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土装番
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機械の侵食 最終話 2/?

「ひぎっ!? が、あっ……あっ……ち、ちょっ、まっ……あっ」 「ぐうっ! うあ、あ、あ、あっ……い、いきなり……あ、あっ……ぁ…………」  スタッフは胸部の人工皮膚に穴を開け、胸部奥にあるバッテリーが見えるようにする。  穴を開けた際に、周辺の電子部品に傷がつけられており、若干の誤作動が発生したことで、二人は不意打ちをくらったような声を上げたあと、エラーが快楽信号に変換されて静かな快感が生じた。 「少しプライベートな話をお聞きしますが、お二人は現在までに、このような機械的な性行為を交わしたことはありますか?」  微笑みを絶やさず、楽しそうな顔を保ち、指を胸奥に挿入したままのスタッフは、二人に日常での性生活について聞く。  これもあくまで、彼女達の体験の質を高めるのに必要なものである。 「あっ……あ……っ……まだ、三回だけぇ……あんっ!」 「あっ、そ、そうなんです……ぅ……あっ! あ、あ、あ、ぁ……まだ、機械化してから……そこまで日が……ぁんっ!」 「なるほど。どのようなプレイを行いましたか?」 「そ、それは……あんっ! ち、ちょっと、人工皮膚お互いに破ったり、お腹の中……に手を入れて弄ったり……あっ!」 「え、えっと、あ、あんっ! い、一緒に体験用の……ウィルスとか……はあんっ!」  まるで尋問をしているかのような様相で、質問は進められていく。  スタッフの腕がよほど高いのか、かちゃかちゃと音をわざと立てて弄っている間にも、破損とエラーは少しずつ溜まっていき、二人は蕩けた顔で震えながら、乳首を勃たせて人工愛液をじんわりと漏らしていた。 「なるほど。では、人間だった頃も含めて、お互いに肉体的な性行為をしたことはありますか? あ、こちらは細かく言わなくても大丈夫ですよ」 「そ、それは……あんっ! い、いっぱい……」 「は、はい……わ、私も……ああっ!!」             「なるほど。では、お二人の胸部内を弄りながら軽く説明させていただきます。機械化はこのような並行作業も楽に実行できるようになるから便利ですよね」  話すペースを崩さないまま、スタッフの手付きは少しずつエスカレートしていく。 「肉体的な性行為と機械的な性行為は、それぞれ全く別の気持ちよさがあります。最大値であれば機械的な方ですが、肉体的な方は私達の人格データに直接、そして安全に響いてきます。愛情を強く感じられるのもこちらですね。両方を兼ね備えたようなやり方もあるにはありますが……」  二人はまるで呼吸が荒くなっているかのような挙動で身体をよがらせているが、それはそれとして耳に入ってくる音声はきちんと認識し理解していた。 「その為、順序として快楽信号の最高の体験を得るならば、肉体的性行為から入って、それから機械的性行為に入り、機能停止してしまうくらいまで行ったほうが、一番気持ちいいんですね。一人でもそうなんですが、二人や三人などで体験するにしても、その方が良いと私達は認識しています」  そこまでの説明をしたところで、スタッフは一旦彼女達の胸の穴から指を抜いた。  二人はすっかりと解されたように頬を紅潮させ、乳頭や股間から液を垂らしていた。  スタッフは落ち着くような間を与えず、むしろそんなのは時間が勿体ないとばかりに二人の背中を擦りつつ、金属の針で人工皮膚をつつ……と軽く傷つけていく。 「では、お互いに向き合ってぐっと近づいてください。もう、キスしちゃいそうになるくらいまで近づいてください。ああ、ここからどんな挙動が発生しちゃっても構いませんよ。仮にテーブルが壊れたりしても、織り込み済みですから」  じわじわと溢れる快楽信号に身を任せて、思考が鈍くなっている二人は、スタッフが言った通りに姿勢を変えつつ身体を寄せ、今にも唇を重ね合いそうな距離まで寄せた。  