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さすらいのヒモ
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冥界の主、ニトクリス[オルタ]との死後裁判を受けたあなたが、とある神の嫉妬で封印されていたマジカルチンポが覚醒をして、神様よりも格上の存在になって宇宙の支配者となってしまうお話【導入】



 臨死体験という症例がある。

 心停止状態などから蘇生した人物が、蘇生されるまでの間に幻覚にも等しい、不可思議で特別な体験を経るというものだ。

 それぞれは個人差というものがあるものの、大別すればそれまでの人生を一瞬のうちに幻視する走馬灯現象や、魂が肉体から抜き出ていく神秘体験の体外離脱、あるいは、トンネルや川などの何かしらの暗喩的な土地を渡るといったように、ある程度のパターン化はすることが出来る。

 この臨死体験には『パム・レイノルズの臨死体験』という医学的データが残されているほどであり、それがただの幻覚であると断言できる証拠は――――当たり前だが、まだ存在しない。

 それを否定するためには、それらを明確に観測する必要がある。

 恐らくは幻覚であろうという前提を敷きつつも、それらを研究する人物がいる以上は臨死体験が単なる幻覚でスピリチュアルな妄言であると断言するわけにはいかないのだ。

 そのうえで、あえて言おう。

 『あなた』が今体験している『これ』は、そんな臨死体験の真実に触れるものだ。



「これより、罪人、『――――』の死後裁判を行います」



 あなたは今、まさに『死後の裁判』にあっていた。

 死後の裁判という逸話はエジプト神話や仏教など、世界各地で近似の伝承が残るが、あなたの知る限り、この裁判はそのどれにも当てはまらないものである。

 法廷は、真っ暗な空間だった。

 科学知識はもちろんのこと、大雑把なSF知識も持たないあなたでは、『宇宙空間』と呼びたくなるような、本当に暗闇だけが広がっているような空間である。

 その空間には、弁護人や検察官のための左右にある当事者席もなければ、傍聴席と呼ばれるような場所もなく、その裁判を記録するための書記官席も存在せずに、ただ一席だけの裁判官席と向かい合うように置かれた証言台、そして、何かの建物と見紛うほどの、威圧的なまでに巨大な『天秤』が裁判官席の背後に佇んでいた。

 威圧的、という意味では、裁判官席と証言台の高低差もそうであった。

 あなたの立つ証言台は低い位置に、ちょうどあなたの頭を越えた程度の位置に裁判官席が浮遊するように配置されているのである。

 そう、あなたの足の下にあるこの真っ暗ななにかが『地面』や『床』と言えるようなものではなく、まさしく宙を浮いているかのような不可思議な感覚となる法廷になっているのだ。


 そんな風に今の状況そのものが現実の裁判では起こるはずのないことであり、そんな神秘体験そのものといえる法廷の中であなたは裁きを受けようとしていた。

 そう、あなたは死んでしまったのだ。

 『死』という強烈な衝撃の影響だったのか、どのような死因だったのかを思い出すことは出来ないが、あなた自身のことはしっかりと記憶している。

 あなたは日本人の平凡な若者であり、良いことをしてきたわけではないが犯罪行為のような悪いことをしてきたというわけではない。

 つまらない人生と吐き捨てられることもあるかもしれないが、それでも良いことも悪いことも同じぐらいにあった、自分にとっては非常に大切で価値のある人生だと言える程度には、その二十年程度の短い人生を送ってきたのだ。

 ただ、未練がないわけではない。

 親より先に死んでしまったことの負い目はもちろんのこと、俗にいう『オタク』であるあなたは、気になっていたアニメやゲームの新作に触れることもできないなどもその未練のうちの一つと言えるだろう。

 だが、最大の未練はなによりも、結局一度として恋人関係になれなかったことだ。

 女性からは縁がなく、それこそ小学校の時代からフォークダンスで手を繋いだ女子にものすごい顔でぱちんと手を叩き落されたことから始まり、女性と触れ合うことさえできない人生だったのである。

