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節分祭の鬼役をやったらお漏らししてしまいました。

 十二月に入り寒さが増して来た今日この頃。

「おはようございます」

 私の職場である観光案内所に二人の男性が相談にやって来た。

「おはようございます」

「おう、おはよう」

 丁寧なあいさつをされた男性はこの町の大事な観光資源である歴史ある神社の宮司さん。

 片手を挙げ陽気なあいさつをされた男性はこの神社の通りにできて、神社と共に長い歴史を歩んだ神社通り商店会の会長さんだ。

「所長さんはいらっしゃいますかな?」

「おお、これはこれは、こちらへどうぞ」

 トイレから戻って来た所長が二人を相談ブースに連れて行く。

「成実ちゃーん、お茶おねがい」

「はい」

 お茶汲みも私の立派な仕事だ。

 私は町内の商業高校を卒業して今年からこの観光案内所で働いている、町内の産科病院で生まれ小中高と町内で育ち町内で仕事をしている生粋の地元っ子だ。

「どうぞ」

 お茶を出した後、席に戻ると三人の話声が聞こえる。

「今年の節分祭は100年に一度の大節分祭になるのですが鬼がまだ決まっていなくて、うちの巫女達に鬼をやらす訳にはいきませんし、先月から商店会長さんと方々をあたっているのですが色よい返事が貰えませんで」

 どうやら今年の神社の節分祭は大きな行事になるらしい、この神社の節分祭は町内外からたくさんの参拝客が訪れ毎年大盛況だ。

「商店会も大節分祭の参拝客を見込んでの大節分祭セールを行うんで、商店会の店からどこも鬼の引き受け手がいなくてね」

「そこで相談なのですが、鬼を引き受けて頂ける心当たりはありませんか?」

「なるほどそういことですか」

 三人の唸り声と鬼の条件が聞こえてくる。

「一層のことプロのモデルでも頼んでみてはいかがですか?」

「それも考えたのですが、町内在住18年以上という条件が満たせなくて、それにその後の事もありますし」

「その後の事も考えると厳しい条件ですね」

 三人の難題は難航している。

「成実ちゃーん、お茶のおかわりお願い」

「はい」

 急須をもって相談ブースに行きお茶を注ぐ。

「おう、ありがとう」

 商店会長さんが私の名札を見て何か気づいた様に言う。

「あれ白玉成実ちゃんってもしかして白玉花園の娘さん?」

「はい、そうです」

「おおそうかそうか、花園の方は手伝わなくていいの?」

「花園は兄が継ぐって決まっていますので、私は好きに外で働いています」

「じゃあさ、成実ちゃん鬼やってよ」

「え、私ですか?」

「成実ちゃんなら町内在住18年以上という条件も満たしているし、何よりかわいいからね」

「えっ、いえいえ私なんて」

 乗せる為の煽てだと分かっていても照れてしまう。

「条件を満たされている上に綺麗な娘さんだ、是非鬼を引き受けて頂けませんか」

 頭を下げる宮司さん。

「そうそう頼むよ成実ちゃん」

 両手を顔の前で合わせてお願いのポーズを取る商店会長さん。

「成実ちゃん引き受けてあげてくれないかね」

 引き受けろと顔で圧力を掛けて来る所長。

 大人の男性に揃って頭を下げてお願いされたら、高校を出たばかりの小娘に躱す話術も断るも度胸も無い。

「は、はあ、私でよければ」

「おお、ありがとうやってくれて助かるよ、宮司さんやっと決まりましたね」

「ええ、本当に助かりました、商店会長さんと所長さんに相談して良かった、お礼を申し上げます」

「いえいえ、成実ちゃんは鬼として好きに使って下さい、勤務時間等やその後の事等も全て融通いたしますので」

「そこまで言って頂けるとはありがたいです」

 こうして私は大節分祭の鬼にされてしまった。


 その日の夕食時に家族に伝える。

「神社の節分祭なんだけど来年は100年に一度の大節分祭なんだって」

「あらそうなの」

「初めて聞いたなそんなの」

「へーそうなんだ」 

 お母さんもお父さんもお兄ちゃんも初耳の様だ。

「それで大節分祭の鬼を私が引き受ける事になったんだ」

「あら、凄いじゃない」

「成実ができるのか?」

 感心するお母さんとからかうお父さん。

「見に行きたいとこだが、組合の旅行と重なってるな」

「そうなんだ」

 うちは組合の役員をやっているので、お父さんとお母さんそれにお兄ちゃんも組合の旅行に参加している。

「大役なんだからしっかりやれよ」

「うん」


 翌日。

 やはり鬼をやるのは不安なので、職場である観光案内所で前回の100年前の大節分祭がどの様に行われたのか調べていたが、中々資料が出てこなかった。

 ようやく見つけたのはこの町の町史の1ページだった。

 そのページには大節分祭の様子と書かれたたった1行の文章と着物を着た女の人が磔にされている白黒写真1枚の写真だけだった。

 磔にされるなんてなんか恥ずかしいな、それで豆を投げられるのかな?

「成実ちゃーん」

 資料室の外から所長が私を呼ぶ声が聞こえる。

「はい」

 町史を棚に戻し所長の席行く。

「大節分祭で使う成実ちゃんの衣装のサイズを取りたいから神社に来て欲しいって、電話が来たから今からすぐに行ってあげて」

「分かりました」


 神社に着くと用度課に通されパーテーションで区切られた中で下着姿にされるとスリーサイズや首回り、その他にもなんでこんな場所のサイズを測るのか意図がわからない場所まで細かくサイズ取りをされた。

「こんにちは、鬼をやられる方ですね?」

 測り終え用度課を出ると、とても綺麗な巫女さんから声を掛けられた。

「はい、大節分祭の鬼をする事になった、白玉成実です」

「私は鬼に折檻する役の巫女をやる、栗時七瀬です」

 この綺麗な巫女さんに私は磔にされ豆を投げらるのか。

「この度は鬼を引き受けて下さってありがとうございます」

「いえいえ」

「大節分祭が盛り上がる折檻をしますので、白玉さんも楽しみにしていてくださいね」

「は、はい」

 この日はこのまま栗時さんに見送られて神社を後にした。

 

 一週間後、大節分祭のビラとポスター用の写真撮影をしたいから来て欲しいと連絡が入り、写真スタジオで撮影が行われた。

 この時に私は初めて鬼の衣装を着る事になった、町史に載っていた白黒写真の女の人は着物だったから、私も着物かと思っていたらとんでもない代物だった、こんな衣装を着て人前で磔にされるのかと思うと、鬼を引き受けた事を後悔した。