席の上に乗り上げたことで両脚が重なり、前のめりになることで互いの乳房が当たって軽く潰れ、本当に今にもキスしそうなくらいに見つめ合う。  瞳の奥の絞りがはっきり見える。その無機物になった瞳を見つめ合うと、スタッフに傷つけられたバッテリーが熱くなって、より熱を発しそうになる。  そんな熱い雰囲気が漂ったその時、スタッフはそれぞれの後頭部に人差し指を突き立て、電子頭脳にまで到達する程に貫いた。 「あ゛っ!?」 「あう゛っ!?」      一瞬、思わず白眼を剥いてしまいそうな程のエラーと誤作動が生じた。その一瞬の影響か、両者の眼球は小刻みに震えるようになっていた。 「では、ここからお二人の電子頭脳に直接介入し、ひたすら快楽信号を体験していただきます。本来なら首筋からの接続でも良いのですが、こちらの方がより、無理やり操作されている感が出て、また感情値への影響が及ぼされますからね」  首筋の接続端子からではなく、電子頭脳から無理やり接続、操作権限をハッキングによって強引に得ることで、二人を一時的に掌握したスタッフ。  そして早速、彼女は両者の電子頭脳へ直接電流を流しつつ、元から高いそれぞれへの好感度を無理やり限界以上に引き上げ、感情値を強引に乱高下させ始めた。 「あ、あ、あは、あ、あっ、あっ、あっ、ま、まっ、ち、ちょっと、ま、あっ! あ、あんっ! な、なにこ、こここれ、うちい、今ど、どうなっ」 「あ、う、あああ、あ、あ、こ、こここれ、私、私私、しし、思考が思考がみ乱れ乱れが発生し発生し、あ、あは、あ、あ、あ、あ」  電子頭脳への直接的な刺激によって、二人は同時にうめき声と喘ぎ声が混ざりあったような声を出し始める。  苦しいのか気持ちいいのか、聞いている側はまるでわからないが、少なくとも彼女達は、これまでの人生の中で感じたことのないような未体験の快感を味わっていた。  人工涙液を流し、全身を小刻みに震わせながら、それぞれの視覚は、大好きな相手の顔ばかり見つめていた。  どれだけ視界がブレても、頭がちょっと仰け反ってしまっても、眼球は監視カメラのように大好きな相手を追いかける。  そして、強引な感情値と好感度の変動が終了すると、既に密着しそうな程に近づいていた彼女達は、本能に従うようにキスを始め、お互いに抱きしめ合いながらそれぞれの人工皮膚の感触を堪能し始めた。 「は、あ、あっ……好き……好き……ぃ……もうずっと、あっ、このまま、あんっ……こうしていたいくらい、好きやわ……あんっ……ずっとうちと一緒にいて……あんっ……あ、あっ……」 「私こそ……あっ、あんっ……いっぱい……もう、す、好きで、愛してるの……あんっ、私も、もう、ずっとこ、こうして、こうして、あんっ! こうしていたいの……大好き……ずっと言っていたいくらいすき……あ、あ、あっ……」  後頭部に針を突き刺したまま、成分も変わらず個性の一切ない人工唾液を口腔内で交換しあい、舌を絡ませあっていく。  肉体を改変させられ生まれたそれぞれの樹脂の感触が、センサーを伝って電子頭脳へ伝わってくる。  それと同時に、豊かな乳房同士が潰れるくらいに身体を押し付け、乳首同士がぶつかり擦れ合う。  その度にほとばしる快感が乳液を溢れさせ、それぞれの体表面を白い液で濡らしていく。  さらには女性器ユニット同士をくっつけ合わせ、貝合わせの形を作りつつ膣肉を動かし、性器同士、クリトリス同士が擦れる感覚を味わい、特にセンサーが密集しているパーツからの快楽信号を存分に楽しんでいた。  スタッフの言う通り、操作された衝動によって始まった肉体的性行為は、人格データを非常に強く刺激し、よりきもちいい方向へと流れたくさせていく。  愛し合っている者同士、もうこのままずっと続けてもいいかと思った直後、二人の恋人繋ぎの手が離れ、それぞれの下腹部へと移動した。 「肉体的性行為の継続で、いい具合に身体も温まってきましたね。それでは、そろそろ今回のフィニッシュに向かっていきましょう。