「カタルシスの岸辺」の荒渡さんにお声がけいただいて、死蔵データGP 2022の審査員をしました。
これが動画です。
後でも書くけど、編集がめっちゃ凝っていて…というか気が利いていて面白いんですよ。テンポにもかなり気を配っていながら、うるさすぎない絶妙な編集。なんというかあらびき団のテンションで観れる。ちょっと抜けた感じもまたいいですよね。個人的にはかなり面白く観たので、気になったら是非気軽に再生してみてください。
さて、このGPを開催している「カタルシスの岸辺」 というのは何者なんでしょうか?個人?団体?何をしているの?答えは、マテリアルショップです。?。
マテリアルショップってなに?と思うかもしれないんですけど、とりあえず名前のカッコよさにまず季節を感じてほしい。俺カタ岸って名前めっちゃ好きなんですよね。
カタ岸というのは若手美術家数人がやっているプロジェクト…というかグループ…というか「カタルシスの岸辺」なんですが、作品未満の物質・音・映像・データたちって愛じゃね?という、物質や自然の機微にかなり鋭く、そして激しい人間たちが、フンドシ一丁でマテリアルたちの在り方をズドン、エイヤ、とやっている団体です。すまん、俺が勝手に思っている説明を眠剤飲んだまま書いてしまった。詳細違ったらすみません。詳しくはHPを見てみてね。
HPも面白くて、飛ぶと一発目のビジュアルでフフッ、ああこりゃあ気になるぜとなる人がいると思うので、そうなったら是非カタ岸を追ってみてください。俺の説明よりHPの説明を読んだ方がいい。
というか今気づいたんだけどHPに載せてもらっているナクヤムパンリエッタの詳細、めちゃくちゃ嬉しいな。みんなも見てくれよ。
ありがとう魔理沙。
ここはFANBOXなので呼ばれた経緯も書いてみようかと思います。
なんで審査員を?という話なんですけど、自分はカタルシスの岸辺の荒渡さんと昔からの知り合いで、田中ロミオのゲームの話とかRewriteの神戸小鳥さんのこととかを話す仲でした。最近は月姫の話をして、俺らに夜の時間をくれるのはいつだってノベルゲームなのかもしれないということで通じ合った。オタクの話しかしてないじゃねえか。そういう、インターネットのゴツゴツとした岩肌や、夜への祈り、そして2リットルの酒、みたいな部分でかなり信頼している人物なのです。
昔荒渡さんが急に愛の波動に目覚め、愛とは作物!みたいなことを言いながらネテロ会長みたいな作画になり、突然数年間どこかの農地へ移住しそのまま農業をしまくっていたことがあったのですが(?)、その時も貧困な俺を心配しおいしい野菜とお米ををいっぱい送ってくれました。つまり超世話になってるおもれー人なのです。米をもらった時もかなり加速しており、「米は土鍋で焚き、なんと嘘みたいな話だが米はその産地の水でやるとうまくなる。洗うところから、すべて産地の水を使ってみてください。」と本当に狂ってしまったのか見極めが難しいアドバイスをくれました。狂ってないことを信じて産地の土地を買いにチャリンコを漕ぎまくり、なんとか入手し炊いてみたところ本当に信じられないくらいうまかった。甘いとか香りが良いとか色々あるんだけど、なんだか内臓にすっと響いて、涙が出る味だったのです。あの米、いまだに忘れらんねえなあ。
長くなりましたが、そんなこんなで今回お話をいただき、そんな超世話になっている人の面白いプロジェクトに関われるなんてマジでうれしいぜって感じで、二つ返事でオーケーしたのでした。あと、死蔵データなんて絶対面白いしな。
さて、そんなカタ岸が開催する死蔵データグランプリ2022の審査員を務めさせていただいたわけなのですが、「死蔵データグランプリってなに!?」という感じですね。
死蔵データGPとは、賞金10万円(!)のコンペ企画です。あなたのスマホに、ビデオレコーダーに、ノートに、PCに眠っている何かにならなかった・何物でもなかった死蔵データたち…そんな死蔵データたちが今宵、輝きだす!という企画です。
募集はすでに終了しており、審査の様子は第一回、二回…と分かれて続々Youtubeにあがっていきます。自分が担当したのは第一回の審査で、それがこの動画ですね。
果たしてどの死蔵データがGPを勝ち取るのか!?