 

 観光案内所には年末年始の休みはない。

 大晦日はこの町恒例のカウントダウンイベント、年始は神社の初詣客等々、観光案内所に訪れる人は多い。

 

 成人式の日には来年は私も成人式か等と考えていた。

 

 寒さも一番厳しい時期に入った1月の下旬に神社から、所長に電話が入った。

「成実ちゃーん、午後から大節分祭のビラ配りするから鬼の成実ちゃんにも手伝って欲しいって」

「はい、わかりました」

「大節分祭まで毎日やるとの事だから、成実ちゃんも毎日手伝ってあげてよ、仕事の事は気にしなくていいから」

「はい」

 寒い屋外でのビラ配りは大変そうだ。


 昼食後、神社に向かうと栗時さんが出迎えてくれた。

「こんにちは、今日からよろしくお願いします」

「こんにちは、こちらこそよろしくお願いします」

「今日は隣の市の駅前でビラ配りをしますので、早速着替えをお願いします」

「え、着替えですか?」

「はい、こちらへどうぞ」

 案内されたのは巫女さん達の更衣室だった。

「では、これに着替えてくださいね」

「これですか?」

 用意されていたのはビラとポスター用の写真撮影に使った鬼の衣装だった。

 この鬼の衣装、虎柄のビキニなのだが普通の水着用布地ではなく、光沢のあるゴム製なのだ七瀬さんがラバー生地という物だと教えてくれた。

 これは虎柄がよく目立つ様にと考えてラバー生地になったらしい。

 三角ブラのブラトップとボトムの組み合わせで、ブラトップは首の後ろと背中の二か所でラバー紐を結ぶタイプ、ボトムは左右二か所でラバー紐を結ぶタイプだ。

 そして同じ虎柄のサイハイブーツと二の腕まであるロンググローブに、鬼の角が付いたカチューシャも含めて鬼の衣装セットなのだ、ちなみにサイハイブーツとロンググローブはビキニと同じラバー製だ。

 しかし念入りにサイズを測ったにもかかわらず、ビキニは私には小さい、ブラトップは私の大きな胸が零れそうだし、ボトムは性器に食い込んでしまう。

 サイハイブーツのトップエンドは太腿にぐいっと食い込み、太腿の肉感を高めよりいやらしく見せてくれる。

 ロンググローブの履き口も同様に二の腕にむにゅっと食い込んでくる。

「はい、お願いします」

「わかりました」

 仕方なく着替え始める。

 栗時さんの視線が恥ずかしいが女同士だしまあしょうがない。

「成実ちゃんって肌白くて綺麗ね」

「あ、いや、栗時さんも肌綺麗じゃないですか」

「七瀬でいいよ」

「はい、七瀬さん」

 この虎柄ラバービキニセットを着るのは今日で2回目だが、このラバー生地の肌に吸い付く不思議な肌触りはとても好きだ。

 着替え終わり更衣室を出る。

「あの、なにか羽織る物等はないのですか?」

「ごめんなさいね、何も用意されてないみたいなの」

「そうですか」

 虎柄ラバー衣装のまま職員の方が運転する車で隣の市の駅前のロータリーに向かう。

 この車は神社の社用車のワンボックスカーで荷室には数枚のブルーシートや掃除用のゴム手袋が載っていたりしていた。

「声を出すから少し飲んでおこうか」

 七瀬さんがお茶のペットボトルの蓋を開けて、私に手渡してくれた。

「ありがとうございます」

 七瀬さんも同じお茶を飲んでいる、飲み終えた所で目的地に着き、車から降ろされると2時間後に迎えに来ますと言われ、職員の方は帰ってしまった。

 虎柄ビキニで外に出るのはとても寒いとにかく寒い!

 巫女装束の七瀬さんも寒そうだが、ビキニ姿の私はもっと寒い。

「じゃあビラ配り始めましょう」

「は、はい」

 出来上がったビラを初めて見たが、この虎柄ラバー衣装を着た私と巫女装束の七瀬さんが名前入り写っていた。

 ああ、私の恥ずかしい虎柄ラバービキニ姿を見られて、名前まで知られてしまうんだな。

 ビラの入ったカゴを持ち声を出しながら道行く人達に、手渡していく。

「今年の節分祭は100年に一度の大節分祭です、是非お越しください」

 街中で巫女衣装は確かに目立つが変という訳ではない。

 対して私の虎柄ラバービキニは目立ちすぎるし変すぎる、しかもこの真冬の一番寒い時期の空の下でだ、いや夏場でも街中でビキニは変だがまだましだろう、私を見る人達の目はいやらしい目より『えっ寒くないの?』という目だ、まあいやらしい目で見てくる男もいるにはいるし、写真を撮らせてっていう若い男の子もいた。

 ああ、若い男の子だからSNSとかに上げちゃうんだろうな、今は一回ネット上に上がってしまうともう収集が付かない時代だ、下手したら私が死んでもこの虎柄ラバービキニ姿の私の写真は誰かの目に触れ続けるであろう、いやいつの時代も一度写真に撮られたらいつまでも誰かの目に触れ続けるか、あの町史に載っていた白黒写真の女の人の様に。

