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よりこ
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百貨店の受付嬢ですが制服がラバー制服と貞操帯と着ぐるみマスクになりました。第一話

 百貨店の受付嬢はその店舗の顔だ。

 かわいい制服あるいは伝統の制服に身を包み笑顔を絶やさずにお客様に応対する。

 そして何より美人を取り揃える。

 近隣や駅の向かいにライバル百貨店があれば、視察に行きその店舗より美人の受付嬢を配置する。

 これが私が受付嬢をしている老舗百貨店のやり方だ。

「片桐チーフ、来週のインフォメーションカウンター制服選定のプレゼンがあるから片桐チーフも出てくれ」

 私達、受付嬢が所属する総務課の安田課長に命じられる。

「私がですか?」

 私は本店のインフォメーションカウンター係のチーフをしている、本店の受付嬢達のまとめ役だ。

「ああ、受付嬢全員を出席させる訳にはいかないから、受付嬢を代表して出席してくれ」

 なるほどこのご時世、実際に着る私達受付嬢のチーフである私も一応はプレゼンを見たという既成事実作りか。

「明日のプレゼンの制服が本命だから片桐チーフにも見て貰った方がいいだろうとの事だ」

 いや、この本命制服を本部のお偉いさん方が気に入って採用されたとしても、チーフも見て納得したという既成事実が欲しい訳か。

 いくら受付嬢の制服採用でも、たかが本店の受付嬢のまとめ役程度には、何か意見なんてできるはずもないしね。

「わかりました」

 6年前に前任のチーフが寿退社してしまい、受付嬢の中で一番勤続年数が長く最年長だったからそれだけの理由で私が新たなチーフになっただけだ。

 チーフを引き継いで早6年、世間で結婚のタイムリミットと言われる35歳が目前にまで来てしまった、受付嬢は若ければ若いほど良いがそれでも私は毎日インフォメーションカウンターに立ちお客様に接する。

 私はこの仕事が好きだ。


 インフォメーションカウンター制服選定プレゼン当日。

 私は本部会議室に居た。

 会議室には総務課、人事課、経理課の各課長に、経営企画部の部長に副社長に社長、会長までもがいた。

 私は今日が制服プレゼンに初出席だが、既に幾つかのデザイン事務所が行われており今日は最後の二つのデザイン事務所がプレゼンを行うとの事だ。

 

「以上となります」

 一つ目のデザイン事務所のプレゼンが終わった。

 私の目からすると正直ありきたりだ、良く言えば落ち着いた印象、悪く言えば無難すぎる面白味も新鮮味も無い。

 上司達の反応も今一つ物足りないと感じている様だ。

 プレゼンを行ったデザイナーと試作品を着て来た女性が会議室を出る。

 私は隣に座っている安田課長に小声で聞く。

「今のデザイン事務所のはどうなんですか?」

「今のが本命だったんだがね」

 安田課長の口振りは本命がはずれてしまった、と取れる口調だ。

「他のデザイン事務所のはどうなんですか?」

「どこも似たような感じなのばっかりで本命までもとは思わなかったよ」

 各デザイン事務所にはうちの受付嬢の制服というデザイン依頼をしているので、うちの経営理念や社風、キャッチコピー等を考えれば似たり寄ったりになるのも仕方のない物かもしれない。

 最後のデザイン事務所のデザイナーと多分試作品を着た多分女性であろう人が会議室に入室した。

 デザイナーらしき人物が挨拶を終えると、多分試作品を着た多分女性であろう人が不思議な艶のある手袋を嵌めたままの手で資料を配りに回り、再びデザイナーの隣に戻るとプレゼンが始まった。

「今回の制服選定コンペにデザインした制服がこちらになります」

 隣に立つ多分試作品を着た多分女性であろう人物紹介する。

 やはりこれが試作品なのか。

 見た目はワンピースだ。

 首元はハイネックでその上に白いスカーフが巻かれて、肩はパフスリーブが可愛らしくそこから手首まで覆うロングスリーブ。

 ハイネック部分からバストウエストにかけてはぴったりとフィットしており、試作品を着ている多分女性であろう人の胸やウエストをくっきりと映し出している。

 ウエストから下のスカート部分はフレアミニスカートで、不思議な艶のあるストッキングを穿いている太腿が見える。

 先程の本命とされていたデザイン事務所の試作品が無難なジャケットに膝丈のスカートだったのに対して、肩のパフスリーブはかわいらしさを演出しているが随分とセクシーに見える。

「素材はしっかりと厚みのあるラバー素材を使用しています」

 ラバーと聞いて上司達が怪訝そうな顔で試作品を着ている多分女性であろう人を見ている。 

 ラバーってゴムよねなんで普通の布地じゃないの?

