SamSuka
JUDO(あるいはスサノオ)
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VR少女のオナラは臭い

 桜井(さくらい)マサミ。 武刻(たけとき)学園の2年生だ。 身長168cm。 整った顔立ちは中性的な部分もあるが、彼女を少年と間違える者はいないだろう。 理由は、2つ。 1つは髪型。 黒い艶やかなロングヘアである。 もう1つは、首から下のプロポーション。 双丘は服を大きく持ち上げ、安産型の尻もそれに引けを取らないサイズで自己主張している。 彼女は今、殺風景な空間に1人で佇んでいる。 広さは大人用のバスケコートぐらい。 大小様々なダンボール箱が至る所に積まれており、さながらダンボール箱の街とでもいうべき光景を形成している。 どうして彼女がこんな所にいるのか。 それは今から1時間ほど前に遡る。 *  ――マサミ視点 その番組を初めて見たのは、中学生の頃だった。 今でも大人気の「光の国からやってきた正義の巨人」が登場する特撮番組。 だが、私が心奪われたのは正義のために戦う巨人たちではない。 彼らと戦う数多の怪獣たちだ。 優等生と評価され、周囲からの期待に応え続けようとしていた私。 そんな私にとって、自由に暴れ回り、街を破壊する怪獣たちの姿がひどく輝いて見えた。 私も巨大な姿になって、街を破壊したい。 叶うはずのない夢が完全ではないにしろ、意外な形で叶う事になった。 「此処ね」 とある休日の午後。 私は自宅から電車で3駅の所にあるレンタルスペースに来ていた。 「3時間のご利用ですね。それではごゆっくり」 受付を済ませ、事前に予約していた部屋へと向かう。 私が予約したのは、本来バスケットボールなどの室内球技に使用される空間だ。 「ちゃんと届いてるわね」 この施設では事前に荷物を送っておけば、予約の時間に部屋まで運んでおいてくれる。 私が送っておいた沢山の大きなダンボール箱も部屋の隅にきちんと並べられていた。 「さてと・・・」 時間が惜しいので、手早く準備を始める。 まずはダンボール箱の開封。 最初に開けたダンボール箱に入っていたのは、折り畳まれた大小様々なダンボール箱。 それらを一緒に入っていた養生テープで次々と組み立てていく。 この時、箱の底に錘として鉛テープを貼り付けておく。 「ふぅ、これで全部ね」 四捨五入すれば、100に届くほどの箱を組み立てたところで、次の段階に移る。 「えっと・・・此処には中サイズの箱を4段ね」 スマホに表示した街の写真と照らし合わせながら、ダンボール箱を配置していく。 さしずめ「ダンボールで行うマイン〇ラフト」といった感じだ。 ダンボール箱の配置が終わったところで、まだ開けていなかったダンボール箱を開封する。 そこに入っていた物は、3種類。 カメラなどの撮影機材。 ウェットスーツのような黒いボディースーツ。 そして、VRゴーグルだ。 これらは父が重役を勤めるソフトウェア会社の試作品で、父に無理を言って借りてきたものだ。 マニュアルに従って機材を設置し、その場でボディースーツに着替える。 最後にVRゴーグルを装着すれば、ようやく準備完了だ。 「ふぅ・・・よしっ!」 大きく息を吐いて、VRゴーグルを起動する。 目の前に「WELCOME!」という文字が表示され、直後に広大な街が投影される。 私がスマホで確認していた、あの街である。 「本当にリアルね」 試しに、手近にあったビルを軽く指でつついてみる。 指先に硬い物が当たる感触があった。 言うまでもなく、私が苦労して積み上げたダンボール箱だ。 私の指の動きに合わせ、映像内のビルの外壁がボロボロと崩れ落ちていく。 私を包むボディースーツはVRゴーグルと連動している。 そのため、私の動きに合わせて投影される映像も変化するのだ。 「・・・」 動作確認が済んだところで、いよいよ本題だ。 多くの無理や苦労をしてまで、私がこの状況を作り出した理由。 