 寒さに震えながら2時間のビラ配りをなんとか終えた時には私と七瀬さんの唇は紫になり身体は完全に冷え切っていた。

「成実ちゃんおつかれさま」

「おつかれさまです」

「もう迎えが来ると思うんだけど」

「ええ」

 2時間以上経過しているが迎えの車はまだ来ない。

 この恥ずかしい恰好でただ突っ立て待っているのも、間抜けなので数枚余ったビラを手に持って大節分祭の宣伝していますアピールをしている。

「んぅっ」

 思わずお腹に手を当ててしまった。

「成実ちゃんどうしたの?」

「い、いえ」

「うぅっ」

 今度は七瀬さんがお腹に手を当てた。

「七瀬さん大丈夫ですか?」

「う、うん大丈夫よ」

 冷え切っているせいもあるだろうが、顔が青ざめて見える。

「成実ちゃん本当に平気?」

 私の顔も相当に青ざめて見えているのだろうか、七瀬さんが心配そうに声かけてくれる。

「じ、実を言いますとトイレに行きたくて」

 1時間前ぐらいから便意と尿意の両方が来ている、やはり冷える屋外にこんな恰好でいたからだろうか。

「私もそうなの、早く迎えが来てくれるといいんだけど」

 七瀬さんも相当にトイレに行きたい様子だ。

 その後も寒さと尿意と便意に震えながらも10分20分と待ったが迎えは来なかった。

「七瀬さん、どこかでトイレを借りませんか?」

「えっ、うーん、そうねどこかで」

 そういう七瀬さんも苦悶の表情だ。

 私の便意と尿意は限界を超えそうだったその時。

「こんにちは、すいません」

 マイクを持った男性が七瀬さんに声をかけた、その後ろにはテレビカメラを持った男性もいる

「はい、なんでしょうか?」

 苦悶の表情から笑顔に切り替え応える七瀬さん。

「生番組の外回りリポート中なんですがちょっとお話しを聞かせ下さい、今日お二人はどの様な事でこの寒空の下、巫女装束とビキニ姿なのですか?」

「はい、私が巫女を務めている神社では毎年、節分祭を催していますが今年は100年に一度の大節分祭なので、こうしてビラを配らせて頂いています」

「そうだったのですか、じゃあ貴方は本物の巫女さんなんですね」

「は、はいそうです」

 七瀬さんの笑顔は長く続かなかった、既に苦悶の表情に戻ってしまっている。

「では、そちらの貴方はなぜビキニ姿なのですか?」

 テレビカメラが来た事で、足を止め私達のやりとりをスマホで映している人達も何人か現れている。

「は、は、はい、私は大節分祭の鬼に選ばれまして、鬼の衣装でび、ビラ配りをして、い、いました」

「いやーなんとも刺激的な鬼のコスチュームですね」

 カメラが虎柄ラバーサイハイブーツに包まれた爪先から、ぎゅっと性器にくい込みクリトリスを押し潰している虎柄ラバービキニのボトムをアップで映し、そのまま寒さで乳首が勃起してしまって乳首が浮き出ていて胸が零れそうな虎柄ラバービキニを映す。

 なんともいやらしいカメラワークだがそんな事を気にしていられないまでに便意と尿意はもう限界だ。

「そのまま後ろを向いて下さい」

「えっ」

 内股になっている足を少しでも動かしてしまったら、もう漏れてしまう。

「ささ、どうぞ」

 リポーターはそんな事情お構いなしに急かしてくる。

「えっでも」

「早く早く、今生放送中だから」

 もう後ろを向かないと引き下がらない様だ、漏れない様に慎重に周り始める。

「やっぱりだめ、ごめんなさい」

 ぶちゅぅ。

 カメラにお尻を向けた瞬間、私のお尻は限界を超えてしまった。

「いやいや、良いお尻じゃないですか」

 ぶちゅうううーぶぱっ。

 ラバービキニのボトムのお尻が下痢便で盛り上がって行ってるのがわかる。

「いやああ、撮らないでください」

 ぷしゃああっ。

 今度は尿も漏れてしまった。

「うわっ、なんだこれ漏らした?」

「成実ちゃん!?」

 リポーターと七瀬さんが驚く。

「あ、私もごめんなさい、見ないでっ!」

 七瀬さんも驚いた拍子に漏らしてしまった、しかも下痢便と尿をを同時に。

 私のラバービキニボトムが抑えきれなくなった下痢便と尿が縁からはみ出て、冷え切った太腿に生暖かさ感じさせながら伝わり降りていく。

 七瀬さんは巫女装束の緋袴の全面を大量の尿で濡らし、足を伝わって降りて来た下痢便で白い足袋を茶色に染めていた。

「え、えっ?」

 二人の情けないお漏らし姿を見たリポーターとカメラマンは困惑していた。

「あ、え、えーっと現場からは以上でした」

 どうやら生中継は終わった様だ。

「あ、まあ、どうもね」

 そういうとりポーターとカメラマンはその場をそそくさと立ち去っていった。

 インタビューなんてされなかったら、どこかにトイレを借りに行け、漏らす事なんてなかったのに、そんな思いがこみ上げてしまう、しかも下痢便と尿を漏らした姿をテレビに晒された。

「成実ちゃん大丈夫?」

「は、はい、いやぁっ」

 ぶりゅうぅぐちゅちゅ。

 まだ下痢便が出きっていなかった為また漏らしてしまった。

 足を止めスマホで撮影していた人達はまだ遠巻きに私達を撮っている。

「す、すいませ、ん、今は撮らないで頂けます、か、いやあっ」

 ぶっぶっぶちゅっ。

 七瀬さんが撮影している人達にお願いするが、やはり七瀬さんも下痢便が出きっていなかった様でまた音を立てて漏らしてしまった。

 私達が恥ずかしがる姿が周りの人達の加虐心を焚きつけてしまったかの様にスマホを構える人達が増えていってしまった。

 私達は恥ずかしさとまだまだ来るお腹痛みの波が来る度に下痢便を漏らしてしまっていたので、この場を動けなくなってしまっていた、周囲の加虐と好奇の視線から解放されたのは迎えが来た時だった。

 結局、迎えが来たのは約束の時間から1時間も後の事だった。

 迎えに来てくれた方と一緒に地面に落ちてしまった下痢便を泣きながら処理した。

 神社の社用車に戻るとウェットティッシュを渡され、お尻や足に付いてしまっていた下痢便を処理した。

「ちょっと待ってね」

 そういうと座席や床を汚さない様に後部座席全体にブルーシートを広げてくれた。

 シートベルトをしてもベルトは汚さずに済みそうだ。

 車を走り出させ迎えの方が不思議そうに呟く。

「この車にブルーシートやゴム手袋にビニール袋や大量のウエットティッシュなんて載せてた事なんてなかったのに、なんで今日に限って載っていたんだろう、まあおかげで助かったけど」

 神社に戻りシャワー室で綺麗にさせて貰い更衣室に戻った。

 同様にシャワー室から七瀬さんも更衣室に戻って来た。

「成実ちゃん大丈夫?」

「ええ」

「今日はこんな事になってしまってごめんね」

「いえ、七瀬さんも大変だったし」

「ううん、私はいいの」

 七瀬さんが申し訳なさそうに切り出す。

「こんな事になってしまった後で申訳ないのだけど、明日からもビラ配りをお願いね」

「えっ」

 やはりか。

「明日以降のビラ配りする場所も以前から伝えてあるから、今更ビラ配りは中止しますっていう訳にはいかないのよ」

「わかりました、明日からもやります」

 上司である所長に神社に全面協力させますって言われて来ているのだから、神社の指示に従うしかない。

「ありがとうね」

 ほっとした様子の七瀬さん。

「成実ちゃんの衣装は私が責任もって綺麗に洗って消毒しておくから、安心してね」

「え、いや、それは私がやりますから」

 他人に自分の汚物で汚した物を洗わせるなんてとんでもない。

「いいのいいの私に任せて」

 七瀬さんに押し切られてしまった。

「わかりましたお願いします」

 この日は汚れた衣装の処理を七瀬さんにお願いして神社を後にした。

 翌日以降も恥ずかしい虎柄ラバービキニ衣装で寒空の下、ビラ配りを続けたが初日の様に漏らす事はなかったが、日に日に私と七瀬さんをスマホで撮る人達が増えて行った様な気がしていた。