 別段、顔立ちが整っているわけではないがブサイクというわけでもない。

 強いて言うならば、日本人男性の平均よりもチンポが2~3センチほど小さいのだが、そもそもとして女性にチンポを見せたこともないのだから、それが魅力の低減に繋がる場所にさえ立てていたのだから、女性と縁が遠いこととはあまり関係ないだろう。


 それにしても、しかし、今の状況はあまりにも現実味のないものである。

 『死』を迎えたという受け入れがたい現状を受け入れてしまったものの、それでもやはりそのことから目を背けたいあなたが自分のことを漠然と思い起こしているのだが、それでもこの死後裁判は無慈悲に続いていくのだった。


「神々によって定められた規定に則り、罪人へと告げます。

 此度の裁判はあなたの知る者とは異なるものです。

 あなたの罪を追求する検察も居なければ、

 万能ならざる人の子であるが故に必要な論争を、我ら『神』は必要としません。

 この場に必要なのは、あなたの美徳と罪悪を乗せるこの『天秤』と、その天秤の持ち主である私――――冥界の女神、『ニトクリス[オルタ]』のみなのですから」


 そして何よりも、現実ではあり得ないものとしては、裁判官席に仁王立ちする美女の存在であった。

 ニトクリス[オルタ]と名乗ったこの美女は、あまりにも現実離れした美貌を持っている。

 チョコレートを思わせる濃い褐色肌に、闇夜に光る満月を思わせる金色の瞳、そして、色を忘れたかのような、強いて言うならば銀に近い、うなじが見えるほどに短く切りそろえられた白色の髪――――その全てが、人間では生み出せないものをごく自然に持っている。


 いや、神秘的なのはその体を構成する『色合い』だけではない。

 金色の瞳を宿しているぱっちりと大きく開いた目も、スッと伸びるような高い鼻梁も、ただ動かすだけで人の視線を引き付けて離さない唇も、その全てのパーツが小さすぎる顔の中に奇跡的なバランスで配置されている。

 『神の芸術』という陳腐な言葉を使うことでしか表現できないほどのその美貌は、本人の言葉を信じるならばニトクリス自体が女神であるが故の美しさと言えるのだろう。


 そして、ニトクリスはただ顔だけが美しい女でもなかった。

 その小さな頭蓋骨よりも大きいのではないかと思う爆乳。

 その骨盤からして人間とは違う作りになっているのであろうと断言できるほどのデカ尻。

 その大きすぎる二つの豊満な部位に挟まれながらも驚異的なくびれを持つ腰。

 そのスラリと伸びつつも媚肉が邪魔にならない程度につけられたむっちり太もも。

 そのどれか一つだけでも男をむしゃぶりつかせる性的魅力を放っているセクシーさだというのに、その全てを当たり前のように持ち合わせることで、その全ての魅力を乗算式に増加させているのだ。


 そんなあまりにもセクシーすぎるダイナマイトボディを持つニトクリスは、その肉体を包むドレスもまた特徴的なものだった。

 ニトクリスが誇る神秘的な美しさに見合う、どんな布地で作られているのかもわからないほどに、ただみるだけでも上等な生地であることがわかる、シースルー生地のドレスを身に着けているのだが、そのデザイン性があまりにも扇情的すぎるのだ。

 いや、ニトクリスという高貴かつ幻想的な女神だからこそ『扇情的である』という表現ができるだけで、そのデザイン性だけを見ればもはや『下品』と言っても良いかもしれない。

 シースルー生地の白いドレスはニトクリスのチョコレート色の褐色肌が見通せるほどであり、それこそその爆乳やデカ尻を嫌と言うほどに注視することが出来る。

 いくら足首まで届く丈の長いドレススカートであると言っても、ノースリーブ状で、乳房を覆うだけで胸の谷間の下半分も、おへそも、その艷やかな背中も丸見えになっているデザインでは上品さを醸し出すことなど出来ない。