それは、これからのカタルシスの岸辺Youtubeをチェックだ!
死蔵データ、死蔵というだけあり本当の死蔵データしか来ないのですが、美しいもの、死蔵だからこそ趣があるもの、やたらシュールなものなどがあり、こちらも気合を入れなければな、と俺なりの正しい姿勢はこれ!と覚悟のもとで酒を飲み、収録日当日の朝方に審査をしました。結果、本当に良い時間を過ごさせてもらいました。
これは収録日の前日までにデータをくれといってるのに当日に飲酒しながら朝方で良いですか?と聞いてきたので、流石に驚いたもののでじこになって待ってくれたカタルシスの岸辺。優しさも虚しく、一時間半後に「朝は始まったばかり…」とふざけた答えが返ってくるのであった。でじこもこれにはトホホだにょ。
審査のスタイルとしては、あらかじめデータをまとめてリスト化し共有してもらい、それを鑑賞したらコメントを記入していくという方式。
まだ番組形式になってないむき出しの死蔵データたちは、独自の時間、独自の間をまとってパッと画面に現れる。これは美術鑑賞とはまた違う、小学校の時公園に行ったら、いきなり知らない学校のヤツとたまたま二人きりだったみたいな哀愁とドキドキがあって、そわそわしながらも気になって仕方がない感じだった。そんなふうに進んでいったマテリアルと二人きりの対話はとても心地よくて、そこに自分のコメントを短期間のスパンで出力するのも脳のリズムが良く、本当にずっと審査していたいななんて思ったりもしました。
出来上がった番組をみると、コメントの色がみんな全然違い、またそれを拾うカタ岸の面々の笑いに包まれたツッコミなんかもテンポが良く、審査員で一度見たはずなのに非常に面白く最後まで視聴することができた。というか、カタ岸動画マジでちょうど良いし、ラジオとかやってほしい位だ。
以下に、詳しい審査後記を書いていこうと思います。
審査後記と、こんなことを考えてたよ、という裏話的な部分を。
いつもは全然やらないやつですね。FANBOXだとこういうのも書けて嬉しい。
コメント部分は載せないので、是非動画の方で確認してみてくださいね。
まず、番組の役回り的に、恐らくLove、加速、直感的な部分、面白、あたりが俺のやることかなと思っていました。というかそれしかできないので、わかってふってくれたんだと思います。上手く使ってくれて本当にありがたい。
なので、死蔵データたちと生身で対話できるよう酒を飲み、脳みそのエッジが柔らかくてそして鋭い状態にして審査に臨みました。
審査基準は各々に任される、好きに採点してほしい、ということだったので、あくまで自分のマテリアルとの対話を第一に、そこに死蔵データとしての要素(俺が解釈したもの)を考えて採点していった感じです。
自分には美術的な教養や批評の目は全くないのですが、きっとその部分や、作品的な部分の拾い上げがあれば他の方がやってくれるだろう…と信じての飲酒スタートです。
【エントリーNO.71 海まで自転車】
これほかの方の審査コメントが似合う曲だけで評していてメチャクチャ笑いました。
画面と対峙すると無音のスライドショーが再生されるのですが、説明を知って開くと自らの思春期の頃とも接続され、様々なエモーショナルが立ち現れます。無音なことが映像に自己を持っていく力を邪魔しないで、説明のための写真でラインで送られたんだろうな、など憶測も行き交い、不思議な気持ちで何度も鑑賞しました。
俺はここで、あ、死蔵データと対峙するってこういう対話なんだ。と思いドキドキしたのを覚えています。
最初結構高得点をつけていたのですが(他のも結構高得点ばっかりだった)、いかんあまりにエモーショナルで審査しすぎるとまずいかな、どれも高得点になって他の審査員と足並みがそろわないかも…、と死蔵データ的な要素を加味しあとから点数を調整したという裏話があります。
でも動画をみたら一人だけめっちゃ低くなってしまい、完全に評価が意味不明の狂人になっていて「やべ!やりすぎた!」と思いました。反省。平均を60点くらいのイメージで採点したんだけど、かなり低くなっちゃったみたいでした。
