清純(風)お嬢様の臭いお友達?
Added 2023-04-08 15:00:00 +0000 UTCアルベルト・サントス・デュモン。 ライト兄弟から遅れること3年、1906年に自分の開発した飛行機で空を飛んだ男である。 世界最初の量産型飛行機は彼の飛行機をモデルに作られた。 これは彼が自分の飛行機の設計図を公開したからで、製造された約100機の飛行機の中に事故を起こしたものは1機もなかったらしい。 そんな偉大な発明家である彼は1932年に自ら命を絶ってしまう。 ブラジル政府に「飛行機を戦争に使用しないで欲しい」という彼の提言を黙殺された事が原因だった。 誰より空を愛した男は、自分の大好きな飛行機が戦争に使われているという辛い現実に耐えられなかったのだ。 さて、親戚に聞いた話を長々と語ってしまったが、俺――緑川サトルが言いたい事は、ただ1つ。 俺が今、とある国際空港の多目的トイレにいるという事だ。 とはいえ、海外旅行に行く訳ではない。 そもそも俺はパスポートを持っていないので、海外旅行はできない。 では、どうして此処にいるのか? 理由は俺の顔に尻を押し付けている銀髪碧眼の美少女――エルゼ・シュミットにある。 「準備はいいですか?」 「ああ、いいぞ」 俺が頷いた直後、 ブブブブブウウウウウウウーーッッ!! 白いブルマ型の下着に包まれた尻から強烈な臭気が吹き出した。 「ぐっ!?」 腐ったキャベツのような強烈な悪臭(におい)が鼻に流れ込んでくるが、これは彼女のオナラ本来の悪臭(におい)ではない。 彼女の穿いているブルマ型の下着がオナラの悪臭(におい)を抑えてくれているのだ。 これがなければ、 ボッフウオオオォォォォーーーッッ!! 俺はこんな解説などしていられなかっただろう。 「そろそろ飛行機の到着時間ですね・・・んんっ!」 ブビビビビビビビィィィィーッッッ!! エルゼが俺にオナラを浴びせながら言う。 顔に尻を押し付けられているので見えないが、どうやら腕時計を確認しているらしい。 「もう少しガス抜きしていきたいところですが、次の1発で最後にしますね・・・んんっ!」 ブブブッブブウウゥーーーーーーッッッ!! 「ぐっ!?」 エルゼの尻から今までより大きめのオナラが放たれ、彼女のガス抜きはひとまず終わりを告げた。 * 超強力な消臭スプレーによるガス抜きの後始末を終えたところで、俺たちは国際線のロビーへとやってきた。 「えっと、さっき到着の便に乗ってるはずですから、そろそろ出てくるはず・・・あっ、いました!Delia(デリア)!」 目的の人物の姿を認め、エルゼが大きく手を振ってみせる。 一方、 「Else(エルゼ)!」 向こうもエルゼの姿を認め、こちらへ駆け寄ってくる。 件の人物は美少年でも通用するような中性的な顔立ちの美少女だった。 瞳はエメラルドグリーンに輝き、肌は雪のように白く、ショートヘアにされた銀色の髪が映える。 一方、身体のラインに突出した部分はないが、バランスの取れた見事な曲線美を描いていた。 「Wir haben uns lange nicht gesehen!久し振りね、元気だった?」 「ええ、デリアも元気そうでよかったわ」 2人が仲良く再会の喜びを分かち合っている。 エルゼに聞いた話によれば、彼女の名前はデリア・ミュラー。 エルゼが海外にいた頃の友人で、2人が直接会うのは2年振りらしい。 俺はこちらへ来るという彼女を、エルゼと共に迎えに来たのだ。 「それで、この人が噂の彼氏さん?」 エルゼとの会話が一段落したのか、デリアが俺の方に視線を向けた。 「はい。緑川サトル、私の自慢の彼氏さんです♪」 説明しながら、エルゼが俺の腕に自分の腕を絡めてくる。 「っ!」 