どこそこの畑を魔物が食い荒らしたと、今日も風の便りで聞いた。 父の畑も、何度か荒らされたことがある。その度に家計の危機がやってきた。 もし、もう少し魔法を使える血筋だったなら、こんな思いをしなかったのに。 いや、魔力だって血筋が全てではないはず。整った訓練を受けていたら、そこそこマシな魔法使いになれたはずだ。 でも、生まれた環境で誰もがそんな訓練を受けれるわけもないし、こうやって朝から晩まで体を使って働かなければならない俺が使える魔法の程度は知れている… 商売ができるほど器用でもないし、計算高くもない、社会情勢に詳しくもない、田舎の弱者である自分は、それでも今よりちょっとは贅沢な生活を夢見ているのだ。 いいじゃん、のどかに過ごしてみたいよ。 おいしい物、好きな時に好きなだけ買って食べれる生活。 いいなぁ~ 俺は母の顔を知らないけど、母親の魔力はかろうじて引き継げた。 俺の父が母に騙されたように、俺が多少使える魔法は、誘惑。 もっとも、自分が使える効果は小さいので、人がよさそうな者を惑わせて、お願いを聞いてもらう程度。 もっと強力な魔法使いになれば、大金持ちや権力者を操るほどにもなるらしいけど、そんなことはおとぎ話のレベル。 人のいい父は、父親が誰だかわからない女が置いていった赤ん坊をせっせと大事に育ててくれた。それが俺。 俺は運よく母似の顔らしく、魔法がかかったままなのか、情がうつったのかどちらかわからないが俺を大事に育ててくれた。 父と母に心の中で感謝しつつ、俺は夜になると時々町へくりだすのだ。 町の素泊まりの部屋は、床からの灯で相手の顔があまりよく見えない。わずかな光で照らされた毛並みがきれいに闇に浮かぶ。 「よぉ人間のおにーちゃんよ。こんな小さい穴で俺の代物、入るのか?」 狼獣人の雄の、がっしりとした指が、縦横無尽に俺のケツ穴をまさぐっている。時折、彼の指輪までずっぷりと刺しこんでくる。 「だ…大丈夫大丈夫!だからさ、さっきの交渉金額より、多めに出してよ。俺、頑張るからさ」 彼の大きなマラを勃起させ、臨戦状態にまで持ってきたら、こっちのもんだ。逃がさないぞ、金づる。 この町でも魔法を使わなければ、客引きすら難しい。立ってたら買ってくれるなんて、そんな甘いもんじゃない。ライバルが多すぎる。 俺がせいぜい使える魔法は、こうやって高確率で払いっぷりがよさそうなエッチ好きなお客を呼び込むぐらい。 それでも、俺には十分な金額になる。 「人間の男の子は、初めてなんだが、生でやらしてくれるなら全然お買い得じゃねぇか。具合がよけりゃ、上乗せで支払ってやるし、また遊んでやるからしっかりサービスしろよ」 「またって言っても、いつまでもこの町にはいないでしょ?その分、今日、しっかり満足させてあげるから、ね?」 自分でも、この必死さは情けないと思うが、どうせよそ者は、数日後には町を出ていって顔を合わせることもない。捨て恥だ。 彼もさすがに苦笑している。 「わかったわかった。出来高制だ。だが、そう簡単に俺を満足させれるとは思わないことだな♪覚悟しろよ。」 薄明りの中、獲物を追い詰めたようなケモノの笑みが浮かんだ。 ----------------- 漫画と落書きは、以前ツイッターに投稿していたもので、 今回の絵の元ネタのようなものです。