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さすらいのヒモ
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限界中年男性、現代日本でヤンキー美少女とギリシャ神話の偉大な僭主をまとめてオナホ舎弟にする。(導入)

Pixivで連載している下記のシリーズの外伝的な作品になります。事件を解決した後に現代日本にハーレムメンバーたちと戻ってきた魅了チート持ちキモオタ限界中年男性な竿役が、FGO以外の作品のキャラをマジカルチンポを代表とする魅了チートで落としていくお話になります。

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こちら前回の外伝

限界中年男性、現代日本で王子様系イケメン美少女をカキタレに堕とす。

Pixivで連載している下記のシリーズの外伝的な作品になります。事件を解決した後に現代日本にハーレムメンバーたちと戻ってきた魅了チート持ちキモオタ限界中年男性な竿役が、FGO以外の作品のキャラをマジカルチンポを代表とする魅了チートで落としていくお話になります。 ◆  それは、東京にある平凡な私立高校での出来...

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 神奈川でヤンチャをしていた二十歳前後の人間で、『向井拓海』の名前を知らない人間は居ないだろう。

 それは、現在進行系で伝説を更新し続ける『最強のレディース』の名前である。

 最強のレディースとは、『レディースの中での最強の女』という意味ではなく、『レディースをやっている最強の不良』という意味合いを持つ。

 つまり、なんとも単純な言い方をすれば――『男よりも強い女』ということだ。

 暴走族チーム、『狂鬼会』の特攻隊長を努めていた。

 狂鬼会には一つ伝統が存在し、それは特攻隊長には最も早くバイクを走らせて、最も強い男が務めるというものである。

 すなわち、『特攻隊長・向井拓海』というものが発生したのは当時の幹部格による単なる酔狂などではなく、向井拓海よりも早く走れる男も、向井拓海よりも強い男も狂鬼会には、いや、神奈川の暴走族には存在しなかったのだ。

 そんな向井拓海には多数の『伝説』が存在する。


 曰く、たった一人で百人の荒くれ者を倒したという伝説。

 曰く、ナナハンのバイクと正面衝突をしたがすぐに立ち上がって喧嘩を続けたという伝説。

 曰く、地下組織が開催している裏格闘技大会で現役ヘビー級ボクサーに勝利したという伝説。


 どれもこれもが眉唾ものの伝説。

 むしろ、そんなあり得ないような出来事を面白おかしく喚き立てることで、拓海の存在を虚構にまみれた『ピエロ』のような存在に貶める意図さえ含まれている、真偽も定かではない都市伝説だった。


 そんな逸話の中で唯一、公的な記録が残っている伝説が一つだけ存在する。

 それは向井拓海が小学校六年生、まだ赤いランドセルを背負う児童であった時代の話だ。

 向井拓海は一人、小学校から帰宅をしていた際に高校生の五人組に暴行を受けたのだ。

 暴行といっても、性的暴行ではない。

 その高校生たちは木刀に金属バットや鉄パイプとメリケンサック、果てにはナイフまで装備した状態で小学六年生を、しかも、女子児童へと襲いかかったのである。

 その襲撃の十五分後、パトカーと救急車が現場に駆けつけて、『六人』を警察ではなく病院へと移送していったのだ。

 この襲撃をした高校生の五人組は事情徴収を行う警察へと、『それぐらいでなければ殺されると思った』という意図の発言をしており、全治一ヶ月の女子児童への罪悪感なども持っておらず、むしろ、その退院――拓海からの『お礼参り』を恐れている様子さえあったと、現実に警察署の調書に残されている。


 何が言いたいかと言えば、向井拓海は『人間離れした戦闘力』と『図抜けた度胸』を持っているということである。

 事故を恐れずにバイクをフル加速させてチームの先頭を突っ走れば誰も隣に並ぶことなど出来ず、その一見すると白く長い指を固く握りしめて震えばどんな大男であろうともピクピクと体を痙攣してワンパンで失神してしまうような、本当に、向井拓海は漫画やアニメから現実に飛び出してきたような女ということだ。


