毒舌娘と清純「風」お嬢様の臭い戦い?
Added 2023-07-08 15:00:00 +0000 UTC目の前に広がる光景に、私――虎生(とらお)サトミは自分の中で何かが音を立てて砕けていくのを感じていた。 私がいるのは、自宅から少し離れた所にある大型ショッピングモール。 視線の先では、1組の男女が仲良く歩いている。 女の方は私と同じ宝陽(ほうよう)学園2年生のエルゼ=シュミット。 小柄で金髪の私とは対照的な、長身で銀髪の美女だ。 男子の間では「女神」と称する奴もいるらしい。 彼女の隣にいるのは、彼女の恋人である緑川(みどりかわ)サトル・・・ではなかった。 龍城(たつしろ)ヒロアキ。 宝陽学園3年生で、生徒会副会長。 そして、生徒会長である私の恋人であるはずの男だ。 普段の私なら、すぐにあそこまでダッシュして、あの浮気男の顔面を殴り倒しただろう。 しかし、私は動けなかった。 まるで足が地面に根付いてしまったような感覚。 私の脳裏には、数日前に見たある光景が蘇ってきていた。 * 数日前の昼休み。 私は人気(ひとけ)のない旧校舎に来ていた。 目的は張っているお腹を萎ませるためのガス抜きだ。 私は少しばかり厄介な体質をしており、オナラの量と悪臭が普通の女子の比ではない。 そのため、わざわざ教室から遠く離れた旧校舎まで足を運んできたのだ。 「ん?」 トイレの見える廊下に差し掛かったところで、私は足を止めた。 私より先に、1人の女子生徒がトイレに入っていくのが見えたからだ。 (あの銀髪って・・・) 足音を殺してトイレに入ると、1番奥の個室が閉まっていた。 それを確認した直後、 ブボボボボボボオォォォ~~~ッッッ!!! 個室内から轟音が響き渡った。 その凄まじさたるや、個室内で爆発が起こったのではないかと思うほどだ。 だが、すぐに轟音の正体が爆発でない事が判明する。 件の個室から強烈な腐卵臭が漏れ出してきたからだ。 「っ!?」 口から飛び出しそうになる苦悶の声を強引に呑み込み、個室内の生徒に気付かれないようにゆっくりと後退していく。 そんな私を嘲笑うように、 ボッフウウオオォォォォ~~~ッッッ!!! 個室内の生徒が2発目のオナラを出してくる。 (くっ・・・!いったい何を食べたら、こんな酷い悪臭(におい)になるのよ!) そんな私の心の毒突きが届く事なく、 ブウウウウウゥゥゥゥゥ~~~ッッッ!!! 個室内から3度目の轟音が聞こえてくる。 (いくら何でも少しは自重しなさいよ!) 心の中で毒突くが、 ブブブッフウオオォォォ~~~ッッッ!!! どうやら個室の何某かには、自重してくれる気などないらしい。 呼吸を最小限にして後退を続けているうちに、どうにか女子トイレから出る事ができた。 ガチャッ。 そのタイミングを見計らったように、個室のドアが開いた。 (やばっ!?) 此処で鉢合わせすると、お互いに気まずい思いをする事になる。 とはいえ、身を隠す場所なんて―― (くっ、やむを得ないか!) 私が慌てて身を隠すと、 「ふぅ、すっきりしました」 個室から出てきた女子生徒がすっきりした表情で私の前を通り過ぎていった。 * あれは本当に災難だった。 緊急事態とはいえ、まさか男子トイレに入る日が来るとは―― とはいえ、問題はそこではない。 女子トイレから出てきた人物だ。 あの時、女子トイレから出てきたのは、誰あろう、目の前にいるエルゼ・シュミットだったのだ。 はっきり言って、彼女は私とは正反対の存在である。 