SamSuka
JUDO(あるいはスサノオ)
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秘密の臭い友達

 両親が眠りに就き、カレンダーも金曜日から土曜日に変わった午前2時半。 私――二階堂(にかいどう)ナツコの秘密の時間が幕を開ける。 まず、お気に入りのロングコートを羽織って、両親に気付かれないように玄関を出る。 そのまま駐車スペースに停めてある車の陰に移動し、ロングコートとその下に着ているパジャマを脱ぎ去る。 脱いだパジャマを車の陰に置いたダンボール箱の中に隠し、再びロングコートを着込む。 (よしっ) 準備が完了したところで、大きく深呼吸してから自宅の敷地を出る。 言うまでもなく、コートの中は下着(淡いブルーのブラとお揃いのショーツ)だけだ。 この辺りは住宅街なので、夜になると殆ど人通りがなくなる。 私はロングコートの前を少し開いてブラとショーツを見せながら、誰もいない道を歩いていく。 「はぁ・・・はぁ・・・」 1歩踏み出す毎に呼吸が荒くなり、アソコが熱を帯びてくる。 私がこんな遊びを始めたのは、今から2ヶ月ほど前の事だった。 クラスでは優等生で通っているものの、人付き合いの苦手な私は親しい友人もなく、代わり映えのしない毎日を過ごしていた。 客観的に見て、私の容姿を端的に表すなら「地味」である。 肩を撫でるぐらいまで伸ばした髪に、細い黒縁の眼鏡を掛けた顔。 胸やお尻も控えめで、全体的に特筆すべき部分がない平凡な高校2年生だ。 ある時、そんな私に転機が訪れた。 私の通う学校で「近所に露出狂が出る」という噂が広まったのだ。 噂なので詳細はわからなかったが、どうもその露出狂は私たちと同世代ぐらいの女の子らしかった。 目撃者の話によると、彼女は「裸に裾の短いコート1枚だけ」という格好で、夜の児童公園を歩いていたらしい。 それを聞いた時、私の頭に最初に浮かんだのは疑問だった。 『裸で外を歩くのって、どんな気持ちなんだろう?』 それを知る機会は予想以上に早くやってきた。 露出狂の噂を知ってすぐ、両親が揃って家を空ける事になったのだ。 父は仕事の都合で、母は高校時代のクラス会で、いずれも泊まりがけで県外へ行くため、私は家で1人留守番をする事になった。 こんなチャンスは2度とない! そう考えた私はすぐに行動を開始した。 とはいえ、やった事はそれほど大した事ではない。 深夜、玄関で下着姿になり、そのまま2、3歩家の外に出ただけだ。 だが、それは私にとって衝撃的な感覚だった。 心臓が早鐘のように高鳴り、凄まじい興奮が全身を駆け巡った。 その時は風の物音に驚いて慌てて家の中へ戻ったが、それ以来、私はすっかり露出プレイの魅力に取り憑かれてしまった。 最初の1週間こそ下着姿で玄関先へ出る程度だったが、すぐに両親に内緒でロングコートを買い、それを着て外へ出るようになった。 家の周囲をぐるりと1周する事から始まり、今ではこうして家から離れて夜の住宅街を散歩している。 私の散歩コースは大体決まっていて、あまり人通りの多くない道を選んで歩きながら、自分で決めたいくつかのチェックポイントを通過して「ある場所」に向かう。 程なくして、1つめのチェックポイントに到着した。 それは煌々と明かりを湛える1本の街灯。 私はその真下に立ち、周囲の様子を耳と目で確認する。 (よし、大丈夫!) 安全を確保したところで、 バッ! 私はロングコートの前を大きく開き、自分の下着姿を正面に建つ家に見せ付ける。 この家に住んでいるのは老夫婦なので、この時間は確実に寝てしまっている。 それを知った上で、此処を1つめのチェックポイントにしたのだ。 この後も自動販売機の前、幼稚園の前など各チェックポイントでコートの前を開いてみせながら、目的地を目指して歩いていく。 いくら弁解しようと、私のしている行為は変態以外の何物でもない。 それがわかっているからこそ、私は自分の姿が見られないように細心の注意を払っているのだ。 「ふぅ、到着・・・」 時間にして約30分。 私はすべてのチェックポイントを通過し、ようやく目的地に到着する。 此処まで来ると、ショーツはアソコから溢れた愛液で色が変わるほど濡れてしまっている。 濡れた部分に風が当たる度、ゾクゾクとするような快感が背筋を駆け上がってくる。 「・・・今日もいないみたいね」 私が立っているのは住宅街の一角にある空間で、広さはテニスコート2枚分ぐらい。 内部には滑り台や鉄棒、ジャングルジムの遊具などが設置されている。 そう、此処は子供たちが遊ぶ児童公園。 噂の露出狂――私が露出プレイを始める切っ掛けになった少女が目撃されたという場所だ。 此処に来れば、彼女に会えるかもしれない。 そんな淡い期待がこの場所を散歩コースの目的地に選んだ理由だ。 しかし、この公園に来るようになって1ヶ月になるが、未だに彼女とは会えずにいる。 もしかしたら、噂が立ったので、他の場所に行ってしまったのかもしれない。 