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【1-5】『山田さん』見つかりました。

1. 拝啓 ヒナ姉ちゃんへ いきなりオチから入ることとなりますが… 『山田さん』見つかりました。 美弦さん達と別れてからというもの、オレこと白井弟は、まず頭を正常に働かせるためにコンビニで朝食を購入。 『全くのノーヒントで山田さんを探す』…その長旅の計画を立てるため、落ち着いて食事できそうな公園へと足を踏み入れたわけですが…。いました。そこに。でもどうしよう……これは。 「関わったらダメな気がする」 そうオレが引いてしまうほどに山田さんのお姿は残念なものだった。 というのも、山田さんは『ホットパンツの尻をフリフリ揺らしながら、自販機の下に手を突っ込んで、ブツブツと怒声を上げている』状態で…。 「オレの手には負えないなこれは……」 こんな変人痴女を相手にできるスペックは持ち合わせていない。 そう即座に判断し、写真を一枚撮って、美弦さんに送信する事とする。あの人なら、すぐ駆けつけて対処してくれるだろう、うん。 そう考えスマホを取り出すものの。 「オレ、あの人の番号知らねー……せめてフリスぺのグループに参加させてもらうんだった」 援軍は望めない。どうやら覚悟を決めて、オレ一人でなんとかするしかなさそうだ。 恐る恐るオレは山田さんの尻に向かって声をかける。 「あ、あの~……」 「チッ、あと少し、あと少し手が伸びれば(ブツブツ)」 オレの言葉は聞こえていない。 「もしもーし……」 「こうなったら自販機を斬り倒して(ブツブツ)」 何か怖い事言い始めた。 「…………山田さーん」 「ニーナさんだっつってんだろうが!!」 「初耳ですけど!?」 ガバッと自販機の下から身を起こし、オレの胸ぐらを掴み上げる山田さん。よく分からんツッコミでキレてるし……何この人、スゲー怖い。 「あん?お前は確か…………白井弟!?」 即座にオレから距離を取り、身構える山田さん。 なんだ?なんか震えてるように見えるが…おびえてる?わけじゃないよな。 「い、一体私に何の用だ?言っておくが、今、私は忙しくてお前にかまってる暇はない!」 「忙しい?」 「チッ……自販機の下に10円落としちまったんだよ。死活問題だろうが!!」 ああそれで、あんなポーズしてたのか。そりゃ……。 「確かに死活問題だ」 オレはすぐさま身をかがめ、自販機の下に手を入れる。 山田さんが「は?あっ…おい」と混乱してるようだが気にしない。 オレは少し前、姉ちゃんに期間限定のシュークリームを買おうとしたことがある。もちろんバレエの体型維持を気にする姉ちゃんでも食べられそうな低カロリーの代物だ。 一時間ほど並び、やっとオレの番が来たわけだが……10円足りずに涙を飲んだ。あの時ほど、消費税無表示価格を恨んだ事はない。 ともかく、そんな苦い思い出から、オレの魂には、10円はおろか1円単位でも大事にする意識が刻まれている。 「はい、取れましたよ」 自販機から身を起こし、山田さんに救出した10円を手渡す。 「チッ………ありがと」 舌打ちはされたが、きちんとお礼はちゃんと言える人らしい。 どうやら話はできそうだ。 「それで、お前は私に何の用だ?フラグメントでも差し出す準備でもできたのか?」 「差し出すって……記憶継承してないんですか?」 「は?何言ってんだ、お前」 どうやら美弦さんから2.5周目の件は聞いてないらしい。これは困った。この状況で「メイドとナースからオレを守ってくれ!」と言っても何も通じないだろう。 仕方ない、別方面で話を進めよう。 「オレは、アンタが行方をくらましたから探してきてくれって頼まれたんですよ、美弦さんから」 「テンメー!!何、お姉様を名前呼びしてやがる!!?」 再び胸ぐら掴まれました~。前言撤回、話通じね~や、この人。 「平原呼びだと陽桜莉さんと一緒の時ややこしいから名前でいいって言われたんですよ、美弦さんに!」 「テメッ…また呼びやがったな!私ですら呼んだことない神聖なお姉様の名前を!」 「呼べばいいじゃん!!あの人、そういうの気にしないでしょうに。むしろ距離が近くなって喜びそう…」 「それが出来れば、苦労はしねーんだよーーー!!!!」 「両手(ダブルハンド)胸グラホールド!!姉ちゃんにもされたことないのに!ってか離せ、苦しいだろうが!!」 ゼェゼェと息を切らしながら、対峙するオレと山田さん。 余計な単語を出す事は命取りになると学習したオレは、ひと呼吸置いて、単刀直入に話を切り出す。 