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聖天使 エンジェル・ルシア 第一話『名前の無い天使』

人々の悲鳴。絶望。焦りが満ちていた。


 昼過ぎの繁華街、平和な休日は突如現れた巨大なカエルのような生物・後にベゲロンと名付けられた怪獣によって、阿鼻叫喚の地獄と化していた。


 特殊自衛隊の軍は攻めあぐねていた。なぜなら戦闘機や戦車が攻撃する度に、皮膚を覆う醜いイボから粘り気のある体液が噴き出てしまうからだ。その上、一向にダメージを受けた様子はなくケロリとしている。

 攻撃すればしただけ被害を広げてしまう。まさに打つ手なしの絶望的な状況だった。


 さらに


 「大通りにまだバスが一台!避難できずにいます!!」


 街の中央を通る大通り、そのど真ん中にバスが一台止まっていた。それはベトベトの粘液に絡めとられ動けなくなっていた。バスの中には修学旅行中の小学生の一団が。

 すぐそこまで怪獣が迫りつつある。助けようにも手段も時間も何もない。


 もう、奇跡を祈るほか術はなかった。


 ―――助けて!!―――


 悲痛な思いが、願いが満ちたその時、


 赤い稲妻が落ちてきて、辺りは眩い光に包まれた!!


 次の瞬間、人々の目に映ったのは美しい巨人。赤いオーラを薄く纏った、光の女神。


白磁器のような滑らかで白い肌に、燃えるような真紅の模様。それはビキニラインを形づくり、小さく膨らんだ胸を装飾している。胸元には宝石のように美しいオーブが輝いている。

あどけない少女のような雰囲気の可愛らしい顔に、凛とした表情を浮かべていた。

模様と同じ真紅の髪が腰まで伸びている。スレンダーな体型で在りながら、腰のラインは大人の女性のような艶めかしいラインを描いていた。


 誰もが一瞬、その美しさに目を奪われた。


 「天使みたい・・・」


 誰かがそう呟いた。


 後にルシア・・・エンジェル・ルシアという名前の戦士となる彼女の、最初の戦いが始まった!

 「くそっ!こんな時にまた新手の怪獣かよ!!」


 特殊自衛隊の面々に緊張が走った。


 戦闘機の、戦車の砲台が突如出現した名前の無い天使に向けられる。


 ・・・そうよね。突然現れたんだもの。私のことが怖いわよね。


 背後から攻撃されても仕方ない・・・そう覚悟しながら天使は前方の怪獣・ベゲロンに集中する。

 まるでヒキガエルのような姿の怪獣。お腹は太りすぎたかのようにブヨブヨと醜く波打ち、大きく割けた口からは粘着質のある黄色い唾を滴らせながら、長い舌をだらしなく垂らしている。ギョロリトした目で、まるで視姦するかのようにねっとりとした視線を天使のカラダに這わせている。体中にビッシリ生えたイボからは、濃い膿のようなモノがドロドロと流れ続けていて、怪獣の体を醜い黄色に染めあげている。

 対峙しているだけで、耐え難い臭気に苦しめられてしまう。


 「くっ・・・」


 思わず眉をしかめる天使。だがためらってはいられない。ベゲロンが長い舌を鞭のように彼女に向かって伸ばしてきた!


 ・・・動きが見える!これなら躱すことが・・・


 背後のバスから、子供達の悲鳴が上がった。瞬間、天使の動きに迷いが生じる。


 ベチン!!!


 粘着質な音が辺りに響く。ベゲロンの舌は、咄嗟にガードをした天使の腕に叩きつけられる。


 ベチョリ・・・汚い唾液に腕を汚される。


 「くぅ・・・」


 小さく呻く天使。さらにベゲロンは攻撃を畳みかけてくる。高く振り上げた舌を叩きつけてくる!


 「たぁ!!!」


 エナジーを込めて右手を突き上げる。真っ赤なエナジーに包まれた掌底が舌に触れた瞬間、ジュウっと肉の焼けるような音がして


 「あっつ!!熱い熱い熱い!!!」


 ベロをしまい、ワタワタとするベゲロンに天使は問いかける。


 「言葉が通じるとお見受けしました。ここは引き下がってくれませんか?あなたがこれ以上進むと、大勢の人が死んでしまうのです。」


 「ゲゲヒヒヒヒヒヒ!!お生憎様。オイラはニンゲンの悲鳴や苦しみが大好物なんだ。全部壊してぐっちょんぐっちょんにしてやりてぇんだよ!!」


 怪獣の答えに天使の瞳に怒りが灯る。


 「ゲゲヒヒヒヒヒヒ!!姉ちゃん、良いカラダしてんなぁ。姉ちゃんをお持ち帰りしていいってんなら、ここは引き返してやってもいいぜ?オイラはよぉ、本当はボインボインのセクシーな大人の姉ちゃんが好きなんだけどよぉ・・・そのちっちゃい乳でも、我慢してやるからよぅ。」


 ドゴォオオオ!!!


