奈子もそれに合わせて舌を動かし、自ら絡めて唇を重ね合った。 「私は人間だった頃、キスの経験はありませんでしたが、製造時に模範的なキスの動作プログラムが搭載されましたので、ユーザーの望むように実行可能です。性器同士によるセックスとはまた違った性体験を提供可能なフェラチオも行えますので、気が向いたらお試しください」 舌を動かし、口が塞がっているとは思えない明瞭な発音で、まるで商品紹介のような言動を出す美奈子。 人間以上に心地よい唇の感触と、無味無臭で生臭さのない人工唾液が非常に良く作用し、人工毛髪を手でわしわしと荒らしながら、夢中で彼女の口を味わい続けた。 その時、美奈子の首なしの身体に変化が起き始めた。 快感によって小さく震え続けるだけだった身体が、絶頂直前のような、明確な痙攣を起こし始めていた。 「まもなく快楽信号が基準値に達します」 まるで生きているかのような身体の反応とは対照的に、美奈子の頭部はとても冷めた表情を続けている。 だが、よく観察すると、彼女の唇は小さく震えており、眼球も小さく揺れ動いていた。頭部だけでも、快楽信号の影響を強く受けているのだ。 「じゃあ、それに合わせてちょっと楽しむか」 それを聞いた賢二は、彼女の頭部を床に置き、身体の方へと移動する。 そして、今度は正面から、すっかり乳首の固くなった左乳を鷲掴みにし、揉みしだき始める。 同時に、乳首を口に咥え、甘噛みしながら吸い付き始めた。 すると、彼女の身体は肩を揺らし、バランスが崩れそうになる。それに連鎖し、賢二が来る前に自ら補充していた牛乳を、惜しげもなく、吸われている左乳から噴き出した。 「快楽信号が基準値を超えました。絶頂反応を実行します」 淡々とした報告の直後、元々激しかった身体の揺れがさらに激しくなる。 彼女の手元で前後させられ続ける女性器ユニットがバイブレーションを起こし、ひとりでに暴れて膣肉を締め付ける。 賢二の飲用の為に排出を停止していた右乳首からも、我慢できないと言っているかのように牛乳が溢れ出る。 人間とはまるっきり違う状態変化の様子を披露し、しばらく全身を痙攣させると、彼女の身体はびくんっ、と一度大きく震え、背筋を硬直させた。 すると、咥えられた左乳首から、だらだらと、放出ではなく垂れ流しのように中身が流された。 「絶頂反応が実行されました。とても気持ちいいです、賢二様」 事務報告的な口調で、イッたと伝える美奈子。 床に転がった声と表情と、身体の反応が非常に対照的で、同じ身体とは思えない。 達した後も、美奈子の身体は、女性器ユニット弄りの命令を継続しており、新たな快楽信号を感じ続けていた。 賢二は口を離し、彼女の頭部を拾う。 「相変わらず、デフォの状態だと本当に気持ちよくなってるのかわかんねえな」 「人格エミュレートがオフの状態では、信号処理に伴う適切な人間的反応が実行できません。人間らしい反応を求める場合は、人格エミュレートを起動してください」 「まあ、今回はこのままを楽しみたいからこうしてるわけだけどな。まあ、今日は、まだまだ時間あるし、もっと使わせてもらうぜ」 「ありがとうございます、賢二様。そう言っていただき、私はセックスドールとして幸せです」 商品らしい口上で、自慰を継続しつつ応対する美奈子。 ほぼ単体でも絶頂して見せた性人形ぶりに、より興奮が高まっていく賢二。 今日はまだまだ、彼女を使える時間は残されている。感情のない女性型人形に息を激しくしながら、賢二はこの後も、心ゆくまで使い倒していくのだった。 それから数時間後。美奈子の使用期限が迫った頃。 シャワーで身体を洗い流し、スッキリとした様子の賢二は、衣服を着替え直して家を出ようとしていた。 「新し目の機体って見たけど、やっぱ新品はいいな。気に入ったから、またいつか使わせてもらうわ」 リピーターになる宣言を言い残し、賢二は寝室に手を振ってそのまま去っていった。 「ありがとうございました、賢二様。またのご利用をお待……ちしております」 その美奈子は、床の上でぐったりと、仰向けに倒れ込んでいた。 子宮ユニットいっぱいに精液を注がれた女性器ユニットは、捨てられたように冷たい床に転がり、割れ目からとろっと入り切らない液を漏らしている。 乳液タンクの中身は空っぽになり、それでも吸われ揉まれた結果、乳首にいくつもの噛み跡が残っていた。 正常位を行う為に身体に戻された頭部。その口腔内には、フェラを行った時に放出された精液が、所々に付着していた。 処理落ちを起こしながらも、眼球だけを声のする方向へ動かし、機械的なお礼の言葉を向ける美奈子。 現在位置を監視しながら、一定距離まで離れたのを確認すると、彼女はふらふらと立ち上がり、外されたままの女性器ユニットを股間にはめ込んだ。 「セックスドールプログラムが終了しま……した。室内せ、清掃後、筐体洗浄を実行します」 機械である彼女に、充電とスリープモード時以外の休みは与えられない。 これからも人間としての清潔さと、次のユーザーが自分を使う時に備え、美奈子はプログラムされた通りに、自身への洗浄タスク、及び室内清掃を淡々とこなしていくのであった。 * * * 「はい、みんな席ついてー! 出席取るよー!」 そして2日後。美奈子は何事もなかったかのように、人間である篠原美奈子として、生徒達の前に立っている。 見知らぬ誰かの肉棒を咥え、一部を取り外されながらも性玩具としての役目を負ったという痕跡はどこにもない。 この日も彼女は、大人気の美人教師として、誰にも機械であると、自分自身にも悟られることなく、人間社会に溶け込んでいった。 「今日も欠席者無しと。季節の変わり目だから、体調崩しやすくなるからね。無理をしちゃいけませんよ。それじゃあ、今日の授業に入る前に、みんなへのお知らせを……」 これからも彼女は、表では人間として、裏ではセックスドールとして、自覚なき二重生活をすることになるのであった。