胸の膨らみが腕に当たり、鼓動が加速する。 「見せ付けてくれるわねぇ。それはそうと――」 ふいにデリアが何かを探すように、空港内を見回し始める。 「どうしたんだ?」 「この国には、1000人に1人ぐらいはチョンマゲ頭の人がいるって聞いたんだけど、此処にはいないみたいね」 「そういう頭が見たかったら、時代劇村か相撲部屋に行ってくれ。あいにくだが、現代では10万人に1人もいない絶滅危惧種だ」 「えっ!?そうなの!?」 デリアが驚いたようにエルゼの方へ視線を向ける。 「ふふふふ・・・」 どうやら今の話は彼女がデリアに吹き込んだものらしい。 「はぁ・・・」 悪戯っぽい笑みを浮かべるエルゼを見ながら、俺は深々と溜め息を吐いた。 * 1時間半後。 エルゼが呼んだタクシーに乗り、俺たち3人は彼女の自宅へと戻ってきた。 「コーヒー淹れてくるから、デリアはサトルと部屋で待ってて」 「あっ、手伝おうか?」 「大丈夫よ。デリアはゆっくりしてて」 そう言って、エルゼがキッチンの方に歩いていく。 その背中を見送って、俺はデリアと共にエルゼの部屋へと移動する。 「へぇ、此処がエルゼの部屋なんだ」 デリアが興味津々といった様子で室内を見回している。 「えっと、サトル君・・・でいいかな?」 「それでいいよ、ミュラーさん」 「私の事もデリアでいいよ。ところで、サトル君は前にも此処へ来た事があるんだよね?」 「ああ、それがどうかしたか?」 「ううん、ちょっとした好奇心よ。気にしないで」 「?」 俺が首を傾げていると、エルゼが人数分のアイスコーヒーを持って戻ってきた。 しかし、その表情は何処か冴えない感じだ。 「どうかしたのか?」 「実は少し用事ができてしまって、これからすぐに出ないといけないんです」 「これからすぐって、随分と急だな」 「はい。そんな訳ですから、デリアと一緒に待っててもらえますか?」 「俺はいいけど・・・」 俺は視線をエルゼからデリアの方へシフトする。 「私も構わないわ。でも、早く戻ってこないと、私が彼を取っちゃうかもしれないわよ♪」 エルゼをからかうように、デリアがわざとらしく腕を組んできた。 「っ!?」 エルゼほどではないが、腕に感じる柔らかさにドキリとする。 「いくらデリアでもサトルだけはあげないわよ。じゃあ、すぐに戻ってくるから」 そう言い残し、エルゼが少し慌てた様子で部屋を出ていく。 暫くして、 「さて、そろそろ始めましょうか」 俺がアイスコーヒーを飲み終えたところで、デリアがゆっくりと立ち上がった。 「おい、何をする気だ?」 「サトル君はこの中、見た事ある?」 問い掛けながら、デリアが箪笥の方へと歩いていき、引き出しを開けて何かを取り出した 黒いT字型の布地――エルゼ愛用のTバックだ。 「エルゼって、こんな派手なの穿いてるのね」 デリアが俺に見せ付けるように、黒いTバックを広げてみせる。 「お、おい、マズイだろ。早く戻せよ」 「あっ、こんなのもあるよ」 続いて彼女が取り出したのは、白いフリルの付いたシースルーのネグリジェだった。 こちらは俺も初めて見る代物だ。 「だから早く戻せって!」 「は~い」 デリアが拗ねたようにネグリジェを箪笥に戻す。 「いくら友達でもやっていい事と悪い事があるだろ」 溜め息混じりに言いながら、俺はデリアとは反対にドアの方へ向かう。 「何処行くの?」 「トイレだよ」 「あっ、ゴメン。トイレなら先に行かせてくれる?」 「わかった。場所は、この部屋を出て左にあるドアだ」 「Danke(ありがとう)」 そう言って、デリアが部屋を出ていく。 そこまではよかったのだが・・・。 「・・・遅いな」 20分経っても、デリアは戻ってこなかった。 (便秘気味なのか?) そんな少しばかり失礼な事を考えていると、 「お待たせ~」 ようやくデリアが戻ってきた。 心なしか、少しすっきりしたような表情を浮かべている。 「ゴメンね、少し準備に時間が掛かっちゃって」 (準備?) デリアの言葉を怪訝に思いながらも、そろそろ我慢の限界なので足早にトイレへと向かう。 ガチャッ。 トイレのドアを開けた直後、 「うっ!?」 強烈な腐卵臭が俺の鼻を襲ってきた。 「こ、この悪臭(におい)は・・・」 ほぼ間違いなく、デリアのオナラの悪臭(におい)だろう。 さすがはエルゼの友人だけあって、かなり強烈な悪臭(におい)だ。 (類は友を呼ぶってやつか) そんな事を考えながら、換気扇のスイッチを入れる。 用を足して部屋に戻ると、そこにデリアの姿はなかった。 代わりに、 「ぐっ!?」 トイレ以上に濃厚な悪臭(におい)が俺の鼻を襲ってきた。 完全な不意打ちに視界がぐらりと揺れるが、どうにか踏み止まる。 伊達にエルゼの彼氏になった訳ではない。 オナラの悪臭(におい)には耐性があるのだ。 部屋の隅に置いてある空気清浄機を起動させてから、エルゼのベッドに腰を下ろす。 室内に充満する悪臭(におい)が薄まってきたところで、現状について思案する。 (さっきのトイレといい、この部屋といい、もしかして・・・) ガチャッ。 俺の思考はドアの開く音によって中断させられた。 いや、正確には―― 「なっ!?」 間を置かずに入ってきたデリアが俺の思考を停止させた。 彼女は髪が少し湿っており、シャワーを浴びてきた事が容易に推測できる。 だが、問題は首から下で、厚手のバスタオルを巻き付けただけという格好なのだ。 「私のオナラ、気に入ってくれたかな?」 問い掛けながら、デリアがゆっくりと近付いてくる。 「さっきの話、覚えてる?」 「さ、さっきの話・・・?」 カラカラに乾いた喉で、何とか言葉を搾り出す。 「私がサトル君を取っちゃうって言った事。あれ、本気だよ?」 「なっ・・・!」 俺が言葉を失った直後、 「サトル君!」 デリアが感極まったように抱き付いてきた。 「っ!?」 今の俺に彼女を受け止める事などできる訳もなく、彼女と共にベッドに倒れ込んでしまう。 ちょうどデリアが俺の上に馬乗りになる格好だ。 「今だけでいいの。エルゼの事は忘れて、私だけを見て」 そう言いながら、デリアが身体を反転させる。 バスタオルに包まれた尻が顔の前に現れた次の瞬間、 ぶぶぶうううううぅぅぅーーーっっっ!! 大音量のオナラが俺の顔を呑み込んだ。 「ぐはっ!?」 腐卵臭に腐肉のような悪臭(におい)が混ざった臭気が鼻に流れ込み、視界がオナラ色に染まる。 「エルゼの事、忘れてくれる?」 デリアが肩越しに俺の方を見ながら尋ねてくる。 「それは、できない・・・」 言うまでもなく、俺は首を左右に振る。 「そっか。だったら・・・んんっ!」 ぶぶっすううううううううーーーっっっ!!! 「かはっ!?」 俺の返事が不満だったらしく、デリアがさらに強烈なオナラを浴びせてくる。 「これでも忘れてくれない?」 「あ、当たり前、だろ・・・」 「じゃあ、もう1発・・・んんっ!」 ぶうううーーーーーーーーーーっっっ!!! 「ふぐっ!?」 まるで腐った卵と肉で満たされたプールに飛び込んだような感覚。 頭の中がぐちゃぐちゃに掻き回され、全身が感電したようにビクビクと痙攣する。 「どんどん行くわよ・・・ふんっ!」 ぶばばばばばばあぁぁぁーーーーっっっ!!! 「ごはっ!?」 爆音と濃密な臭気を伴ったオナラが俺の鼻腔で暴れ回る。 しかし、俺が意識を手放す事はない。 俺の鼻と身体はエルゼのオナラで鍛えられているのだ。 この程度で気絶する訳には行かない。 「頑張るわね。