SamSuka
rejection
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過去作

こんにちは!


記事のリクエストを頂きました。ありがとうございます!



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リクエストなのですが、過去作をどう捉えるのかというマインドに関してお聞きしてもよろしいでしょうか?

自分は本気で作った新曲を投稿してその時は満足しても、1ヶ月も経てばその作品のクオリティに対して恥ずかしいと言う気持ちが出て、消しそうになってしまうことがよくあります。

rejectionさんは過去作についてはどう捉えているのか、クリエイターとして経験することなのか、お聞きしたいです。

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という内容です。



なぜ過去作を消してしまいたくなるのか?

僕もこれ少し気持ちわかります。1ヶ月経ったくらいでは消したくならないけど、

5年前の曲とかは自分でもあまり聴きたくならないし、クオリティも今と差があるので特に思い入れがない曲は消しても問題ないかなとも思います。

実際、最古の曲達(2016-2017あたりに作った曲)はもう消してます!



でも、それでも僕は古い曲を割と残してる方だと思います。

今更聴いてほしいとも強く思いませんが、あえて2018年頃の曲も残しています。

それには理由があり、曲を残す意味について個人的に思っていることもあります。

今日はそれについて書いていきます!



過去曲を消したくなってしまうわけ

これは3つ理由が考えられます。


1. 技術的な問題

シンプルに曲作りが上達した為、過去曲がしょぼく聴こえてしまうという理由です。

これは誰にでも起こることだと思います。


僕は2019年に個人的な技術上達のブレイクスルーが起き、この年を境に覚醒したように音が良くなりました。この頃はさらに上達速度も加速していったので、半年前に作った曲ですら音が悪く感じていました。


そういう観点で考えると、この質問者さんは"1ヶ月も経てばその作品のクオリティに対して恥ずかしいと言う気持ちが出て"と言っているので、凄まじい速度で上達を遂げている可能性があります。



2. 実は納得いっていないのにリリースしている

僕はこの原因が実は大きいんじゃないかなと思います。

そしてこれは1の技術的な問題ともリンクしています。


自分の曲は、完成まで何十回も、あるいは何百回と聴き続けることになります。

その過程で、本心では微妙な曲だと思っていても、やがて感覚が麻痺し「立派な曲にできた」と自分自身に言い聞かせているケースがあります。


「深夜まで頑張って作った曲を朝聴くと全然良くなかった」みたいなあるあるエピソードがありますが、これも制作過程で作品を客観視できなくなり感覚が麻痺した例と言えます。


また、あとから修正できるならまだ良いですが、「このままじゃダメ」だとわかっていながら解決策が今のスキルでは思い浮かばない為、自分を誤魔化して納得させていることもあります。

この場合は新曲としてリリースして少し経てば曲に対する自信がなくなり、消したくなってしまうでしょう。



3. 長期的なブランディングを確立できていない

技術があって曲に対する自信もあったとしても、

自分のブランディングをしっかり固めていなければ、後から消したくなってしまう場合があります。


- 曲のジャンル

- 自分のサウンドデザイン

- 自分のイメージ・統一させる雰囲気


これらを活動前に真剣に考えて決めていれば、

曲を出す毎に自分の理想に一歩一歩近づいていくはずなので、全てが誇るべき自伝であり、残したいものになるでしょう。


昔の曲が技術的に多少劣って聴こえたとしても、全体的な方向性が今とブレておらず同じ信念に基づいて行動して出来たものであれば、恥ずかしく感じることはないはずです。


僕自身も、過去曲リストの中に

「あんまり自分で聴きたくない曲」と「今でも好きだし、DJでも全然流せる曲」

の2パターンがありますが、この二つには技術的な差はあまり関係ありません

では何が決め手になっているかというと、後者のほうは「全体的な方向性が今とブレておらず今と同じ信念に基づいて行動して出来たもの」であることが多いです。



以前はMEGAREX等色々な方面から「こういうジャンルで、こういうBPMの曲を作ってください」という依頼を受けて作ることがほとんどで、そのおかげでヒットした曲もありますが

こういった作家的なスタイルはアーティスト活動という視点で見るとブランディングとして曲の統一感が無く、自分が本当はこう思われたいというイメージから離れてしまいます。