 激しい衝撃がはしった。足からジェットのようにエナジーを噴射し、スピードを乗せた拳をベゲロンの腹に突き刺した!


 だが、


 ボヨォオオオオ~~~~ン


 弾力を持つベゲロンの腹に、弾き飛ばされる天使の拳。


 「ゲゲヒヒヒヒヒヒ!怒った顔も可愛いなぁ。」


 そう嗤い舌なめずりするベゲロンに、


 「はぁああああ!!!!」


 エナジーを込めた拳で、脚で、蹴る・殴る・突く・踏む、絶え間なく打撃を浴びせ続ける!


 「ゲゲヒヒヒヒヒヒ!!!必死に頑張っちゃて可愛いなぁ。そんなんじゃ、何をしたって痛くも痒くも無いよ~~~だ!!!」


 余裕綽綽のベゲロン。


 「そうみたいね。」


 だが、天使は焦ることなく


 「もっと鋭く・・・引き裂け!ヒートクロ―――!!!!」


 天使の右手に纏ったオーラが五本の鋭い爪を形作り、そしてそれがブヨブヨとしたベゲロンの体を肩口から斜めに切り裂く!


 「ギヤァアアアアアアアアア!!!!」


 耳障りな悲鳴が上がる。巨大なカエルが痛みに呻いてのたうち回っている。

 止めを刺すなら今!だが天使は踵を返し、大通りの中央で粘液に囚われているバスへと向かった。


 バスを守ろうと、戦車や戦闘機の砲台が火を噴く。


 ズドドドドドドドドドドドドド!!!

 

 白く美しいカラダが銃撃や砲撃に曝される。


 「くっ・・・ぅぅ・・・」


 それらの攻撃は、決して致命的なダメージを与えるモノではない。だが、撃たれれば激しい痛みを覚えてしまう。だというのに天使は、一切反撃することなく静かにひざまずき、バスに向かって手をかざした。


 天使の両手から柔らかな赤い光が放たれて、バスを捕えている粘液を少しづつ溶かし消し去っていく。


 「まさか・・・助けようとしてくれてるのか・・・」


 誰かがそう呟いた。特殊自衛隊の攻撃はいつの間にか止んでいた。


 その天使の背後から


 ヌル・・・ズチャ・・・ベチャ・・・


 不快な音を立てながら、ベゲロンが這いずり寄ってきた。


 「ゲゲムムムムム!!!貴様よくもやりやがったなぁ!!!」


 そう怒鳴ったベゲロンは、長い舌を鞭のように振り上げ、


 バシンっ!!!


 天使の綺麗な背中に打ちつけた!!


 「・・・っ・・・くふっ・・・」


 しなやかな背中を仰け反らせる彼女は、しかし声を必死に抑え、笑顔すら作ろうとした。

 それはまるで『大丈夫。心配しないで。』と人々に伝えようとしているかのようだった。


 バシーン!バシーーーン!!


 二発三発と続けざまに打ちつけられ、背中を仰け反らせながら必死に耐える赤い天使。


 「んっ・・・く・・・」


 バシーーン!!バシーーーーン!!!!


 「っう・・・ぃっ・・・」


声を我慢している分、衝撃を逃すことが出来ない。カラダをくねらせながら必死にこらえる姿がベゲロンの嗜虐心を煽ってしまい、責めの激しさが増してしまう。


柔肌を叩く音が何度も何度も響き渡る。


天使は唇を噛みしめて必死にこらえながら、必死にバスを救うために粘液を溶かし続ける。後部座席の窓から、子供たちが不安そうな視線を送っている。子供達のために、必死で笑顔をつくって安心させようとする。そんな彼女に、怪獣は容赦なく舌を打ちつけ続ける・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・

 「かふっ・・・んン・・・っっ・・・はぁ・・・はぁ・・・これで・・・大丈夫・・・さぁ・・・遠くまで逃げて・・・」


 粘液から解放されたバスがエンジンを唸らせながら走り去っていく。子供達を救えた・・・胸に少しの安心感が去来する。だが、戦いは終わっていない。


 ズバーーーン!!!