正直、私が彼女と争えるのは胸の大きさと口の悪さぐらいだろう。 さらにオナラまで強烈とくれば、無類のオナラ好き(バカ)であるヒロアキにとって私以上に魅力的な存在であろう。 とはいえ、黙って引き下がるのは私の性に合わない。 戦う前から負けを認めているようでは、宝陽学園の生徒会長など務まらないのだ。 エルゼがヒロアキと別れたタイミングを見計らい、 「シュミットさん」 私はエルゼに後ろから声を掛けた。 「あら、虎生先輩。先輩もお買い物ですか?」 振り返ったエルゼは大きな紙袋を手にしていた。 「まあね。それより訊きたいんだけど、さっきまで誰といたの?」 「誰って・・・ああ、そういう事ですか」 私の問い掛けに、エルゼは得心したように大きく頷いてみせる。 「1人で納得してないで答えて。誰と一緒だったの?」 「ふふふ、虎生先輩もよくご存知の方ですよ」 「その笑顔は喧嘩売ってると思っていいのかしら?」 「はぁ・・・あの人が言ってた通りですね。『サトミは口が悪くて困る』って」 エルゼが見せ付けるように溜め息を吐いてみせる。 「そんな事を言っていいの?私、知ってるのよ。旧校舎のトイレで、あんたが何をしてたかをね」 「旧校舎のトイレ、ですか?」 「あんなに凄いオナ・・・アレを出すとはね。あのバカ、アレが大好きだから、さぞ喜んだでしょ?」 「オナラ(アレ)が大好き・・・」 一瞬、怪訝そうな表情を浮かべたエルゼだが、直後にその口角がほんの少しだけ持ち上がる。 「虎生先輩、これから御時間ありますか?」 「えっ?」 「此処で言い争っていても埒が明かないですし、私の家で白黒はっきりしませんか?」 そう言いながら、エルゼは視線で背後に見えるマンションを指してみせる。 おそらくあそこが彼女の自宅なのだろう。 この状況において、私の返事は1つしかない。 「いいわ。行きましょう。あんたの鼻っ柱をへし折ってあげるわ」 「ふふふ、受けて立ちますよ、先輩♪」 私の言葉を涼しい表情で受け流すと、エルゼはスマホを取り出し、何処かへ電話を掛け始めた。 * 30分後。 私はエルゼの自宅があるマンションに来ていた。 「何であんたが此処にいるの?」 「エルゼに呼ばれたんです」 私の問い掛けに、目の前の少女は事もなげに答えた。 彼女の名前は、桐生(きりゅう)エリカ。 三つ編みと眼鏡が特徴の少女で、宝陽学園の2年生である。 パッと見は文学少女っぽいのだが、実際は「オナラソムリエ」を自称する色々と残念な後輩である。 「どうして桐生を呼んだの?」 「勿論、オナラの悪臭(におい)で勝負するためです」 「オナラの悪臭(におい)で?」 「はい。ヒロアキはオナラ好きですから♪」 「・・・」 ヒロアキの事を呼び捨てにするエルゼに、ギリッと奥歯を噛み締める。 「それで、どうしますか?勝負を受けますか?それとも、尻尾を巻いて帰りますか?」 「冗談は止して欲しいわね。この私に『逃げる』なんて選択肢があると思う?」 「じゃあ、決まりですね。僭越(せんえつ)ながら、私が審判を務めさせていただきます」 審判役に名乗り出たエリカが今回の勝負のルール説明を始める。 とはいえ、そんなに複雑なものではない。 私とエルゼが交互にエリカの顔へオナラを浴びせる。 それを3回くり返して、より臭いと判断された方が勝ちとなる。 「まずはどっちが先攻か決めます」 そう言うと、エリカはポケットから金色のメダルを取り出した。 「ジ○ス様の細胞から抽出したエネルギーです。無駄遣いせぬよう励み・・・もとい、このメダルの表と裏、どちらが出るか選んでください」 エリカは何故かメダルにキスしてから、親指でメダルを弾いた。 