だったら、私も容赦しないよ・・・ふんぬっ!」 デリアも意地になったのか、 ぶぼぼぼおおおおおおぉぉぉぉーーーっっっ!!! これまでとは比べ物にならないほど凄まじいオナラを浴びせてきた。 「っっっっっっ!?」 エルゼにも引けを取らない凶悪な悪臭(におい)が猛烈な勢いで俺の意識を刈り取っていく。 もう少しで意識が途切れるという正にその時、 「サトル」 俺を呼ぶエルゼの声が聞こえてきた。 「!」 その声に、薄れていた俺の意識が瞬時に覚醒する。 (た、助かった・・・) ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、 「これはどういう事ですか?」 続いて聞こえてきたエルゼの声は底冷えするような低い声だった。 その声で、俺は自分の浅はかさに気付く。 現在、デリアはバスタオル1枚という格好で俺に跨っている。 事情を知らない者がそんな状況を目の当たりにすれば、考える事はただ1つだ。 「エ、エルゼ、これは、その・・・」 必死に状況を説明しようとするが、上手く言葉が出てこない。 一方、 「・・・」 エルゼは無言でベッドに横たわる俺を見下ろしている。 将棋の名人戦より張り詰めた、重苦しい沈黙の空気。 「サトル」 最初に口を開いたのは、エルゼだった。 「あの日、サトルが私に告白してくれた時、本当に、本当に嬉しかったんですよ・・・」 エルゼの声が徐々に震え始める。 その両手は白い肌がさらに白くなるほど強く握り締められている。 「でも、サトルは私よりデリアを選ぶんですね・・・」 「エ、エルゼ・・・」 「さようなら、サトル」 エルゼが背を向けて、ドアの方へと歩いていく。 頼む。 待ってくれ。 行かないでくれ。 「エルゼ!」 気付いた時には、あらん限りの声で叫んでいた。 「サトル・・・」 エルゼがゆっくりと俺の方に向き直る。 「俺が好きなのはお前だけだ!だから、行かないでくれ!」 そうだ。 誰が何と言おうと、俺が好きなのはエルゼ=シュミット、彼女だけなのだ。 これだけは絶対に譲れない。 「ぷっ」 ふいにエルゼの小さな破裂音が聞こえてきた。 それがエルゼの吹き出す音だと気付いた瞬間、 「あははははは・・・!」 彼女が珍しく声を上げて笑い出した。 「エ、エルゼ・・・?」 状況が呑み込めずに戸惑っていると、 「テスト、合格だね」 デリアが俺の方に向き直り、身体に巻き付けていたバスタオルをバッと勢い広げた。 その下から現れたのは肌色・・・ではなく、黒。 なんとデリアはバスタオルの下に、肩紐のない黒いミニスカのワンピースを着ていたのだ。 それだけではない。 バスタオルの裏地には―― ドッキリ大成功♪ そんな文字がホップ体でデカデカとプリントされていた。 * 俺が落ち着きを取り戻したところで、エルゼたちが詳しい事情を話してくれた。 それによると、デリアがこちらへ来ると決まった時、エルゼの方から一緒に俺を驚かそうと誘ったらしい。 「つまり、用事ができたというのは嘘だった訳か」 「嘘ではありませんよ。私には『サトルの様子を隣の部屋で監視する』という立派な用事がありましたから」 「隣の部屋?」 「あっ、言ってませんでしたっけ。このフロアはお父様が私のために丸ごと買い取ってくれたんです」 「はい?」 「つまり、このフロアは丸ごとエルゼのものって事よ」 「・・・」 デリアの補足を聞く限り、どうやら聞き間違いではないらしい。 両親が資産家なのは知ってたが、まさか娘のためにマンションのフロア丸ごと買い取るほどとは・・・。 「今日のために、色々と準備してあったんですよ」 俺の驚きを他所に、エルゼが机の上に置いてあったデッパ君(ハダカデバネズミのキャラクター)の人形を手渡してくる。 