 今までで一番激しい鞭撃が天使を襲う。


 「ひぁあああん・・・」


 ずっと堪えてきた反動であられもない声が出てしまう。堪えきれなくなったのは声だけではない。背中を襲う激しい痛みにこらえきれなくなり、うつ伏せにしな垂れ崩れてしまう。


 「はぁ・・・はぁ・・・うくっ・・・」


 必死に起き上がろうと両腕に力を入れ、身を起こそうとする。やっとの思いで、四つん這いの姿勢まで起き上がった時を狙いすましたかのように、お尻を強烈に叩かれてしまう。


 「ンぁああああ・・・」


 屈辱的な責めに身をしならせて声をあげてしまう天使。


 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・っぁあああ・・・くぁぁあ・・・うぁああああ・・・」


 バシンバシンと何度もお尻を叩かれて、その度に背中を仰け反らせながら喘ぎ声ににた悲鳴をあげてしまう。


 ・・・くぅ・・・このままじゃ私・・・何も出来ずに・・・あぁぁ・・・


 天使の心の中に焦りが生じる。早く起き上がらなければ戦う事すら出来ない。だが、嵐のように襲う鞭撃に曝され続け、身を起こすことが出来ない。


 ・・・くぅ・・・何とかしないと・・・でも・・・どうすれば・・・


 「あぅう!!」

 

 ついに堪えきれずに上半身がしな垂れ落ちてしまう。お尻を突き出すような屈辱的な姿勢になってしまい、天使の両手が屈辱と悔しさで強く握りしめられる。


 ・・・お尻を打つなら好きなだけ打てばいいわ・・・私は・・そんな痛みになんか絶対に負けたりなんかしないわ!


 ギリと歯を食いしばって、来るであろう激痛にこらえる・・・けど、


 ぬる~~~ん


 「ひぁあああああん・・・」


 ベゲロンは、いやらしく突き出た天使のお尻を、ヌルヌルしたベロで舐め始めた。痛みを覚悟していたところに思わぬ凌辱を受けてしまい、甘い声を漏らしてしまう。


 ベチャベチャヌルヌルと、汚らしい唾液を刷り込むように天使のお尻を舐めしゃぶるベゲロン。唾液は鞭打ちで出来た傷に容赦なく染み込み、天使を苦しめる。


 「あぅぅ・・・ふぁ・・・あぁぁん・・・やぁぁ・・・」


 舌は器用に動き回り、天使の弱いところを探り、的確に責め立てる。


 「んぁ・・・いや・・・あぁぁ・・・やめ・・・んぁあぁん・・・」


 耳まで真っ赤になって、天使は熱い吐息を吐き続ける。その目は潤み、涙がこぼれそうになっている。それは望まぬ快楽を与えられて戸惑い、悶えているように見える。だが、清らかな天使である彼女にとって、性感は苦しみになってしまう。彼女は今、ベゲロンの舌で嬲られながら、苦しみ悶えているのだ。


 「くぁ・・・んぁ・・・や・・・やだ・・・あぁぁあん・・・」


 悶えるほどにお尻がクネクネと身悶えてしまう。


 ・・・んぁ・・・だめ・・・早く・・・立ち上がって・・・戦わないと・・・


 嵐のような責め苦を受けながら、必死にもがいて立ち上がろうとする。

 そんな彼女のカラダを、ベゲロンが無理矢理抱え上げる。


 「ひゃっ・・・」


 ネットリベットリしたベゲロンの体液が、傷だらけの天使の背中に染み込んでいく。


 「くぅう・・・ふぁ・・・な・・・何をするつもり?・・・ひゃぁんっ」

 

 ドロドロネバネバした手が、天使の慎ましい胸に触れる。


 「んぁ・・・やめ・・・はなし・・・て・・・やだ・・・あぁぁ・・・」


 「ゲゲゲヌフフフ・・・姉ちゃん、小さいくせにやけに感度がいい胸じゃねぇか。」


 臭い息を吐きながら、耳元でベゲロンが囁く。


 「あぅ・・・そ・・・そんなこと・・・んぁああ・・・」


 「ちょっと弄っただけでビクンビクンしちゃってよぉ。エロエロじゃねぇか。」


 「あぅ・・・そんなこと・・・んぁぁ・・・」


 ・・・あぁぁん・・・どうして・・・胸を触られているだけなのに・・・あぁぁ・・・こんなに・・・苦しいの・・・


 怪獣の汚い手がドロドロと天使の胸を汚していく。ネトネトした粘液に汚された胸は、まるで粘液に侵食されていくような苦しみを味わってしまう。


 「んくっ・・・ぁぁ・・・ひぅ・・・いぁあ・・・」


 責められるほどに乳首が痛いくらいにいきり立ち、目立つ弱点はますます激しく可愛がられてしまう。

 激しい責めに翻弄されて、胸を嬲るベゲロンの腕を弱弱しく掴むだけで精いっぱいで、その腕を引きはがすことが出来ない。


 「はっ・・・うぁ・・・んくぁああ・・・」


 胸元のオーブの輝きが弱弱しくなり、脚がガクガクして立っているのもやっと。その身を完全に怪獣のブヨブヨした体にぐったりと預けながら、もうされるがままに胸を虐められ喘ぎ苦しむことしか出来ない。