 そんな恐ろしい女なのだから、さぞ見目が残念なゴリラのような不細工女だと思われるだろうが、拓海はその恐ろしい戦闘力だけが有名というわけではなかった。

 向井拓海は、神奈川の不良がその名を聞けばぶるりと体を震わせるほどの恐怖の象徴もあるのだが、同時に震えながらも股間のチンポをビキビキに勃起させてしまうような、『オナペットちゃん』でもあるのだ。


 濡れ羽色という表現がよく似合う長い髪には枝毛一つ存在しないストレートロングであり、大きく開いた吊り目がちの目とすっと伸びた高い鼻はまるでお人形さんのように整っている美貌を形作っていた。

 さらに、身長こそ163センチと女性にしては高いぐらいという程度のものだが、女性らしいスタイルという意味では、グラビアイドルも裸足で逃げるようなダイナマイトボディを持っている。

 その戦闘力の持ち主とは思えない細い首と狭い肩とは裏腹に、胸にはその小さな小顔がそのまま並んで二つほどついているのではないかと思うほどの爆乳おっぱいが揺れており、そのクセに腰つきはキュッとくびれているが――『くびれている』ということはつまり、大きく膨らんでいるのはその爆乳おっぱいだけではなく、お尻もまた上向きの張りが抜群のデカ尻をしているということでもある。

 長い手足は無駄な媚肉がついておらず、それでいて鶏ガラのような情けない印象は与えずに、柔らかできめ細やかな肌とともに女性らしい印象を与える丸みを持っていた。

 神奈川を拠点とする多くの荒くれ者たちが向井拓海の強さを連想すれば金玉が体内へと隠れていきそうなほどの恐怖を覚えながらも、同時にあの美しさを妄想すれば嫌でもチンポが固く勃起してしまうという、人体が矛盾した反応を起こしてしまうのだ。


 そんな向井拓海の所属する狂鬼会だが、実は一ヶ月ほど前に、その十年の長い歴史に幕を下ろして『解散』をすることになった。

 理由は単純に、所属している暴走族たちがほぼ全員――そう、たった一人の例外を除いた全員が、原因不明の昏睡状態に陥った上、回復した後も震えながらバイクのハンドルを握ることを拒絶したからである。

 その理由を誰もが口を閉ざし、唯一残った例外である、特攻隊長の向井拓海は雲隠れをしたように神奈川付近では姿が見えなくなってしまっていた。

 風の噂では東京は港区で特徴が一致する美少女の姿が確認しているのだが、バイク屋でアルバイトをしているぐらいには一般家庭の一人娘である拓海の印象とは当てはまらない。

 ならば、『港区女子』となってスケベオヤジに媚を売るように金を稼いでいるのかというと、『いやいや、それは向井拓海ならば絶対に有り得ない』と彼女を知るものなら一笑に付すようなこともあり得ないだろう。