せっかく人間の肉体と違って、壊れても修復できるんですから、思い切って破っちゃいましょう」  二人はまだ、機械の身体をより壊していくような性行為の体験をしたことがない。  その為、これから行われようとしている行為の発想も抱いたことがない。  スタッフは、電子頭脳へ命令を送信し、二人の身体の動作、思考を誘導させる。  そして、へそよりも下となる下腹部の人工皮膚を思いっきり掴ませると、厚手のビニール袋を引き破ろうとするように、指で人工皮膚を貫かせた。 「あ゛っ!? ち、ちょっとこ、こ、これ、うちのお腹が、あんっ! ま、まっ、これ、こんなにきもちい、ああっ!!」 「あんっ! あ、あ、あっ! 私達のし、子宮ユニットが、顔出して、ああんっ! ま、まっ、きもちい、ああああっ!!」  人間だった頃と違い、血の通っていない彼女達は、皮膚に穴が空いても血が流れることはない。  人差し指から始まり、次々と両手の指で穴を開けさせる。  それから思いっきり左右にぶちぶちと音がなるほどに引っ張らせ、下腹部の人工皮膚を左右に裂いた。  そこから姿を表したのは、今の彼女達を構成する金属骨格や各種電子部品、そして、外性器から内側に伸びる膣ユニットと子宮ユニットだった。  膣内を構成するパーツは、それまでの快楽信号から来る奔流の影響をもろに受け、ぶるぶるとバイブのように震え続けている。  人工皮膚を破いた両手は、スタッフによる操作を続けられたまま、今度はそれぞれの女性器ユニットへと伸ばされた。  人格データの底から愛している相手の生殖器官を掴み、ぎゅっと力を入れて揉みしだかせる。  二人は瞬間的に大きく仰け反り、両眼を見開き、乳液と愛液を噴き出しながら痙攣を起こした。 「ひぎあっ!! う、うう、うち、のじじ女性器ゆ、ユニットか、かかからの信号が、信号がいいいいっぱい、発信さささ、され、されレれ、ま、ここ、こんなききもちよよかったですました、だだだだ、け?」 「ひぐっ!? こ、こんな、こ、こんなは初め、はじ、あ、あああ、あ、あすす好きデすを、私は私は私、きもちいいい、いいいい快楽信号を認識が、認識が、いい、いいっぱい私は、ですが、実行を実行を実行を実行を実行を」  これまでどちらの方向でも、まだ普通の範疇な壊れ方や性行為しかしていなかった二人には、まるで突然ジェットで飛び立ったかのような飛躍と衝撃だった。  快楽信号の処理が追いつかず、人格データを通した言動に異常が発生する程にきもちよく、全身の激しい動作にカクつきが混ざり始めた。  キスを行い、胸を重ねるようにしてくっついているのは継続しているが、それの動作に明らかな緩慢さが混ざり始めていた。  相手の女性器ユニットを弄る動作は、一番通常時に近い振る舞いを維持しており、さらに膣と子宮を揉み込み、握り、刺激を与えるだけでは物足りず、愛する相手が快楽信号をくれることに愛情を覚えながら、そこから手を滑り込ませてケーブルや内部部品への損傷を始めた。  それまで樹脂肉同士が絡み合う淫らな音ばかりが鳴っていた中に、硬く無機質な音が混ざり始める。  生と道具の絡み合う音の中で、二人の行為はどんどんエスカレートしていく。  乳液と人工愛液が垂れ流しになっているような状態でも気にすることもなくリソースを消費し、夢中になってくっつきあい、弄りあい続けている。  次第に痙攣が酷くなっていく中、とうとう二人の間で絶頂が近づくにつれて、小刻みな身体の震えに混じる大きな痙攣の頻度が増加していた。 「きき胸部内が破損し、破損して、うう、うちのうちの破損が、ががが、きもちいいてすきもちちちちい、うちのさし子宮が、ゆゆゆユニットがエラーをきもちいい快楽信号ががが、あ、あ、あ、あ、あ、ああああっ!!」 「破損が、あんっ! あんっ! 胸部、確認確に、しし処理を、私のわ、わたしが、わたし、エラーの動作へのえええええ影響、はい。あんっ! おかし、おかしくなななな、知らなかかかか、あんっ! あっ! あっ! ああああああああ」  初めてのサービスの前で初々しい様子だった彼女達の面影はなくなり、乱れた嬌声と、今の状態とは間逆な無感情のシステムメッセージが音声に入り混じる二人。  