 「はぁ・・・はぁ・・・んぁ・・ひぅ・・・ぃぁあ・・・」


 両の乳首を同時にきつく摘ままれて頤をあげて悶えた時、胸元のオーブが点滅を始めた。その瞬間から、オーブは生命維持のためにカラダ中からエナジーをかき集め始める。内側から全身のエナジーを吸われる苦しみが天使を襲う。


 ・・・あ・・・あぁぁ・・・もう・・・だめ・・・


 「あ・・・ぁぁ・・・ぅぁ・・・」


 力を失った天使のカラダが少しズリ落ちた。その時、


 「今だ!撃て!!!」


 命令と共に轟音が鳴り響く。特殊自衛隊の戦車や戦闘機から、機銃や砲撃が放たれる。


 ・・・あぁ・・・私・・・ここで怪獣として倒されるのね・・・何も出来なくて・・・何も守れなくて・・・ごめんなさい・・・


 死を覚悟した天使の背後で、


 「ギヤァアアアアア!!!!」


 ベゲロンの悲鳴が響いた。


 天使が切り裂いた傷口、ベゲロンの右の肩に集中攻撃が浴びせられた。特殊自衛隊はその部分が射線上に露になるのを、ずっと待っていたのだ!


 「はぁ・・・はぁ・・・んぁぁ・・・」


 何が起こったのか理解できずに、天使は地面にへたり込んだ。


 「責められている君を見捨てるような真似をしてすまない。ここからは私たちに任せてくれ。」


 戦車についたスピーカーから、落ち着いた感じの男性の声が聞こえた。


 ズダダダダダ!!!!ドゴンドゴン!!!!


 特殊自衛隊は集中砲火をベゲロンの傷口に浴びせ続ける。


 ・・・このまま倒せるかも。


 天使がそう思ったその時、


 「ゲゲゲムキ――――!!調子にのるなぁ!!!」


 ベゲロンは全身から霧のようなものを噴き出した。それは瞬く間に広がり、あたりの視界を白く染め上げていく。


 「視界ゼロ!これでは対象を補足できません!!」


 「くそ!もう少しだったのにっ!!」


 特殊自衛隊員達の悔しそうな声が聞こえる。


 「大丈夫。あとは私に任せて!」


 天使はそう言うと、なけなしのエナジーをかき集め、再び鋭い爪を・・・今度は一本しか作れなかったけれど、作り出し、そして前方を引き裂いた!


 「ゲゲゲギャァ――――――!!!!なぜ・・・なぜオイラの姿が見えたぁ!!!???」


 「ごめんなさいね・・・あなたの体臭が・・・ちょっと強烈でして・・・はぁはぁ・・・見えなくても・・・どこにいるのか丸わかりなんです・・・」


 「ゲゲゲ・・・でも見た所姉ちゃんよぉ・・・お前さんもギリギリで、もう何も出来ないんじゃないかい?じゃないと、こうしてのんびりお喋りなんて、するわけないからなぁ・・・」


 「そうね・・・今の私に出来るのは・・・これで精いっぱい・・・もう・・・何も出来ないわ・・・」


 そう言って天使は片膝をついた。


 「ゲゲゲゲゲ!!!それならオイラの勝ちだぜぇええ――――!!!!」


 勝ち誇るベゲロン。だが次の瞬間、


 「撃てーーー!!!」


 号令と共に、ベゲロンの傷口に集中砲火が浴びせられる。


 「ゲゲゲ!!!なぜ・・・見えないハズなのに・・・なぜぇえええええ!!!!???」


 「はぁ・・・はぁ・・・言ったでしょ・・・私の・・・精いっぱい・・・あとは・・・彼らが何とかしてくれるわ・・・」


 ベゲロンの傷口には、天使がエナジーで作った爪が深々と刺さっていた。それは光を帯び、深い霧の中に灯る目印になっていた。


 「ゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲ・・・・ぐぎゃぁあああああああ!!!!」


 怪獣の断末魔が、何も見えない霧の中に響いた。そして、霧が明けた時、そこにあったのは怪獣の亡骸。


 ・・・良かった・・・これで・・・終わったのね・・・


 安堵する天使。歓声をあげる特殊自衛隊の人達。


 「まだだ!終わっていない!!!」


 スピーカーから声がする。次の瞬間、天使も気が付いた。この亡骸はおかしい・・・肉感が感じられない・・・まるで張りぼてのような・・・抜け殻のような・・・


 ヌルんと何かが天使のカラダに纏わりついた!