「ラバー素材を使用する事により、この鮮やかなターコイズブルーの発色と光沢を可能にしています」

 ターコイズブルー、もちろんこれは手提げの紙袋や包装紙にも使われているうちのイメージカラー。

 なるほどね、発色と光沢の為のラバー生地なのね。

「スカーフも同じラバー製となります」

 白いスカーフの光沢が美しい。

「シューズの膝までの白いロングブーツと帽子も同じくラバー製となっています」

 白いスカーフ、白いロングブーツ、白い帽子、全てが白いなら同じ発色の物のが統一感があって良いと思った。

「百貨店受付の制服では滅多に見ないラバー生地ですので、他店との明確な差別化とお客様への強烈な印象を残す事ができると思っています」

 上司達の反応も最初は意表を突かれた様だったが、本命視されていた試作品と違って上々の様子だ。

 ラバー素材というのがちょっと引っ掛かるけど多分このデザイン事務所の制服で決まりだろうなと私は思った。

 その時、経営企画部の部長がデザイナーに聞く。

「しかしなぜその子はお面?マスク? を被っているのかね?」

 そう試作品を着ている多分女性であろう人はかわいい女性の顔をした、顔から後頭部まで頭部全てを覆ってしまう、人形の様な着ぐるみマスクを被っていたのだった。



「はい、このマスクも制服の一部になっておりますので」

「マスクも制服とはどの様な意図があるのかね?」

 着ぐるみマスクは両耳ヘッドフォンとそこから口元に伸びるマイクがセットのヘッドセットを装着している、たしかにヘッドセットが機能するなら制服の一部かもしれない。

「マスクに関してはこの制服をデザインしたデザイナーの関口よりご説明させていただきます」

 という事は今まで説明していた男性はデザイナーじゃなかったのか、デザイナーはまだ到着していなかったという事か、なにかトラブルがあって遅れてしまったのか。

「ではここからは私、関口デザイン事務所の関口睦美がご説明させて頂きます」

 マスクを被っていた人から女性の声が聞こえる、しかもマスクを被っているというのにクリアに聞こえる。

「井上、マスクの鍵を外して」

「はい」

 井上と呼ばれた最初に説明していた男性が、帽子を取りマスクの左右の下側に付いてるパッチン錠に鍵を差し込んで解錠して、パッチン錠を外すとマスクが頭頂部を支点に前後に開いた。

「はじめまして、この制服のデザインをしました関口睦美と申します」

 美少女着ぐるみマスクから同じ顔が出てきた。

 いやもちろん、美少女着ぐるみマスクからまた美少女着ぐるみマスクを被った女性が出てきたという意味ではない。

 美少女着ぐるみマスクとそっくりの顔をした女性が出てきたのだ。

 これには上司達も驚いた様子だ。

「今回マスクも制服の一部とさせて頂いたのは、百貨店様の貴重な戦力である受付嬢様がより働きやする為です」

 上司達から関心の声が出る。

「女性には切っても切れない生理や便秘、体調のすぐれない日等、無意識に表情が硬くなってしまう日もこの着ぐるみマスクを被ればいつでも笑顔でお客様に対応できます」

 私は生理でも笑顔を絶やさずにいたつもりだが?

「化粧直しの手間も省けます」

 それは一理ある。

「マスクを被っている受付嬢が居るとなると話題にもなりますし、子供にも好印象を残す事になると思います」

 うちの様な老舗は両親はもちろん、おしゃれな祖父母に連れられて来る子供も多い、この子供達が将来の顧客になるのだから好印象を残すのは大事な事だ。

「確かにおもしろいとは思うが、そのマスクを被って受付嬢の仕事ができるのかね?」

 副社長が尋ねると関口さんが答える。

「可能です」

 マスクをもう一度被り、パッチン錠を止めてしまう。

「視界は最低限ですが確保していますし、声もこの様にマスク内でこもる事もありません」

 確かにクリアに聞こえる、これならお客様が聞き取り辛い事はないだろう。

「このマスクの口元にあるマイクは実はスピーカーなんです、マスク内に本物のマイクがセットされており、マスクの口の前から声が出ているので、声の発生位置も自然で聞き取り易いのです」

