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JUDO(あるいはスサノオ)
JUDO(あるいはスサノオ)

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百合な彼女は臭くても頑張ります!

 多くの人間は何かしらの悩みを抱えながら生きている。 かくいう私――潮(うしお)アヤセもその1人である。 身長158cm。 黒い髪をショートカットにし、両サイドだけを長めに伸ばしている。 この髪型は結構気に入っているのだが、顔立ちが中性的な事もあって、客観的に見てかなりボーイッシュな印象だ。 胸やお尻のサイズが控えめなのも、その印象に拍車を掛けている。 そんな私が抱える悩み。 それは実にシンプルだ。 「やっぱり場違いだよな、私がこんな学校にいるの」 この一言に尽きる。 私が通う聖芳風(よしかぜ)女学園は淑女の育成を目的に創立された、俗にいう「お嬢様学校」である。 そんな学校に、私みたいな女子がいるのは明らかに場違いだろう。 (とはいえ、今さら転校するのもなぁ~) 何だかんだで、もう2年生になっちゃったし。 そんな事を考えながら、私は校舎の前を歩いて学園寮へと向かう。 今日は休日だったのだが、陸上部の練習があったのだ。 ガサッ。 「ん?」 ふいに植え込みの中から何かが落ちてきた。 拾い上げてみると、それはアロマオイルと思しき茶色の小瓶だった。 「誰かの落し物か?」 しかし、周囲を見回しても、持ち主らしき人物は見当たらない。 念のために屋上の方も見上げてみたが、こちらにも人影はなかった。 (後で寮長さんに預けておくか) 結論が出たところで、私は小瓶をポケットに仕舞って再び歩き出す。 「ただいま」 寮に戻ると、部屋にルームメイトの姿がなかった。 「リノの奴、何処行ったんだ?」 鞄はあるので、一旦は帰ってきたようだが、買い物にでも行ったのだろうか? 首を傾げつつ、着替えるために制服を脱いで―― 「あっ」 スカートを脱いだところで、ポケットに入っていた茶色の小瓶に気付く。 言うまでもなく、さっき校舎の前で拾ったものだ。 「うっかりしてたな。寮長に渡すつもりだったのに」 とはいえ、嘆いていても始まらない。 着替え終わったら、改めて寮長の所へ持っていくとしよう。 「と、その前に・・・」 着替えを終えたところで、私は用を足すためにトイレへと向かう。 ところが、 「あれ?」 何故かトイレのドアが開かない。 「リノ、入ってるのか?」 ドアをノックしてみるが、返事はない。 そもそも電気は消えているので、中には誰もいないはずだ。 「あっ、そういえば・・・」 再びドアノブを回そうとしたところで、昨日リノが言っていた事を思い出す。 鍵の調子が悪いから、トイレに入る時は気を付けてと言われていたのだ。 要するに、調子の悪かった鍵が完全に壊れてしまったらしい。 そうなると、リノがいない理由も説明が付く。 彼女の性格上、他の部屋へトイレを借りに行くとは考えられないから、おそらく1階にある来客用のトイレに行ったのだのだろう。 (私はユミの所で借りるか) 心の中で呟いて、私は隣室を訪ねるべく部屋を後にした。 *  トイレを借りた後、色々あって部屋を出るまで15分以上も掛かってしまった。 「まったくもう、パソコンのフリーズぐらい自分で処理して欲しいよ」 隣人の機械オンチを愚痴りつつ、自室のドアを開ける。 直後、 「うっ!?」 強烈な悪臭(におい)が鼻を襲ってきた。 「な、何なんだ、この悪臭(におい)?」 例えるなら、腐ったタマネギと卵を混ぜたような腐敗臭。 