皆さんどうも!
ただっちです!
さて、今回は3話目の話を一気に公開します!
それではどうぞ!
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【鳥ノ国バードランド『入国ゲート』】
神鳥の奉(たてまつり)の日程まで明日というところ、僕たちはこの国へと到着しました。
天空に浮かぶ鳥族の住まう本島【飛空殿(ひくうでん)】へは、まずこの入国ゲートにある魔法陣に乗らなければなりません。
上空の島には、鳥族の王自らがかけた強力な見えざる空気の防御結界が張られており、容易に出入りできなくなっている。
もちろんこれは、祭の間のみの処置であり、テロリスト等の侵入経路を一ヶ所に絞るというのもあるのだとか。
そんなこんなで、僕たちは入国ゲートにきているのだが……。
「はぁ……なんでこんなことに……」
僕たちは、VIPルームに通されていたのだった。
それはほんの十数分前のこと……。
列車から降りた僕たちは入国ゲートへと向かう通路を歩いていた。
多くの観光客に紛れるように、僕もフードを深々と被り目立たないように並んでいたのだが……。
「おい!そこのお前!」と、一人の若々しい鳥族の騎士に話しかけられたのが事の発端であった。
それをナンパの行為と見なしたゴートは、その騎士に襲いかかろうとしたのだが、寸前のところで僕の式神【未】による、【強制夢幻の術】というかけた相手を強制的に眠らせる術で食い止めてくれたのはいいのだが……。
「今、貴殿らは兵士に危害を加えようとしたな?」と言われてしまい、一時はどうなることになるかと思ったんだけどね。
なんか、ぞろぞろ兵士の皆さん出てくるし。
警察としてキャリアの浅いゴートはまだ顔をよく知られていないし……。
シルくんはシルくんで僕を守ろうと戦闘態勢に入っていたので、どうしようかなーと思っていたんだ。
けど、その瞬間僕の前に一人の男が天から降り立った。
朱色の翼を羽ばたかせ、優雅に参上するのは、何をかくそう僕の師匠である朱雀【皇】であったのだから。
「貴様ら何をしている」
と、鋭い眼光でギロリと兵士たちを睨み付けるが、兵士の隊長な雰囲気のある隼の鳥獣人さんが状況の説明と、これから捕縛するということを師匠に伝えたんだ。
すると師匠は……。
「そうか……お前たちは、私の弟子を拘束しようとするのか……ならば、此度の式典での舞は取り止めにする」
と、一言発したんだ。
そしたら、もう大変。
そばにいた観光客やら、兵士たちまで狼狽するはするは……そりゃ、皇師匠の舞を見に来た人たち、それに多くの患者を連れた医者たちは大慌て。
更には今回の式典の中止=鳥族の信用失墜というとてつもない責任を負わされるかもしれない鳥族の騎士や兵士たちは大慌て。
先程まで堂々としていた隊長さんまで、顔を青ざめていた。
このタイミングで、僕はフードを脱ぎ去るんだけど、まさか僕が天海の陰陽師であり、そしてここにいる朱雀【皇】の愛弟子なんてのは予想だにしていなかったようで、大きな声をあげて驚かれたもんだ。
と、ここで騒ぎに目を覚ましたゴートはこういった。
「うるさいですね、なんの騒ぎですか」
それに対して僕はこういった。
「あなたのせいですよ!!! 非常識捜査官!」
といった敬意もあり、皇の愛弟子ということも認知されてしまった結果……国賓の扱いを受けることになってしまったのだった。
「全く、私の弟子を拘束しようとするとか、許せないし!」
「まあまあ、師匠落ち着いて……」
「彼岸くんを拘束するとか……私がしたいくらいですよ」
「あなたのせいでこうなったんですから、少し黙っててください!」
「鳥族の警備は結構厳しいんだな……うちの国とはまた違ってるんだな」
そういえば、シルくんは別の国にこうして来るのは初めてだったな……。
ちゃんと、王子らしく振る舞ってくれてるならいいけど……ゴートみたいに暴走しなければいいけど。
「これはこれは、先程は失礼しました皇殿」
「ヒリュウ大臣殿、私は怒っています。 本当に帰りますよ……」
ヒリュウ大臣……鳥族王家【ツバメ一族】の当主であり、風の賢者トルネが普段神封鬼にいる際に事実上この国を取りまとめているトップである。
そんな人物が青ざめながら土下座させられている光景を見せられているのは、凄く心苦しい……。
「皇師匠、もういいですって。 今回の件は僕の連れていた人物が勘違いしてしまっただけですから。 そこまで、しないでください」
「何を言うか彼岸! 私はお前を息子同然に可愛がっているのだ! 息子が捕縛されそうになっていてキレない親はいない!」
「師匠、落ち着いて頭に血が上りすぎですって! ほら、水飲んで落ち着いて……」
「なにをいうか!それはそれであって、私は……んっ……」
「はい、そこまで……」