ただでさえ損傷している電子頭脳への負荷はさらに強くなり、発熱を起こして動作が狂っていく。  そして、膨大な快楽信号を処理し続けた彼女達は、ついにほぼ同時に絶頂に達し、背中を仰け反らせようとしたがら、各部からの体液を放出した。  彼女達がいやらしく絡み合い壊れていく姿を、ずっと微笑みながら見守っているスタッフは、仰け反ろうとした彼女達の身体を頭から支えて動かないようにする。     その直後、スタッフは、ずっと二人の電子頭脳に突き刺したままの鋭利な金属をさらに奥深く突き刺した。 「#0%0が%#10#&@■■!?」 「■$*0!%■■$&01■!!?」  それは、深々と中枢部を貫き、ついには額の裏側から人工皮膚を貫き、外に飛び出した。  二人は両眼を見開き、人工涙液を流しながら口をぽかんと開け、唇の動作もないまま電子音の悲鳴をあげた。  それから二秒ほど彼女達の身体は硬直し、それが過ぎるとびくん、びくんと震えてから全身を痙攣させた。 「$0@010$…………0$$%*&……!011………………#………………$……………………」 「1■#*…………($**1…………0+…………………</………………■……………………」  本来の声の面影もないノイズだらけの音を口から漏らし、お互いの身体に両手を入れたことで強固に繋がった二人は、徐々に全身の痙攣が静まり始める。  これまでの性行為の中で最もきもちいい状態が続いたのか、音が鳴っていそうな程に振動する、腹部の穴から顔を覗かせる女性器ユニット全体。  そして、それぞれの動作が少しずつ弱まり、ついには何も言わなくなった。  致命的な損傷が与えられたことで、彼女達はとうとう機能停止してしまったのだった。  自発的に動作することはなくなり、時折ひくひくと指や子宮、目蓋や、陰核が動いているのも、残存している電力による反応でしかない。  そして、ずっと突き刺さっていた頭部の金属が抜かれると、彼女達の身体はゆらりとバランスを崩し、椅子から転げ落ちてしまった。  床や椅子は乳液と人工愛液で濡れてしまっており、周囲に卑猥な液体が跳ね跳んだ。  だが、力無く落ちても二人は互いを離すことなく、ずっと繋がり合い続けていた。 「ふふ、ご利用ありがとうございました。これから修復を行いますので、少々お待ち下さいね……ああ、私もしたくなってきちゃったな……」  手を加えつつ全てを見届けてあげたスタッフは、興奮のあまり、じんわりと乳液と愛液をこぼしつつ、壊れて停止した彼女達のケアをしてあげるため、別のスタッフを呼んで別室へと移動させてあげた。   「またのご利用をお待ちしてます。まあ、今の状態だと耳に届かないんですけど」  それから三時間ほど経った後、修復された二人は軽く手を繋ぎながら地下から出て会計を済ませ、そのままカフェから退店した。 「思ったよりすごかった……気持ちよすぎて、うちの頭がショートして焼けるかと思ったわ」 「私もそう思った……けど、実際一回頭を貫かれてるんだよね。それでも今はこうして普通に出来てるんだから……やっぱり機械の身体ってすごいよね」 「うん、思った以上に…………ねえ、また今度さ、うちと……しない?」  「もちろん、私もそう思ってた」 「でも、今度はどうする? 同じ店か、それとも家で……」  傍から見ると、とても仲の良い友達同士が他愛ない会話で盛り上がっているような雰囲気を醸し出しながら、二人はそのまま、また人間としての生活へと戻っていった。  このように、現在の地球では殆どの場所で、機械化人専用の施設が密かに隆盛し、既に大きく侵食していたのだった。  日常の中で、美女や美少女を目撃しない日など無いと言ってもいいだろう。  そんな世界の不可逆な変化は止まることはなく、より強制的な変化と進化を促していた。


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