それも今まで嗅いだ事がないような濃度だ。 「リノ、いるのか?」 玄関に靴があったので、中に向かって呼び掛けてみる。 「ア、アヤセちゃん!?ダメ!入ってこないで!」 「リノ!?」 只ならぬものを感じで部屋に飛び込むと、1人の少女がベッドに蹲っていた。 身長は私と同じぐらいで、髪は清楚な感じのミディアムボブ。 前髪はサイドに流してリボン型のヘアピンで留めている。 正直、私とは正反対のタイプで、私服姿で並ぶとカップルと間違えられるぐらいだ。 胸やお尻も私よりずっと女らしい。 彼女が私のルームメイト――結崎(ゆいざき)リノだ。 「リノ!?」 周囲に立ち込める強烈な悪臭(におい)も忘れて、私はリノに駆け寄る。 「アヤセ、ちゃん・・・」 彼女は顔を紅潮させ、苦しそうに両手でお腹を押さえていた。 「お腹が痛いのか?待ってて、すぐに先生を呼んで――」 私が言い切るより早く、 ブバスッ!! 大きな破裂音が部屋中に響き渡った。 「むぐぅっ!?」 間を置かず、強烈な腐敗臭が鼻の奥を抉ってくる。 「リ、リノ、今のって・・・」 「・・・」 リノは顔を真っ赤にしたまま応えない。 しかし、今の破裂音は間違いなく彼女のお尻から聞こえてきた。 つまり―― 「んあっ!?」 ブブブウウゥゥゥゥゥゥーーッッ!! 「むぐっ!?」 私の考えを裏付けるように、再びリノのお尻から轟音と共に生温かい臭気が噴き出した。 「ご、ごめんね、アヤセちゃん、オナラが、止まらな・・・ああっ!?」 ブブボオオオオオォォォォーーーッッ!!! リノの言葉を遮るように、また彼女のお尻から大音量のオナラが噴き出してくる。 (ど、どうすればいいんだ!?) 本来ならトイレに連れていくべきなんだろうが、あいにくこの部屋のトイレはドアが壊れて開ける事ができない。 かといって、オナラが止まらないリノを外へ連れ出す訳にも―― (くっ、こうなったら・・・!) 「リノ、ゴメン!」 謝罪しながら、私はリノをベッドに仰向けにして両脚をM字に開かせる。 「ア、アヤセちゃん!?」 「私がリノのオナラ、全部吸い込むから!」 そう言って、私はリノのお尻を包む純白のショーツに顔を押し付ける。 「ダ、ダメ、アヤセちゃん!今刺激したら・・・んああっ!?」 ブブブスウウウウゥゥゥーーーッッッ!!! 鼻先がリノの菊穴に触れた瞬間、そこから今まで以上に強烈なオナラが噴き出してきた。 「むうううっ!?」 金属バットで頭を殴られたような衝撃と共に、視界がぐるぐると回転する。 「アヤセちゃん!?」 「だ、大丈夫、我慢しなくていいから、どんどん出して」 何とか平然を装いつつ、鼻の穴をさらにリノの菊穴へと密着させる。 ブブッブウウウウウゥゥゥゥーーーッッッ!!! 「ぐっ!?」 リノのオナラがよりダイレクトに鼻へと流れ込んでくるが、ここで顔を離す訳には行かない。 リノのために、少しでも臭気の拡散を食い止めるのだ。 「すうぅぅぅぅ・・・っ!」 身体が内側から汚染されていくような感覚に耐えながら、私は必死にリノのオナラを吸い込んでいく。 そんな私を嘲笑うように、 ブオオオォオォォオォォオォ~~~ッッッ!!! オナラの悪臭(におい)はますます強烈なものになっていく。 「すうぅぅぅぅ・・・っ!」 それでも、私はオナラを吸い込み続ける。 だが、 ブブブッブウウゥウウゥゥウゥ~~~ッッッ!!! 続けて浴びせられたリノのオナラに耐え切れず、 「うっ・・・!」 私は意識を失った。 *  意識を取り戻すと、私は自分のベッドに寝かされていた。 「うっ・・・」 1拍置いて、かすかに漂っていた腐敗臭が鼻を襲ってくる。 「アヤセちゃん!よかった、気が付いたんだね!」 