 クリアかつ自然に聞こえていたのはそういう仕組みか。

「ヘッドフォン部分にはマイクが付いており声や周囲の音を拾い、マスク内部の骨伝導イヤホンで確実に伝えられます、内線電話も受話器のスピーカーをヘッドフォンのマイクに着けて頂ければ問題無く使用可能です」

 耳の位置に収音マイクがあるから左右から聞こえる音も自然な位置になる訳か、内線も問題無しか。

「ふむ、それなら問題はなさそうだね、だが受付嬢全員をそのマスクを被らせるのはいかがな物かと思ってね」

「はい、私と致しましてはこのマスクを被る受付嬢様は特別感を出す為にあくまで各店舗一人が良いと思っています」

 それは言える。

「マスクを被らない受付嬢はそのゴムの制服だけになるのかね?」

「いえ、ラバー制服は非人間感の演出の為にマスクを被っている受付嬢様のみに着て頂き、他の受付嬢様は同デザインの布地の制服を提案致します」

 上司達はこの制服の採用に傾いている様に見える。

「それとまだこのラバー制服の全てをご紹介してまいせん」

「では続きを聞こう」

「はい、井上鍵を外して」

 うん? 関口さんが先程もう一度被り直した際にパッチン錠の鍵穴に鍵を差し込み施錠した素振りは無かったのに。

 再び美少女着ぐるみマスクそっくりのかわいい素顔が現れる。

「このマスクはパッチン錠が不意に外れて、お客様の前で脱げてしまう事の防止の為に自動施錠パッチン錠を採用しております」

 一度被ると鍵が無いと脱げないのか、もし鍵を無くしてしまったらどうするのだろうか。

「このマスクを見て頂いてわかりますように、被る本人の顔に似せて作る事によりどの受付嬢様が被っているかすぐにわかる様になっています」

 特にモチーフやモデルのない顔のマスクよりは被る本人は良いかもしれない。

「井上スカーフを外して」

 井上さんスカーフの後ろ側に小さな鍵を入れる解錠すると、スカーフが外れる。

「ラバー製スカーフは毎日結んで形作りをする手間を省く為に、成型済みの物に金属製の輪を嵌め込んだ物になっています、不意に取れてしまう事を防ぐ為に施錠式となっています」

 金属の輪と言っているが高さがかなりある、まるで首輪だ。

「ラバー製ブーツは高耐久性の極厚のラバーを使用しています、ファスナーのスライダーが不意に下がる事を防止するため施錠式ファスナーを採用しています」

 鍵が無いと脱げないブーツか、それなりに高いピンヒールでスタイルは良く見える。

「このラバー制服はインナーもセットになっています、井上制服のファスナーを皆様に見える様に解錠して下ろして」

 関口さんが私達に背を向けるとハイネックの一番上にあるファスナーのスライダー部分に鍵を差し込み解錠してターコイズブルーのワンピース制服を脱がす。

 ぎゅっぎゅぎちちと独特なラバーとラバーが擦れる音がする。

 ラバー制服を脱いだ関口さんは素肌ではなかった、インナーもセットと言っていたのだから当然だが、驚いたのは飴色の全身ラバースーツを着ていたからだ。

「この様に全身を飴色ラバースーツで覆う事により、ラバー制服から見えてしまう手や足もラバーの光沢に包まれて非人間感を出す事に一役買っています」

 言いながら関口さんが正面を向く。

 形の良いバストは半透明の飴色ラバースーツに包まれて綺麗だ、乳首は流石にニプレスをしている様だけどね。

 うちの上司達の前でこんな姿に成れるとは良い度胸だし、デザイナーも大変なんだな。

 上司達の反応が益々良くなっているのは言うまでもないか。

「その腰の金属のベルトは何かね?」

 私も気になった、胸ばかりに目が行ってしまうが腰の金属のベルトとそれに付随している物は、なぜか私の直感が危険な物だと言っている。

「こちらは貞操帯となっています」

 関口さんが指を指しながら言う。

 貞操帯ってあの貞操帯? なんでそんな物を?