 スーパーセレブか娼婦しか着ないようなドレスと言っても過言ではない。

 鮮やかな色合いの首飾りと腕輪、さらに腰紐以外の装飾は、その首から掲げられた丸い札のようなアクセサリーしか存在しないシックな装いだ。

 だが、その丸い札に書かれた『112/55/121』という三つの数字は、ニトクリスの爆乳ボディ、そのスリーサイズなのではという下品な推理をさせてしまうのだった。 


 ニトクリスは、そのような触れることさえ躊躇わせる神秘的な美貌を持ちながら、すぐさまに理性を捨てて飛びつかせるようなドスケベ・ボディを持っていたのである。

 そんなニトクリスを見て、『お漏らし射精』をしなかったあなたは、多くの男から褒め称えられて然るべき快挙を成し遂げたと言っても過言ではないだろう。

 あなたはあまりにも童貞すぎて、ニトクリスを呆けたように見るしか出来なかったために射精をすることさえ忘れてしまったことが幸いしたのである。


 そして、当のニトクリスはそんなあなたの呆然とした、それでも獣欲を隠すことの出来ない不躾な視線を受けても、不快感すら見せない無表情な顔立ちのままだ。

 ニトクリスは、今この場で麗美な鈴が鳴る音が響いても不快音だと思わせるような、そんな美しい声で、この『死後裁判』についての説明を行っていく。


「この死後裁判において、あなたには黙秘権もなければ、そもそも弁護さえも許されません。

 この天秤の揺れを、ただただ、生前を想いながら見ることだけが、あなたに許された権利であり、あなたが成すべき義務となります。

 ここまでは、わかりますね?」


 ニトクリスのその言葉に、こくり、とあなたはうなづいた。

 正直なところ、この死後の裁判というものを完全に受け入れたわけではない。

 目の前の、幻想的な褐色肌と銀髪を持つニトクリスの、その全身から放たれる圧倒的な神気と王気に呑み込まれたのである。

 否を唱えさせない超越者の、自分のことをその気になればぷちりと虫を潰すように消滅させられるのであろう雰囲気に、ただの一般人であるあなたが抗えるわけもないのだから。

 惜しむらくは、そんな恐ろしい相手だというのにチンポが痛いほどに勃起をしてしまっていることだろうか。

 触れることさえ出来ないであろう超越的な存在を前に、本能が性欲をむき出しにしている今の状態は、あなたを惨めな想いにさせるには十分なものだった。


「人は罪科を背負うもの、あなたたち人間が聖人と呼ぶような存在であっても、ただ生きているだけで我々のような神々にとっては罪深き存在にすぎません。

 聖人や救世主と呼ばれるような人物でも、生前に行ったその善行を持ってやっとこの天秤をピタリと均等にすることが精一杯と言えるのですから。

 そう、あなたが見てきたどのような人間であっても――いえ、あなたが携わることさえ存在しない多元世界のすべての死者を含めても、この天秤を僅かにでも『美徳』の側に傾かせた人物は片手の指をで数えられるほどしか存在しません。

 あなたが成した美徳は、あなたが生み出してしまう悪徳を薄めるためのものに過ぎないということを心に刻み、どのような結末に至ってもそれを受け入れるのです」


 ニトクリスの言葉を一から十まで正しく理解できたわけではない。

 だが、漠然と、この美しくドスケベな女神の言から察するに、自分は気づかぬうちに死んでしまい、そして、神話や民話、宗教などに形を変えて、しかし、骨子を同じくして伝わる『死後の裁判』にかけられていることに気づく程度には、あなたの頭は回った。