私の呻き声を聞き付け、リノが小走りで近付いてくる。 「起きられる?」 「う、うん。何とか・・・」 リノの問い掛けに頷き、ゆっくりと上体を起こす。 軽い眩暈はあるが、起き上がれないほどではない。 「それにしても、いったい何があったんだ?」 「そ、それが・・・」 リノの視線の先を追うと、そこには私が拾った茶色い小瓶があった。 「あれのせいなのか?」 「た、多分」 リノの話を要約すると、次のようになる。 私が隣室へトイレを借りに行った後、入れ違いに戻ってきたリノは私が拾った小瓶を見付けた。 その小瓶を私が買ったものと勘違いし、リノは好奇心から蓋を開けて匂いを嗅いでみた。 すると、それから暫くしてオナラが止まらなくなってしまったらしい。 「そうだったのか。ゴメン、私がこんな瓶を拾ってきたせいで・・・」 「ううん、私こそアヤセちゃんに臭い思いをさせちゃって、本当にごめんなさい」 「気にしなくていいよ。私が勝手にやった事だし」 「でも、私のオ・・・アレ、すっごく臭かったでしょ?」 「いや、それは、その・・・ア、アレは誰のでも臭いだろ。私のだって・・・んっ!」 私はアヤセの方にお尻を突き出し、お腹に力を込める。 しかし、 プスゥ~・・・。 緊張していたせいか、出てきたのは拍子抜けするほど小さなオナラだった。 「えっと・・・」 「・・・」 この後、気まずい沈黙はリノのオナラの残り香が消え去るまで続いた。 *  翌日の休み。 私は食堂でパスタを食べながら思案に暮れていた。 「どうしたもんかなぁ」 「お悩みのようですね」 「えっ?」 ふいに聞こえてきた声で我に返ると、目の前にユミが立っていた。 駒込(こまごめ)ユミ。 暗い銀色の髪を長く伸ばした、清楚な雰囲気の美少女である。 全体的には私と同じスレンダーなタイプなのだが、胸やお尻など出るべき所はリノ以上にしっかりと出ている。 「何かあったんですか?」 問い掛けながら、ユミが向かいの席に腰を下ろす。 「大した事じゃないよ」 「そんな難しい顔で言っても説得力ないですよ?」 「・・・」 反論の余地もない。 今、自分がどんな顔をしているかは鏡を見なくてもわかる。 「私でよければ、相談に乗りますよ。これでも口は堅い方ですから」 ユミの言葉を受け、目の動きだけで周囲の様子を確認する。 テーブルが端の方という事もあり、こっちを見ている生徒はいないようだ。 「アヤセさん?」 「う、うん、実は――」 念のためにもう1度だけ周囲の様子を確認してから、昨日の出来事を掻い摘んで説明する。 「そんな事があったんですか」 私の話を聞いたユミが神妙な表情を浮かべている。 こんなバカバカしい事にも親身になってくれるのも、彼女の数多くある長所の1つだろう。 「だいたいオナラ(アレ)は誰のでも臭いんだから、あんなに気にしなくてもいいんだよ」 「そうですよね。でも・・・」 「でも、何?」 「私のオナラ(アレ)は普通の人のより臭いです」 「いや、だからオナラ(アレ)は臭くって当たり前なんだって。だから、ユミも気にする事ないよ」 「気にしてはいないんですが、本当に普通の人より臭いんですよ」 「そこまで言うなら、私にも嗅がせてよ」 「今からですか?」 私の提案に、ユミが驚いたように訊き返してくる。 無理もない。 なにしろ私も自分のした提案に驚いているのだから。 とはいえ、学園でもトップクラスの美少女であるユミのオナラも臭いと知れば、リノも少しは元気になってくれるだろう。 結論が出たところで、私とユミは食堂から学園の校舎裏へと移動する。 この学園では「公衆の面前での放屁」が禁止されている。 