●月▲▲日 小夜(さよ)は浮かれていた。 1学年上のイケメン少女と噂の先輩、カレンに思い切って告白してOKをもらえたからだ。 地味子の自覚がある小夜は、ダメ元で告白しての結果。 否定や嘲笑されるのがわかっていたので、告白の事は友達には言ってない。 これからは秘密のお付き合いになるかな、と思うとニヤニヤ笑いが止まらない小夜だった。 ●月◆◆日 友達の誘いを全部断って、今日は先輩とデートの小夜。 自分のワードローブの中で一番可愛いワンピースを着て待ち合わせの駅へ。 そこには白いワイシャツのパンツルックが大人びて見える先輩がいた。 連れてこられたのは山の中の古びた洋館。 「???」 デートに似つかわしくない場所に小夜は、オシャレなサンダルで山道を歩いたために出来た靴擦れの痛みを忘れるほど困惑していた。 しかし美しい笑顔でやさしくリードされる先輩の手に逆らえるはずもない小夜。 館の中に入ると、甘ったるい香りの中に醜悪な匂いが混じり小夜の鼻腔をくすぐった。 中は広いホールと吹き抜けが大部分を占めて部屋数は少ない。 棚が幾つも置かれて物置として使われているように見える。 薄暗いホールにはロープが無数に張られ、数個のオブジェが立っていた。 最初に、人形のオブジェが吊られて飾られていると認識した小夜。 悪趣味だな、などと思わずに、 「ミステリアスな先輩!」 と考えたのは惚れた欲目。 しかしそれらが裸にされた少女達だとわかった瞬間。 小夜は逃げ出した。 踵を返した先に待ち構えていた先輩。 彼女の行動を予測していた彼女に抱きとめられると、抵抗する間もなく鮮やかな手つきで全裸にされた。 態勢を立て直し抵抗を始めた小夜に、先輩はキスをする。 突然の大胆な行動に呆然としている間に小夜の手足にはロープが巻かれていた。 体中を優しく撫でられ、愛撫された小夜の心の中は、裏切られた悔しさと屈辱でいっぱいだった。 ●月■■日 小夜はオブジェの一つになっていた。 屋敷の少女達は、小夜より年齢が上の子や下の子もいた。 小夜の右後ろの一番小さな子だけ例外的に口にテープが貼られていない。 「今にアナタもわかりますわ。 お姉様の深くて広い愛が。 ここがお姉様と私達の楽園だってこと」 その少女は、自分は再婚した先輩の親の連れ子だと言う。 「親には感謝しておりますの。 だってこの館を遺してくれて、 そしてお姉様に会わせてくれたのですもの! 今はこの床の下で一緒に私達の幸せを見守って下さっていますわ」 小夜は首を廻らして妹を見る。 少女は瞳に少し狂気の光を宿して幸せそうに微笑んでいた。
pink
2021-11-20 15:12:53 +0000 UTC