「とにかく、学校に戻りましょう。そうすれば全部分かりますから……山田さん!」 「ニーナさんだっつってんだろ!!」 「もう胸ぐらはいいから!話進まないんだって、山…」 「二・ィ・ナさん!!」 「…はい、分かりましたよ、山…ニーナさん」 姉ちゃん、なんだかすごい迫力で、また名前呼びが許されました。何なの、この流れ?月ノ宮でブームなの? 名前呼びに同意した事で落ち着いたのか、山…ニーナさんが胸ぐらから手を放す。だが、その表情はすぐれない。 「戻れるわけねーだろ…」 「へ?」 「だ・か・ら!戻れるわけねーんだよ!私は!!」 「そりゃなんで?」 全く話が見えない展開にオレは山…ニーナさんをきょとんと見つめる。彼女は、その視線から逃げるように目を背けて話を続けた。 「お、お前のフラグメントとの戦いで、あんな…あんな醜態を晒しちまったからだよ! あの戦いで私は…私は……」 「(へ?ちょっと待て待て、なんでこの人、身体抱きかかえて震えてるの?なんで顔真っ赤なの?オレのフラグメント何してくれちゃったの?まさか、超えちゃいけない一線を…」 ゴクリとつばを飲み込むオレ。 そんなオレを睨みつけ山ニーナさんは、真相を吠えた。 「便秘が治ったんだぞ、コノヤローーーーー!!!!!」 「超良かったですねえええええええ!!!!!」 全く怒られる謂れがない。なんなんだよ、ってか男のオレにカミングアウトするな。 「いいわけあるか!お前のフラグメント触手に色んなところをまさぐられて、無様な声出してるところをお姉様に全部見られて…あまつ助けられたんだぞ!合わせる顔がないだろう!」 「オレのフラグメントが迷惑かけたことについては謝りますけど…美弦さんそんなの気にしてませんって。むしろ、心配したからオレに捜索頼んだんでしょうし」 「え?お姉様が…私の身を心配?」 「そうですそうです。だから一旦帰りましょ?ね?」 山…ニーナさんの心を揺らし、これでイケるか?と思いきや、再びオレに向けられる鋭い眼光。 「いやダメだ、手ぶらでは帰れねー!……白井弟、悪く思うな。お前のフラグメントいただくぞ!私の汚名を返上する手土産としてな!」 「ちょっ、ウソ!暴力反たー」 <グウウウウウウウゥゥ> 山ニーナさんがオレに襲い掛かり、空に雄たけびが響き渡る。 しかしそれは、オレの断末魔でも、フラグメントを抜き取られる音でもなく――。 <グウウウウウウウゥゥ> 山ニーナさんのお腹から発せられる――。 <グウウウウウウウゥゥ> お腹すいたのサインだった。 「……」 「……」 真っ赤な顔でお腹を押さえる山ニーナさん。 オレの手には、朝食の入ったコンビニ袋。 オレは一つ溜息をつき、山ニーナさんに尋ねる。 「ご飯…食べます?」 「バ、バカにすんじゃねえ!誰がお前なんかに施しを―」 <グウウウウウウウゥゥ> ご主人の口とは裏腹に、正直なお腹の返事を聞いて、オレは山ニーナさんに袋の中身を差し出した。 2. 「はむっ、もぐもぐ、ごきゅごきゅ、もぐもぐ」 山ニーナさんのお腹の悲鳴を聞いた後、俺達は公園のベンチへと場所を移した。 今は、山ニーナさんがベンチに座り、お行儀よくツナおにぎりとお茶を口にし、その光景をオレは立ったまま眺めている状態だ。 「(なんか…スゲーうまそうな表情で食うなこの人)」 朝飯を全て差し出した冥利につきる。食レポの必要もなく、ただ食べてるだけでここまで「超美味い」を表現してくる逸材にオレは素直に関心していた。 となると、こちらも欲が出てくるモノ。 『写真撮りたい』 その感情を受信したのか、山ニーナさんは、いぶかしげな眼でこちらを見てくる。 「なんだよ?」 なんと答えても怒られそうなのは学習済みだ。なら素直に伝えた方がいいだろう。 「いや、オレ、写真撮るのが趣味で、ここにも展覧会用の写真撮りに来たんですが…山…ニーナさん、一枚撮らせてもらえませんか?」 「は?」 「正直、ビックリするくらい良い顔で食べてるんで、是非撮りたいな~…って」 「チッ、いいぞ、好きに撮れ!」 「即決!?マジですか?」 「お前には10円取ってもらったり、こうして朝メシももらってるからな。そのくらいは協力してやる」 「!!ありがとうございます。じゃあ、山…ニーナさんはさっきと同じように食べててくれればいいんで」 まさか、こんなすんなりOKもらえるとは思わなかった。オレは、山ニーナさんの気が変わらないうちにと急いでカメラを構える、が……。 「……」 「もぐもぐもぐもぐ…どうした?