宙を舞ったメダルをエリカは左の手の甲で受け止め、素早く右の掌で覆い隠す。 「ジニ○の顔が見える方が裏です。さあ、どちらですか?」 エリカがこちらに視線を向けたので、 「表」 私は短く答える。 「じゃあ、私は裏です」 私たちが選んだのを確認し、エリカが右手を持ち上げる。 左手のメダルには何か描かれているようだが、オレンジの大きな染み(?)のせいで見えなくなっていた。 「表。生徒会長が先攻ですね」 そう言って、エリカはベッドに横向きで寝転がる。 ちょうど顔が私たちの方を向く格好だ。 「じゃあ、会長から私の顔にオナラしてください」 「わかったわ」 エリカの言葉に頷いて、私はスカートをたくし上げ、彼女の顔の前にお尻を突き出す。 「ピンクのレース・・・意外と可愛いの穿いてるんですね、会長」 「余計な事は言わなくていいの。それと、臭いからって文句は言わせないわよ・・・んっ!」 念のために断りを入れてから、私はお腹に力を込める。 直後、 ブウオオオオォォォォォォ~~~ッッッ!!! お尻からトロンボーンのような重低音のオナラが噴き出した。 「「むぐっ!?」」 自分でも「臭過ぎる」と思うほど強烈な腐卵臭に、私とエリカの苦悶の声がハモる。 「ふふふ、凄いオナラですね。これは私も負けていられません」 そう言うと、エルゼは私と入れ替わるようにして、エリカの方にお尻を向けた。 そのままスカートをたくし上げると、彼女のお尻を包む白いブルマのような形のショーツが露わになる。 「1発目、行きますよ。ホップ♪」 ブブブッスウウウウウゥゥ~~~ッッッ!!! 鼻歌交じりに言いながら、エルゼが1発目のオナラを放つ。 「「んぐっ!?」」 鼻の奥を抉るような発酵臭に、またしても私とエリカの苦悶の声がユニゾンする。 「どうですか、私のオナラは?先輩のと、どちらが臭いですか?」 「う~ん、甲乙付け難いわね。まだ1発目だし、引き分けって事で」 「いい加減ね。大丈夫なの?」 「まあまあ、とにかく2発目のオナラをしましょう。このまま続けて出していいですか?」 「ええ、どうぞ」 「ありがとうございます。それでは・・・ステップ♪」 ブブブブブブブブブブブブゥ~~~ッッッ!!! エルゼが1発目以上に強烈なオナラを放つ。 「むううううううっ!?」 「んっ!?」 1発目とは違い、強烈な刺激臭が鼻腔に突き刺さってくる。 (くっ、何で1発目と2発目でこんなに悪臭(におい)が違うのよ) 「ふふふ、負けを認めますか?」 「ハッ、そんな訳ないでしょ」 余裕の笑みを浮かべるエルゼを押し退け、エリカの方へお尻を突き出す。 「んんっ!」 先程より強くお腹に力を込める。 ブボオオオオオオオオオォォォ~~~ッッッ!!! その甲斐あって、私も1発目以上に強烈なオナラを放つ事ができた。 「ごはっ!?」 「っっっっ!?」 自分の鼻が曲がるのではないかと錯覚するほど強烈な悪臭(におい)。 (我ながら死にたくなるぐらい臭いけど、これなら勝ちは決まったわね) 「3発目もこのまま出すわよ」 「どうぞ」 「ふんっ!」 エルゼが頷いたので、鼻を摘みながらお腹に渾身の力を込める。 ブウブブブッブウウウウウウウウ~~~ッッッ!!! 先の2発を凌ぐ特大の1発。 「むううううううううっ!?」 「っ~~~~~!?」 鼻を摘んでなお、鼻腔に襲い掛かってくる濃厚な悪臭(におい)。 これだけ駄目押しすれば、もう私の勝ちは揺るがないだろう。 