それは―― ドーンッ! 私自身が怪獣となり、街を破壊するためだ。 乱暴に振るった腕がビルを直撃し、その上半分を倒壊させる。 さらに膝蹴りを叩き込み、残る下半分も破壊する。 (これだ!) これが私のなりたかった怪獣。 何者にも縛られず、自由に暴れ回る異形の存在だ。 「っ・・・!」 3つめのビルを倒壊させたところで、私の身体に異変が起こった。 ぐるるるるるるるる~~っ! お腹から雷のような重低音が聞こえてきたのだ。 (そういえば、暫くお通じがなかったわね) そんな事を考えていると、ふとある怪獣の事が頭に浮かんだ。 名前は忘れてしまったが、2足歩行する芋虫のような怪獣。 その怪獣はお尻から大量の黄色いガス――要するにオナラを噴き出し、ヒーローを苦戦させていた。 「・・・」 ゆっくりと足元に視線を落とす。 蟻のように小さな車や人々が私から逃げようと懸命に走っている。 その姿が私の嗜虐心を刺激し、 ドスンッ! 気付いた時には彼らを押し潰すように尻餅を着いていた。 それだけではない。 「ふんっ!」 ブウウウウウウウ~~~ッッ!! お腹に力を込め、人前では決して出せないような特大のオナラを放つ。 「臭っ!?」 腸内で熟成され、自分でも顔を顰めてしまうような強烈な悪臭(におい)のガス。 それはVR空間で凄まじい暴風へと姿を変え、周囲の人や物を軽々と吹き飛ばしてしまう。 (オナラまで感知するのね) 父の会社の技術に感心しつつ、今までに感じた事のない解放感に包まれる。 この街でなら、私は何をやっても許されるのだ。 「ふんっ!」 勢いに乗って、目に留まったマンションらしき建物にヒップアタックを喰らわせる。 ブボボボオオオオ~~~ッッ!! 同時にオナラを放つと、崩れ落ちる瓦礫に混じって多くの住民たちが吹き飛ばされていくのが見える。 ダメだ、これは思ったより楽しい。 その後も、 ブブッブウウウウウ~~ッッ!! 私はヒップアタックとオナラで街を蹂躙していく。 衝撃でビルを破壊し、逃げ惑う人々をオナラで吹き飛ばす。 以前に見た特撮番組なら、そろそろヒーローが現れる頃だろう。 しかし、此処は私だけの世界。 ヒーローはいない。 いるのは私という怪獣だけだ。 「ふんっ!」 ブウオオオオオオオオ~~ッッ!! 「あら?」 崩れていく何棟目かのビルを見ながら、首を傾げる。 映像内のビルの配置は事前に積んだダンボール箱と対応している。 軽くお尻を左右に振ってみるが、 ブゥッ、ブブゥッ、ブスゥッ・・・! 数発のオナラが細切れに漏れただけだった。 「箱の配置を間違えたかしら?」 頭の中でマップを広げようとするが、 「むぐっ!?」 鼻に届いた糠漬けを濃縮したような発酵臭が思考を中断させる。 オナラが臭いのは当たり前だが、これほど臭いのは想定外だ。 「か、換気扇を・・・!」 いや、ダメだ。 VRゴーグルに伸ばした手を止める。 今の私は怪獣なのだ。 この程度のオナラなど問題ではない。 「よしっ!」 気合いを入れ直し、 ブブッフウオオオオオオ~~ッッ!! 特大のオナラと共に、両腕を大きく振るって両サイドにあるビルを破壊する。 これで街全体の5分の1ほどを破壊できただろうか。 西側のエリアはだいぶ破壊できた。 もう少し壊して、別のエリアに移動するとしよう。 (次は南エリアね) 次の標的を決めて歩き出そうとしたところで、 「あっ、そうだ」 足元を逃げていく車や人々を見て、私は方針を変更する。 方針変更が決まったところで、足元の瓦礫を足で移動させて道を塞いでいく。 それが済んだら、 ブブスウウウウウウウウ~~ッッ!! ヒップアタックとオナラで街を破壊しつつ、南エリアへと歩を進める。 そこでもいくつかのビルを破壊し、そのまま東エリアへと移動する。 ブウウウウウウ~~ッッ!! さすがに何発もオナラを放ったせいか、勢いが弱くなってきた。 それに加え、喉の渇きも感じる。 