「・・・帰ろう」 あまり長居すると、誰かに見付かる危険が高くなるし、両親が起きてくるかもしれない。 私は下着以外で唯一身に着けている腕時計で時間を確認し、踵を返して歩き出す。 こうして落胆を抱きながらの帰宅も最近の日課となっている。 しかし、今日は少しだけ事情が違った。 ぐるるるるる・・・。 ふいに私のお腹が低く鳴ったのだ。 しかし、それは空腹からではない。 暫く便秘気味だったため、お腹にガスが溜まっているのだ。 「・・・」 お腹を擦りつつ、視線を公園の隅に設置された公衆トイレに向ける。 だが、あのトイレが不衛生なのは知っているので、あまり使いたくない。 (どうしよう・・・そうだっ!) 結論はすぐに出た。 現在のお腹の状態ではトイレに入っても大きい方が出る可能性は低い。 だったら―― 「・・・」 私は進路を変更し、公園の中央に立った。 「こ、これから、くっさいオ・・・オナラを、します。ど、どうか、嗅いで、ください・・・」 そう前置きして、私はゆっくりとお尻を後ろへ突き出し、お腹に力を込める。 直後、 ブブブブブウウゥゥゥーーッッ!! 大きな音のオナラが夜の公園に響き渡った。 同時に、便秘特有の強烈な発酵臭が鼻を襲ってくる。 「んあああああっ!?」 想像以上の羞恥と解放感に、全身がビクビクと痙攣する。 外でオナラをする事が、こんなに気持ちいいとは思わなかった。 「んんっ!」 ブボボボボボオォォォーーッッ!! さらなる快感を得たくて、両手でお腹を圧迫しながら2発目のオナラを放つ。 「んんーーーーーっ!?」 全身に電流が走ったような感覚と共に、アソコから大量の愛液が溢れてくる。 知らない人が見たら、漏らしたと思うほどの量だ。 「ふんっ!」 ブウウウォォォォォォォーーッッ!! 「あああああああああっっ!」 3発目のオナラを放ったところで、絶頂と共に頭が真っ白になる。 (オナラって、こんなに気持ちよかったんだ・・・) 明日からはこれも散歩のメニューに―― パチパチパチ・・・。 「っ!?」 突如背後から聞こえた拍手の音に、私は凍り付いた。 こんな格好でオナラしている姿を、誰かに見られてしまった・・・。 (と、とにかく逃げないと!) 公園の出入口は背後にある。 何とか隙を見て逃げ出さなくては、待っているのは社会的な死だ。 「便秘気味なのかな?とっても臭くていいオナラだね~」 場違いなほど緊張感のない口調で言いながら、声の主はゆっくりと私の方へ近付いてくる。 だが、私にはその声に応える余裕などなかった。 (チャンスは1度だけ。あの人が近付いてきたら、コートの襟で顔を隠して――) 「あれぇ?もしかして~、ナツコちゃん?」 「!」 終わった。 どうやら背後にいるのは、私の事を知っているようだ。 これでは上手く逃げられたとしても、何の意味もない。 「奇遇だね~。ナツコちゃんも私と同じだったんだ~」 「えっ?」 続けて聞こえてきた言葉に、私は首を傾げた。 奇遇・・・? ナツコちゃんも・・・? 私と、同じ・・・? いったいどういう事なのだろうか? 「こんばんは~、ナツコちゃん」 私の戸惑いを他所に、声の主が正面に回り込んでくる。 次の瞬間、 「えっ!?」 私は驚きの声を上げた。 声の主がクラスメイトの翔野(しょうの)マリだったからだ。 すぐに人違いを疑った。 しかし―― 猫を思わせる可愛らしい顔立ち。 右目を覆うように伸ばした金色の髪。 そして、独特の口調。 そのどれもが私の知る「翔野マリ」という少女の特徴と一致する。 だが、私を1番驚かせたのは、彼女の首から下の部分だった。 私と同じようにコートを着込んでいるのだが、裾は股下10cmぐらいと短い。 しかも、コートの中には服どころか、下着すら着けていない。 そう、彼女は全裸の上にコートだけを纏っているのだ。 おかげで、私とは比べ物にならないくらい立派な胸、その頂点に鎮座する突起、少し濃い目の陰毛まではっきりと見る事ができる。 「・・・」 何がどうなっているのか。 目の前の状況に理解が追い付かない。 「あっ、ナツコちゃんがせっかくオナラを嗅がせてくれたんだから、私のお返ししないとね~」 そう言うと、マリはその場でくるりと反転し、コートの裾を捲って染み1つないお尻を私の方へ突き出してくる。 「・・・」 私はそれに反応する事もできないまま、ぼんやりと彼女のお尻を見詰める。 「ちょっと待ってね~。あっ、出そう・・・んっ♪」 ブボボボボボオォォォォォォーーッッ!! 「!」 マリの爆音のような放屁音が私の思考回路を強制的に再起動させる。 「むぐっ!?」 それにより、正常に戻った嗅覚に強烈な腐卵臭が襲ってくる。 「どうかな~?私のオナラも、と~っても臭くていいオナラでしょ~?」 「ごほっ、ごほっ、えほっ・・・!」 あまりの悪臭(におい)に咳き込む私を見ながら、マリが楽しそうに問い掛けてくる。 完全に彼女のペースに乗せられている感じだ。 