よく見ると、右目の部分に隠しカメラが仕込まれていた。 「これを使って俺たちを監視してたのか」 「他にもいっぱいあるよ」 デリアに言われて室内を見渡すと、少なくとも4体のデッパ君人形が目を光らせているのが確認できた。 (本当に個人のドッキリか、これ?) 俺があまりの手の込み様に呆れていると、 「さて、説明が済んだところで、本題に入りましょうか」 エルゼの声のトーンが変わった。 顔は笑っているが、その目は全く笑っていない。 「サトル」 「は、はい!」 「私というものがありながら、さっきデリアに迫られて動揺してましたね?」 「い、いや、あんな格好で迫られたら、誰だって動揺するだろ」 というか、動揺しない男の方が圧倒的に少数派だろう。 「問答無用。サトルにはお仕置きを受けてもらいます。デリアも手伝ってね」 「了解♪」 エルゼの言葉に、デリアがノリノリで頷く。 こうして、俺へのお仕置き(という名目のオナラ責め)が始まった。 ずしっ! ベッドで仰向けになった俺の顔に、エルゼとデリアがスカートをたくし上げて座り込んでくる。 顔の上半分にエルゼ、下半分にデリアの尻が圧し掛かっている格好だ。 ついでに言っておくと、エルゼは尻に食い込むロイヤルブルーのTバック、デリアは白いレースのフルバックショーツを穿いている。 「今日は腸内(おなか)が空っぽになるまで、とことんオナラしますから覚悟してくださいね・・・んんっ!」 エルゼが先陣を切って息むと、 ブボボボボオオオオォォォォォーーーッッッ!!! 彼女のデリアとは比べ物にならないような轟音のオナラが放たれた。 「ごはっ!?」 たった1発で鼻に残っていたデリアのオナラの悪臭(におい)が消え去り、生ゴミのような悪臭(におい)が鼻の中を支配する。 「くんくん・・・さすがエルゼ、向こうにいた時よりオナラの悪臭(におい)がパワーアップしてるわね。でも、負けないわよ・・・んんっ!」 デリアがエルゼに負けじと息むと、 ぶぶぶっふおおおおおおおおぉ~~~っっっ!!! 彼女の尻からも轟音のオナラが吹き出した。 「ぐふっ!?」 濃厚な腐卵臭がエルゼのオナラと混ざり合い、俺の呼吸器官を容赦なく痛め付けてくる。 どうやら先程嗅いだ彼女のオナラはかなり加減して出されたものだったらしい。 「やりますね、デリア」 「ふふふ、2年前と同じだと思ったら、大間違いよ」 「そのようですね。では、私の気合いを入れて・・・んんっ!」 プッフィィィィィィィィィィィィィッッッ!!! 「むぐううううううっ!?」 ヤカンが沸いた時のような高音のオナラ。 その猛烈な刺激臭が鼻の奥に突き刺さり、薄れていた意識を強制的に覚醒させる。 「そうくるなら、私も・・・ふんっ!」 ぶおおおぉぉおぉぉおぉおぉぉ~~~っっっ!!! 「ごはっ!?」 エルゼとは対照的な重低音のオナラ。 それはプロボクサーの拳のように、鼻の奥まで抉り込んでくる。 (もう俺へのお仕置き、全く関係ないだろ・・・) 口が塞がれているので、心の中で抗議する。 「このままじゃ、決着がつかないわね」 続いてエルゼから出た言葉が俺の考えを肯定する。 だがといって、文字通り2人の尻に敷かれている俺にはどうする事もできない。 「じゃあ、こうしましょう。これから交互にオナラを出していって、先に出なくなった方が負けよ」 「その勝負、受けて立ちます・・・んんっ!」 ブブブッブブッブブッブブブゥーーーッッッ!!! 「んぐうううううっ!?」 デリアの言葉を受け、エルゼが再び特大のオナラを浴びせてくる。 腐肉のエキスを濃縮したような悪臭(におい)が俺の鼻腔を容赦なく蹂躙し、頭の中を「臭い」という単語で埋め尽くしていく。 