 「っぁ!!!」


 「ゲゲゲゲゲゲゲ・・・危ないところだったよ・・・脱皮しなければ、流石のオイラもヤバかったぜ・・・ゲゲゲゲゲゲ!!!」


 ・・・脱皮?・・・そんな・・・あぁぁ・・・私は・・・もう・・・何も出来ないのに・・・


 戦車の砲台が、戦闘機の機銃が一斉に怪獣の方へ向く。だが怪獣は天使を盾のようにして身を隠している。


 「はぁ・・・はぁ・・・私は・・・んぁ・・・もう・・・何も出来ません・・・だから・・・私ごと撃ち抜いて下さい・・・」


 天使の懇願も虚しく、砲撃は始まりそうにない。


 「・・・ふふふ・・・馬鹿な人間ども・・・ですね・・・私は・・・あなた達を・・・その・・・酷い目にあわせようと・・・来た怪獣なのですよ・・・だから・・・今のうちに・・・私を撃たないと・・・酷い目に・・・あぅううう!!!」


 天使の必死な言葉は遮られてしまう。ベゲロンの舌が彼女の胸元のオーブに貼りついて、そして、


 ドクンドクン・・・


 なけなしのエナジーを吸い始めたからだ。


 「ひぅ・・・ぁぁああ・・・くぁ・・・あぁぁあああ・・・」


 頤をあげカラダを突っ張らせて苦しみ悶える天使を、人々はただ見ていることしか出来ない。


 オーブの点滅は一際激しくなる。それと同期するかのように天使は激しく身悶える。


 「かっ・・・っぁ・・・あぁぁ・・・あぁああ・・・」


 やがてその点滅は弱弱しくなり、微かな光が消えた時には、天使はぐったりとうなだれて、力なく身悶えることしか出来なくなっていた。


 天使のエナジーを吸ったことでベゲロンの体は、脱皮前に比べても一回り以上大きくなっていてしまっていた。

 そして大きくなったベゲロンは、天使のカラダに舌を絡ませて、そして・・・あぁ・・・なんということだろう・・・力を失った天使を丸吞みにしてしまった!


 「ゲゲヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!貴様らニンゲンを助けようとした姉ちゃんは、オイラの腹の中だ!今オイラを攻撃すると、この姉ちゃんがどうなってしまうか・・・保証はできねぇなぁ。」


 勝ち誇ったように怪獣は喋る。


「とはいえ、オイラお腹いっぱいになったしよぉ、これ以上破壊するのは、やめてやるよ。ゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲ・・・オイラ優しいだろう?・・・まぁ・・・せいぜい他の怪獣に滅ぼされないように、頑張るこった。」


そう言い放って、それからピョンと高く跳んで、どこかへ去ってしまった。


街を怪獣から守るという、特殊自衛隊の任務は、一応達成された形ではある。


だが、ベゲロンの腹の中では、


「くぁ・・・あぁぁ・・・ぃあ・・・あぁぁああ・・・」


天使が全身をヌメヌメと蠢く柔突起に嬲られながら、苦しみ悶えていた。


人類の脅威はひとまず去った。だが、正義の天使の地獄は、まだ始まったばかりなのだ!!


・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


ぬちゃっ


ぐちゃぁ


じゅるり・・・


はぁん


      やぁぁ


      うぁぁ・・・


怪獣の腹の中で、美しい天使が悶えていた。白く美しい肌はドロドロの粘液に塗れ、可愛らしい顔をは苦悶の表情を浮かべていた。両腕を上にあげた状態・Iの字の姿勢で、両脇も隠すことが出来ずに、周囲にビッシリと生える柔突起に嬲られ続けていた。


ビュビュビュと柔突起から粘液が噴き出て、ネットリと天使の柔肌を汚していく。

カラダを汚される苦しみに頤をあげれば、晒された首筋もくまなく突起に嬲られてしまう。


「くふぅ・・・んぁああ・・・」


声をあげれば臭気と毒気が含まれた淀んだ空気を吸い込んでしまう。それは気道を焼き、肺を犯し、天使のカラダを内側から汚していく。


「んぁ・・・いやぁぁ・・・」


身悶えるほどに、周囲をビッシリと囲んだ柔突起にカラダを擦り付けるような形になってしまい、それが更なる悦虐を引き起こす。ますます天使は責め苦しめられ、どうしようもなく身悶えてしまう。止まらない悪循環。終わりの見えない粘獄。その中で悶える天使は、もう戦士としての力を全て失っていて、今やされるがままに責められるだけの生きたお人形になっていた。


胸元のオーブは完全に輝きを失っていた。それは彼女の死を意味するも物ではない。むしろ『死』という安寧が訪れていたら、どんなに良かっただろうか。

エナジーを失った彼女の身を守るものは失われてしまい、人間で言えば素肌を直接嬲られているような状態になっていた。いや、状況はさらに酷い。エナジーを・・・強い力を駆使した代償で、それを失った彼女のカラダは、攻撃に対してより脆弱になり、責めに対してより敏感になってしまっていたのだ。