「本当はもっとお話したいけど~、もう遅いね~」 マリの言葉を受けて確認すると、公園に設置された時計は既に午前3時を指していた。 そろそろ戻らないと、新聞配達の人に見られてしまう。 「明日は1時ぐらいに、また此処で会おうね~」 「1時って、午前1時?」 「勿論だよ~。昼間にこんな格好でいたら、お巡りさんに捕まっちゃうよ~」 マリが可笑しそうに言う。 どうやら彼女も自分のやっている事が異常だという自覚はあるらしい。 「それと、明日はね――」 言いたい事だけ言うと、マリは私の返事も待たずに出入口の方へと歩いていく。 それも、両手をコートのポケットに入れ、わざわざ前を大きく開くようにしながら、だ。 その後ろ姿を見送って、 「っ・・・!」 我に返った私も逃げるように公園を後にした。 *  私の通う高校は土曜日も午前中だけ授業がある。 しかし、今日の私は具合が悪いと言って学校を休んだ。 実際、公園で見たマリの姿が脳裏に焼き付いて離れず、とても授業を受けられる状態ではなかったのだ。 両親はそんな私を心配しつつも、泊まりがけで出掛けていった。 私の両親は大学の同期生で、2人の後輩が結婚する事になったので、その結婚式に出席するらしい。 「・・・」 ベッドに寝転がったまま、手近にあった目覚まし時計を手に取る。 午後1時、ちょうど12時間後がマリとの約束の時間だ。 行くべきか、行かざるべきか。 悩んだ末、私は公園へ行く事に決めた。 どうしても彼女に確認したい事があったからだ。 気持ちの整理をしているうちに時間は過ぎていき、日付は土曜日から日曜日に変わった。 約束の時間は午前1時。 今からだと少し早いが、そろそろ準備をして公園に向かうとしよう。 『明日は捨ててもいい下着をしてきてね♪』 マリが言っていた事を受け、タンスの奥から白いTバックショーツとお揃いのハーフカップのブラを引っ張り出す。 捨てていい下着という訳ではないが、露出プレイ用に買って着ける機会がなかったものだ。 今日は両親がいないので、自室でパジャマを脱いで下着を付け替える。 Tバックを穿くのは初めてだが、布地がお尻に食い込むので少し落ち着かない。 続けてブラを着けたところで、いつものコートを纏って玄関を出る。 「んっ・・・」 興奮と緊張で火照った身体に触れる夜風が心地よい。 (よしっ) コートの前を少し開きながら、家の外へと足を踏み出す。 そのまま昨日と同じ散歩コースを歩いていくと、あっという間に1つめのチェックポイントに着いてしまった。 どうやら無意識のうちに、早足になってしまったらしい。 ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅる~~っ! いつものようにコートの前を大きく開こうとしたところで、お腹が低く鳴った。 今日は昨日より涼しいので、お腹が冷えてしまったのだろう。 「・・・」 私の脳裏に昨日の快感が蘇り、ショーツに恥ずかしい染みが広がっていく。 気が付くと、私はコートの裾を捲って正面に建つ老夫婦の家にお尻を向けていた。 (ごめんなさい) 「んっ!」 ブバスッ!! 心の中で謝罪しながら、お腹に力を込めてオナラを放つ。 「っ~~~~~!?」 周囲に濃厚な発酵臭が漂い、全身をゾクゾクするほどの快感が駆け巡る。 その時、私の中で何かが吹っ切れた。 次のチェックポイントでは―― ブボボオォッ!! 自動販売機に背を向けてしゃがみ込み、取り出し口にオナラを注ぎ込む。 おそらく朝には霧散しているだろう。 しかし、その前にもし誰かが飲みのもを買ったら・・・想像するだけでアソコから蜜が溢れ出す。 3つめのチェックポイントは幼稚園の前だ。 いつもは看板に描かれたワンちゃんに向かって下着姿を見せ付けるのだが、今日は違う。 「んっっ!」 ブビビビィィッ!! 下着姿ではなく、私のオナラを披露する。 「うっ、酷い悪臭(におい)・・・」 これまで以上に濃い発酵臭が周囲に漂い、思わず鼻を摘んでしまう。 (ゴメンね、ワンちゃん) ワンちゃんの絵を軽く撫で、いよいよマリとの待ち合わせ場所である公園に向かう。 「着いた・・・」 公園に到着したのは、午前0時30分――約束の時間の30分前だった。 (マリは・・・まだ来てないみたいね) 周囲を見回してみるが、マリの姿は見当たらなかった。 やはり来るのが早過ぎたようだ。 (ど、どうしようかな?) こんな所に立っていたら、誰かに見られてしまうかもしれない。 何処かに隠れる場所はないかと探していると、 「だ~れだっ?」 ふいに背後から伸びた手が私の鼻と口を塞いだ。 「むぐっ!?」 同時に、強烈な腐卵臭が鼻の中に流れ込んでくる。 「フッフッフ~、正解はマリちゃんでした~!」 「ごほっ、ごほっ、えほっ・・・!酷いよ、マリちゃん!」 マリが私を解放したので、私は彼女の方に向き直って抗議する。 「あははは、ごめんね~。でも、来てくれて嬉しいよ~。ありがと~、ナツコちゃん!」 マリが私の手を取り、本当に嬉しそうに言う。 