 そしてこの冬一番の冷え込みの朝、遂に大節分祭当日を迎えた。

 

 空は今にも雪が降って来そうな厚い雲に覆われていた、今日に限ってこんなに冷え込むなんてついていない。

「おはようございます、今日はよろしくお願いします」

「おはよう、よろしくね」

 今日は巫女さん達の更衣室ではなくて、控室と書かれた一室に案内された。

「ここは催し物をする時に演者さん達に使って貰っている部屋なの、今日はここで準備するからね」

「はい」

 控室には私の虎柄ラバービキニ衣装が用意されていた。

「やっぱり私、磔にされるんですか?」

「んー、鬼にする事は前もって言ってはいけない決まりなのごめんね」

 だから今まで当日の流れの打ち合わせとかリハーサルなんていう物はなかったのか。

「今日は成実ちゃんにはちょっとキツイ事するかもしれないけど頑張ってね」

「キツイって一体どんな事を」

「ごめんねそれは言えないの」

 不安を掻きたてられる。

「だから成実ちゃんがどんな鬼なのか言い伝えを教えるね」

 そういえば鬼を引き受けたけど、どんな鬼とかは考えた事もなかった。

「成実ちゃんがなった鬼はね、大昔にいたそれはそれは美しく若い女の鬼で」

 若くて美しい女の鬼だったのか少し照れるな。

「男が夜に便所に行くと便所に現れてその男を誘惑して、性交してしまう鬼なの」

 思ったよりとんでもない鬼だ。

「ただ性交するだけならいいけど、美しい女鬼の性器は大変な名器だったとかで、一度味わうと人間の女では満足できなくなってしまうどころか現を抜かし仕事も手に付かない状態になってしまい、困り果てた女達が神社の巫女に女鬼を捕まえて折檻して欲しいと頼まれ、巫女が折檻したという言い伝えなの」

 折檻した、だから100年前のあの白黒写真の女の人は磔にされていたんだ。

「だから成実ちゃんはちょっとキツイかもしれないけど頑張ってね」

「は、はい」

 リハーサル等が無かった理由は分かったが疑問が浮かんだ。

「あの私はなにか演技とか喋ったりしなくていいのですか?」

「そこは安心して、私が鬼を折檻する為に用意した物を全部使うまで有無を言わさずやるだけだし、セリフとかも無くていい様に成実ちゃんには最初から猿轡をして舞台に連れて行くから」

 セリフや演技が無くていいのは安心だけど猿轡は怖いな。

「そろそろ準備しておこうか、まずは着替えて」

「はい」

 七瀬さんに言われ虎柄ラバービキニ着て、虎柄ラバーロンググローブを嵌めて、虎柄サイハイラバーブーツを履いて、鬼の角付きカチューシャを付ける。

 これを着るのも今日で最後か、この衣装の肌触りはとても好きになってしまったので名残惜しい。

 ちょうど着替え終えると。

「そろそろ出番なので準備をよろしくお願いします」

 控室に連絡が来た。

「猿轡をするから、喉が渇かない様にお茶を飲んでおきましょう」

 七瀬さんがお茶のペットボトルの蓋を開けて、私に手渡してくれた。

「ありがとうございます」

 七瀬さんも同じお茶を飲んでいる。

「言葉が出せない様にきつめの猿轡をするからね」

「は、はい」

「じゃあ大きく口を開けて」

 言われた通りに大きく口を開けると。

「んぅっ!?」

 丸めた布を口に詰め込まれた。

「吐き出しちゃダメよ」

「ううっ」

「前は手ぬぐいの猿轡を使っていたみたいだけど、今回は成実ちゃんが着ているラバー衣装に合わせて、ボールギャグを用意してみたの」

 ボールギャグ、SM愛好家達が使う変態道具、そんな物を付けられてしまうのか。

 口の中にボールが押し込められて、頬にベルトが這わされ後頭部でベルトバックルが止められると、カチリと小さな音がした。

「バックルに南京錠を掛けたから、もう鍵無しじゃあボールギャグは取れないし、成実ちゃんは喋れないからね」

「んふっ!?」

 口の中の布ごと上下の前歯より奥側に押し込まれたボールを、押し出そうとしてみたがまったく動かなかった。

「舞台に鬼を連れて行く為の緊縛をするね」

 縛られてしまうんだ私。

 手首を背中側の高い位置で交差した状態で緊縛が始まる。

 交差した手首に縄が巻かれその後、二の腕、胸の上下に回り首の付け根の左右に回り再び背中側で結ばれる、緊縛が終わると手首と腕が動かなくなってしまった。

「成実ちゃん見て、凄く綺麗」

 七瀬さんに姿見の前に連れて来られた。

「んふぅ」

 自分で見ても綺麗だなと思ってしまった、大きな胸は上下に走る縄の上側の縄で押し潰されて前に飛び出しより大きく見えるし、ボールギャグを咥えた口は大きく開いて締まりがない、全身が淫猥だ。

「これでよしと」

 首に縄を巻かれ縄尻を七瀬さんが持つ、この縄に引かれて舞台に連れ出されるという訳か、なんとも屈辱的だ。

「出番です、お願いしますね」

 再び連絡が来ると、私は竹製の鞭を持った七瀬さんに縄を引かれて拝殿前に作られた高さ2メートル程の舞台の袖にある、紅白の幔幕で覆われたテントの中に来た。

 屋外とは言え大型の石油ストーブが置いてあり、この中は暖かい。

 ここで七瀬さんはピンマイクを付けられていた。

 年男、年女、ゲストとして来られている町内出身のプロスポーツ選手の舞台上からの豆まきが終わった様だ。

「いよいよだからね」

 私はこくりと頷く。

 舞台脇に設置されたスピーカーから声が聞こえる。

「この神社に伝わる言い伝えに、大昔男を誘惑するそれはそれは美しい女鬼が居たとあります、誘惑された男は現を抜かし仕事が手つかずになってしまい、困り果てた女達がその女鬼を捕まえて折檻して欲しいとこの神社の巫女に頼みに来ました、女鬼を折檻する巫女の姿をご覧ください」

「さあ行くよ」

 頷いた私、七瀬さんに引かれテントを出た瞬間。

 寒い! 本当に寒い! 一瞬にして全身に鳥肌が立ってしまった。

 あっえっちょっとまって下さい、お、お腹が痛い!?