しかも、校舎の敷地に対してトイレの数が少ないため、オナラを我慢できなくなった生徒は此処にある大きな木箱にオナラをするのが長年の慣習になっているのだ。 「じゃあ、私が箱の中に入るから、ユミはこの穴からオナラしてよ」 「本当にやるんですか?」 「当然よ。そのために此処まで来たんだから」 あまり乗り気でないユミの言葉に頷いて、私は木箱の蓋を開ける。 「うっ・・・」 間を置かず、様々な悪臭(におい)が混ざった臭気が立ち上ってくる。 おそらく午前中に此処へオナラをしに来た生徒たちのオナラの残り香だろう。 それが霧散したところで、私は木箱の中に入って蓋を閉める。 木箱の正面には、ちょうど腰の高さに直径15cmぐらいの穴が空いている。 此処へ来た生徒たちはこの穴にお尻を向けてオナラをするのだ。 「こっちは準備できたよ」 「本当にいいんですね?」 「しつこいよ」 「はぁ、わかりました」 観念したらしく、ユミが制服のスカートをたくし上げ、白いショーツに包まれたお尻を木箱の穴に向けた。 「では、1発だけ・・・」 「1発と言わずに、お腹の中が空っぽになるぐらい出していいよ」 昨日、リノのオナラが止まらなくなったのは、私が拾った変なアロマオイルが原因だ。 あのオナラ連発に耐えられたのだから、ユミのオナラにも十分に耐えられるだろう。 「後で文句言わないでくださいね・・・んっ!」 溜め息混じりに言って、ようやくユミが息む。 ボバアアアアアアアァァァァァッッッ!!! 「っっっっっっ!?」 次の瞬間、私は声にならない悲鳴を上げた。 まるで腐った食べ物を手当たりに鼻へ流し込まれたような感覚。 臭い。 とにかく臭い。 昨日のユミのオナラなど問題にならないほど臭い。 「2発目、行きますよ」 「待っ・・・」 「んっ!」 ブブウブブブブウウウウ~~~ッッッ!!! 「っ~~~~!?」 声を絞り出すより早く、2発目のオナラが私の鼻を打ちのめす。 (と、とにかく此処から出ないと・・・!) 生命(いのち)の危機を感じ、私は急いで箱から出ようとする。 しかし、 ブッブッブウウウウウウウーーッッッ!!! それより早くユミの放った3発目のオナラが襲ってきた。 「っ・・・」 全身から力が抜け、私は木箱の中にへたり込んでしまう。 「これで最後です・・・ふんっ!」 ブブブブブブブウウウウウウウーーーッッッ!!! トドメとばかりに放たれた4発目のオナラを浴び、私は木箱の中で意識を失った。 *  ユミに木箱の中から救出された後、どうにか午後の授業を乗り切って放課後になった。 私はリノと一緒に自室へと戻り、昼休みに嗅いだユミのオナラについて説明する。 念のために言っておくが、オナラの事をリノに話す事については、ちゃんとユミの了解済みである。 「ユミちゃんのオナラ、そんなに臭かったんだ」 「臭いなんてもんじゃないよ。あれはもう立派な化学兵器だね」 少なくとも、これからの人生でユミのオナラ以上に臭いオナラを嗅ぐ事はないだろう。 「まあ、そんな訳だから、リノもオナラの事で悩む必要なんてないよ。悪臭(におい)はユミに比べたら大した事ないし、たくさん出たのもこのアロマオイルのせいだしね」 そう言って、私はアロマオイルの小瓶を持ち上げてみせる。 何だかんだで、寮長に預けるのを(昨日もトイレの鍵を直しに来てくれたのに)忘れてしまったのだ。 「ありがとう、リノちゃん。私のために・・・」 「ううん、気にしなくていいよ。それより――」 私は制服のスカートをたくし上げ、白いショーツを穿いたお尻をリノの方に突き出す。 「ア、アヤセちゃん・・・?」 私の行動を見て、リノが戸惑いの声を漏らす。 「その、リノばっかり恥ずかしい思いするのは不公平だからさ。