「おい、出荷用意できてんのか?!」 「あと、蓋を打ち付けるだけです!」 以前は工場(コウバ)として使われていたと思われる倉庫の中では、今日の最終便に乗せる荷造りでにわかに慌ただしくなった。 ところどころ割れて抜け落ちている大波スレート壁の隙間からわずかに夕日が射しこんでいる。 「いやぁでも、今日のうちにこいつ、送り先が決まってよかったっすね!」 大型の若いピューマの青年が汗をぬぐいながら、重量のある木製コンテナの蓋を持ち上げようとしていた。 人間一人がはいる…いや、獣人の雄が一人入るぐらいはあるその荷物の中身は、大きさを物語るには十分である狼の青年が入れられていた。 後ろ手に拘束され、マズルには甘ったるいお香を焚きしめたシートが貼られている。 思考回路が定まらないのか、体を曲げられて不自由な格好をさせられているにも関わらず、彼はおとなしくそこにいる。 恐らく彼が着ていたであろうノースリーブのパーカーが申し訳なさそうにフードの役目をしているだけで、あとは身ぐるみはがされていた。 時折ピクピクとペニスを中心に体を震えさせているのは、アナルから挿入されているローターの仕業だ。 「書類の封筒は入れたし、ローターのリモコンも、ちゃんと貼ってある。QRコードも…あるな、よし。」 ピューマの青年に、社長と呼ばれた若干彼より年上の黒い豹の青年と二人で、木の蓋を止めていく。 「夜通し走るから、早朝には届けられるな。それまでの辛抱だ、我慢しろよ。」 フォークリフトで2トントラックに積まれる。他の荷物も乗せたトラックが、黄昏の影の中に消えていった。 「出荷先、いい人だと、いいっすね~」 「そうだな。まぁ金が振り込まれた地点で、もう俺らの物じゃねぇからな」 そうっすね…と小さくつぶやいたピューマの青年は、大きく伸びを一つすると、明日も頑張るかぁ~と明星に向かって声を放った。
田仲ユキジ
2021-10-03 13:59:19 +0000 UTC田仲ユキジ
2021-10-02 12:46:53 +0000 UTC鈴竜
2021-10-01 21:14:38 +0000 UTC田仲ユキジ
2021-10-01 12:31:35 +0000 UTC