 こうして、狂鬼会と大きな暴走族グループと『向井拓海伝説』は謎を多くにして、あまりにも不可解な形で幕を閉じたのである。

 そしてこれは、そんな日からちょうど一ヶ月のことだ。



「はぁ……! はぁ……! な、なんだ、なんだよ、あれ……!」



 東京のとある繁華街で、一人の男が息を切らしながら必死で廃ビルの中を走り回っていた。

 この廃ビルは管理が非常に雑な形で行われており、そのため、柄の悪い連中が『休憩』として利用することも多いようなビルである。

 息を切らしながら、階段を降りようとしているこの人物もまたそんな風に無断で違法に利用していた、そんなまともとは少し言い難いチンピラだ。

 だが、今回ばかりはそんな彼も涙を流し、チンポからチョロチョロとションベンを漏らすほどの恐怖に襲われていた。

 想像だにしなかった出来事が、彼の身に襲いかかったのである。


 ――――この廃ビルに、バケモノが現れたのである。


『GYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!』

「ひぃぃぃっっ!?」


 大型の狼のようなその怪物は、聞くだけで全身が震えだしそうになる恐ろしい唸り声を威圧的にあげてくる。

 その声を聞いただけで、今にももつれて倒れ込んでしまいそうになる頼りない足を必死に動かして、チンピラはそのバケモノから逃げていく。

 そのバケモノは、誰もいない廃ビルの部屋の中でストレス解消のためにぼんやりと、『良くないクスリ』を楽しんでいたチンピラの前に、突如として現れたのだ。

 扉を蹴破るということですらなく、その大きな口を大きく開いて、そのまま扉を『食い破った』のである。

 あまりの事態にぽかんとしてしまったチンピラだが、それでもすぐに逃げ出すほどの冷静さがあったのは幸いだろう。

 何もせずに棒立ちになって、その怪物の餌になる未来は決して大袈裟で悲観的な妄想などではない、それぐらいにこの怪物の放つ危険なオーラは凄まじいものだったのだから。


「ひぃ、ひぃぃ、いぃぃぃっっ! ふげぶぅ!?」


 声とも呼べない悲鳴を上げながら走っていたチンピラだったが、クスリの影響と怪物が放つ恐怖のオーラによって、足を絡ませるようにしてこけてしまう。

 しかも、そこが階段でないことからゴロゴロと転げ落ちてしまい、全身に鈍痛が奔る。


「あ、ああ……し、死んだ……」


 階段の下まで転がり落ちていくと、その視線先にはやはり、大きな黒い狼のような怪物が彼を観察するように、赤い瞳で見つめていた。

 そして、ゆっくりと、まるで彼に恐怖をたっぷりと味わわせるかのように怪物は迫ってくる。

 とは言え、もはや怪物の動きが速くても遅くても関係ない。

 腰が抜けてしまった彼に逃げる手段はないし、もちろん、その怪物を倒す手段もない。

 デッド・エンドである。


 ――――だが、彼がついに生きることを諦めた、まさにその瞬間だった。



「オラァっ!」



 裂帛の気合の声とともに、一人の美少女が飛び出してその謎めいた怪物をその素手でぶっ飛ばしてしまったのである。

 顎と思われる箇所に大きいとは言えない女の拳がぶつかっても、コンクリート壁を容易く噛み砕いた怪物になにかの影響が生まれるとは思えない。

 しかし、そんな常識的な考えなど一切考慮せずに、その怪物はぐらりと体を揺らすと、人間でいう『たたらを踏む』ような動きで後退していったのだ。


「へっ……あっ……?」


 何が起こったのか理科も出来ない頭で、それでも突如として現れて怪物を殴りつけた美少女の姿をしっかりと見つめる。

 彼女こそが、向井拓海であった。

 三年前までは神奈川の横浜に暮らしていた彼は、高校生にリンチにあったことで非常に有名だった向井拓海の、まだ未成熟であった頃の面影を感じさせるその美少女の正体を見抜いたのだ。

 狂鬼会特有の濃い紫の特攻服に特攻隊長が代々受け継がれてきていた黒い腕章をつけ、めくり上げた袖の先にはライダー特有の革の指ぬきグローブが嵌められている。

 このグローブは、とある筋から手に入れた神秘を保有した魔術具であり、人外じみた戦闘力を持つが故に強すぎる鬱憤を抱えて、『バイク』と『暴走』の疾走感でストレスを解消せざるを得なかった拓海の強さをさらに引き上げていた。


 だが、チンピラの視線はそんな向井拓海の『全体像』にではなく、とある『一点』に引き付けられてしまった。

 それこそが、インナーすら着ていない特攻服の開かれた前の、きつく『サラシ』が巻かれた胸元である。

 どれだけきつく、押しつぶすように巻いていてもそのむぎゅりとした胸の谷間の深さから否が応でもそのサイズが規格外の爆乳であることを教えてくれた。

 しかも、特攻服にサラシという特殊な状態がまたフェチ心をくすぐってくるではないか。

 怪物相手にも一歩も引かず、格闘技の動きではない喧嘩屋の粗雑な動きで、それでも呼吸をしていないのではないかというスピードで殴り続ける圧倒的な姿はチンピラに奇妙な安心感を与え、それはもはや彼に今の情景を『闘う美少女』というエンタメとして認識させて、エロい視線を向けてしまうほどのかっこいい、それでいて、どこかエロい姿だった。