昨日と同じコートを纏っているが、昨日と違ってコートの下には下着を着けていた。 「ところで、その下着ってまだ新しいよね~?本当に捨ててもいいの~?」 問い掛けてきたマリの下着は、黒いレースの付いた紫色のブラとお揃いのTバック。 よく見ると、片方のブラ紐が切れそうになっており、ショーツのゴムも少し緩んでいるようだった。 「その、露出用に買ったんだけど、着ける機会がなかったから・・・」 「そうなんだ~」 「う、うん。それで、これからどうするの?」 訊きたい事は色々あったが、まずはこれからの予定を確認する。 「まずはお散歩かな~?細かい事は歩きながら話そ♪」 そう言うと、マリは私の返事も待たずに両手でコートの前を大きく開きながら公園を出ていく。 「ま、待って!」 置き去りにされては大変なので、私も慌てて彼女を追いかける。 「ひ、1つ訊いていいかな?」 彼女に追い付いたところで、私もコートの前を控えめに開きながら問い掛ける。 「いいよ~。何かな~?」 「その、学校で噂になってる『露出狂』って・・・」 「ナツコちゃんはいつから露出プレイ(こういうこと)してるの~?」 「えっと、公園に来るようになったのは半月ぐらい前かな」 「そっか~。じゃあ、噂の『露出狂』は間違いなく私だね~」 「やっぱり!あっ・・・」 興奮のあまり思わず声を上げてしまい、慌てて両手で口を塞ぐ。 それから私はマリにこれまでの経緯を詳しく説明した。 学校生活が退屈だった事。 露出狂の噂を聞いて、自分もやってみたくなった事。 そして、その露出狂に会うために、毎晩あの公園に通っていた事。 マリは相槌を打ちながら、私の話を聞いてくれた。 マリの話によれば、彼女は私と違ってその日の気分で散歩コースを変えているらしい。 そのため、私が毎晩あの公園に通ってもマリに会う事ができなかったのだ。 「でも、昨日はラッキーだったよ~。久し振りにあの公園へ行ったら、ナツコちゃんに会えたからね~」 「わ、私こそマリに会えて嬉しいよ」 「これからは一緒だね~。あ~っ、いいモノはっけ~ん!」 ふいにマリが足を止め、前方を指差した。 彼女が指差す先にあったのは、今では珍しくなった電話ボックスだった。 「何処かに電話するの?」 私も1度だけ使った事があるが、それ以外に誰かが使っているのを見た事がない。 「見ててね~」 そう言って、マリはその場に私を残して電話ボックスへと入っていく。 そのまま受話器を取ると、お金もテレカも入れずにボタンを押し始めた。 (何してるんだろう?) 「もしも~し♪マリちゃんですよ~♪」 私が首を傾げていると、マリが受話器を耳に当てて何やら話し始めた。 無論、電話は繋がっていないはずなので、話している振りをしているのだろう。 「え~っ?私のオナラですか~?わかりました~」 そう言うと、マリは股の間から手を通して受話器を自分の肛門に当てた。 「恥ずかしいけど、聞いてくださ~い。んんっ♪」 マリが可愛らしい声で息んだ直後、 ブボボボボボボオォォォォォーーーッッッ!!! 彼女のオナラが受話器の中に流れ込んでいく。 「今ならさらにもう1発サービス♪んんっ♪」 ブブブブブブブブブブブブゥーーーッッッ!!! 「トドメにもう1発・・・ふんっ!」 ブオオオォォォォォォォォォォォォォンッッッ!!! 「以上、マリちゃんのテレフォン・ファーティングでした~♪」 3発目のオナラを放ったところで、マリが受話器を戻す。 「うっ・・・!」 おそるおそる彼女に近付いてみると、これまで以上に強烈な腐卵臭が襲い掛かってきた。 ほんの少し吸い込んだだけなのに、それだけで意識が飛びそうになる。 「い、いつもこんな事してるの?」 「うん♪色んなポーズでオナラするのって、と~っても楽しいんだよ~♪」 「そ、そうなんだ」 私が頷くと、マリはさらに驚くべき行動に出た。 何と纏っていたコートを脱ぎ去り、さらにその下着まで脱ぎ始めたのだ。 「な、何してるの!?」 「さあ、何でしょう~?」 私の戸惑いを他所に、マリは脱いだブラを受話器に引っ掛けた。 「どうかな~、これ?ちょっと可愛くない~?」 マリが備え付けの電話帳にショーツを穿かせながら問い掛けてくる。 おそらく彼女はこのために、捨ててもいい下着を着けてくるように言ったのだろう。 「えっと・・・か、可愛いんじゃないかな?」 「そうだよね~!よ~し、次いってみよ~!」 私の反応に満足したのか、マリが再びコートを纏って歩き出した。 私も小走りで彼女の後を追う。 マリは下着を脱ぎ去ったというのに、依然として両手でコートの前を大きく開いていた。 「次はナツコちゃんの番だよ~」 「えっ!?」 「あそこなんかいいんじゃないかな~?」 マリが指差したのは、四角い郵便ポストだった。 「ガンバレ~、ナツキちゃん!」 「う、うん。頑張るよ」 何を頑張るのか自分でもわからないが、とにかく私はコートの裾を捲ってお尻をポストの方へ突き出した。 「えっ、えっと、私のオナラを、皆に届けて、ください・・・んんっ!」 