04 ぽかんとしてる、おーじ。 「え? 本当に?」 「ここで嘘ついて、誰得よ」 「そりゃそうだけど……。よくまあ、部室もらってるね」 わたしとおんなじところで、びっくりしているらしい。 「よっぽどの手を使ってるのかな」 「贈賄かも」 ぬぬぬ、とおーじは言う。 「そんな、政治の話じゃなし」 おーじらしい考えではあるけどね。 「じゃあ潰しに行こうか」 「ひめ?」 「いや、だってそんなのが学校にあっちゃ、いかんでしょ」 おーじは、こめかみをちょっとぐりぐりした。 「あんまり短絡的?」 「そーかなー」 「ゆうちゃんとフローラちゃんには、なんて言うの」 「あ。そっか」 「一応、仮で様子を見に行ってるんでしょ、姫は」 「部室には入れなかったけどね」 「でも、そんなところに入らせるわけには、いかないしねえ」 「だから潰そ?」 「振り出しに戻っちゃった」 仕方がなさそうに、おーじはちょっと笑った。 「ちゃんと伝える?」 言いつつ困り笑いのおーじ。 「そうねー。でも、フローラちゃんはともかく。ゆうちゃんは入る気まんまんだったからなあ。なんか申し訳ないし」 「ゆうちゃんも猪突猛進だから」 うなずきながらおーじが言った。 「『も』とは」 「あーなんでもないです」 少々文句も言いたいが、今はそれにこだわってる場合じゃない。それにもうじき、お昼休みも終わりになる。せめて、ゆうちゃんたちに本当のことを伝えるのか、それくらいは決めておきたかったし。そのことを、わたしはおーじに言った。 「そだねえ。仮で見に行ったことは話しても、ヤリサーだなんてことは伏せたほうがいいかもしれない。ゆうちゃんショック受けそうだ」 確かに。でも、あのゆうちゃんのことだ。ショックよりも興味が深まりそうでもあって、それも怖いな。 「ん。行くには行ったけど、誰もいなかったのは事実だし。『やめておこうよ』みたいに伝えよっか?」 「それで良いかも」 うなずくおーじ。わたしもうんうん、として、次の授業の用意のため自分の席に戻った。