「カイニス、決めちまえ!」



 そんな風に拓海のラッシュですっかりと動きが鈍ってしまっている怪物へと、また『新たな美少女』が襲いかかっていく。

 弓を引くように思い切り引いた右腕を、やはり弓が放たれるようなスピードで怪物の顔面へと叩きつけることで、怪物の体が宙を浮いて廃ビルの壁へとぶつけられる。

 すでに瀕死のようだが、それでも素手で絶命させるとなると、打撃ではまだまだ攻撃が必要なのだろう。

 そこで、拓海の『今の相棒』の出番となるのだ。



「おう……よ、っと! いっちょう上がりだ!」



 拓海の声に答えた美少女、『カイニス』はその手に持つ獲物は、戦闘用のものとは思えないほどに華美な、いかにも美術館で飾られていそうな年代物の槍であった。

 喧嘩において使われるはずもなく、また、今の時代では戦争で槍など使用することもないだろうため、まさしく観賞用としか思えないはずのその槍は、ささくれだって触れるだけで人の肉をえぐり取りそうな怪物の毛皮を容易く裂き、その大きな頭蓋を一刺しに貫いてしまったのである。


「う、うおぉ……!」


 そのカイニスと呼ばれた美少女は、あの向井拓海と並んでも決して見劣りのしないほどの洗練された美貌の持ち主だった。

 ショートカットに整えつつも一房だけ足首に届くように伸ばされた独特の銀色の髪に、チョコレートを思わせる褐色の肌と透き通るような蒼い瞳は、その全てが日本人とは異なる人種であることを示している。

 ウエスト部分までしかない丈の短い白い長袖ジャケットの下は黒のビキニ水着というとんでもない露出度だが、その引き締まった腹筋からエロさと同時にかっこよさを感じさせ、さらに、下半身はショート丈のデニムに左足だけに黒いニーソックスをつけているという、ワイルドさが現れたファッションセンスを周囲に見せつけていた。


 そして、その美貌と体つきも、向井拓海同様に人間離れしていると表現したくなるほどの整い方をしている。

 驚異的とさえ言える小顔の中にはどこか危険な印象を与える鋭い、しかし、大きな瞳は吸い込まれそうなほどに魅力的で、獣の耳のように(本当に『ように』なのか?)伸ばされている頭頂部の二房の髪も相まってどこか野性的な美貌が作り上げられていた。

 それでいて、その体つきは非常に官能的なものである。

 黒ビキニでは抑えきれない大ボリュームの爆乳おっぱいは、カイニスがぐるりと大きく槍を回転させる動きに合わせるようにぶるるんと震えだし、思わず男のチンポを固く勃起させる破壊力を持っていた。

 それでいて、やはりこちらも拓海と同じように引き締まったウエストと、爆乳おっぱいなのだから当然だと言わんばかりに大きなデカ尻を持っており、特にデカ尻に関してはダメージ状態のショートパンツデニムをさらに虐めぬいているようなほどの大きさである。

 そこから伸びる長い脚は体のほとんどを占めるのではないかという驚異的な長さなのもまた、いかにもな『いい女』の形そのもので、もはや性欲というよりも、男の支配欲や征服欲などを刺激するほどの、それほどの美しさとエロさであった。


 一人だけでも心を捉えて離さないほどの美少女であるのに、それが拓海とカイニスという二人が揃っていることから、怪物が倒されて命が助かった安心感も重なり、食いつくように二人を性欲も混じった目で見てしまう。

 いわゆる、子種を残そうとする本能的な反応も含まれたのだ。

 だが、それを向けられる方は敏感にその我欲に満ちた、いやらしいものに気づいてしまうものだ。


「おい、見せもんじゃねえぞ。こんな人気のねえところでクスリをキメてりゃ、こういうこともあるって学習しとけ」

「テレビでも見てんのか、ああん? 今日のことは忘れて、さっさと消えな。それとも、オレたちの言葉がわからないぐらいにキマってんのか?」

「ひ、ひぅぃっ!? あ、ありがとうございましたぁぁっ!?」


 明らかな不快感を露にしている視線でチンピラを邪険に追い払うその様子は、彼女たちは怪物を退治するものではあっても正義の味方などではないと言わんばかりの恐ろしさだった。