「くんくん、オナラ好きの彼氏さんがいるだけあって、凄い悪臭(におい)ですね」 私自身でも鼻をもぎ取りたくなるような悪臭(におい)のオナラを嗅いでなお、エルゼは涼しい表情をしている。 「降参するなら今のうちよ」 「降参・・・先輩が、ですか?」 わざとらしく首を傾げながら、エルゼがブルマ型のショーツを脱ぎ去る。 「ちょっと、何やってるの?まさかノーパンでオナラする気?」 そんな事で、私に勝てると思ってるの? 「いえ、これはカバー下着で、ちゃんと下にも穿いてますよ」 エルゼがスカートを持ち上げて見せると、レースがあしらわれたチェリーピンクのTバックがお尻に食い込んでいた。 「ちょっ、まさかその状態でオナラするの!?」 それを見たエリカが勢いよく起き上がる。 「どうしたの?たかが1枚脱いだだけでしょ?」 「その1枚が問題なんです!」 「ほらほら、無駄話はやめて早くベッドに寝転んでください」 「・・・どうぞお手柔らかにお願いします」 一旦、ベッドの上で土下座してから、エリカが元のように寝転がる。 「いえ、サトミ先輩に敬意を表して、手加減なしでいかせてもらいます・・・ふんっ!」 エルゼが彼女らしくない雄々しい声で息む。 次の瞬間、 ブウウウウウウウウウウウゥゥ~~~~ッッッ!!! エルゼが3発目のオナラを放った。 「「っっっっっっ!?」」 壮絶。 そう形容するしかない轟音とそれに見合う凄まじい悪臭(におい)。 直撃していないのに、軽く呼吸するだけで意識が揺らぐ。 「ふふふ、私の勝ちですね♪」 悠然と勝利宣言するエルゼを見ながら、私はその場に膝を着いた。 * ふいに鳴ったインターホンの音で、私は我に返った。 姿が見えないので、いつの間にかエリカは引き上げたらしい。 「さあ、こちらです」 暫くして部屋のドアが開き、エルゼが入ってくる。 「あれ?生徒会長・・・?」 続いて入ってきた男子の顔に見覚えがあった。 緑川サトル。 宝陽学園の2年生で、エルゼの恋人だ。 「何で生徒会長が此処にいるんですか?」 「ちょっとエルゼに用があってね。あなたは何しに来たの?」 「俺はエルゼに呼ばれて・・・えっ?」 サトルの言葉は後ろから首に巻かれたマフラーで遮られた。 「Alles Gute zum Geburtstag.少し早いですが、誕生日おめでとうございます、サトル」 そう言いながら、エルゼがサトルの前に回り込む。 「俺の誕生日、覚えててくれたのか?」 「勿論です。このプレゼントだって、時間を掛けて選んだんですよ。副会長にも手伝ってもらいました」 「えっ?」 副会長に、手伝ってもらった・・・? じゃあ、あの時エルゼが持っていた紙袋の中身は、このマフラー? 「副会長も買い物してたのか?」 「はい。副会長も大事な人の誕生日が近いとかで、プレゼントを買いに来てたんです」 「なっ!?」 「そうそう、言い忘れてました。さっき先輩の携帯から、副会長に電話したんです。先輩の具合が悪いみたいだから迎えに来てあげてくださいって。そろそろ到着する頃ですね」 「邪魔したわねっ!」 エルゼの言葉に被せるように言って、私は部屋を飛び出す。 エレベーターで1階に下りてマンションを出ると、 「あっ、サトミ」 来客用インターホンの前にヒロアキが立っていた。 「シュミットから連絡を受けてきたんだけど、部屋番号を聞き忘れてさ。もう具合はいいの、かっ!?」 ヒロアキが言い切るより早く、その胸に飛び込む。 「お、おい、急にどうしたんだよ?そんなに具合悪いのか?」 「・・・」 「おーい、サトミ?