因みに点数を調整するときに加味した要素として、「あとから動画化するという手が入っていることで(最小限の作業だとは思うが)死蔵データいうより作品、もしくは記録映像的なもの…の要素が強いのではないか?時間軸が発生することで物語が強いのでは?」という、死蔵データとしての要素を考えたものでした。自分が受け取ったものとはまた別の、単純に死蔵データとしての評価も反映しようという思惑です。
実はこの評価軸は結構反映されています。
【エントリーNO.176 包丁】
恐喝だアリャ…
これじわじわ面白い。なんか自分の中のいやな面白さが引き出されていく不思議な…くさやみてえなマテリアルだった。狂人が包丁をぶん回す、みたいなのはかなり俺のツボなはずなのだが、不思議と大笑いは起きない…しかしニタニタとじっと笑ってしまう…。あと文字起こしマジでできなくて狂ったのかと思った。
これには独自の裏採点基準があって、それは「高円寺でモメるな減点」です。
【エントリーNO.10 フェニックス】
これかなり好きですね。焦げちゃったんだなって思った。
ここすき
これ動画で、自分のコメントに対して進行の海野さんが頭抱えて「なんなんだよこいつぅ…」って言ってて大笑いしてしまった。
イエ~~~~~イw海野さんみてる~~~?
【エントリーNO.100 でか寿司】
デカ寿司をみてワイプのみんなが「デッカぁ!」「あはは!」「デカァ!」「そういうことかあ!」「ちょっと待って…デかくね!?」と言ってるのメチャクチャよかった。こういう瞬間はやっぱりたまらなく良いですね。
これ点数がかなり低くなってしまったんですが(そこまで低くするつもりはなかった)、自分の中で「ここまで頑張って作ったのにそのまま写真にする感、手ブレもすごい、どこまでがこいつの”作為”でどこまでが”天然”なんだ…?」という死蔵データ・疑心暗鬼が生まれてしまったんですよね。でか寿司を作るユーモアは多分「ちょっと面白を作るぜ」というものなのだけど、その割に雑に撮った感が妙に「丁寧にちゃんと雑」で、そういった要素をどうするか考えた結果死蔵データ面ですこし点を落としました。でも今考えると心からデカい寿司を作りたかっただけなのかもしれない。審査員って難しい。
【エントリーNO.202 エスカレーターから撮った天井】
これ実はコメントと点数めちゃくちゃ悩んだんですよね。
映像としては作品のプレであるので非常にかっこいい。妙な浮遊感があって映画になるのが楽しみです。あと、あくまで死蔵データなので撮影者の顔が映っちゃったりしてるところが生っぽくて、そのままなのが好きだった。
ただ、やはり作品性が強いので、このかっこよさに対して今回のコンセプトで点を与えて良いのだろうか?という考え、少し減点しました。でも俺の点が全体的に低すぎたから、すごい低い点に見えてしまった。
コメントは、まじめなコメントとだめなコメントの二種類が浮かんでたんだけど、現在のリアルな視点として、生の俺がこころから思った感想はやはり大事だな(余談だが、俺は”現在”を強く意識している)というのと、多分いい感じに拾ってくれるだろう、番組的にもこのくらいのやつがあっても良いんじゃないか、という丸投げによりダメな方にしました。
ちゃんと観てないじゃん!って思われてしまうかもしれないので、一応補足でこういった理由で採点しました、というのも書き添えておいた。マジで映像はめっちゃかっこいい。スマホ全画面とかで連続で観れたらすごい気持ちよさそうだよな。
【エントリーNO.114 好きなカードをスキャンする中学生】
マヤはずりいだろ
これ動画だとわかりにくいんだけど、スキャンしたときそのままのあのスキャンの…白っぽい部分が出ててね…つまり超俺好みのデータなのでした。俺はこのデータのことを、「理解る」。
【エントリーNO.12 イッヌ】
これ、メチャクチャ長いコメントです。観てみてほしい。
これは本当にコメントの通りで、開いたときに面白さを探す自分があったんですよね。これは面白い写真なんだろう、どこかにとても面白い要素があるんじゃないか、ってバイアスが。それはかなり強い衝撃で、びっくりしていたら審査コメントがあれになってしまいました。あと、朴訥としたマテリアルに弱い傾向がある。