 視線だけで人を殺せるのではないかというその鋭い視線を向けられたチンピラは、性欲というどこか後ろめたい感情を抱いていたこともあり、間の抜けた感謝の言葉を口にしながら四つん這いにもなるような前かがみの姿勢で廃ビルから逃げ出していくのだった。


「しかし、この退魔ってやつ? なかなか悪くねえな、イキってるだけで大した事ない雑魚雄をぶっ飛ばすよりは……へへっ、ずっと心が沸き立つってもんだ! 仲間たちみたいな犠牲者も減らせるしな! 正義の味方なんて柄じゃないが……それでも、人助けってのも悪くないな!」


 一方で、廃ビルへと残された拓海は、シュッシュッ、と顔に笑みを貼り付けながらシャドーボクシングを行うほどに上機嫌であった。

 拓海は今、この世のものではない不可思議な、人間へと襲いかかるバケモノを倒す『退魔活動』に熱中していたのである。


 その原因を振り返れば、やはり狂鬼会の解散と時期を同じくする、一ヶ月前のことだ。

 狂鬼会の集会で突如として現れたその怪物は人間の精神を弱らせる異能を持った怪物であり、それらを素手で倒したところをカイニスと、その『カイニスのマスター』と出会うことで、拓海はこの世に人智を越えた存在がいることを知ったのだ。

 それ以来、『カイニスのマスター』から一時的にカイニスとのマスター・サーヴァント契約を譲渡されて、外付けの令呪を手に入れることでカイニスの仮マスターとして、この東京に突如として発生した怪物を倒す夜を過ごすようになっていたのである。

 カイニスとも波長が合うし、人間との喧嘩では味わえないスリルを楽しめるし、何よりも『人生を一変させる出会い』を経験したことから、今まで過ごしてきた拓海の人生の中で、今この瞬間こそが最も輝いている瞬間だと断言できるほどの充実感を覚えていたのだった。


「おっと……拓海。この雑魚狩りが気に入ったのは良いがな、どうやら呼び出しが来たぜ」


 そんな拓海にカイニスは微笑ましいものを見るような視線を向ける。

 カイニスという荒くれ者にとって、男を見下すように力を振るい、誰にも媚びることなく、規則や倫理というものに中指を立てるように自分の道を進んでいる拓海に好印象を抱いてた。

 波長が合うというのだろう。

 マスターから仮契約をするように促された時は不満たらたらであったが、それでも日々を過ごすうちにすっかりと『相棒』とも呼べるように関係性を作れていた。

 そんなカイニスは、現世で手に入れたスマホを手にして、そこから一つのアプリの画面を見せつけて、そこに書かれているメッセージを指し示す。



「――――俺らの、ボスからだ❤」



 それは、カイニスの真のマスターから送られてきた、『招集』のメッセージだった。



 ◆



「なんだったんだ……あれ……」


 その後のことだ。

 自室に戻った後、ションベンを漏らしたズボンを着替えて、バイト先となる激安が売りのディスカウントストアへと向かった。

 これもまたあんな命の危機に襲われた直後であっても、生活をするためには働かなければいけないという資本主義における労働者の悲哀と言えるだろう。

 二十四時間営業のそのお店も、立地の条件もあってさすがに日付が変わる頃には人の入りも悪くなるというもので、先ほど廃ビルで怪物に襲われたばかりのアルバイトは今、どこか下品な印象を与える馬鹿みたいに大きな笑い声をあげる客たちを尻目に品出しをしていた。


「……マジでエロかったな、あの二人」


 そうして、命の危機を切り抜けた後に残ったのは強烈な性欲であった。

 バイト先の制服のズボンの下で未だに痛いほどにそそり立っているチンポは、さほどの大きさではないもののそのまま背筋を伸ばして立てば、その存在が強烈に主張を始める程度には股間に張れるサイズに膨張している。