ブブブッスウウウゥゥゥーーーッッッ!!! さすがに投函口には届かないので、ポストに向かってオナラを放つ。 「んんっ!」 ボッフウォォォーーーッッッ!!ブビビビビィィィィッッッ!! 私もマリに倣い、都合3発のオナラをポストに浴びせる。 マリほどではないが、私のオナラもかなり濃厚な発酵臭だ。 「くんくん・・・うん、やっぱりナツコちゃんのオナラは臭くていいオナラだね♪」 「あ、ありがとう・・・」 マリの言葉に控えめに応じながら、私はポストの陰に移動する。 そこでコートを脱ぎ、その下のブラとショーツも脱ぎ去ってコートを着直す。 「こ、こうすればいいんだよね・・・?」 脱いだブラとショーツをポストの投函口に挟みながら問い掛ける。 「ナツコちゃんもなかなかやるね~」 マリは感心しているが、 「・・・」 コート1枚だけになった私はそれどころではない。 (し、下着がなくなるだけで、こんなに心細いなんて・・・) 「そういえば、ナツコちゃん。今日は時間、大丈夫かな~?」 「う、うん、大丈夫だよ。お父さんもお母さんも明日の夕方まで帰ってこないから」 「そうなんだ~。じゃあ、これから私の家にご招待するよ~」 「マ、マリちゃんの家に・・・?」 「うん。パパもママもいないから、遠慮しなくていいよ~」 マリが私の返事も待たずに歩き出したので、仕方なく私も彼女の後に続いて歩き出した。 *  公園を出て10分後。 「此処が私の家だよ~」 マリがとある一軒家の前で立ち止まった。 「ほ、本当に此処がマリちゃんの家なの・・・?」 「うん、そうだよ~」 マリが事もなげに頷いても、私はにわかに信じる事ができなかった。 なにしろ彼女の家は小学校の体育館ほどもある2階建ての洋館だったのだ。 「さあ、遠慮せずに入って~」 「う、うん」 マリが慣れた様子で門を開けたので、私もおそるおそる彼女に続く。 洋館に入ると、玄関は大きな吹き抜けになっていた。 「凄い・・・」 想像を遥かに超える光景に、私は自分の格好も忘れてキョロキョロと周囲を見回す。 「家には私しかいないから、コートを脱いでも大丈夫だよ~」 そう言うと、マリはコートを無造作に脱ぎ去り、下駄箱に併設されたクローゼットに仕舞った。 「こんなに広い家なのに、誰もいないの?」 マリちゃんから差し出されたハンガーを受け取りながら問い掛ける。 「土日はお手伝いさんたちも休みだからね~。平日でも8時には帰っちゃうから、夜は私1人だよ~」 「1人って、ご両親はいないの?」 「パパもママも世界中を飛び回ってるよ~。多分、今頃はヨーロッパの方にいるんじゃないかな~」 「そ、そうなんだ」 口調こそ変わらなかったものの、マリの表情にわずかに影が差したのを私は見逃さなかった。 彼女にも色々と思うところがあるのだろう。 (この話はやめて方がいいみたいね) 「さあ、夜はまだ長いよ~。今度は家の中で遊ぼ~!」 ほんの少し重くなった空気を振り払うように、裸になったマリがトントンと元気よく階段を上っていく。 ブブッ!ボフッ!ブフォッ!ブピッ! 一糸纏わぬ彼女のお尻からは階段を1段上るごとにオナラが漏れてきて・・・いや、これはわざとか。 その証拠に、1段上るごとにオナラの音が徐々に高くなっている。 おそらく階段をピアノの鍵盤に見立てているのだろう。 「ナツコちゃんもおいでよ~」 「う、うん」 マリに誘われるまま、私もコートをクローゼットに仕舞って階段を上っていく。 「・・・」 何故かマリが2階から少し不満そうに私を見下ろしている。 「どうし・・・あっ、そっか」 ブブゥーッ!ブブブーッ!ブウウウーッ! マリの意図を察し、私も階段を上りながらオナラを放つ。 さすがに彼女のように音程を調整する事はできなかったが、マリは満足そうに大きく頷いてくれた。 「さて、ホントなら私の部屋に案内したいんだけど、外で身体も冷えちゃったし、まずはお風呂に入ろ~。こっちだよ~」 マリが差し出した手を取って、2人で歩き出す。 「とうちゃ~く♪此処がお風呂だよ~」 既にお湯は張ってあるようなので、脱衣所を素通りしてバスルームに入る。 「凄い・・・」 バスルームに入ったところで、私は此処に来て2度目の驚きの声を上げた。 脱衣所も広かったが、バスルームはそれに輪を掛けて広かった。 どのぐらい広いかといえば、私たちが並んで入っても十分に足を伸ばせるほどだ。 「ふぅ・・・やっぱりお外で露出した(あそんだ)後はお風呂だね~」 マリがタオルを頭に載せながら、気持ちよさそうに言う。 「でも、お腹が温かくなると・・・オナラしたくなるよね~」 ボコッ・・・! その言葉通り、マリのお尻から生み出された大きな泡が臭気を振り撒きながら水面で弾けて消える。 「ナツコちゃんもしたくならな~い?」 「えっ!?わ、私は・・・」 「隙ありっ!」 「ひゃあっ!?」 ボコボコッ・・・!! マリにお腹をつつかれた拍子に、大きなオナラの泡を2連続で出してしまう。 「くっさ~い!ナツコちゃんのオナラ臭すぎるよ~!」 