 同時に、これが逃れられぬものだということをわかってしまう。

 ニトクリスは言うならば閻魔大王様、その裁きを人が逃れることが出来たという伝承は、あなたの拙い知識の中には存在しないのだから。


「読み上げます。あなたはただ、生を想い、死を感じ、神を畏れ、罪を悔い改めなさい。

 罪人、『――――』」


 ニトクリスの美しい唇から放たれたあなたの名は、あなたが記憶しているあなたの名ではないのに、間違いなく自身が呼ばれているということを確信できる不思議な響きを持っていた。

 これが世にいう、真実の名前である『諱』というものだろうか。

 神は現世における名前ではなく、魂に根付いた真実の名前を口にできるのだ。

 名前とは魂そのもの、その名前を知られている相手に歯向かうことは出来ないのである。


「その、第一の悪徳は――――」


 そうして読み上げられる、あなたの罪。

 罪が読み上げられる度に、ニトクリスの裁判官席に備えられた『天秤』が左下へと強く強く傾いていく。

 そのあなたが成したという罪は、ニトクリスが前置きで述べていた通り、人間社会において定められた『ルール』を軽微でも破ったことによる罪も多く含まれていることはもちろんだが、あなたが生きている上で必ず生じる些細な生物的に必要な動き、すなわち『食事』のようなものまで含まれていた。

 そうすれば、もはや数え切れないほどの悪徳をあなたは成したことになり、それに乗じて計り知れないほどの罪科を背負っていることにもなる。

 普通の人間ならば口にすることさえ煩わしくなるほどの罪状を、ニトクリスという女神はなんてこともないように淡々と、塵一つとして見逃さないとばかりに読み上げていくのだった。

 不思議とあなたもその無限にも思える時間を当たり前のように受け入れることが出来たのは、やはり、死後の魂だけの存在だからだろう。


「以上が、罪人の罪となる。これは人が背負わなくてはならぬ罪であると同時に、人として回避できていない罪も含まれた、あなたの犯した罪となる。

 その罪を拭うことが出来るほどの美徳をあなたが持っているのか。それを今から天秤が測るとしましょう」


 罪状を読み上げられてからの天秤の傾きは凄まじく、それこそ秤の角度を測れば45度よりも大きな数字の角度が測ることが出来るほどだった。

 あなたは自身のことを平凡な人間だと自覚しており、いわゆる悪いこと――――というよりも、『要領が良い』とされるような、人間が生きていく上で社会が『なあなあ』にすることも人並みにはやってきた。

 その程度のあなたですらこの傾きなのだから、死刑囚ともなれば90度にも迫ることは間違いないし、教科書に載るような世紀の大悪人ならば、途中で天秤が重さに耐えきれず『ぶちり』と破れてしまうほどの重さの罪が乗るのだろう。

 あなたは半ば観念し、それでも消えない『地獄』という漠然とした概念に恐れを抱きながら、ガクガクと脚を震わせつつニトクリスの『裁き』を待った。


「まず、罪人『――――』の美徳を測ろう。

 その、第一の美徳は――――」


 だが、この美徳を測るターンになった瞬間のことだ。

 あなたの想像をはるかに超えることが起こったのである。



「『オチンポが素晴らしく魅力的である』」



 ――――『は?』という言葉を漏らさなかったあなたは、褒められて然るべきと言えるだろう。



「この美徳は、多くの女性を幸福へと導く凄まじい美徳である。その臭いを嗅ぎ取れば体を火照らせ、その姿を見て取れば子宮を疼かせば、その熱を手で感じ取れば潮を吹く。まさしく、神々さえも抗えず、創生の時代より伝わる『マジカルチンポ』そのものである。

 ――――今の神秘の薄れた時代によるデバフがかかり、さらには、不埒な人間による『呪詛』によってその能力は減衰し、一度たりとも女性相手に『使用』しなかったという拭い難い大罪はあるが、しかし、それを所有するということは、神々ですら知識としてしか把握していなかったそれが『存在する』と示したことは、それを補ってあまりある美徳と言えるでしょう」