 そのため、なんとも妖しげな様子で前かがみになって勃起を隠しているのだが、それでもふとした瞬間にあの、物理的な意味で危険な香りを漂わせる爆乳美女コンビの姿を思い出してしまい、勃起チンポが落ち着くことにはなかった。

 それこそ、バイトに来る直前に雑とも言えるスピードでオナニーをして一発抜いたというのに、そんなことなど関係ないと言わんばかりの硬さなのである。


「…………? なんか、入口が騒がしいか?」


 チンポが固く勃起をさせながらバイトをするという、ある意味ではどこか変態チックで不真面目なことをしていたその時に、入口の付近から人々の騒がしい声が響いてくる。

 とは言え、それ自体はさほど珍しいことではない。

 この時間帯、この地域は正直なところ奇人変人揃いであるために、変質者とも呼べるような人物が時折現れるのだ。

 そう言った類のものはアルバイトではなく店員が対応するので、そこまで気にせずに業務を続けていたのだが、どうやらその騒々しい声も近づいてくるではないか。

 彼は、はぁ、とため息をついて勃起チンポを隠すように前かがみになりながら


「まったく、なんなんだよ……って、んなっ!?」


 そこには、想像だにしない光景が拡がっていた。

 このバイト店員のチンピラが先ほどまで、いや、今だって現在進行系で頭の中で浮かべていた美女コンビである『向井拓海』と『カイニス』が居たのである。



「んぅっ❤ な、なぁ❤ これも居るんじゃないか❤ なにせ、夜は長い……いや、朝や昼だってあるんだからよ❤」

「ひゃぅっ❤ め、メシなんて食ってられねえからな❤ 片手で食えるやつと飲み物……あと、栄養剤は大量に必要だろ❤」

「ぐひひっ! そ、そんなに買っちゃって! いったい何日引きこもるつもりなのかなぁ?」



 ――――ただし、その互いに甲乙つけがたい魅力的な爆乳を一人の醜男に押し付けるように腕を組みながら、潤んだ瞳と紅潮した頬という姿の向井拓海とカイニスであった。



「あっ、これも居るよねぇ。床が汚れるのは大変だしさ、ぶふふぅ!」

「ペ、ペット用シーツって……ったく、あたし達を犬猫扱いかよ❤」

「ま、まあ、これまでのことを思えばなんの反論もできねえけどよ……❤」


 むにゅ、むにゅぅ~❤


 そんな擬音が聞こえてきそうなほどに、二人の間に当たり前のように挟まっている中年男性の腕へとその爆乳を押し付けていく。

 しかも、それだけではない。

 つい先程まで、サラシ特攻服とワイルドな私服という、二人が持つ『野蛮なかっこよさ』とでも呼ぶべきものをさらに強調するファッションだったというのに、今の彼女たちはそのかっこよさのすべてを脱ぎ捨てたような服装をしたのだ。


「うぉ~、AVの撮影かな?」

「いやいや、あんな女見たことないぜ?」

「じゃあ、そういうプレイ?」


 ヒソヒソとした声がバイト店員の彼の耳にも届いてくるが、まさしくその言葉に全面的に同意する他ないほどの、恥ずかしすぎる服装だったのである。

 その服装は、本当に実に単純なもので――――『ケバケバしい派手なピンク色の特攻服』と、その下につけた『ヒョウ柄のマイクロビキニ』と、それと残りはスニーカーだけという、娼婦でもそのような格好では出歩かないであろう変態衣装だ。

 しかも、特攻服の前を締めずにコートのように前開きしているため、そのマイクロビキニの布面積が小さすぎて、その爆乳にはピンク色の鮮やかな乳輪が少しだけのぞいえいるし、いわゆるデルタゾーンにはしっかりと手入れをしているだろうにうっすらと何本かだけ陰毛が飛び出ているのだ。

 恐らく、特攻服をめくりあげてそのお尻を覗けば、ボリュームたっぷりのデカ尻を収納できずにTバック状態に食い込んだエロ尻も見れるのだろうというほどの小さなマイクロビキニである。