マリが笑いながら、わざとらしく鼻を摘まんでみせる。 「マ、マリちゃんのオナラだって、とっても臭いよ」 私も彼女の真似をして、鼻を摘んでみせる。 「あはははは、これがホントの臭い仲だね~。仲良くなった記念に、面白いものを見せてあげるよ~」 そう言うと、マリは湯船から出て何やら準備を始めた。 石鹸を大きな洗面器に張った水に溶かし、そこに何故か用意されていたガムシロップを流し込む。 「もしかしてシャボン玉を作るの?」 「そうだよ~」 マリが次に取り出したのは、1本のストローだった。 長さ15cmぐらいで、普通のものより少し太い。 「そんなものどうするの?」 「こうするんだよ~」 そう言いながら、マリは驚くべき行動に出た。 「んっ、んんん・・・」 ずぶぶぶ・・・。 なんとストローの先端を自分のお尻の穴に挿し込んでしまったのだ。 さらに、そのままお尻に挿したストローの反対側をシャボン液の中に沈める。 「それでは、楽しいシャボン玉遊びの始まり始まり~・・・んっ」 マリが小さく息み声を漏らした直後、 ブクブクブクブクブク・・・ッッ! 石鹸水がもの凄い勢いで泡立ち始めた。 マリのお尻から出たオナラがシャボン液を泡立てているのだ。 「は~い♪マリちゃん特性のオナラシャボンの完成で~すっ♪」 マリが楽しそうに洗面器に山盛りなった泡を掬い上げ、湯船から上がった私の方に差し出してくる。 「オナラって、こんな事もできるんだね」 差し出されたオナラの泡をおそるおそる指で掬って鼻に近付けてみる。 「うっ・・・!」 石鹸の香りを打ち消すような強烈な悪臭(におい)が鼻腔に流れ込んでくる。 「こんな事もできるよ~」 マリが空いた手でオナラの泡を掬い取ると、それを使って自分のお腹に何かを描き始める。 「ほ~ら、スマイルマークだよ~♪」 確かにマリのお腹には、可愛らしいスマイルマークが描かれていた。 「楽しいからナツコちゃんもやってみなよ~」 「えっ!?わ、私もやるの!?」 「もちろんだよ~」 マリに押し切られる形で、私もオナラでシャボン玉を作る事になったのだが・・・。 ずぶぶぶ・・・。 「んっ、んんっ・・・!」 お尻の穴にストローを挿し込む未知の感覚に、思わず声が出てしまう。 それでもどうにかお尻の穴にストローを挿入し、反対側をシャボン液の中に沈める。 「んっ!」 そのままお腹に力を入れると、 ボコボコボコボコ・・・ッッ!! シャボン液は泡立つどころか、勢いよく噴き出してしまった。 「あ~、それじゃダメだよ~。もっと、そ~っとやらないと~」 そう言いながら、マリが私のお腹にも顔を描き始める。 ブクブクブクブクブク・・・ッッ! もう1度挑戦してみると、今度はちゃんと山盛りの泡を作る事ができた。 「おぉ~っ!ナツコちゃんもちゃんとオナラシャボンを作れたね~」 マリが私の作ったオナラの泡を掬い上げ、ふぅっと息を吹き掛ける。 それによってオナラの泡が舞い上がり、周囲に濃厚な腐卵臭を撒き散らす。 「今度はこっちで飛ばすよ~・・・んんっ♪」 ブシュウウウウウウウ・・・! マリが両手で掬ったオナラの泡をすかしっ屁で飛ばしてみせる。 私のオナラで作った泡を、マリのオナラで飛ばす。 2種類のオナラが混ざり合い、さらに強烈になった悪臭が浴室内に立ち込める。 私とマリ、2人のオナラのコラボレーションだ。 「ふふふ、楽しいね、ナツコちゃん♪」 マリの楽しそうな笑顔を見ていると、何だか私まで楽しくなってきた。 だから、 「うん、本当に楽しいね!」 私も大きく頷いてみせた。 「今度は私がマリちゃんに絵を描いてあげるよ」 私もオナラの泡を掬い上げ、マリの背中に絵を描いてあげる。 「わ~っ、ありがとう、ナツコちゃん!可愛らしい猫ちゃんだね~」 マリが自分の背中を鏡で確認しながら言う。 「えっと・・・ど、どういたしまして」 犬のつもりで描いたのだが・・・私の画力では犬が猫に見えるようだ。 この後、私たちは2つの洗面器が空になるまでオナラの泡を堪能し続けた。 *  朝になってマリと一緒に確認すると、私たちの下着は両方とも綺麗になくなっていた。 (ど、どんな人が持っていったのかな?) 今にも心臓が飛び出しそうな胸を押さえながら想像する。 やっぱりゴミとして捨てられてしまっただろうか? それとも誰かが―― 「あっ、ナツコちゃんの顔、真っ赤になってる~」 「っ!?」 マリに赤面している事を指摘され、咄嗟に顔を両手で覆い隠す。 「恥ずかしい~?でも、こういうもの露出プレイの醍醐味だよ~♪」 マリが心底楽しげに言う。 そんな彼女の言葉に、 「・・・うん」 私は小さく頷いてしまった。 後になって考えれば、これが私にとって2度目の転機となったのだろう。 それから私はマリと一緒に露出プレイとオナラ遊びに興じるようになった。 そして、今夜も私は裸にロングコート1枚だけの姿でマリの家の前に立っている。 「ほ、本当にやるの?」 「勿論だよ~。そのために、これを買ったんだから~」 私の言葉に頷いて、マリが自分の首を撫でる。 