私も使ったんだ、このアロマオイル」 ゴロゴロゴロゴロ~ッ! 説明を終えたタイミングで、私のお腹から雷のような重低音が聞こえてくる。 「えっと、嗅がなくてもいいから、私がオナラするところ・・・見ててくれる?」 「・・・」 リノは応えない。 (失敗だったかな・・・?) これでもリノに元気になってもらいたくて、ない知恵を絞ったのだが。 そんな事を考えていると、 「ひゃあっ!?」 ふいにリノの手が私のお尻に触れた。 「リ、リノ・・・?」 「アヤセちゃんだけ臭い思いするのは不公平でしょ?だから、私にもアヤセちゃんのオナラ、嗅がせて」 「い、いいの?多分、昨日のリノよりいっぱい出るよ?」 先程は嗅いだと言ったが、本当は小瓶のアロマオイルを鼻の下に少しだけ塗り付けたのだ 間違いなく昨日のリノよりオナラが出る。 「いいよ、アヤセちゃん。ユミちゃんのオナラを嗅いだ分も、私に嗅がせて」 そう言いながら、リノが私のお尻、ちょうど肛門の辺りに鼻を押し付けてくる。 「わかった。じゃあ、いくよ・・・んっ!」 リノの言葉に頷いて、私はお腹に力を込める。 次の瞬間、 ブブブオオオォオォォォォオォ~~~ッッッ!!! 地の底から湧き上がってくるような重低音のオナラが私のお尻から噴き出した。 「むぐっ!?」 まるで内臓が腐り切っているかのような凄まじい腐敗臭。 私自身が思わず鼻を摘んでしまうような激臭(におい)を、 「んんっっっ!?」 零距離で吸い込んだリノが悲鳴のような声を上げる。 「リノ、大丈夫!?」 慌てて彼女からお尻を離して問い掛ける。 「う、うん、大丈夫だよ。ユ、ユミちゃんのオナラもこのぐらい臭かったの?」 「いや、えっと・・・」 正直、ユミのオナラはこれ以上に臭かったのだが、それを言ったらリノはもっとオナラを嗅がせろと言ってくるだろう。 (どうしよう?あんまりリノに臭い思いをさせたくないし・・・) 「アヤセちゃん」 「な、何?」 「その、私もあのアロマオイル使うから、一緒に臭い思いしよ?」 リノの提案を、 「・・・うん」 私は断る事ができなかった。 *  5分後。 私とリノはベッドで俗にいう「シックスナイン」の態勢になっていた。 リノが上で、私が下、互いに顔を相手のお尻に押し付けるような格好だ。 「じゃあ、私からするね・・・んっ!」 先にオナラを出したのは、リノ。 プウウウウウウウゥゥゥ~~~~ッッッ!!! 壊れたラッパを思いっ切り吹いたような音のオナラ。 「むぐっ!?」 いかにもオナラという濃厚な腐卵臭が私の鼻へと流れ込んでくる。 「や、やってくれたね、リノ。次は私の番だよ・・・ふぬっ!」 ボッフオオオオオオォォォォォ~~~ッッッ!!! お返しとばかりに、私も渾身のオナラを放つ。 「ぐっ!?」 自分でも「臭過ぎる」と感じる凶悪な腐敗臭。 「むうううっ!?」 リノも私以上に激しく苦悶の声を上げている。 「わ、私だって負けないよ・・・ふんっ!」 プウオオオオオォォォォォォ~~~ッッッ!!! 「んぐっ!?」 リノがまたオナラを浴びせてきたので、 「ふんぬっ!」 私も負けじとばかりにお腹に力を込める。 ブビビビッビビビッビビビィィィィィッッッ!!! 「ぐっ!?」 「んむううううっ!?」 私とリノの苦悶の声が部屋中に響き渡る。 交互にオナラをしていたのは、そこまでだった。 「「ふんっ!」」 ププウウゥゥゥウウゥゥウゥゥ~~ッッッ!!! ブブッスウウウウウゥゥゥゥゥーーーッッッ!!! 3発目からは競い合うように、相手の顔めがけてオナラを放ち始める。 ブバブウウウウウウウウウウウーーーッッッ!!! 音と悪臭(におい)が混ざり合い、どちらが出したオナラなのかも次第にわからなくなってくる。 