 さらに、トドメと言わんばかりに、そのピンク色の特攻服に書かれた不良らしい文字もまた勇ましいものではなく、いやらしいものに変わっている。

 だが、拓海の背中に『オチンポ様命❤』と書かれて、その胸元には『806プロ』という名札がつけられ、『絶対服従』という腕章をつけている。

 一方で、カイニスの背中には『チョロマン雑魚女❤』と大きく書かれ、胸元には拓海と同じく所属を意味する『806プロ』と名札がつき、腕章は『完全屈服』という文字が書かれている。

 他にも裾の部分に様々な卑語が書かれているが、これらは彼女たちがこの媚びている男の、この時代に似つかわしくない言葉になるが、『奴隷』であることを示していると言えるだろう。

 これが企画モノAVの撮影でないわけがない。


 なのに、あの二人がAV女優であることを受け入れられない。

 あれだけかっこよくて強い女だからこそ、やましい想いを抱いても『別世界の人間』だと僅かな夢さえ抱かずに居られたのだ。

 もしも二人がAV女優だというのならば、この世にはあのエロすぎる顔と体を、二人同時に貪っている男が存在するということになってしまう。


「あっ……あ……」


 彼の中にあった、強くてエロい女という二人に対するイメージがガラガラと崩れていく。

 このバイト先に来るまでに焼き付いて離れなかった、『あの強い女を自分に屈服させたらきっと最高に幸せなんだろうな』という欲望から来る様々な卑猥なプレイが、現実にあの中年男性に対して行われているだとわかってしまう。


「おぉっ! このコスプレ衣装とかたくみんとカイニスに似合うんじゃないかなぁ? ぶ、ぶひひ、どう、買っていかない?」

「なっ、なななっ❤ こ、こんな恥ずかしい、可愛すぎる服なんて着てられるかよっ❤ あ、い、いや、あんたがどうしてもって言うならそりゃ着るけど、で、でも、これは……❤」

「こんな安物をわざわざ買わなくても……お前の女のクレーンとハベトロットに言いつければ、もっといいもの作れるだろうが❤ あいつらにもお前のための仕事をさせてやれよ❤」


 さらに、この三人組の力の上下関係を示すように、中年男性の腕に抱きついている拓海とカイニスは空いた方の手に買い物かごを持ち、中年男性が顎をしゃくるように品物を指すと甲斐甲斐しくその買い物かごに突っ込んでいくのだ。

 そのかごの中身もまた、内容を見ただけで思わず興奮を促すようなものが詰まっていた。


 水やジュースに栄養剤ドリンク。

 菓子パンやゼリー飲料。

 大量のタオルとティッシュ箱。

 ペット用シーツ。

 そして、大量の最大サイズのコンドーム。


 ちょっとでも性知識のある者ならば、これらの全てが『巣ごもりセックス』とでも呼ぶべきプレイに使用するものだとわかるだろう。

 水やジュース、栄養剤ドリンクはセックスの最中は少しでも外に出るつもりはないということをアピールしており、大量の菓子パンやゼリー飲料は調理の手間はもちろんだが食事の手間を省けるように片手だけで食べられるものを揃えている。

 大量のタオルやティッシュ箱は体液まみれになるであろう体を拭う使い捨てのものだと察せられるし、ペット用シーツは先ほども会話で出た通り、その大量の体液が出るような行為をしても床を汚さないで済ませるためのものだ。

 そして、大量のコンドームはそれだけの量を使うぐらいのセックス漬けをするつもりだと知らしめるようだし、さらにそのサイズがジョークグッズとしか思えない大きさ


 なお、このコンドームはが、拓海とカイニスという最大の美女を指を加えてみることしか出来ない、周囲の雑魚雄への『マウント行為』でしかない。

 本当は全ての精液を拓海とカイニスのオマンコに膣内射精をするつもりでしかないと知れば、本当に憤死してしまうかもしれないだろう。

 会話の節々から中年男性がエロ漫画の世界から飛び出してきたような男だと感じさせる卑猥な会話を続けながら、ディスカウントストアを一周した三人組はセルフレジのコーナーへと入っていく。