生徒会長~?」 「・・・」 ヒロアキが困っているようだが、そんな事はどうでもいい。 すべてはこのバカが悪いのだ。 「生徒会長と呼んでも反応しないとは・・・あっ、そうだ」 ヒロアキが持っていた紙袋から取り出したのは、可愛らしいリボンが巻かれたトラの縫いぐるみだった。 「ちょっと早いけど、誕生日おめでとう。このトラ、お前に似てるだろ?」 「・・・バカ」 縫いぐるみを手に笑うヒロアキの胸に、私はもう1度コツンと頭突きを見舞った。 * 落ち着きを取り戻したところで、私は自宅まで帰ってきた。 無論、ヒロアキも一緒だ。 「あなたは此処にいなさい」 トラの縫いぐるみを机の上に置き、 「・・・」 少し考えてから後ろを向かせ、さらに顔にハンカチを被せる。 「おい、それじゃあ、顔が見えないだろ」 「いいのよ、これで」 そう言いながら、私はヒロアキの方へお尻を突き出す。 「サトミ?」 「んっ!」 ヒロアキが首を傾げたところで、私はお腹に力を込める。 直後、 ブウウウウウウウウウウウウゥ~ッッッ!!! 私のお尻から大音量のオナラが噴き出した。 「っ!?」 エルゼほどではないが、強烈な悪臭(におい)が鼻に襲い掛かってくる。 例えるなら、牛1頭をまとめて腐らせたような腐敗臭だ。 「サ、サトミ・・・?」 「訊いていいかしら?」 問い掛けながら、私は戸惑いの表情を浮かべるヒロアキに向き直る。 「な、何だ・・・?」 「もし、私より可愛くてオナラが臭い女の子が現れたら・・・どうする?」 「えっ?」 「いいから答えなさい!」 「わ、わかったよ。そうだな・・・」 私の迫力に圧されたのか、ヒロアキが思案を始める。 そして、 「多分、その女の子を好きになると思う」 ヒロアキの口からは予想通りの言葉が紡ぎ出された。 「そう、よね・・・」 我ながら何を訊いているのだろうか。 私より可愛くて、オナラが臭い女の子。 私とエルゼを比べたら、ヒロアキがエルゼを選ぶのは当然ではないか。 「とはいえ――」 「えっ?」 ふいにヒロアキが後ろから私を抱き締めてくる。 「少なくとも俺の中では、サトミより可愛い女の子なんていないけどな」 「なっ!?」 ドンッ! 驚きのあまり、お尻でヒロアキを突き飛ばしてしまう。 「な、何バカなこと言ってるのよ!」 「バカな事って、俺は事実を言っただけだぞ?」 尻餅を着いたヒロアキが人差し指でお尻をつついてくる。 「っ!?調子に乗るな・・・ふんっ!」 ブボボボボオオオオオオオ~~~~ッッッ!!! 怒りと恥ずかしさを込めて、特大のオナラを放つ。 腐敗した牛が1頭から2頭に増えたように、悪臭(におい)が倍化する。 「むううううううっ!」 顔面に臭気を浴びて、ヒロアキが苦悶の声を上げる。 「可愛いのもそうだけど、こんだけ凄いオナラをする女の子もなかなかいないだろ」 (それがいるから悩んでるのよ・・・) 「んっ!」 ブブブブブブブブブブブブブブブブブゥッ!!! 頭に浮かんだエルゼの顔を消し去るように、さらにオナラを放つ。 「んぐうううううううっ!サ、サトミ・・・」 「何?まだ嗅ぎ足りないの?」 「まあ、そうなんだけど・・・。どうせながらベッドで出してくれないか?」 「はぁ・・・」 本当にこいつと話していると、自分が悩んでいたのがバカらしくなってくる。 「いいわ。今日はトラの縫いぐるみ(あのこ)のお礼に、とことん付き合ってあげるわ」 「そうこなくっちゃ!」 ヒロアキが心底嬉しそうに私のベッドで仰向けになったので、 ずしっ! すぐさまその顔の上に座り込む。 