 七瀬さんに伝えたくても言葉にできず、七瀬さんに首の縄を引っ張られて、そのまま舞台へ上がる階段を上ってしまった。

 舞台の上から参拝客を見渡すとかなりの人数だ500人程いそうだ、この中には同級生や私の事を知っている人達が何人かいるんじゃないかと考えると恥ずかしさが増してくる。

 舞台の上には高さ2メートル程の2本の柱が立っており、左右の間隔は3メートル程空いていた。

 十字架の磔を想像していたが、どうやら違う様だ、あの柱の間に立たされてなにかされるのだろうか?

「ようやく捕まえたぞ女鬼め」

 七瀬さんの先程までとは違う、凛とした声がスピーカーからも聞こえる。

 七瀬さんは舞台の先端で左右の端から端まで私を連れていき、参拝客に私を見せる。

 七瀬さんの凛々しい巫女装束か、私の虎柄ラバー衣装か、七瀬さんによる見事な緊縛か、参拝客から大きな歓声が上がる。

「今日はお前が十分反省するまで折檻してやるからな」

 2本の柱の間に私を連れて行くと、二人の巫女さんが舞台に上がって来た。

「暴れぬようぬ縛り付けてやる」

 七瀬さんに緊縛を解かれると、二人の巫女さんに両手を水平になるまで引っ張られて、七瀬さんに手首を縛られ縄尻を左右それぞれの柱に結びつけられた。

 両足は大きく開かされ足首を縛られ左右の柱に結びつけられた。

 私は2本の柱の間で大の字になって動けなくなってしまった。

 私の固定が終わると二人の巫女さんは舞台から下がった。

「まずはお前のその美しい顔を歪めてやろう」

 七瀬さんが紐付きの金具を取り出し、私の鼻に金具を引っ掛けると紐をぐいっと後ろに引っ張り、ボールギャグのベルトに固定してしまう。

「美しい顔が台無しだな」

「んぐぅ」

 鼻が大きく上を向き鼻の穴が丸見えだ、鼻フックをされるなんて考えてもみなかった。

 参拝客から大きな笑い声が聞こえる、この笑い声が私の恥ずかしいと思う感情をより煽り立てる。

「氷水でも被って反省しろ」

 先程の二人の巫女さんが氷水が入った桶を手に舞台に上がって来る。

 ま、まさか、この寒空の下で本当に氷水なんて掛けないよね? だって今日は今年一番の冷え込みの日だよ?

 びしゃびしゃ、びしゃびしゃ。

「んんぅーんっー!」

 そんな考えも虚しく、両肩から氷水を掛けられてしまった。

 参拝客から、おおおっー! だの、冷たそう! だのと声が上がる。

 冷たい! 冷たい! 冷たくて痛い、寒いよう、せめてしゃがみ込んで両手体を覆いたいけどこの状態では無理だ。

「まだ、反省のはの字も見せないとは強情な女鬼め」

 氷水を掛けられてか、舞台に上がる前に感じた腹痛が一気に大きくなってしまった。

「この大きな胸で男を誘惑したのか?」

 七瀬さんが私の胸を鷲掴みする。

 鷲掴みにした七瀬さん手から温かさは感じなかった、七瀬さんも既に相当に冷えている様だ。

「んっんっ」

 私がいやいやっと顔を振ると。 

「おとなしくしろ」

 パンッ! 

 七瀬さんに頬を平手打ちされた。

 私は思わずぽろっと涙をこぼしてしまった。

「そんな嘘の涙で許して貰えると思ったの浅はかな女鬼め」

 参拝客の方を向いてそう言った後、一瞬こちら向いて目で私に『成実ちゃんごめん』と言ってくれた。

「浅はかな女鬼め、反省せぬなら鞭打ちだ」

 やはり七瀬さんが手に持つ鞭で打たれるのか。

 ビシッ! 太腿を打たれた。

「んんっ!」

 冷え切った体に打たれる鞭は想像以上に痛い苦痛に顔が歪む、ただこの苦痛の顔の歪みは鞭の痛さだけではなかった、便意による腹痛も合わさっている。

 ビシッ!

 ビシッ!

 痛い!

 ビシッ!

 ビシッ!

 痛いよう!

「まったく女鬼め、また氷水を掛けてやろう」

 またもや二人の巫女さんが氷水が入った桶を手に舞台に上がって来る。

「んんんぅんんんぅ」

 やめてやめてと首を振るが。

 びしゃびしゃ、びしゃびしゃ。

 お構いなしに両肩から氷水を掛けられてしまう。

 参拝客からも、大きなどよめき声が聞こえる。

「これで鞭ももっと痛かろう」

 お尻や背中を容赦なく鞭打ちされる。

 ビシッ!

 ビシッ!

 痛い! 冷たさで痛さが増す、増したのは鞭の痛みだけではない。

 そう氷水を掛けられ便意による腹痛が急激に膨らみもう限界だ。

 七瀬さんが前に回り、参拝客の方を向きながら喋る。

「女鬼め、人間用の鞭では痛くも痒くもないか、ならばここを打ってやろう」

 七瀬さんが私の方を振り向き、下から上へ鞭を一閃させた。

「んんんんぉんっぉがぁっーー!!!!」

 言葉にならない呻き声をあげる私。

 そう七瀬さんは私の股間、性器を狙って鞭を打ち上げたのだ、その鞭は見事に性器のど真ん中に命中して性器の割れ目とクリトリスに強烈な衝撃を与えた。

 人生で初めてのこんな強烈な衝撃を、しかも女が一番敏感なクリトリスに受けてただで済む訳がない。

「んぅんぅぃんやぁ!?」

 ぶぱっ!

 恥ずかしいおならが虎柄ラバービキニのボトムの中に放たれる、ラバーという空気を漏らさない素材におならの空気が当たり派手な音を立てる。

 ぶちゅううううううっぶぱっ!