「じゃあ、ここは僕が払っておくからねぇ♪」

「うっす! ありがとうございます、肝尾さんっ!」

「マスター、いつもすんませんっ!」


 そのセルフレジで周りに見せびらかすように買い物かごの中身を、中年男性はニヤニヤとした見つめたまま、まるで召使いのように拓海とカイニスに読み取らせていった後に、支払いの際にだけその中年男性が現れてクレジットカードでそれらの支払いを済ませていく。

 それに対して、拓海は特攻服マイクロビキニという変態的な姿のまま、足を肩幅に開いた後に両手を背中で組んでガバリと大きく頭を下げる、いかにも『暴走族』的な礼を行った。

 カイニスもまた拓海の動きに習って同じの動きを行うのだが、そうすれば当然、マイクロビキニで抑え込んでいるだけの爆乳も、『ぶるるんっ❤』と魅力的に揺れていき、それが収まるとその長い谷間を見せつけるという、男に媚びるような行動を取っていく。

 偶然にも中年男性の側に居たためにそれを覗けた男たちは鼻の下を伸ばし、まるで漫画かアニメのようにたらりと興奮で鼻血を漏らしてしまうほどのエロい光景だった。


 しかし――この光景と言葉だけで判断すれば、この三人組の関係は特殊すぎる『パパ活』なのかもしれないと、この中年男性はとんでもない大富豪でその資金に明かしてこの二人の美女を自分のものにしたいのかもしれないと、そんな風に自分をごまかせたかもしれない。

 現実に拓海やカイニスの魅力に惹かれつつ、肝尾のことを不細工な中年男性としか見れない『男たち』はそう思い込むことで、なんとか敗北感に耐えているようだった。

 実のところこの肝尾と呼ばれた中年男性が取り出したクレジットカードは、拓海やカイニスではない、けれど二人に決して負けない美貌を持つ別の『セレブ美女』から貢がれた、自分の懐が全く傷まないクレジットカードである。

 それを知れば、本当にここにいる男たちの脳は完全に破壊されてしまっただろう。


「し、死にてぇ……」


 アルバイト店員は思わず涙を流してしまった。

 自分の心を華麗に奪っていた、アニメのキャラクターのように怪物を倒した強くて美しい、そして、エロい女たちが自分ではない不細工な中年男性に媚び媚びな変態女だと知ってしまったのだ。

 自分もアプローチをかければあの中年男性の座を奪えるのではないかとは、なぜか不思議と思わなかった。

 心の何処かで、雄の本能が一見すると不細工なあの中年男性に敗北を認めているのだ。

 それは他の男達も同様で、いかにも淫乱そうなド派手なピンク色に染め抜いた特攻服の後ろ姿を名残惜しそうに見つめているものの、中年男性のことなど完全に無視して爆死覚悟でナンパをしようなどと考えている男は一人も居ないようだった。


「……ね、ねえ、今の人、ちょっとかっこよかった……かも……❤」

「そう、だよね❤ 顔は普通だけど、なんか、雰囲気あったよね❤ 俳優さんとかかな❤」

「と、というかさ……あれって、『おじさん』じゃない❤ 今話題のインフルエンサーのっ❤」


 一方で、男たちではない頭の悪そうな女たちは、カップルで着ていることも忘れて近くの女性へと語りかける。

 ただし、その話題の中心にあったのは拓海やカイニスではなく、その二人に挟み込まれた不細工な中年男性であった。

 その姿を今も思い出して、顔を真っ赤に染めて腰をもじもじと動かすという、明らかに発情しきってしまっている牝顔を晒しながら、ぽぉっとした視線でかろうじて見える背中をいつまで見つめているのだ。


 そんな風に、男たちは強烈な敗北感を抱きながら、女たちは抑えきれない胸のときめきを感じながら、嵐のようにやってきた三人組は立ち去っていったのである――――。


(続)

限界中年男性、現代日本でヤンキー美少女とギリシャ神話の偉大な僭主をまとめてオナホ舎弟にする。(本番)


限界中年男性、現代日本でヤンキー美少女とギリシャ神話の偉大な僭主をまとめてオナホ舎弟にする。(導入)

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