【エントリーNO.92 V_20150720_204734】
これはね~本当に良かったです。気になったら是非見てみてください。本当に良かった。
最後に切れる感じもいいし、なんでカメラをここで回していたのかわからないのも、誰とやってたのかもう忘れていたのも。データとしても剥き身な感じが個人的には死蔵データとして好感がもてます。前世もこんなことをしていたような気がしたのが、ってコメントにあるんですけど、本当にその通りで、その感覚がとてもよかった。マジで日常アニメ。俺はこれを見て、死蔵データで日常がアニメが作れると確信した。日常アニメグランプリやってほしいですね。
俺のここの生の感想は動画で全部言ってるので、それを観てもらえると嬉しいです。救われた。
【エントリーNO.22 20210722環境音 国立競技場往路】
これめちゃくちゃ長くて、45分あるボコーダーの録音音声なんですよね。不思議なことに、45分これを聞くことだけに集中できて、ボコーダーがいいのかな?音がクリアで生っぽくて、些細な音も質感が強く不思議な感じがした。
45分も聞いていると不思議なもので、この音、ボコーダーで撮られたこの瞬間の音がまるで俺個人に関わってくるかのような…自分の身体に取り込んでいく感覚があり、音が終わった時小さな喪失感があった。夏が終わったみたいな。そこを加点とするかどうか迷ったのだが、他のコメントでもあったようにこれ一つが重要な作品なんじゃないか、という作品性の強さで少し減点した。非常に身体的な体験に感じたんだよな。
俺のコメントも、これをリアルタイムで聞いているときの感情、身体、反応を強く反映するようにした…気がします(酔ってるから曖昧になっている)。
コメントにあったモザイクはちんぽと書きました。
【エントリーNO.24 Arduino用と思しきプログラム】
データ開けなかったあ!でもそれが良かった!
開けないぜ!!!と思って速攻コメント書いたけど、動画をみて人間は検索ができるのか!と目から鱗だった。俺、多分酒飲んでなくても検索できないですね…
動画で初めてデータみたけどかなり死蔵感がある。人間がプログラム言語を審査できるのか?と、己の人間性に疑問を抱いてしまった。
【エントリーNO.173 憂鬱】
これめちゃくちゃ笑った。突然再生すると絵面が意味不明な上にヤメテ…が悲壮すぎておもろいんだよな。犬加点があるかと思いきや犬がガリガリでウケる。酒を飲む俺のツボに笑ってもう言うことないなとおもって思ったことを書きました。何回見てもおもれえな…
【エントリーNO.69 輪ゴムクローズアップ】
これマジで良い。
マジで輪ゴムに食い殺されるかと思ったし、映像が生っぽくてメチャクチャいい。見るたび大笑いしてしまい、実は癖になって10回以上再生した。死蔵データとしてもかなり良い死蔵だ。コメントを長くするか悩んだけど、この生っぽい映像には生っぽい反射が一番かな、と俺も生の切り出したそのままを出した。これ好き。アップからの引きと終わりが絶妙なんだよな~。
こんな感じで、とにかく俺とマテリアルたちの一対一の対話、という感じでとても良い時間を過ごさせてもらいました。
これは結構特殊な体験で、こういう一人で静かな時間はかなり好きなので、すばらしく楽しかった。庭とか観たい方だからね実は。俺って。
俺は批評的な目があんまなくて、代わりにどれもすごい良いな…となってしまうので、ちゃんと死蔵データ的な評価も入れようと幅のある感じで点数をつけたのですが、結構低い感じになってしまって難しかったです。
動画は冒頭でも言ったけど本当に面白いので、気になった方は是非!マジで観やすい。
自分の中の作ること、みたいな事にも少し近くなれた気がして、審査員とか、こういったことがやれると嬉しいな、と思いました。まあ我ながら使い方がかなり難しい存在ではあると思うが…
改めてマテリアルたち、そして声をかけてくださったカタルシスの岸辺の皆さんに感謝を。本当にありがとうございました。
…ネクスト死蔵データキングは、画面の前の、あなたかもしれない…(怖い話?)(今後があるのか全く知らん)