「そんなに大きなオナラをしたら、すぐガス欠になっちゃうよ・・・んんっ!」 ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶう~~~っっっ!!! 「むうううううううっ!?」 言葉とは裏腹に、デリアも特大のオナラを浴びせてくる。 もはやどんな悪臭(におい)なのかを説明する事もできない。 とにかく「臭い」以外の感想が出ないほど凄まじい悪臭(におい)だ。 「デリアこそ、そんな大きなオナラをして大丈夫なんですか?ふんっ!」 ブウウウウウウウゥゥゥゥゥゥーーーッッッ!!! 問い掛けながら、エルゼはさらに猛烈なオナラを浴びせてくる。 「っっっっっ!?」 もはや声を上げる事すらできず、意識が闇に呑まれていく。 「ふんっ!」 ぷううううううぅぅぅぅぅぅぅ~~~っっっ!!! 「ぐふっ!?」 だが、続いて浴びせられたデリアのオナラが俺の強制的に闇の中から引き戻す。 「今のオナラ、少し小さめだったけど、もうガス欠かしら?ふんっ!」 ブボオオオオオオオオォォォォーーーッッッ!!! 「っっっっっ!?」 デリアを挑発しながら、エルゼが全く衰えない勢いでオナラを浴びせてくる。 「くっ、わ、私だって、まだまだ・・・ふんっ!」 エルゼの挑発を受け、デリアが力強く息む。 ぶぶぼおおおおおおおぉぉぉぉ~~~っっっ!!! 「っっっっっっ!?」 その猛烈な悪臭(におい)に遠退いた意識がまた強制的に覚醒させられる。 「やっぱりガス欠みたいですね」 「くっ・・・!」 エルゼの言葉に、デリアが悔しげな声を漏らす。 「とはいえ、これ以上はサトルの鼻が保たないでしょうし、今回は引き分けという事にしておきましょうか」 「・・・そうね」 エルゼの提案に、デリアは渋々といった様子で頷いた。 彼女としては、エルゼに花を持たされた形になったのが不満なのかもしれない。 尤も、俺としては勝負がお開きになってくれるのは有り難い事だが。 「それでは、最後に腸内(おなか)に残ったオナラを全部出し切って、お開きにしましょうか」 「そうね」 「なっ・・・!」 「行きますよ。せーのっ!」 「「んんっ!」」 2人の息み声がユニゾンし、 ブッフゥゥォォォォォォォォォーーーッッッ!!! ぼぶうううううううううう~~~っっっ!!! 吹き荒れた臭気の嵐が俺の意識をあっさりと奪い去った。 * 目を覚ますと、俺はベッドに寝かされており、傍らにデリアの姿があった。 「大丈夫?」 俺が目覚めた事に気付き、デリアが尋ねてくる。 「あ、ああ、大丈夫だ」 そう応えて、俺はゆっくりと上体を起こす。 たっぷりと寝たおかげか、今回は眩暈などの症状もない。 「エルゼは?」 「夕食の準備をしてるわ。勿論、サトル君の分もね」 「そうか」 「サトル君は今日、泊まっていくんだよね?」 「まあ、流れ的にそうなるだろうな。デリアも此処に泊まるのか?」 だとしたら、客室にベッドは1つしかないから、俺の寝床はリビングのベッドだな。 「泊まる・・・うーん、当たらずとも遠からず、かな」 「どういう事だ?」 俺が首を傾げたタイミングで、部屋のドアが開いた。 「デリアは今日から此処に住むんですよ」 1拍置いて、エルゼがそんな言葉と共に入ってくる。 「此処に、住む・・・?」 「はい。正確には、私がサトルを監視していた隣の部屋に住むんです」 「・・・」 無言で視線をデリアの方にシフトする。 「うん。もう宝陽学園への転入手続きも済ませてあるの」 「・・・」 再び視線をエルゼの方に戻す。 「ふふふ、今回はドッキリじゃないですよ」 「これからもよろしくね、サトル君♪」 そう言って微笑むデリアを見ながら、 「はぁ・・・」 俺は脱力してベッドに倒れ込んだ。 終