このボディースーツはセンサーが組み込まれている関係で通気性が低い。 要するに、蒸れて暑いのだ。 しかし、これは想定内。 ちゃんと対策もしてある。 (ちょうど東エリアね) 私の視線の先には、球体のガスタンク。 これだけはダンボール箱ではなく、タンブラーになっているのだ。 拾い上げて蓋を開け、中身を一気に飲み干す。 中身は友人に貰った「白金芋ジュース」という謎のジュースだ。 飲むと面白い事になると言っていたが、どうなるのだろうか。 喉が潤ったので、破壊活動を再開する。 腸内のガスが落ち着いてきたので、今度は近くにあるビルに掌底を叩き込む。 続けて隣のビルを裏拳で破壊する。 直後、 ぎゅるるるるる~~っ! 落ち着いていたお腹が再び不穏な音を響かせる。 「うっ・・・!」 触って確認するまでもなく、お腹がぽっこりと膨らんでいるのがわかる。 どうやらこれが友人の言っていた「面白い事」なのだろう。 (確かに、面白いわね・・・) 「ぐっ・・・!」 予想以上の腹痛に、私はその場にしゃがみ込む。 地面を見ると、大勢の人々が私から逃げようとしているのが見える。 (そんなに遠くへ逃げたいなら・・・) 「遠くへ吹き飛ばしてあげる・・・!」 ブウオオオオオオオオオ~~~ッッッ!!! 今の私なら殆ど息まずに凄まじいオナラを出す事ができる。 これまでとは比較にならないほど強烈なオナラの風圧により、逃げ惑う人々が宙を舞う。 このまま東エリアを破壊し尽くしてもいいが、今は別の目的がある。 此処のビルをいくつか破壊して、北エリアへと向かう。 こちらも一部のビルを破壊して、西エリアへと戻る。 上から見れば、私が渦を描くように街を破壊しているのがわかるはずだ。 (さあ、まだまだ楽しみましょう) 心の中で呟いて、 ブボオオオオオオオオオ~~~ッッッ!!! 私は西エリアに残っていた他より少し大きなビルをヒップアタックとオナラで破壊した。 *  ――フリーター視点 俺の名前は、斎藤ススム。 とあるレンタルスペースでアルバイトをしている、性癖以外はごく普通のフリーターだ。 そんな俺は今、目の前の光景に首を傾げている。 事の起こりは5分前。 この辺り一帯で小さな地震があったのだ。 震度1程度の小さなものだったが、主任から念のために部屋の様子を見てくるように言われたのだ。 今日、使用されているのは、主にバスケットコートなどに使われる大部屋1つだけ。 そんな訳で、俺は大部屋にやってきた。 ちゃんとノックと呼び掛けをしたが、返事がない。 仕方なく断りを入れて入室すると・・・何故か女の子が大量に積み上げられたダンボール箱を崩して回っていた。 離れていてもわかるほど長身で、長い黒髪。 起伏に富んだ身体にウェットスーツらしきものを纏い、顔にはごついゴーグルのようなものを着けている。 これだけなら、まだ理解はできた。 内容はわからないが、VRでゲームでもやっているのだろう。 だが、問題はダンボール箱の崩し方だ。 パンチやキックではない。 尻だ。 安産型の尻をぶつけてダンボール箱の山を崩しているのである。 それだけではない。 ブボボボオオオオ~~~ッッ!! 尻をダンボール箱にぶつけるたびに、大音量のオナラまでしている。 「・・・」 さっき自己紹介した通り、俺はごく普通のフリーターである。 性癖以外は。 俺の性癖。 それは女の子の臭いフェチ、特にオナラの悪臭(におい)が大好きなのだ。 こんな千載一遇のチャンスを逃す訳には行かない。 ブブッブウウウウウ~~ッッ!! 俺が眺めている間も女の子はオナラを出し続けている。 「・・・」 物音を立てないように気を付けながら、彼女の進む方向へ先回りする。 そこで積み上げられたダンボールの山の1つをずらし、その場に座り込む。 ちょうど顔が彼女の尻の高さになる格好だ。 間を置かず、やってきた彼女がこちらへ大きく尻を突き出してくる。 直後、 ブウオオオオオオオオ~~ッッ!! 大音量のオナラが俺の顔を呑み込んだ。 