彼女の首には犬用の赤い首輪が巻かれており、そこから伸びるリードは私の手に握られている。 それ以外はいつものコートすら着ておらず、頭には犬耳付きの可愛らしいカチューシャを乗せ、尾てい骨の辺りには尻尾型のアクセサリーを貼り付けている。 「それじゃ、散歩に出発だよ~」 「う、うん」 「あっ!」 散歩を始めようとした途端、マリがいきなり声を上げた。 「ど、どうしたの?」 「どうしよ~、ナツコちゃん。このまま四つん這いになったら、手や膝が傷だらけになっちゃうよ~」 マリがガックリと肩を落としながら言う。 「四つん這いになるつもりだったの!?」 「だって、ワンちゃんはいつも四つん這いだよ~?」 「えっと、今回は初めてだし、普通に立って散歩すればいいんじゃないかな?」 「そうだね~。初めてだしね~。じゃあ、気を取り直して出発しよっか~。あっ、出発するワン♪」 (わざわざ言い直さなくていいと思うけど・・・) そんな事を考えつつ、私はマリという愛犬(?)を連れて夜の散歩に出掛けた。 *  いつも以上に周囲を気にしながら人気のない夜の道を歩いていく。 「ナツコちゃ・・・じゃなかった、ご主人様と散歩ができて嬉しいワン♪」 マリが形のよいお尻を左右に振りながら言う。 その動きに合わせ、尻尾型アクセサリーも彼女の喜びを表すように激しく揺れている。 「そういえば、ワンちゃんって散歩の時にトイレを済ませるんだよね~?」 ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅる~~~っ! ふいにマリのお腹が低く鳴ったかと思うと、彼女は近くにあった電柱の前で立ち止まった。 「この電柱なんかちょうどいいと思わな~い?」 そう言いながら、マリが電柱の匂いをクンクンと嗅ぎ始める。 「マ、マリちゃん、まさか此処でトイレを・・・?」 「ふふふ、そんな事しないよ~。ほら、此処にワンちゃんにトイレさせちゃダメって書いてあるでしょ~?」 マリが指差したのは、塀に張られた「犬に糞をさせるな」という内容の張り紙だった。 「そ、そうだよね。こんな所でしちゃダメだよね」 マリの言葉に、私はホッと胸を撫で下ろす。 「トイレはしないよ~。でもね~」 「でも?」 私がおうむ返しに問い掛けると、マリはくるりと反転し、両膝を着いて電柱の方へお尻を突き出した。 直後、 ブブブブブブブブブブブブゥーーーッッッ!!! 彼女の尻から放たれた轟音のオナラが電柱に浴びせられる。 「オナラでマーキングするのはいいよね~?此処はマリちゃんの領地で~すっ♪」 「ごほっ、ごほっ・・・!そ、そうだね、オナラならいいかな」 強烈な硫黄臭に咳き込みながら、私もマリの言葉に頷く。 「さて、此処から私は完全にワンちゃんになるからね~。ワンッ♪」 「ちょっ、ナツコちゃん!?」 「ワンッ、ワンッ♪」 マリは犬のように元気に吠えながら、リードを持つ私を引っ張るようにして歩き出す。 そこからが大変だった。 「ワンッ、ワンッ♪んんっ!」 ブブブッスウウウウウウウウーーーッッッ!!! 電柱には5本間隔でオナラを浴びせ、周囲に強烈な硫黄臭を撒き散らす。 「ワンッ♪」 自動販売機の前にやってきたかと思うと、取り出し口の前で四つん這いになって片足を上げる。 「ちょっ、マリちゃん!さすがにそれはダメだよ!」 私が慌てて待ったを掛けると、 ブビビビビビビビビィィィィ~~~ッッッ!!! おしっこの代わりに特大のオナラを放ってみせる。 「っっっっっ!?」 豚の鳴き声のような音が響き渡り、周囲の空気が黄土色に染まったような錯覚に陥る。 「ワンッ♪」 「もうっ、マリちゃん!犬でも女の子は脚を上げておしっこしないんだよ!」 「ワォン?」 マリが怪訝そうに首を傾げている。 どうやら知らなかったようだ。 「女の子はお座りしたまま、脚を上げずにおしっこするんだよ」 「ワンッ!」 私の説明に元気よく頷くと、 ブブブゥ~~ッッ!!ブボボボォ~~ッッ!!ブバスッ!! マリが改めてお座りの姿勢になって3連発のオナラを放った。 「いや、やり直さなくていいと思うんだけど・・・」 「ワンッ!」 私の呟きを無視して、マリが近くにあった電柱の方へ駆け出していく。 そこでお座りの姿勢になると、 ブブッフウォオオオオオォォォォーーーッッッ!!! また嬉しそうにオナラでマーキングを始め、周囲を自分の臭気で染め上げていく。 そんな事を続けているうちに、やがて私たちはゴールである公園に到着した。 「とうちゃ~く♪」 マリが両手を挙げてポーズした後、首輪ごとリードを外し、尻尾型のアクセサリーと合わせて私の方へ差し出してくる。 「さあ、今度はナツコちゃんの番だよ~♪」 「その、やっぱり私もやらなくちゃダメ、かな?」 「当然だよ~。今来た道は私の領地だから、別ルートで行くよ~」 マリが自分のしていた首輪を私に着けながら言う。 もはや私に拒否権はないらしい。 