「このラバー制服は一度着てしまうとトイレに行くのが困難なので、尿道カテーテルをセットして畜尿パックを太腿環にセットしています」

 太腿環にセットされている畜尿パックには黄色い液体が溜まっていた、これには上司達も少し顔を顰める。

「臭いは問題ありませんのご心配なく尿に関してはこれで解決致します、便に関しては勤務中に便意が我慢できなくなっても大丈夫な様にあらかじめ栓をさせて頂き、排便を管理します」

 え? 栓ってどういう事? 排便管理ってなに?

 関口さんがバッグから円筒状の物を取り出す。

「こちらがアナルバルーン栓です」

 円筒状の物の底にゴムホースを繋ぎゴム玉ポンプで空気を送ると、円筒状の物は風船の様に大きく膨らみ、底の部分は三枚の円盤状に膨らんだ。

「この部分で直腸内を満たして便が直腸内に入り込むのを防ぎ」

 大きく膨らんだ風船部分を指さす。

「三枚の円盤バルーンの部分はそれぞれ、一番目は括約筋の上側を抑え、二番目は括約筋を押し広げて万が一便がここまで降りて来ても便を通る隙間を無くして漏れるを防ぎ、三番目は肛門の外側を抑えます、一番目と三番目の円盤バルーンで括約筋をサンドイッチする事により、二番目の円盤バルーンと括約筋の密着度を高めて完全に漏れを防止させます」

 関口さんは笑顔で説明しているが怖ろしい事をさらっと言っている。

「性器には体調管理システムを挿入させて頂きます」

 性器に挿入って一体何を入れさせるつもりなの。

 また関口さんがバッグから円筒状の物、いやはっきり言おう男性器を模した巨大ディルドを取り出す。

「マスクを被ってしまう事により、同僚の方等が顔色が悪い等の異変に気づき難くなってしまう恐れがあります、この体調管理システムはWi-Fi接続により体温・脈拍・膣圧を常時監視して体調異変を即座にキャッチする事ができます」

 あんな物を突っ込まれるだけでも恥ずかしいのに膣圧の常時監視ってなによ。 

「日に数回バイブレーション機能により意図的に体温・脈拍・膣圧を運動時の数値にして正常時との比較をする機能も備わっております」

 それって運動時っていうかセックス時やオナニー時よね。

「この体調管理システムの脱落防止とアナルバルーン栓の破損防止の為に貞操帯の着用となります、貞操帯も施錠式となっていて確実に着脱できます」

「理屈は分かるが君はデザイナーとして他人に着せるに当たって、君自身で試しているのかね?」

 そうだ副社長の言う通りだ、こんな変な物を他人だけにやらすな。

「はい、もちろんです」

 えっ。

「私はこの一か月間、尿道留置カテーテルを入れて畜尿パックを太腿環にセットし、体調管理システムを挿入して、アナルバルーン栓で仕事中に排便できない様に管理して、貞操帯を装着して、飴色ラバースーツの上にラバー制服を着てラバースカーフを巻き、ラバーブーツを穿き、全頭面マスクを被り、全てに施錠して、ラバー帽子を被り、自分の体でこの制服を着て仕事をする事に耐えられるか試していました」

 まさか一か月も自分の体を実験台にして試していたのか。

「それでどうだったのかね?」

「はい、結果は勿論可能です、現に今日も私の身体には全ての物を装着したままこちらに来ました」

 じゃあ今もあの巨大ディルドにあの大きく膨らんだアナルバルーン栓を入れて平然とプレゼンしていたのか、この関口さんという女性は自分のデザインした制服を採用して貰う為にここまで体を張っているのか、かわいらしい顔からは想像できない。

「なるほど」

 副社長が感心している。

「なにかご質問があれば」

 上司達から熱のある質問が飛ぶ。

 先程の本命視されていた制服とはまったく違う熱いやりとりだ。

 うちの社長は世襲制だ、社長は副社長の父、会長は祖父だ。

 今の副社長はかなりのやり手だ、社員からの評判も高いし何より実績がある、社長も会長も副社長を信頼し認めている、副社長がこの制服で決めると言えば誰も反対せずに決まりだろう。

「マスクの構想も面白いし、凝ってはいるがありきたりなデザインな制服より、おもしろい物を一度使ってみるのは良いかもしれないな」


百貨店の受付嬢ですが制服がラバー制服と貞操帯と着ぐるみマスクになりました。第一話

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