ちょくちゅく・・・


手の周囲の突起が蠕動し、指をしゃぶられるような感触に襲われて、


「くふぅ・・・あふぅ・・・ぁぁ・・・」


本来性感帯でも何でもない指をしゃぶられただけでも、声が止まらない。カラダがピクンピクンと反応してしまう。


 ジュルジュルジュル・・・


 腋を、背中を、お尻を責めていた突起の動きが激しくなる。


 「ひぁ・・・ひゃう・・・はぁっ・・・んぁ・・・」


 たまらずカラダが弓なりにしなる。胸を前に突き出す形になったところを、


 ネトネトドロドログチャグチャベトベト・・・


 胸を集中的に責められてしまう。


 「ひゃぁ・・・くぁぁあ・・・あぁああぁぁん・・・」


 ずっとまんべんなく全身を責めていた柔突起が、徐々に天使の弱いところを学習し、どんどん責めが的確になっていく。


 ・・・あぁぁ・・・だめぇ・・・カラダが・・・どろどろになってしまう・・・


 恥辱にクネクネと悶え苦しむ天使を、さらなる責めが襲う。


 ぬぱぁぁああ・・・


 乳首を責めていた柔突起が花のように開いた。ソレは粘々とした糸を引き、その奥に細い触手が無数に蠢いてる。それは汁を滴らせながら暫く焦らすように薄い双丘を嬲ったあと、


 ずちゅり・・・


 両の乳首を同時に咥え込んだ。


 「はぅ!・・・ひや・・・やら・・・あぁ・・・ぃぁああ・・・」


 一際高い声があがる。


 ・・・ひぅ・・・ぁぁ・・・胸が・・・胸が壊されちゃう・・・あぁぁ・・・こ・・・こんな責め・・・耐えられない・・・あぁぁ・・・


 天使の周囲をビッシリ囲んでいた柔突起が、縦に細かくバラバラと解ける。それは無数の細かい触手となり、ウネウネ蠢き彼女に絡みつき嬲っていく。


 「んぁ・・・ぁぁ・・・ぁああああ・・・」


 細かい触手は両耳にも入って来る。グチョグチョと卑猥な音を立てながら触手は耳を容赦なく犯していく。


 「はぅ・・・むぅ・・・んむ・・・ぅぁぁ・・・」


 触手は舌にも絡みつく。舌を嬲りながら口内を犯し、ねっとりとした粘液を注ぎ込んでいく。

 粘液は舌を蹂躪しながら喉に流れていく。


 「んむ・・・むぅうう・・・」


 ・・・あぁぁ・・・ドロドロしたものが・・・カラダの中に・・・入っていく・・・


 「んぁ・・・」


 ちくっとした痛みが両乳首にはしった。細い触手が乳首の中に刺さり、そこからトロトロと粘液を注ぎ込んでいく。


 「・・・っ・・・ぁ・・・!!!」


 ・・・あぁぁ・・・胸に・・・なにされているの?・・・何かが注ぎ込まれている・・・あぁぁ・・・胸が犯されて・・・汚されていく・・・


 キュポンっ・・・


 乳首を責めていた突起が離れて乳首が解放される。


 「んはぁぁ・・・」


 だけど胸への責めは終わらない。触手が天使の小さな双丘に絡みつき、グイグイ揉み込んでいく。


 「や・・・んぁ・・・くぁ・・・ぁぁ・・・だめ・・・ぁぁ・・・」


 揉まれれば揉まれるほどに、胸に注がれた粘液がニュルン、ジュルンと蠢き、内側から激しく嬲られてしまう。


 「んぁ・・・くぅ・・・やめ・・・やめて・・・おねがい・・・これ・・・いじょうは・・・っぁ・・・ァアアアアア!!!」


 注ぎ込まれた粘液が、乳首から激しく噴き出してしまう。


 「あかっ・・・かはっ・・・っふぅう・・・ひぅぁあああ・・・」


 注ぎ込まれた粘液が乳首から出る度に、射乳感が胸を襲い、後頭部がジンジンするほどの悦虐に苦しめられてしまう。

 

 「ふぁ・・・はぁん・・・あぁぁ・・・」


 搾り取るだけ搾り取られたら、また乳首を咥えられてしまう。


 「んぁ!・・・あぁ・・・そんな・・・また・・・やぁぁ・・・」


 ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・


 再び乳首から粘液を注ぎ込まれる。また搾り取るためだけに。ただ、彼女を苦しめる為だけに・・・


 ・・・くぁ・・・私の・・・胸が・・・玩具に・・・されてしまって・・・あぁぁ・・・


 注ぎ込まれ、もみ込まれ、絞り出される。胸を好き放題に弄ばれ、全身をぐっちょぐちょにされながら、天使は悶え苦しみ続けた。


 ・・・くぁ


 ・・・・・・あぁぁ


 ・・・・・・・・・だめぇぇ


 ・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


延々と胸を責められ悶えていた天使に、さらなる責め苦が襲いかかる。


 ぎゅぅうううううう!!!