だが、もうそんな事はどうでもいい。 私たちは顔を相手のお尻に密着させ、そこから生み出されるオナラを一心不乱に吸い込んでいく。 ブブブブブブブブブブブブブブーーーッッッ!!! (ああ、臭い・・・!) 鼻に流れ込む臭気が量を増すにつれて、徐々に何も考えられなくなっている。 頭の中はとっくにオナラ色へと染め上げられている。 ブウウウウウウウウウウウウウーーーッッッ!!! 今のはどっちのオナラだろうか。 とにかく全部吸い込まないと・・・。 ブブブバババアアアアアアァァァァァッッッ!!! (あっ、ダメだ・・・) 心より先に身体が限界を迎えた。 徐々に意識が闇に呑まれていく。 おそらくリノの方も長くは保たないだろう。 「リノ・・・」 「アヤセちゃん・・・」 互いの名前を呼び合いながら、私は折り重なるようにして意識を失った。 *  私たちが意識を取り戻すと、既に空はオレンジ色に染まっていた。 「何かその場の勢いで凄い事しちゃったね・・・」 「う、うん」 私の言葉に、リノが顔を真っ赤にして頷く。 先程までのオナラ合戦の激しさを示すように、まだオナラの悪臭(におい)が室内に充満していた。 窓を開ける訳にも行かないので、空気清浄機と消臭スプレーを使って悪臭(におい)の後始末をする。 新品を2本丸ごと使ったおかげか、どうにか悪臭(におい)を薄れさせる事ができた。 「それにしても、これっていったい誰が落としたんだろうな?」 消臭作業が一段落してシャワーも浴びたところで、私は事の発端となったアロマオイルの瓶を持ち上げてみる。 ラベルからして間違いなくアロマオイルだが、メーカーは「オーキッド・シャドウ」という聞いた事もないものだ。 「校舎の前に落ちてたって事は、学園の誰かだよね?」 「でも、校庭にも屋上にもそれらしい奴はいなかったよ?」 というか、そもそも持ち主はいったい何を考えて、こんな物を入手したのだろうか? 少し考えてみたが、私には検討も付かなかった。 「とにかく落し物なんだし、寮長さんに届けようよ」 「・・・そうだね」 リノの言葉に頷き、私たちは寮の1階にある寮長の部屋へと向かう。 寮長は秋岡(あきおか)ナツカというクールな印象の女性で、この学園の卒業生でもある。 「これが校舎の前に落ちてたのか」 私が手渡した小瓶を見ながら、ナツカさんが確認するように問い掛けてくる。 「は、はい。届けるのが遅れてすみませんでした」 「すみませんでした」 私が頭を下げると、傍らでリノも同じように頭を下げてくれた。 「うむ。反省しているようだから、その事は不問にしよう。次からは気を付けろよ」 「はい」 「さて、話を戻すが、この瓶は私が預かっておこう。お前たちはこのプリントに拾った場所と時間を書いてくれ」 「わかりました」 ナツカさんからプリントを受け取り、必要事項を記載していく。 一方、 「オーキッド・シャドウ。蘭と影(かげ)・・・陰(かげ)・・・なるほど、陰(いん)か」 ナツカさんはアロマオイルの小瓶を見ながら、何やらぶつぶつと呟いている。 時折、私たちの方に視線を向け、形の良い鼻をヒクヒクとさせているように見えるが、もしかしてまだオナラの悪臭(におい)が残っているのだろうか? 「書けました」 少し不安になりつつも、記入を終えたプリントをナツカさんに手渡す。 「記入漏れは・・・ないな。ところで、お前たち」 「はい」 「何ですか?」 「臭い仲もほどほどにな」 「「っ!?」」 すべてを見通したようなナツカさんの言葉に、私とリノは揃って顔を真っ赤に染めた。 終


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