 間を開けずにラバービキニの中は下痢便で溢れかえってしまった。

「んんぅんぅ」

 終わりだ、こんな大勢の人達の前で、下痢便を漏らしてしまった。

 助けを求めるかの様に七瀬さんの方を向くと、七瀬さんには恥ずかしいおならと下痢便脱糞音が聞こえていた様で、柱の脇に置かれていた氷水が入っていた桶をさりげなく、私の股間の真下に動かし、後ろに回りラバービキニのボトムのお尻側だけをずらしてくれた。

 ステージに直に落ちたり、足を伝わり汚す範囲が増えるよりかなりマシだ。

 下痢便がお尻からびちゃびちゃと桶に入っていく。

 ステージの下から女性の悲鳴や男性の興奮した声が聞こえる。

「きゃー汚い!」

「うおっ、うんこ漏らしてる!」

「きったねえな!」

「あれ本物の便なの!?」

 ぶちゅっびちゃ。

「まだうんこ出してやがる」

 じょろろろろろっ。

「今度はしょんべんかよ」

 罵声と蔑みの声が冷え切った体に刺さる。

 七瀬さんの凛とした声がスピーカーから聞こえる

「糞尿を漏らし少しは懲りた様だな女鬼、お前は今後一切人間の男と性交出来ない様に、神様が用意してくれた貞操帯を付けてやる」

 え、貞操帯?

 木箱と桶を持った巫女さんが舞台に上がって来た。

 七瀬さんが木箱から貞操帯を取り出し参拝客に見せる。

「この鉄の貞操帯をなら女鬼でももう自分で外す事はできないからな覚悟しろ」

 七瀬さんが私の脇に立つと虎柄ラバービキニの上下を脱がした!

「おおー丸見えだ」

「でけえおっぱいだ」

 参拝客から特に男性の歓声が大きくあがった。

「んんんんんっんやー!?」

 パンッ!

 いやいやと大きく首を振る私の頬に七瀬さんの平手が再び飛んできた。

「いい加減おとなしくしていろ」

「んずっ」

 鼻フックで鼻の穴を大きく晒している鼻から、恥ずかしい鼻水が垂れてしまい情けなさで項垂れてしまう。

「まずは糞を漏らして汚らしい尻を綺麗にしてやろう」

 飴色の目立ちにくいゴム手袋を付けた二人の巫女さんが、ティッシュで綺麗に拭き取った後、桶に入っていた氷水で濡らしたタオルで更に綺麗に拭き上げてくれた。

「さあ貞操帯を付けてやろう」

 ウエストの内側と縁がゴムで覆われたステンレスベルトを巻き付けらる。

 背中側から股間を通るステンレスベルトは縁のみゴムで覆われていて、お尻の穴の部分はぽっかりと空いている、性器の部分は細長いスリットが空いており、その上を細かな穴がたくさん開いている板が覆っている。

 前面でウエストベルトと股間ベルトの合わさった場所で南京錠で施錠されてしまった。

「この男を誘惑する大きな胸も鉄のブラジャーで封じてしまおう」

 私の大きな胸にゴムで縁取りされたステンレス製のお椀が覆いかぶされ、横からステンレス製のベルトが背中に回り背骨の上で施錠され、全面のお椀とお椀の間からV字状に伸びた鎖が肩を通りステンレスベルトの左右肩甲骨辺りで施錠された、お椀とお椀の間の鎖は下側にも2本伸びており、貞操帯のウエストベルトの左右の体側面の位置で施錠された。

「また糞を漏らされたら堪らないからな、尻にこれを入れてやろう」

 七瀬さんが木箱から袋の付いた太い張型を取り出した。

 ま、まさかそれお尻にいれるなんて事はないよね。

 また七瀬さんに頬を平手打ちされるという恐怖からか、小さくしか首を左右に振れない。

 固唾を飲んで、貞操帯装着ショーを見ていた参拝客からまたもや歓声が上がる。

 お尻になんて入れた事ないのに!

「んぅうんぅう」

 七瀬さんが後ろ回り、貞操帯の股間ベルトのお尻の穴の位置にぽっかり空いている穴から、お尻の穴に張形の先端を当てる。

「女鬼はこっちでも男でも誘惑するのか?」

 言いながらゆっくりと入れて来る。

「んふっんふっんふっんふっんふっんふっ!」

 少しづつ入って来る張形に合わせて豚鼻から、空気を吐き出してしまう。

「まったく女鬼めこちらも好きとはな」

 一番太い部分が括約筋を通り越したようで、どうにか入りきった様だ。

「勝手にひり出さない様に固定してやる」

 上蓋で固定され施錠されてしまった、股間ベルトからは袋だけが垂れ下がって見えている。

「今、お前に入れた張形は中が空洞になっていて、糞が中と通って貞操帯の外に垂れ下がっている袋の中に落ちる仕組みだ、これなら糞で汚す事もないから好きなだけ糞を漏らせ」

 七瀬さんは言い終えると同時に私のお腹を激しく揉む。

「んんぅ」

 肛門の括約筋の開閉ではなく張形の空洞を通るので音もなく静かに、袋の中に下痢便が垂れ落ちた。

「やはりまだ糞を漏らすか」

 七瀬さんが私の頭を掴み豚鼻顔を参拝客の方に向ける。

「姫の様に美しかった女鬼も顔を歪められ、糞と垂れ流していては形無しだな」

 私の鼻フックで豚鼻にされた豚顔と、七瀬さんの凛として演技している綺麗な顔がこれ見よがしに並ぶ。

「これでもう二度と男を誘惑できないだろうし、現を抜かしていた男達もこんな姿を見せられたら我に返るだろう」

 再び二人の巫女さんが舞台に上がって来て左右の柱の横に立つ。

「お前のその情けない姿を男達に見せてやらねばな」

 七瀬さんが木箱から貞操帯と同じ意匠のステンレス製の首輪を取り出し、私の首に巻き付け後ろ側で施錠する。

 二人の巫女さんは手枷を取り出し手首の縄を解き手枷を付けた後、背中側で手枷同士を極短い鎖で繋ぎ施錠する。

 七瀬さんが鎖を取り出し首輪の前側にある丸環に鎖を繋ぎ施錠する。

 二人の巫女さんは足枷を取り出し足首の縄を解き、足枷をつける、足枷同士には鎖は付かない様だ。

 スピーカーから案内が流れる。

「これより巫女はもう女鬼は男達を誘惑できなくなったと皆に伝えるべく、情けない姿になった女鬼を見せて回ります」

 放送が終わると、七瀬さんに首輪の鎖を引かれ舞台を降りた。

 紅白の幔幕で覆われたテントの中に入ると舞台で私の下痢便を拭いてくれたりした二人の巫女さんから笑顔と拍手で迎えられた。

 これには少し驚いた、てっきり漏らした事を怒られると思ったからだ。

「成実ちゃん最後もうひと頑張りしようね」

 舞台上の凛とした顔ではなくいつも優しい笑顔の七瀬に戻っていた。

「んんぅ!?」

 これで終わりじゃないの!?