 『ニトクリスは、何を言っている?』と、あなたの脳内には大量のクエスチョンマークが浮かんでいき、その海で溺れてしまいそうだった。

 だが、あなたの聞き間違いでもなんでもなく、間違いなくニトクリスはこう言っているのだ。

 『あなたのオチンポは魅力的だ、これはいくつかの罪を帳消しにする美徳である』、と。

 いや、そんなふざけたことを言っているの、ニトクリスだけではない。

 死後の人間を裁く、神秘的な『天秤』もまた、罪に傾けていたそれをぐぐっと持ち上げてみせたことから、それは悪い冗談でもなんでもないということがわかるだろう。


 呆然とニトクリスを見つめながら、それでもあの美しい女神の澄まし顔の中にある唇から、『オチンポが大きい』という卑語が飛び出たことに、本能的に、あるいは社会的に興奮をしてしまい、チンポをビクビクとズボンの中で勃起をさせてしまうのだった。

 童貞のまま死んでしまった自身のチンポが、エロ漫画やエロゲーでよく聞くようなマジカルチンポだったと信じたわけではないし信じることなど出来ないが、それでもこの美しき女神がそうであると口にすること自体が、エロすぎるためである。


「第二の美徳は、『チンカスが女を始原の快楽に導く仙薬である』。これは、あなたのオチンポが生み出す垢は、現世の苦しみに悶える女たちの人生を、たった一欠片で救って見せる仙薬を生成するという美徳である。

 こちらもやはり、一度として生存時に女性へと振る舞わなかったという大罪を犯していると言えるが、それでもやはりそれらが存在すると証明してみせた成果は大きい。あらゆる時代、あらゆる宇宙において聖人や救世主と呼ばれる人物でも行えなかった偉業である。悪徳に傾いた天秤を揺り戻すに相応しい、美徳と言えるでしょう」


 何を言っているのかさっぱり理解できない。

 それでも、ニトクリスが口にする言葉はとどまるところを知らなかった。

 第一の美徳と、第二の美徳はあまりにもふざけた内容だったが、それが第三、第四、さらに皇族へと続くにつれてその馬鹿らしさは加速度的に増していく。

 最後の方には、『男子トイレでションベンをすることで、たまたま近くを通っていた女性にそのチンポの香しい香りを嗅がせた』などという、それこそエロ漫画でも間抜けすぎると言わんばかりに採用しないようなことまで、あなたの美徳であると口にしたのである。


「第百十七の美徳、『優れたオチンポを持って生活をしていた』。

 ――――以上をもってして、罪人の美徳が天秤によって定められた。

 しかし、これらの美徳には一級神による『視認による承認』も必要とされます。

 本来ならば、三級神が行うはずのそれらを、冥界の主神であり、神々の中でもごく一部の最上位層である一級神の私、ニトクリス[オルタ]が行っているのはそのためです。

 では、罪人よ。

 すぐさまに己が手で、そのマジカルチンポを露出するのです。

 薄汚い陰部を神に晒す不敬を、他ならぬ神である私が赦します」


 あなたは、この死後裁判において何度目かになるかもわからないポカンとした間の抜けた表情を浮かべる他なかった。

 それもそうだろう、ニトクリスのような美神がチンポを見せろと要求してきているのだ。

 エロ漫画やAVでしかありえないシチュエーションだというのに、エロ漫画やAVでは決して見ることの出来ない神秘的で幻想的な美女がそれを行っているのだ。


 ごそごそっ……じぃ~……ずるずるっ……!