そういった活動を長く続けていると、やがて自分のブランディングを真剣に考える時が来た時に、過去の曲はイメージに合わない曲と判断し、消したくなってしまいます。


なので、なるべく早い段階で自分が本当にやりたかったジャンル・スタイルを突き詰めて、自分の信念に基づいて行動するようにしましょう。



僕はそれに気づくのが結構遅かったので少し後悔しています。

ブランディングの確立はあまり軽視しないほうが良いですよ。



過去曲を消さないほうが良い理由

ぶっちゃけ個人の自由だと思いますが、それでも僕はどちらかというと過去曲は残したほうがいいと思う派です。

理由は3つあります。


1. 何がきっかけでファンになってくれるか分からないから

「え、その曲から入ったの?」と思わず言いたくなるくらい、自分の中では影の薄いドマイナーな曲からファンになってくれる人も結構います。

本当に、何がきっかけで自分のことを知ってくれるか予測不可能なんです。


なので、未だに新曲リリースするとSoundcloudにも音源をアップするようにしています。そこから僕を知ってくれる人が一定数いるからです。


そして、自分にとっては消しても問題ない曲であっても、ファンの中にはその曲を毎日聴いている人がいるかもしれません。

アーティストは「公開している曲」をコントロールすることが出来ますが、ファンの「好きな曲」をコントロールすることはできません。


好きな曲が消されてファンが自分の活動から離れてしまうくらいであれば、僕はずっと残して聴ける状態にしたいと思っています。



2. 大量の曲のカタログがあるということ自体が武器になるから

AさんとBさん、2人のアーティストがいます。

彼らはお互いこれまでちょうど10曲ずつリリースしています。


Aさんはある時、自分の過去曲が恥ずかしく感じてしまい、9曲を全プラットフォームから削除しました。


さて、例えばSpotifyで色んなアーティストを巡っている時、

1曲しかリリースしてないアーティストページと

10曲リリースしているアーティストページ、

どちらが「真剣にアーティスト活動をしている」と思うでしょうか?


そうです、これは印象の問題ですが、重要です。

当たり前ですが誰でも真剣に活動をしています。

ですが、それを証明するためにはカタログの豊富さで見せるしかありません。


数十曲、数百曲とリリースしている事自体が大きな武器になります。

一曲好きになったファンは、あなたのアーティストページを覗き、あなたの曲のカタログを冒険して世界に浸ります。その体験が重要なのです。


そして、音楽は繰り返し長い間聴き続けることで真にその効力を発揮する芸術だと思っています。

気に入った曲を繰り返し聴かせることが重要なのです。


この20年ほどで「プレイリスト」という文化が音楽業界の最高権力となりました。

プレイリストは沢山の曲を繰り返し聴かせることに特化した形態です。

そしてプレイリストが生まれる前は人々は何を再生して繰り返し聴いていたかというと、「アルバム」です。


今は各プラットフォームのアルゴリズムによって、自動で自分のリリース楽曲が1つのプレイリストのように連続再生されるようになっています。

それがあなたのリスナーが聴いているものです。

いわば自動で作られたアルバムのようなものです。


そこで数曲でもリスナーの心を掴むような曲があれば、その人はあなたの曲をもっと知りたいと思うでしょう。

もっと知りたいと思われるためには、潤沢な曲数は欠かせないものだと思います。



3. 成長過程を知ってほしいから


Soundcloudでは、Skrillexの15年前の曲を聴くことができます


また、Zomboyの12年前の曲も聴くことが出来ます



キャリア初期の曲なので、当然今とサウンドも違いますし技術的にも荒削りです。

しかし彼らはまだ曲を全世界で聴ける状態にしています。



僕はこれらの楽曲を聴いて彼らがますます好印象になりました。

なぜなら「成長過程」を感じることができるからです。

成長過程とはすなわち文脈であり、ストーリーです。

そして、「ストーリー」こそ、ファンが最も求めているものなのです。



他人の目を気にするアーティストはよく輝かしい結果だけを残して、無名の頃や成長過程の作品を消したりします。なぜなら彼らは絶対に恥ずかしい思いをしたくないし、過程というのは恥ずべき過去だと思っています。


しかし、実際のリスナー(僕も含む)、というか世の中の大半の人は

成長物語が好きです。少年漫画のほとんどは、ゼロから始まり少しずつ強くなっていく物語です。

世の中には天才的なアーティストはたくさんいますが、

最初から天才である(ように見える)人よりも、ゼロから大きな成長を遂げて成功する人のほうがむしろ人々が応援したくなる存在になり得ます。



なので長い目でみると、古い作品も残しておく方が良いと考えます。




でも最初に言ったようにあくまで個人の自由です!

どうしても消したかったら消しても良いと思います。

たまにはそういう曲もありますよね。




というわけで、質問者さんが言っていた「過去作をどう捉えるのかというマインド」について書いていきました。

作曲だけに限らず、全てのクリエイターがにとってよく直面する話題だと思いますが

よく考えたらこれを文章として記事にしてる人も見ないので

何か共感したり発見があれば嬉しいです。



ではまた〜〜

Comments

すでに記事がありましたね...!失礼しました

CaFU

それでは『Hypnotize』の楽曲解説をお願い頂いてもよろしいでしょうか?

CaFU

質問が漠然としすぎているので答えられません

rejection

Bass houseを作る実にサウンドの迫力を作り出す方法が知りたいです!

CaFU

具体的にどういった部分が知りたいですか? Bass houseの作り方はyoutubeにたくさん上がっているので特に知りたい部分があれば教えて下さい

rejection

リクエストです! Bass houseの作り方を教えてください!

CaFU

rejectionさん、リクエストに答えていただきありがとうございました! とても参考になる記事でした。

Yuze


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