 やっと極寒と羞恥と腹痛から解放されたと思ったのに。

「最後は境内を通って神社を出て、商店街を往復するから頑張ろうね」

「んんうぅ」

 この格好で神社の外にまで出されて見世物もされるのか。

 放送が聞こえる。

「巫女が情けない姿の女鬼を街に見せに回ります」

 七瀬さんが凛とした表情になる。

「行きましょう」

 七瀬さん鎖を引かれテントを出ると、小雪が舞い落ち始めていた。

 七瀬さんと私に続き、二人の巫女さんは薙刀を持って後に続き、その後ろには神社ののぼりを持ったビラ配りの時に車で送り迎えをしてくれた職員さんと数人の警備員さんが着いている。

 お尻の穴に差し込まれた張形の違和感に耐えながら、一歩一歩歩いて行く、歩く度に括約筋がみちみちと音立てる、まさか裂けたりしなよね?

 小雪が舞い落ちる中、鳥居をくぐり商店街に出た。

 巫女と女鬼の一行が商店街を歩くとかなりの見物客が居る、スマホで写真を撮る人もいれば、本格的な一眼レフで撮る人も大勢いた。

 ああ、また今撮られている写真もSNSや画像投稿サイトに、私の意思とは関係なく面白半分で上げられてしまうんだろうな。

 そんな事を考えながら歩いていると、ボールギャグから涎が垂れ始めた。

 今まで口の中に詰め込まれた布が、涎を吸い取って口から零れる事が無かったが、布が涎塗れになり無理矢理開かされている口から涎がだらしなく溢れ垂れ始めたのだ。

 七瀬さんや薙刀を持った二人の巫女さんは小雪の舞う商店街でも絵になるが、鼻フックで豚鼻にされた鼻から鼻水を垂らし口からは涎を垂らして、後ろ手に施錠されお尻から下痢便の入った袋を垂れ下げ、首輪から伸びる鎖を引かれている私は醜く惨めだ。

 それでも私の豚鼻顔や下痢便入り袋、貞操帯にレンズを向けてくる。

 寒さも一段と増し、歩いているとまだ続いている腹痛の波が襲って来る度に、ぼとっぼとっと袋の中に下痢便が落ちていく。

 ひっ、商業高校で同じクラスだった佐藤さんのお店の前を通る、佐藤さんがお店の前で見物してないように祈る。

 無駄な祈りだった、佐藤さんはお店の前で見物しており、『白玉さーん』と私に声を掛け、顔を向け目を合わせた途端に『ぷっ』と吹き出していた、私は佐藤さんに笑われた時に全身から火が出る様な恥ずかしさを感じ、ぼとぼとと下痢便を袋に落とした。 

 豚鼻顔と下痢便漏らし、どちらが恥ずかしい? と聞かれたらもちろん両方恥ずかしいと答えるが、下痢便漏らしは生理現象と自分に言い訳できるし同情してくれる人もいるだろう、一方七瀬さんに鼻フックを付けられて醜く歪められた豚鼻顔はただ惨めで笑いものだ、特に同じ女性からの蔑みの笑い声が大きい。

 佐藤さんもスマホを構えていたので商業高校の時のSNSグループに私の豚鼻貞操帯姿が晒し物になる事は確定だろう。

 佐藤さんは商業高校を卒業して実家のお店で働いている、佐藤さんは鬼役を頼まれなかったのだろうか? 佐藤さんはこの商店街にあるお店が実家なのだから、佐藤さんが引き受けてくれれば良かったのに。

 寒さと恥ずかしさとお尻の違和感に耐えながら、商店街を往復して再び鳥居をくぐり神社に帰って来た。

 舞台ではなくそのまま控室に連れて来られた、やっとこれで鬼が終わるんだ。

 両親と兄にこんな姿を見られなくて本当によかった、人前で娘が下痢便を漏らすなんて、恥じ以外何もないだろう。

 控室で私と七瀬さんの二人きっりなると、ようやく鼻フックを外し鼻水を拭いてくれた。

「成実ちゃんおつかれさま、成実ちゃんのおかげで大節分祭は大成功だよ」

 私が舞台で下痢便を漏らしてしまっても大成功と言ってくれてほっと安心した。

「ボールギャグも外すね」

 やっと喋れる。

 七瀬さんが後ろ側の南京錠を開錠して、ベルトバックルを外し口の中からボールギャグを取り出してくれる。

「口の中の布、変な味しなかった?」

「へっ?」

 まだ口の中に布が残っているのでまぬけな発音をしてしまう。

「成実ちゃんの口の中に詰めた布はね」

 七瀬さんが口の中から涎塗れの丸められた布を取り出し、私の目の前で広げて見せる。

「そ、それって!?」

「そう、パンツ、しかも私が昨日一日中履いていたパンツ」

「そ、そんなどうしてそんな物を!」

 七瀬さんがドアの鍵を掛けた。

「それはね成実ちゃんが可愛かったから」

「えっ」

「初めて成実ちゃんを見た時にね私思ったの、こんな可愛い女の子なんだから絶対に変態マゾ女にしてあげなくちゃってね」

「そんな、私なんかより七瀬さんの方が綺麗じゃないですか」

 自分の顔に自信が無いと言ったら嘘になる、だが七瀬さんの方が綺麗と言ったのは本心だ。

「ふふ、ありがと」

 いつもの笑顔じゃない妖艶な笑みを浮かべる七瀬さん。

「あ、あのその前にこの貞操帯を外してください、あのお尻が」

 お尻の穴が広げられ過ぎて限界だし心配だ、とりあえず張形を抜きたい。

「あら、その貞操帯はもう外せないわよ?」

「えっ、なんで」

「舞台に上がる前にどんな鬼だったのか言い伝えを教えてあげたでしょ、その言い伝えには続きがあるの」

 酷い淫らな鬼だった。

「巫女に折檻され懲りた女鬼は鉄の褌を履かされて、死ぬまでこの神社の巫女に管理された、という言い伝えなの」

 女鬼は死ぬまで鉄の褌を履いていた?

