カメラマン(CM)「は~い、OKです~!ご協力ありがとうございます!」
スーパーウーマン(SW)「どうも、ありがとうございます!」
SW「…でも、本当にこれで大丈夫ですか?あんまり写真には慣れていなくて…」
CM「いえいえ、良い笑顔でしたよ!まさかこうしてスーパーウーマンを撮影できるなんて夢にも思いませんでした…とても光栄です!」
SW「いやはや…私も自分がポスターになるなんて思いませんでしたよ…でも、日ごろから誠三さんにはお世話になっていますから断れなくて…」
CM「まさか、あの堅物警察の御山誠三さんがスーパーウーマンと面識があるなんて想像もつきませんよ!いや~御山さんと知り合いだったおかげでスーパーウーマンと話せるんだ…感激だなぁ」
SW「…私と誠三さんが知り合いであること、秘密ですからね?」
CM「分かっていますよ。一介のカメラマンといえども私はプロです。お客様の秘密は口外しませんよ」
SW「ありがとう。あなたなら信用できそうね。」
CM「写真ができましたら広告会社に依頼してポスターを刷ります。あなたが警察庁のポスターに起用されているのを知ったら、みんな驚きますよ!」
SW「そうねぇ…あまりこういうのは得意じゃなくて…ごめんなさいね」
CM「いえいえ!責めているわけではありません!普段は遠い存在であるあなたがポスターに写っている…それだけで市民はあなたに親近感が湧き、あなたの笑顔を見て喜ぶんです。一方で、犯罪者が見たら、きっと震えあがるでしょうね~!」
SW「それが本来の目的ですからね。震えあがって犯罪が抑止できるといいのですが…」
CM「大丈夫ですよ!スーパーウーマンは悪人の大敵…平和の象徴ですから!」
SW「ふふ、嬉しいわ。ありがとう!」
数日後、スーパーウーマンをモデルに起用したポスターが街のあちこちに貼られた。
悪人の大敵、平和の象徴であるスーパーウーマンが犯罪撲滅を謳うこのポスターは大いに影響力があると思われたが…。
「…ハァ…ハァ…ハァ……ハアァァ!!!」
ドピュッ!ピュっ!!
「…ふ~~~!今日もいっぱい出たねぇ…!」
「はぁ…はぁ…すーぱーうーまん…大大大好きだよ…もっといっぱい僕の精子を受け取ってね…はぁ…はぁ…はぁ……」
普段公的の場においてほとんど姿を現さないスーパーウーマン。彼女を写す写真はといえば、犯罪現場に居合わせた者たちやその野次馬が撮影した写真、あるいは無理矢理囲み取材を敢行するマスコミが撮影した写真程度しかネットに出回っていない。
そのような貴重なスーパーウーマンの写真が、ポスターとして大量に街中に貼られているのだ。スーパーウーマンの多くのファンたちが、いけないと分かっていつつも、次々とポスターを剥がしていったのだった。
…皮肉にも、犯罪抑止を謳うポスターが、犯罪を助長するポスターとなってしまったのだった。