 だが、それでもあなたは気づいていたらそのベルトを外し、ジッパーを下ろして、ズボンを脱ぎ捨ててしまっていた。

 神と名乗るに相応しい、超常的な威光を放つニトクリスを前にしてするには、不敬極まる行動であったが、女神の放つ圧倒的な神気による呪いのようなカリスマで気づけばそんな動きをしてしまったのである。


「こ、これはっ……なんという、呪いっ……! 下着越しでもはっきりと感じる、なんと哀れなまでの封印……! マジカルチンポに嫉妬した呪詛師……いえ、人風情が出来る規模の封印ではありません……これは、二級神クラスの男神も、嫉妬からか力を貸していますね……! なんと罪深い……! 高次多元世界の全ての牝を救うマジカルチンポを、封印することに神が加担しているなど……ごくりっ❤」


 だが、そんな下着姿になったあなたを見て、ニトクリスはそこから感じる『神の権能を使用した封印』を感じ取るのだった。

 美徳として述べられたマジカルチンポの優れた点――あなたがそれらの幸福を享受できなかった人生だったのは、神々の中の男神さえも嫉妬で狂わせ、呪詛師と呼ばれる人間に力を貸して、神と言っても三級神などでは決して解くことの出来ない封印を施したのである。

 この影響であなたはマジカルチンポが受けるはずだった女性との濃厚な日々を送ることができず、それどころかその副作用で女性から強烈に嫌われるような人生を送ってしまったというわけだ。


「それでは、封を解きましょう。魂を分けた分霊ですらない、十全の力を発揮できる本体でもある私ならば、この程度の封印を解くことなど容易なことです。それも、この場は我が居城である冥界、一級神によって施された封印であっても、我が解錠から避けることは出来ないのですから」


 その封印が、冥界の主人にして無数に存在する神々の中でもほんの一握りしか存在しない『一級神』であるニトクリスによって解かれた。

 ふと、腰を中心に体が軽くなった。

 かくかく、と無様に腰が思わず前後してしまうほどの爽快感である。


「んっ……❤」


 そして、封印を解いたニトクリスの様子が一変した。

 いや、パッと見ただけでは相変わらず無機質さすら感じる無表情であるが、よくよく観察をすると目尻が僅かに下がり、逆に口角はうっすらと持ち上がっている。

 歓喜の表情を浮かべていると、勘の良いものなら気付けるような変化であった。


 あなたはそんなニトクリスの変化に気づいたことでさらに興奮を強めてしまい、痛いほどに勃起していたチンポが、今以上にさらに勃起してしまう。

 その勃起チンポを見せつけるように、あなたはチンポを露出させるのだった。


「なっ――――❤❤❤❤」


 ぼろんっ、と。

 天を突く勢いでチンポが反り立っており、その勢いと言えば、あなた自身も思わず目を疑うような大きさだった。

 そう、当たり前のように前提として語られている、『呪いをかけられてマジカルチンポを封印された』というものは、ただその魅力を覆い隠していただけではなく、そもそもの形や長ささえも、粗チンと呼ぶほどではないが、あまり魅力のないものに変えられてしまっていたのである。


「こ、これが……マジカルチンポ……様……❤ な、なんという神々しい御姿っ……❤ くっ、人が神に捧げるべき『神々しい』などという言葉を、か、神であるはずの……最上神の一柱であるこの私が、抱いてしまうなどぉ……❤」


 だが、ニトクリスによって封印を解いたことでその本来の姿を取り戻したのである。

 大きく、太く、長く、固い。

 言葉にすればあまりにも陳腐な特徴だが、それだけで十分なのだ。

 えげつない角度を作っているカリの高さは女性の柔肉を鋭角に削り取るような形をしており、さらに太い幹にはビキビキと奔る血管は太く浮き出てまるでイボが作られているようになっているではないか。

 いや、血管だけではない。

 幹の中に、明らかに肉が隆起した凹凸が生まれているのである。

 女を殺し、牝へと落とし、永遠の悦楽を与えるために最適化された形をしているのだ。


「か、神である私でさえも、思わずひれ伏したくなるような……❤ こうして、裁判官席から見下ろすことさえも不敬だと思うような……❤ な、なんという神気っ❤ なんという王気っ❤ 世界を統べる支配者だけが持つ、圧倒的な存在級位……❤ 自然と敬う感情が胸の内からこみ上げてきしまうっ❤ か、かっこ、いいぃ……❤」