「まさか、わ、私も死ぬまで貞操帯を付けてるなんて事ないですよね?」

「そのまさかよ」

「そんな!」

「現に100年前の大節分祭で女鬼になった女性は死ぬまで、貞操帯を付けられていたわよ」

 私は思わず床にへたり込んでしまった。

「風呂に入る時も基本的には付けたままだけど、まあ週に2~3回は外して性器とお尻を洗っあげるけどね」

 あの日、所長がプロのモデルに頼んではどうか? と言った後に宮司さんがその後の事もあるって言っていたのはこの事だったんだ。

 商店街の女の人達は女鬼になると死ぬまで貞操帯を付けられてしまうって知っていたんだ、だから女鬼になるのを理由を付けて断っていたんだ。

 あの時断っておけばと悔やんでも悔やみきれない激しい後悔の念が沸き上がってくる。

「成実ちゃんは私が巫女で居る間に、変態マゾに調教してあげる」

「そんなの嫌です!」

「あらちゃんと『成実を変態マゾに調教して下さい』って言わないと週2~3回の貞操帯を外しての性器とお尻洗いもなくなるわよ」

 背に腹は代えられない。

「ぐっ、成実を変態マゾに調教して下さい」

「額を床に付けて言いなさい」

 言われた通りに額を床に付け言い直す。

「成実を変態マゾに調教して下さい」

「よく言えました」

 床に付けた額の後頭部に重みを感じる、七瀬さんが足を乗っけたのだ。

 草履で頭を踏まれるなんて酷すぎる。

「顔を上げていいわよ」

 顔を上げて七瀬さんに言う。

「七瀬さんはサディストだったんですね」

「私がサディスト? ふふ」

「違うんですか?」

「私はね」

 七瀬さんがおもむろに緋袴と白衣を脱ぐ。

「えっ」

 七瀬さんはブラジャーとパンツは着ていなかった。

「私は変態マゾ巫女よ」

 そう七瀬さんの胸は縄で絞りだされ、パンツの代わりになんとおむつを穿いていたのだ。

「成実ちゃんが舞台で下痢便を漏らした瞬間にね、私も一緒におむつの中に下痢便を漏らしたの」

 七瀬さんはおむつのお尻の部分を撫でる。

「成実ちゃんはすぐにお尻を綺麗にして貰っていいよね、私なんて未だにおむつの中は下痢便塗れなんだよ?」

「どうしてそんな事を」

「変態マゾ巫女って言ったじゃない、今日も本当は成実ちゃんみたいに人前で下痢便を漏らしたかったけど、今日は舞台の後に成実ちゃんを商店街往復させなくちゃいけなかったから、代わりにおむつの中に下痢便を漏らして不快な下痢便のぐちゃぐちゃした感触を楽しんでいたのよ」

「今日もって、じゃあビラ配りに初日に七瀬さんが漏らしたのはわざとなんですか?」

「ええそうよ、成実ちゃんと一緒にお茶飲んだでしょあれに即効性の下剤と利尿剤を入れたのよ」

「酷いです!」

 寒さのせいで腹痛が来たと思っていたら下剤を飲まされていたなんて。

「巫女装束で人前でうんちやおしっこを漏らして見て貰いたいっていう変態マゾ巫女の願望の一つが叶ったわね、しかも変態ラバー衣装着てる成実ちゃんも一緒に下痢便を漏らさせる事に成功したし」

 あの時からもう七瀬さんの私に対するマゾ調教は始まっていたんだ。

「テレビ番組にインタビューされて下痢便漏らし姿をカメラに撮られたのは嬉しいハプニングだったけどね、成実ちゃんネットで自分の事を調べた?」

「い、いえ」

「成実ちゃん凄いわよ、ラバー鬼コスチュームのうんこ漏らし女って、本名付きでSNSや画像投稿サイトで話題になってる」

「やっぱり」

 私はあの日以来なるべくネットを使っていなかった、自分のSNSも何一つ見てなかった、もしかしたらネットで私のお漏らし姿が晒されているかもしれない、そう考えると怖くて堪らなかったからだ。

「私はうんこ漏らし巫女って本名付きで晒されてるけどね」

 七瀬さんは悲観していない。

「うんこ漏らし巫女って、私が巫女を辞めても一生言われ続けるなんて、変態マゾ巫女として最高の烙印だわ」

 七瀬さんが白衣を着て緋袴を穿くとちょうどドアがノックされた、そのまま素早く鍵を開錠してドアを開ける。

「どうぞ」

 控室に入って来たのは宮司さんだった。

「白玉さん、鬼を引き受けて頂き本当にありがとうございました、おかげで大節分祭は大盛況となりました」

 頭を下げる宮司さん。

「い、いえ、あの私はこれからどうなるのでしょう?」

 不安で思わず聞いてしまう。

「これからの事は神社に任せて頂き、貞操帯の事等は栗時さんに一任する事が決まっていますので安心して下さい」

「は、はい」

 やっぱりこれからの事は全て七瀬さん次第なんだ。

「それと栗時さん、今日の鬼への折檻の成功を考慮して栗時さんがこの神社を退職するまで折檻巫女の役職を与えます」

「ありがとうございます」

「但し、栗時さんはビラ配りの時に粗相をしてしまっていますので自分への折檻もする事いいですね」

「はい、わかりました」

 そういうと宮司さんは控室を出て行った。

「折檻巫女ってなんですか?」

 なんだか怖そうな巫女さんだ。

「折檻巫女はね、この神社で粗相をしてしまった巫女に折檻をする巫女なの、その対象は新人巫女はもちろん巫女長までもが対象なの」

 七瀬さんがそんな巫女さんになるなんて、巫女さんたちは大変そうだ。

「成実ちゃんの貞操帯の管理を任され、折檻巫女の役職まで貰えたなんてこれから楽しくなりそうね」

 七瀬さんの私の目を見つめる視線に絶望を感じた。



  




 












Comments

 成実が拷問を受けるシーンで興奮して頂けた様で良かったです、かわいい女の子には鼻フックが似合うと思います!  変態巫女七瀬の屋外の人前でお漏らししてみたいという願望と、成実へのお漏らし調教を行った、一石二鳥プレイなのでした。  感想ありがとうございました。

感想が遅くなりましたが、おもしろく読みました! 初投稿作品がスカトロとは、思い切った選択だと思います。 (笑) 舞台で怒られる部分で、巫女さんが冷酷に拷問する時に集中して読みました。 特に鼻フックが好きでした。 街で女の子にやじを言われるときも最高です。 最初はチラシを配るときに、事件が自分も巻き込まれるように計画したという反転が良かったです。 これからも面白い小説お願いします。

Gator

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Gator


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