「ワン・・・」 私は犬のように短く鳴いてから、ロングコートを脱いでマリに手渡す。 「へぇ、これがナツコちゃんのコートなんだ~。クンクン・・・うん、仄かにナツコちゃんの匂いがするよ~」 「か、嗅がないで!」 「ほらほら、ワンちゃんが喋っちゃダメだよ~」 「うぅ~っ、ワンッ!ワンッ!」 抗議の意味を込めた犬の鳴き真似をしてみる。 しかし、 「そうこなくっちゃね~。それじゃあ、しゅっぱ~つ!」 マリは私の意図に気付いた風もなく鼻歌交じりに歩き出した。 *  マリにリードを引かれながら、夜道を進んでいく。 (こっちの方に来て大丈夫なのかな?) 私たちが歩いているのは商店街へと続くコースで、深夜でもごくたまに車や人が―― 「っ!?」 ふいに遠くから車の走る音が聞こえ、反射的にビクッと身体を震わせる。 「そんなに怯えなくても大丈夫だよ~、マリちゃん」 「で、でも・・・」 「気を取り直して、まずはあの電柱にマーキングしてみよ~」 マリがマイペースにリードを引いて私を電柱の前に誘導する。 「ほ、本当に此処でマーキングするの?」 「・・・」 返答はマリの無言の笑みだった。 此処でオナラしなければ、マリは許してくれないだろう。 「・・・」 覚悟を決め、電柱に向かってお尻を突き出す。 「ワンッ!ワォン・・・んんっ!」 ブビィッ!! お腹に力を込めてオナラを放つと、 「っ~~~~!?」 全身を電流が走ったような感覚と共に、頭の中が真っ白になる。 「ダメだよ、マリちゃん!そんなオナラじゃ、他のワンちゃんに領地を取られちゃうよ~」 「ワ、ワォン・・・」 ボッフウウウウォォォォォーーーッッッ!!! 自分がどんどん堕ちていくのを自覚しながらも、 ブウウウウウウウウゥゥゥゥゥーーーッッッ!!! 私はオナラを止める事ができない。 「んあああああああっ!?」 肛門に感じる解放感と鼻に感じる濃厚な腐敗臭が私の思考を溶かしていく。 「おぉ~っ、ノリノリだね~♪この調子で、どんどん行ってみよ~♪」 「ワォン♪」 マリの言葉に鳴き声で応じ、私たちは散歩を再開する。 「♪~♪~」 先程マリがやったように、お尻を左右に振りながら歩くと、何だか楽しくなってきた。 四つん這いになれないのが少し残念なぐらいである。 「今度は膝当てと手袋を持ってこようね~」 「ワォン♪」 だいぶマリとも通じ合ってきたようだ。 「では、この辺で少し芸の練習やってみようか~。お座り~♪」 「ワォン♪」 マリの指示に従い、私はその場でお座りの体勢になる。 もう気分は完全に犬である。 「お手」 「ワォン♪」 マリの差し出した手に、自分の手を乗せる。 「ちゃんとできたね~」 マリが私の頭を撫でながら言う。 「次はちょっと難しいよ~。お尻♪」 「・・・ワォン♪」 悩んだのは一瞬。 すぐにマリの意図を察し、その場で四つん這いになってマリの顔に向かってお尻を突き出す。 「おぉ~っ、やるね~。お尻の次は・・・オナラ♪」 「ワォン・・・んんっ!」 ブボォッ!! マリの方へお尻を突き出したまま、お腹に力を込めてオナラを放つ。 「クンクン・・・確かにいい悪臭(におい)だけど、ちょっと弱いかな~。もう1度、オナラ!」 「ふんっ!」 ブオオオォォォォォォォォォォォォォンッッ!!! 1回目より力を込めてオナラを放つ。 「っっっっっ!?」 自分でも臭いと感じる強烈な腐敗臭。 音もかなり大きく、知らない人が聞いたらバイクのエンジン音だと思ったかもしれない。 「ん~っ♪これは音も悪臭(におい)も申し分ないオナラだね~♪」 マリが私のオナラを胸いっぱい吸い込みながら恍惚の表情を浮かべている。 「さあ、他の場所でもどんどんオナラするよ~」 「ワォン♪」 マリの言葉に応じ、 ブブッブブブッブブッブブブゥーーーッッッ!!! 私はちょうど目に付いた植木に駆け寄ってオナラを浴びせる。 「ダメだよ~、ナツコちゃん。そんなくっさいオナラを浴びせたら、植木さんが枯れちゃうよ~。んんっ♪」 ブボオオオオォォォォォォォォーーーッッッ!!! 言葉とは裏腹に、マリも私の隣に並んで植木にオナラを浴びせる。 その後も、私たちは色んな所でオナラをした。 「此処って、駐車禁止だよね~?こんな所に停めちゃダメですよ~。んんっ♪」 「ワォン!」 ブウウゥウゥウゥゥゥウウゥゥ~~~ッッッ!!! ブブブッスウウウウウウウウウーーーッッッ!!! 路上に停めてあった車を挟んで前後からオナラを浴びせる。 「あっ、このシャッター、牛さんの絵が描いてあるよ~」 「ワォン!」 「私はこっちの魚さんに~・・・んんっ!」 ブビビビビビビィィィィィィィ~~~ッッッ!!! ブッフウウウォォォォォォォォ~~~ッッッ!!! 私が肉屋のシャッターに描かれた牛の顔に、マリは斜向かいの魚屋のシャッターに描かれた鮪にオナラを浴びせる。 そんな風にして、私たちの散歩は空が白み始めるまで続いた。 終


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