 そのマジカルチンポは、その形だけで女を魅了する。

 その女の中には、女神であるニトクリスも該当するようだった。

 超越者であるはずの女神ニトクリスは、ついにその無表情の仮面をバキバキに砕かれてしまい、瞳を熱く潤ませながらチンポを注視しているのだから。


 それだけではない。

 本人の言葉通り、裁判官席という上下の座標において高い位置から、証言台でそそり立つマジカルチンポを『見下ろす』ことを不敬だと思ったのか、不可思議な力でエレベーターのように裁判官席が下へと下がって、あなたを見上げるような位置関係に変わってしまったのである。

 冥界の主神を名乗る、神の中でも特別な存在であるニトクリスがチンポをうっとりと見上げている姿に、あなたが例えようのない優越感――いや、全能感を抱いてしまうのも、仕方のないことと言えるだろう。


 あなたはただ、チンポを勃起させて見せつけるだけで、冥界という空間の圧倒的な支配力を持つ女神を見下ろすことが出来るのだ。

 それは、今まで自分を相手にしなかった、それどころか明らかな嫌悪を向けてきていた『女性』という概念への、僅かに抱いていた敵愾心も相まって、強烈な精神的高揚を抱かせてしまうもののである。

 この時の感情も、あの審判の天秤に測らせれば『悪徳である』と判断させるであろう、そんな薄汚い欲望であった。


「んんっ❤ ごほんっ❤

 そ、それでは……審判の天秤は罪人の死後を指し示した」


 だが、さすがは冥界神と言うべきか。

 ニトクリスは咳払いを一つ言えると、まだ耳を赤くしているものの、先ほどまでのような無感情の仮面を被り直して、裁定を口にしていくのだった。


「冥界の主神、ニトクリス[オルタ]もまたこれに同意を明かした。

 故に、『――――』が進むべき世界は、以下のものである。

 その世界は、『冥界の女神・ニトクリス[オルタ]とその従属神や信者たちが徹底的にマジカルチンポ様をお慰み奉り、世界を救う聖液を放出して、あらゆる多元宇宙にその神気を拡散する』ための世界である。

 申し出は受け付けない。『――――』はただちに、我が神器を持ってそのオチンポに滾る精気を放つのです」


 あなたは、今にもぶちりと天秤が壊れてしまいそうなほどに、『美徳』の側に傾いている――――いや、『美徳』を下にして『悪徳』を天高く掲げている、『I』の字を描くようにしている天秤を見つめる。

 どうやらあなたが犯したあらゆる悪徳は、ただただ、『チンポがものすごく魅力的である』というだけで吹き飛んでしまったようであり、その馬鹿げた理屈を実際にチンポを見たニトクリスもまた納得をしたようである。


 いや、吹き飛ぶどころか、あなた程度の『小物』が積み上げた悪徳では、このマジカルチンポが持つ美徳を微塵も揺るがせないものであるという結果に導かれたらしい。

 そう言ったことを上手く飲み込めないまま、それでも言いようのない下品な優越感を抱きつつ、あなたの視界が一瞬で真っ暗になる。

 神々が持つ権能による転移だとすらわからず、あなたは突如として味わった浮遊するような感覚と落下するような感覚によって意識を失ってしまうのだった――――。


(続)

冥界の主、ニトクリス[オルタ]との死後裁判を受けたあなたが、とある神の嫉妬で封印されていたマジカルチンポが覚醒をして、神様よりも格上の存在になって宇宙の支配者となってしまうお話【本番】


冥界の主、ニトクリス[オルタ]との死後裁判を受けたあなたが、とある神の嫉妬で封印されていたマジカルチンポが覚醒をして、神様よりも格上の存在になって宇宙の支配者となってしまうお話【導入】

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