 天使を囲んでいた触手が、全身を締め上げる。周囲を囲んでいた肉壁が、どんどん狭まって来る。


 「ぐぅう・・・あぁああ・・・」


 じゅうううう・・・


 滴る粘液が酸性を帯び、天使を少しづつ焼き溶かそうとしてくる。


 「あぅ・・・っぁ・・・」


 ギリギリミチミチ・・・


 カラダを締め付けられる圧迫感と


 ポタリ・・・ジュウウ・・・ぽたぽた・・・じゅううう・・・


 身を焦がす酸が天使を苦しめ続ける。


 「ぐぁ・・・あぁぁ・・・ぁ・・・ぁぁ・・・」


 ・・・ぁぁ・・・私・・・このまま・・・締め付けられて粉々にされて・・・溶かされてドロドロになって・・・死んでしまうのね・・・何も出来ないまま・・・


天使が諦めたその時・・


 ―――助けて!!―――


 助けを求める声が、届いた。


 ―――怪獣だぁああ!!!―――


 悲鳴が、聞こえた。


 ・・・私を呼ぶ・・・声がする・・・私が・・・私が行かなきゃ・・・こんなところで・・・死んでしまう分けには・・・!!!


 天使の胸元のオーブが、淡い光を放った。


 ギリギリミシミシ・・・


 「がぁあああ・・・」


 全身の骨が悲鳴をあげる。早く何とかしないと、手遅れになってしまう。


 ・・・こんな所で・・・遊んでいる暇はないのよ!!!


 イメージしたのは小さな火の玉。それはオーブの前に出現して、触手や肉壁をチリチリと焼き焦がしていく。

 巨大な炎の柱や爆発はいらない。小さい炎で充分。お腹の中をチリチリと炙らたベゲロンは


 「ぐぇええええええ!!!!」


 と天使を吐き出した!


 べちゃぁと音を立てて地面に打ち棄てられる天使のカラダ。そこは泥沼で、うつ伏せに倒れた天使のお腹が、胸が、泥に汚される。


 「うぁぁああ・・・」


 泥にカラダが汚されて、侵食されるような苦しみに天使は悶える。


 「ゲゲゲこのやろぉお!大人しく食われていればよかったのによぉ!!」


 どごぉおお!!


怒り狂ったベゲロンが天使の脇腹を蹴り上げた。彼女のカラダは転がされ、今度は仰向けになる。

 月明かりに、天使の薄い胸が弱弱しく上下に動くシルエットが浮かび上がった。


 「うぐ・・・ぁぁああ・・・」


 「もっとじっくりゆっくり味わいながらジワジワ嬲り殺してやろうと思ったけどやめだ!お前はここで殺してやる!!!」


 「そ・・・そんなこと・・・」


 「おっと、何にもさせねぇよ!」


 両手両足に粘液を吐きつけられ、地面に磔にされてしまう。


 「あぅ・・こ・・・こんなもので・・・私の動きを・・・」


 粘液を溶かそうとエナジーを集中させようとしたしたその時、


 べたり


 胸元のオーブにベゲロンの汚い舌が張り付く。


 「ひゃん・・・」


 ピクンとカラダを震わせ反応する天使。そんな天使のオーブから


 ドクンドクンドクン・・・


 エナジーが吸い出されていく。


 「んぁぁあああ・・・あぁぁあああああ・・・」


 悶え苦しむ天使の喘ぎ声が、静まり返った夜の沼に響き渡る。


 「ぃぅ・・・ぁぁ・・・」


 「ゲゲゲヒヒヒヒヒヒ・・・お前のエナジーは甘いなぁ。もっと・・・もっとくれぇ。」


 ベゲロンのイボが1つ、顔の様に変化し言葉を投げつけてくる。


 「ゲゲヒヒヒヒ・・・苦しいか?もっと苦しめぇ。」


 イボはまた一つ、また一つと顔になり、『ゲゲヒヒヒ』と天使を嘲笑する。それはまるで汚いカエルの合唱の様。

 

そうこうしている今も、怪獣に襲われる人々の悲鳴は天使に届き続け、その思いは、願いは彼女のエナジーとなっていく。

だが、怪獣によって身を泥沼に拘束され、何も出来ない彼女の心には焦りばかりがしょうじてしまう。さらにとめどなく溢れるエナジーは片っ端から吸われていく。結果として人々の願いにより、天使はエナジー吸収責めを延々と味わうはめになってしまっている。