ちょうど私のアナルがヒロアキの鼻の穴を塞ぐ格好、というか、ヒロアキの方から私のアナルに鼻の穴を押し付けてきている。 本当に救いようのないオナラ好きである。 「じゃあ、出すわよ・・・んんっ!」 両手でお腹を押し込みながら息み、 ブウウウオオオオオオオォォ~~~ッッッ!!! 重低音のオナラが私のアナルからヒロアキの鼻腔へとダイレクトに流れ込んでいく。 「んんん~~~~~っ!!」 ヒロアキの歓喜とも苦悶とも付かない声が聞こえてくる。 「うるさい。ふんっ!」 ブビビビビビビビィィィィ~~~~ッッッ!!! ヒロアキの声を掻き消すように、さらに強烈なオナラを放つ。 先程、エルゼの所で出したオナラより凄い1発だ。 「っ!?」 漏れ出してくる少量の臭気だけで、視界が大きく揺れる猛烈な悪臭(におい)。 「っっっっっっ!?」 お尻の下では、ヒロアキも声にならない声を上げ、感電したように全身をビクビクと痙攣させている。 「大丈夫?」 少しだけお尻を持ち上げながら問い掛ける。 「あ、ああ、大丈・・・むぐっ!?」 ヒロアキが頷いたのが見えたので、 ブボオボボボボボボボオオ~~~~ッッッ!!! 言い終わるのを待たずに再び顔に腰を下ろしてオナラを浴びせてやる。 「ぐっ!?」 私が鼻を摘みながら苦悶の声を漏らす一方、 「んっ!」 ヒロアキは片方の手でサムズアップしている。 「・・・」 その反応がイラッとしたので、 ずしっ! 一旦、お尻を持ち上げ、勢いよく顔の上に座り込んでやる。 ブボォッ!! 野太いオナラのおまけ付きだ。 「むごっ!?」 ヒロアキの声を聞きながら、 ずしっ! 再びお尻を持ち上げて顔の上に座り込む。 ブバスッ!! ちゃんとオナラを浴びせてやるのも忘れない。 「むうううっ!?」 「どうする?まだ続ける?」 「!」 もの凄く見事なサムズアップが返ってきた。 やはり愚問だったようだ。 「じゃあ、次は連続で行くわよ。ふんっ!」 ブウゥッ!!ブブーッ!!ブバスッ!! 宣言通り、3連発でオナラを浴びせてやる。 「っ~~~~!?」 漏れ出てきた悪臭(におい)に、視界が大きく揺れる。 (さ、さすがにこのままだと、私の方が保たないわね・・・) もう次の1発でこいつを気絶させてしまおう。 私も意識を失うだろうが、こうなったら死なば諸共だ。 「・・・」 両手をゆっくりとお腹に添える。 「すうぅぅぅぅ・・・っ」 大きく息を吸い込み、 「ふんっ!」 渾身の力を込める。 直後、 ブブブブブブブブブブゥ~~~~~~ッッッ!!! 腸内(おなか)のガスをすべて出し切る勢いでオナラを放つ。 「っ・・・!?」 1000万パワーの悪魔超人の突進を喰らったような衝撃が鼻を襲ってくる。 「むうううううっ!?」 お尻の下から聞こえるヒロアキの絶叫を聞きながら、私の意識は途切れた。 * ――エルゼ視点 (今頃、虎生先輩は龍城先輩とよろしくしてるんでしょうか) 「むぐぐぐ・・・」 お尻の下から聞こえる呻き声を感じながら、生徒会カップルに想いを馳せる。 (それにしても、副会長がオナラ好きとは驚きですね) そうなると、向こうも放屁プレイに興じているのだろうか? 「エ、エルゼ・・・」 「あら、ごめんなさい」 とはいえ、今はこっちに集中するべきだろう。 「行きますよ、サトル。ふんっ!」 ブボオオオオオオオオオォォォォ~~~ッッッ!!! 私の放ったオナラがサトルの鼻腔へと流れ込んでいく。 こんな風に、2人っきりの誕生日オナラパーティーはいつ果てるともなく続いた。 終