熱量の上がる皇に対して、その声の人物は静かに……そして恐ろしい殺気を放っていた。
左手にはひびの入った水晶を握っていた光の賢者【ボル】はいつの間にかこの部屋に来ていた。
「なっ! あなたは天来学園のボルさん!」
「お久しぶりです、ヒリュウ大臣。 トルネがいつもお世話になっているようで」
「伝説の【八賢者】の長がやってくるとは……というか、どこから?」
「うちの保健医がなにやら、お怒りだったので、その感情に任せて強力な術を使われる前に止めようと【空間移動(ルームジャンプ)】の魔法で来たんです。 オズに頼んでね」
「空間魔法は得意なので……っとそれより、ボルさんほらそろそろ殺気を解除しないと……」
「おっといけない」
といってボルさんはその漏れだした殺気を抑えたんだが、時既に遅く、VIPルームにいた大臣の警護を任された兵士や騎士たちはみんな気を失っていた。
「相変わらず凄まじい気迫ですな……」
「いやちょっと、ムカつく光景をみたあとだったのでね……少し気が立ってしまいました。 私もまだまだですな……っとそれより、皇先生続きを……?」
と、ボルさんが振り向くと、幼子の姿に変身して僕の後ろに震えながら隠れる皇師匠がいるのであった。
「おやおや、ごめんなさい。 そういえば、昔半殺しにして差し上げた時もたしかこんな感じで殺気が漏れだしていましたよね。 確かあの時はライラプスが襲撃してきた後でしたから、気が立っていましたので失礼しました」
「うっ……び、ビビってなんかないぞ!!」
「師匠、大丈夫ですって。 だから、いい加減僕の服の裾を思い切り引っ張るのやめてくださいよ」
「うっ、はい……」
そういって師匠はとことこと歩いて僕の膝の上にちょこんと座るわけだが、その瞬間ゴートの手には彼の武器である十ニ星座武具【アルゲディの槍】が握られていたが、ボルさんの睨みで直ぐ様それを引っ込めるのであった。
「ふう……さてさて……私がここに来たのは皇の件もありましたが、それとは別件でね。 彼岸くん、君に伝えることがあって来たんだ」
「??」
「この国に秋月紅葉が来ている」
「!!」
秋月紅葉……その言葉を聞いた瞬間、僕は心臓が止まるかと思った。
それはもう、心拍も高くなり、過呼吸ぎみに息も荒れ始めるほどに。
そして気が遠くなって……その後の事は覚えていない。
ただ、誰かが僕の名前を呼んでいた気がする。
あの声は誰だったんだろう……。
【レストラン迅凱仙】
こんにちは皆さん。
私の名前はフェイク=ミラージュ。
世界中で知らぬ間に有名になってしまった探偵です。
そして、隣にいるのは寝てるところをぐるぐる巻きにされて無理矢理連れてこられた柴犬刑事こと相棒の雨宮ユリウス。
親しみを込めて【アホ】と呼んでください。
さて、我々はなぜこのレストランに来ているかというと……。
「んんん!!!(フェイクゥ!!)」
「うるさいですよ【アホ】」
「んんんん!!!!!!!(誰がアホだこのやろう!)」
「あなた、しりとりなら今七回敗北してる程に【ん】を使ってますね。 さすがは敗北者」
「んんんん!!!!(このやろう、覚えとけよ!)」
「ちょっと、いい加減猿轡外すんでちゃんと喋ってくださいよっと」
「はぁ……はぁ……フェイク! 私は水晶とこの後デートの予定が……」
「仕事中にデートはいけません。 散々かつての相棒であった彼が弟に会いに行くのを仕事だといって引き留めていたのに、今さらなにを」
「はぁ……水晶には後で謝っておかないとな……ところでフェイク……なぜここに?」
「戦力を整えるためにですよ……」
「戦力?」
「来るべき……秋月楓との決戦のために」
「!!」
雨宮ユリウスはその名前を覚えている。
いや、覚えていないわけがない。
ユリウスはあの日あの時、あの場にいた。
天来学園最終決戦時における、迅凱仙関係者に対する事件の全ての黒幕……元秋月一族宗家の長たる狼獣人【秋月楓】のことを。
「そんな馬鹿な……あの時、やつは彼岸くんが……それに、迅雷くんが犠牲になって……」
「ええ、迅雷くん……全扉の管理人が命を懸けてあいつを黄泉の国へ引きづり落としました……しかし、あいつはとんでもない仕掛けをしていたらしいのです」
「仕掛け?」
「まあその説明はともかく、急ぎ戦力を揃えねば……彼岸くんの身が危ない……!!」
だが、私のこの作戦は失敗でした。
何故なら、レストランの前には臨時休業を伝える貼り紙がされたいたのですから。
『レストラン迅凱仙は明日執り行われる行事の出店のため鳥ノ国【バードランド】へ向かったため臨時休業とさせていただきたく……』
「先を越されました……仕方ありません。 ユリウス、今すぐ我々も向かいます」
「いやそりゃいいけど……まず、拘束をほどけ!!」
「もしもしレイン、今すぐ亜音速ジェット機の手配とここにヘリを……」
「聞け!!このやろう!!」