 「「「ゲゲゲヒヒヒヒ・・・もっと悶え喘ぎ、オイラを愉しませろよぉお!!!」」」


 エナジーを吸い続けたベゲロンの体は大きくなり続け、いまや元の倍近い大きさになっていた。


 どちゃぁああ・・・


 天使の胸に、顔の一つが吐き出した粘液が張り付く。


 「くふぅ・・・ぁぁあああ・・・」


 胸が汚い粘液に汚され、イヤイヤと首を弱弱しく震わせながら天使は身悶える。


 「「「ゲゲゲヒヒヒ・・・なるほど・・・お前が苦しめば苦しむほど、エナジーは甘くなっていくみたいだなぁ!!!もっともっと嬲ってやる!!!」」」


 無数の顔の一つ一つから長い舌が出てきて、ソレがウネウネと天使の全身に絡みつき、唾液を擦り付けるように舐めまわし始めた。


 ネトネトネバネバジュルジュル・・・


 「あぁああああ・・・・はぁん・・・いぁぁああ・・・」


 泥沼に磔にされたまま、クネクネと身を捩らせ悶え喘ぐ天使。されるがままに嬲られる天使から、ベゲロンは容赦なくエナジーを吸い続ける。


 ドクンドクンドクン・・・


 「ひぁ・・・あぁぁ・・・んぁ・・・あぁぁあ・・・」


 天使の全てを汚しながら、エナジーを貪るベゲロンの体は、どんどん膨らみ大きくなっていく。


 「「「ゲゲゲヒヒヒヒ・・・オイラはお前のエナジーのおかげで大きく強くなったぞ!これでオイラは無敵だぁ!!!」」」


 「んぁ・・・あぁぁ・・・ふ・・・ふふふ・・・わらわせないで・・・あなたなんかまだまだ・・・そんなので・・・無敵だなんて・・・」


 業火のような激しい責め苦を受けながら、天使は必死に言葉を絞り出す。


 「「「なんだとぉおお!!!貴様ぁあああ!!!!もっと・・・もっとだ!!!もっとエナジーを吸って大きく強くなってやるぅうう!!!」


 ずりゅうううううう!!!!


 「かはぁっ・・・くぁああああ・・・」


激しくエナジーを吸われて、カラダを弓なりにさせて苦しむ天使。その姿は、醜いカエルに貪られる美しい生贄にしか見えない。


 天使を貪りながら、ムクムクとベゲロンの体は大きくなっていく。


 「「「はぁ・・・はぁ・・・ゲゲゲヒヒヒ・・・これくらい大きくなれば・・・オイラに敵うものはいないだろうさ!!!」」」


 「んぁ・・・うぁ・・・ま・・・まだまだ・・・あなたなんて・・・ミジンコほどに小さいわ・・・」


 「「「なんだとぉおおお!!!もっともっともっと吸ってやる・・・もっともっともっと・・・おえっぷ・・・」」」


 「はぁ・・・はぁ・・・くぁ・・・も・・・もう・・・限界なの?・・・そんなんで・・・無敵だとか・・・最強だとか・・・滑稽だわ・・・」


 ズチュウウゥウウウウウウ


 さらにエナジー吸引は激しくなる。


 「あぁああああああああ・・・・」


 カラダも心も、いつ壊れてしまってもおかしくないほどの責め苦にが天使を襲う。気を抜けば、何もかも分からなくなってしまいそう。そうなった方がずっと楽なのに、それでも必死に天使は耐え続ける。


 「「「うぷっ・・・もっと・・・もっと・・・もっとよこせぇええ!!!!」」」


 さらにさらに、ドンドンベゲロンの体は大きくなっていって・・・


 ミチミチミチ・・・その体は今にもはちきれそうになる。


 「くぁ・・・あぁぁ・・・まさか・・・もう・・・限界だなんて・・・言わないわよね・・・」


 「「「まだまだまだまだゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲげぼぉおおおおおおおおお!!!!!!」」」


 エナジーを吸いすぎたベゲロンの体は無理な膨張を続け、そして、


 「ぎやぁああああああああ!!!!」


 凄まじい断末魔を放ちながら、ついに爆発四散した!


 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・これで・・・終わった・・・いえ・・・まだ・・・別の怪獣を・・・倒さなきゃ・・・」


 身を休める暇も無く、光の天使は次の戦いへと向かっていった・・・


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・


 ・・・


 〇


 特殊自衛隊新人隊員・雨宮イノリは不思議な光景を目の当たりにしていた。

 

 赤い光を放ちながら少女が空からゆっくりと降りて来たのだ。

 

 それは身を横たえて静かに眠っているようだった。


 連日の怪獣襲来とそれに伴う出動が続いた後のつかの間の休暇の日のことだった。


 『宇宙人の襲来?隊長に報告しないといけないかしら。』


 そんな事を考えるイノリの目のまえで、少女は静かな寝息をたてていた。



 少女は、カエル型怪獣ベゲロンをやっとの思いで倒し、そしてボロボロのカラダのまま、別の怪獣と戦い、必死の思いでそれを倒した天使。光の巨人が人間体になった姿だった。だが、当然イノリはそんな事を知るすべもない。



 その日、イノリはこっそり自分の宿舎で少女を匿うことにした。


 彼女は、少女と出会った時の印象を後にこう語っている。


 「まるで天使みたいだった。」


 と。


聖天使 エンジェル・ルシア 第一話『名前の無い天使』

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