早く撮れ」 「いや、さっきまで見せてた満面の笑みで食べてくれないと……」 そう、山ニーナさんはカメラを向けたら、ムスッとした顔しかしてくれないのだ。これじゃ、撮る意味がない。 「そんなの知るか!普段、カメラ向けられることねーし、意識したら警戒しちまうのは当然だろ。お前、写真撮るのが趣味なんだろ。なんか意識しないコツとかないのか?」 そう言われても困る。こういうのは陽桜莉さんとか得意そうだが……姉ちゃんには断ったことないし。 このまま撮れないのも癪なので、オレは別の提案をしてみる事に決めた。 「じゃあ、上目遣いで、はにかんだ笑顔作ってみてください。それなら良い表情で撮れると思います」 「は?お前、それはそれでハードル高くないか?」 「できないんですか?」 ピクッと山ニーナさんの肩が震える。 「私がその程度の事できない訳ねーだろ。見てろよ、完璧にこなしてやる!お前は見逃さないようにいつでもシャッター押すことだけ考えてやがれ!いくぞ!うおおおおおおおお!!!!」 もう完全に写真を撮る事とは無縁の雄たけびを上げ始める山ニーナさん。 「よし、こーーーーーい!!」 俺も呼吸を合わせる為にテンションを同等に高め、その一瞬を待つ! 来い! 来い!! 来い!!! 「今だ!!」 <パシャッ> そうして、オレは山ニーナさんの表情が変化した一瞬を捉え、カメラに収める事に成功した。 「どうだ?完璧だろう」 やり切ったドヤ顔で、オレに近寄って来た山ニーナさんにオレは、しょーじきな感想を告げる。 「……はい。山…ニーナさんは、素材はいいのにとても残念な人なんだな~と理解しました」 そうして、カメラに捕えた決定的瞬間を、液晶画面で山ニーナさんに見せる。 そこには。 確かに注文通り『上目遣い』で。 『笑顔』の口の形を作った。 見事な『アへ顔』をした山ニーナさんが刻まれていた。 「なんだ、これは!私がこんな間抜け顔をするわけねーだろ!お前の撮り方が下手くそなんだよ」 「はあ!?いや、これはどう考えても山…ニーナさんのセンスの問題でしょ」 「うるせえ!もうお前には二度と協力してやらん!!」 「え~~~……」 もう撮らせんとばかりに残りのおにぎりを一気に口に含み、お茶で一気に流し込む山ニーナさん。 「ごちそうさまでした!ほら、いくぞ白井弟」 「行くってどこに?」 「学校に帰るに決まってんだろうが!」 「いや、あんた、さっき帰れないって…」 「バカか、お前は!お姉様を心配させとくわけにはいかねーだろうが!!」 そう言って、オレの返事を待つことなく、真っ赤な顔でドスドスと歩き始める山ニーナさん。 「は~?ちょっ…待ってくださいよ、二―…山田さん!!」 「ニーナさんだっつってんだろうが!!」 姉ちゃん……オレ、この人の事がまるで分かりません。 月ノ宮はやっぱり魔境です。 コモンの扉が開くまであと92枚。 ==================================================== というわけで、パイセンも無事見つかり、おウチ(聖イネス女学園)に帰る事となりました。めでたしめでたしって話です。 弟くん、パイセンから協力打ち切られちゃいましたけど、まあ何とかなるでしょ。あと姉ちゃんの時も許可くらい取れ! 自販機の下をまさぐるパイセンのパンツ差分は描きたかったので描きました。 あと、フラグメントに便秘治療受けてるイラストはオマケです。どんな事されたのか一応描いとくのが筋かなと。 と言うわけで、白井弟のパイセン攻略戦、お楽しみいただけたら幸いです。

【1-5】『山田さん』見つかりました。 【1-5】『山田さん』見つかりました。 【1-5】『山田さん』見つかりました。 【1-5】『山田さん』見つかりました。 【1-5】『山田さん』見つかりました。 【1-5】『山田さん』見つかりました。 【1-5】『山田さん』見つかりました。

Comments

ねー、なんで他の人描かないんでしょうね?エチチでイジりやすい良いキャラなのに……。 ってかブルリフR絵描く人自体少ないんじゃ💦 文章で二日使ってるので、実質、ストーリーつけなければ二日前に投稿できる状況にはなってます。 正直、自己満足ストーリーなので、ストーリー終わった後のまとめ文章さえ読んで貰えば、問題ないです。

みるの (ブルリフ多め)

パイセンのエロ画像描いてるの、まじでみるのさんぐらいだよね(^ω^)ペロペロ あと相変わらず文章長すぎて草です、結構時間かかってそうですね\(^o^)/


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