「っっっっっ!?」 飛び出しそうになる苦悶の声を必死に抑え込む。 初めて嗅いだ女の子、それも超絶美少女のオナラ。 それは想像を絶するほど凶悪な発酵臭だった。 断言はできないが、便秘気味なのかもしれない。 一方、 「あら?」 女の子が怪訝そうに尻を左右に振っている。 おそらく俺が退けたダンボール箱を探しているのだろう。 ブゥッ、ブブゥッ、ブスゥッ・・・! 尻の動きに合わせて頭を左右に動かすと、尻から漏れ出たオナラが顔に当たる。 先程より小さなオナラだが、それでも強烈な発酵臭だ。 「よしっ!」 俺がオナラのダメージから回復したタイミングで、彼女の方も再び動き出した。 向かい合うように積まれた2つのダンボール箱の塔の間に立つ。 彼女が何をする気なのかを察し、すぐさま後ろへ忍び寄る。 ブブッフウオオオオオオ~~ッッ!! 俺の予想は見事に的中した。 彼女は両腕を大きく振って左右に立つダンボールを崩し、同時に轟音のオナラを放ったのだ。 「―――――!?」 悪臭(におい)の暴力。 そんな言葉が頭をよぎるほど熟成が進んだ発酵臭。 視界が黄土色に染まり、頭を金属バットでフルスイングされたような衝撃に襲われる。 正直、声が出なかったのは奇跡と言えるだろう。 ブブスウウウウウウウウ~~ッッ!! おかげで、彼女は俺の存在に気付かず、破壊活動(?)を続けている。 「ん?」 暫く彼女を観察していると、その行動に規則性がある事に気付いた。 上から見ていないので断言はできないが、どうやら円形に街を破壊しているようだ。 ブウウウウウウ~~ッッ!! その証拠に、現在は南エリアを経由して東エリアの破壊を始めている。 さすがにガス欠が近いらしく、だいぶオナラの勢いが弱くなってきていた。 (そろそろ戻るか) 何だかんだで、かなり長いこと観察してしまった。 あまり長居すると、主任に怒られてしまう。 そう思っていたのだが―― 「ん?」 彼女が次に取った行動を見て足を止めてしまう。 床に置いてあったタンブラーを拾い上げ、蓋を開けて飲み始めたのだ。 どうやらちゃんと水分補給も考慮しているらしい。 それにしても、彼女はどんなゲームをしているのだろう。 格闘ゲームの類だろうか。 そんな事を考えていると、ふいに彼女がその場にしゃがみ込む。 思わず駆け寄ろうとする俺の耳に、 「遠くへ吹き飛ばしてあげる・・・!」 そんな彼女の呟きが聞こえてきた。 俺がその意味を理解するより早く、 ブウオオオオオオオオオ~~~ッッッ!!! これまで以上に凄まじいオナラが彼女の尻から噴き出した。 「っっっっっ!?」 筆舌尽くしがたい。 そう表現するしかないほど凶悪な猛臭(におい)。 嗅覚は悲鳴を上げる。 だが、一方で性癖(ほんのう)は彼女のオナラを欲している。 少しでも彼女のオナラを堪能しようと鼻から臭気を吸い込み、 「っ・・・!?」 俺は意識を失った。 *  ――マサミ視点 VRゴーグルを着けているせいか、それとも周囲に立ち込める臭気のせいか。 とにかく時間の感覚が鈍ってきた。 まだ終了時間ではないはずだが・・・。 とにかく私は順調に街を破壊し続け、もはや無事な建物の方が少なくなってきた。 私が街を反時計回りに移動した事で、VR空間の住人たちは殆どが街の中心部へと避難している。 そこには特大サイズのダンボール箱を置き、中にクッションを入れてある。 VR越しで見る私の目には、それが大きな球場に見える。 私から逃げた住人たちはそこに集まっているのだ。 さあ、いよいよクライマックスだ。 私を見てパニックになっている住人たちを尻目に、ゆっくりと彼らに背を向ける。 そして、 ドーンッ! 私は球場の中央に目掛けて、豪快にヒップドロップを見舞う。 「?」 お尻が受けた感触に違和感を覚える。 ダンボール箱の中には、柔らかいクッションを入れてあったはずだ。 しかし今、お尻の下には何やら硬い物が当たっている。 (まあいいか・・・) いずれにしろ、私のお尻の下には大量の住人が圧し潰されている。 それで十分だ。 後にして思えば、その時の私はオナラの臭気のせいで、思考力が低下していだのだろう。 「ふんっ!」 ブボオオオオオオオオオ~~~ッッッ!!! それ以上は考えるのをやめ、私はお腹に力を込めて特大のオナラを放った。 直後、球場内にいた人間が塵のように宙を舞う。 その光景に心躍らせながら、 ブウウウウウウウウ~~~~~ッッッ!!! 私は続けて2発目のオナラを放った。 *  ――フリーター視点 「ラッキースケベ」という言葉を知らない人も少なくなってきたと思う。 だが、実際に体験した人はそう多くないと思う。 たった今、俺はその体験した側に回った。 女の子の凄まじいオナラで気絶した後、暫くして意識を取り戻した。 「!」 起き上がって最初に見えたのは、後ろに倒れ込む女の子の姿だった。 (床で滑ったのか!?) 慌てて自分が見付かるリスクも考えずに動き出す。 俺が彼女の下に滑り込むのと、彼女が尻餅を着いたタイミングは完全に一致していた。 その結果、 「むぐぐぐぐ・・・!」 どういう訳か俺の顔が彼女の下敷きになってしまった。 ちょうど鼻が彼女の尻穴ぐらいの位置にある。 (もしかして、これって転んだんじゃなくて――) ブボオオオオオオオオオ~~~ッッッ!!! 俺の予想は爆音によって正解である事が証明された。 特大のオナラがほぼダイレクトに鼻腔へと流れ込んできたのだ。 「っっっっっ!?」 頭に隕石が激突したような衝撃。 声を出さないのではない。 出せなくなるほど凶悪かつ濃密な臭気。 ブウウウウウウウウ~~~~~ッッッ!!! それが間髪入れずに2発。 ブシュウウウウウウウ・・・ッ! いや、3発。 しかも、最後はすかしっ屁だ。 臭い! 臭い臭い臭い・・・! 想像を絶する臭気に脳の処理能力を超え、頭の中が「臭い」という単語に埋め尽くされていく。 「ふふふ、面白いぐらい舞ってるわね」 女の子の楽しげな声が降ってくる。 おそらく彼女の目にはこのオナラで宙を舞う何かが見えているのだろう。 だが、そんな事を気にしている場合ではない。 「・・・」 自分の存在を訴えるべく、オナラ責めで脱力する身体に鞭打って腕を持ち上げる。 ブビビビビビビイイィィィィィッッッ!!! そんな俺の必死の努力を嘲笑うように、彼女の尻穴はオナラを生み出し続ける。 (も、もう少し・・・!) フシュウウウウウウ・・・ッ! 彼女がまたしてもすかしっ屁を放ったところで、何とか彼女の腕を掴む事ができた。 「っ!?」 よっぽど驚いたのだろう。 彼女は弾かれたように立ち上がる。 そして、VRゴーグルを外し、俺の姿を認識する。 「なっ・・・!」 絶句する彼女の顔には、絶望の色が浮かんでいた。 *  ――マサミ視点 失敗。 それも特大レベルの失敗だ。 完全に人生最大級の恥を掻いてしまった。 名前も知らない相手。 というか、存在すら気付いていなかった相手に顔騎放屁を連発してしまったのだ。 穴があったら、入りたいどころではない。 その人が止めてくれなかったら、機材のケーブルを切って感電自殺を図っていただろう。 しかし、そんな人生最大級の恥は、100%失敗という訳ではなかった。 大きな収穫もあったのだ。 それは私の趣味を理解してくれる人が現れたという事だ。 「さあ、始めるわよ」 「う、うん」 相手が頷いたのを確認し、私はVRゴーグルを装着する。 直後、前回と同じように現れる仮想空間の街。 しかし、今回は前回と大きく違う点がある。 「・・・」 怪獣となった私の目の前に、同じサイズの巨大ヒーローがいるのだ。 「行くわよ」 私はヒーローに向かって背を向け、 ボッフウオオオオオオオ~~~ッッッ!!! 特大のオナラを放つ。 こうして、私のオナラによるヒーロー退治が始まった。 終


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