社会で生きている人間は、『結婚をしていない』というだけで軽んじられる傾向がある。それはある種の差別的な視点ではあるのだが、多くの差別がそうであるように、同時に一定のロジックを孕んだ思想であった。
つまりは、人間が普通に生きていれば異性との出会いの場があって然るべきで、そうして、複数人との異性と交流を重ねていけばその中で当たり前のように恋慕の情が発生し、そこから愛が育まれて結婚をする――――それが普通だという思想である。
無邪気にそれを信じる人間が確かに存在し、その当たり前の理屈から離れている人間には何かしらの人格面に問題があると見なされる。そんな理論が当たり前のようにまかり通っていた社会が、確かに『在る』のだ。
どこにでもいる冴えないサラリーマンの『彼』もまた、その普通の出来事を成し遂げられなかったがために、周囲からどこか厳しい、あるいは蔑みにも似た視線を向けられる、独身中年男性なのである。
そして、同じ独身の中年であっても、婚姻の経験が一切ない未婚の独身男性と離婚歴のあるバツイチ男性の場合では、むしろ、後者の方が『失敗したとしても、結婚までたどり着けた』という点で社会的信用が高いとさえされているほどだ。
また、結婚をしていなくても女遊びと呼ばれるようなことを人並みにしていればまた違うのだろうが、そのような浮いた話もないために、どこか不気味とさえ思われている節があったほどである。
そんな彼が大学卒業後に現在の会社に入社したのが三十年前で、そこから新規事業の開拓という名目で、この海上都市ワダツミへと赴任したのがちょうど十年前だ。
養うべき家族も居ない四十代の、経験と知識だけある出世レースから外れた存在は、このような新規事業に兵を率いる『将軍』ではなく現場で働く『一兵卒』として出向させるには都合よく、それ以降、彼はこのワダツミ支社の課長としてそこそこの仕事をしているというわけである。
何もなさずにただ生きて死んでいくだけにも見える彼である。恐らくは孤独というものにも強い耐性を持っているのだろう。
だがそれでも、その人生に虚しさを覚えてしまい、魔が差すということもあれば、人肌を求めるということもある。
あるいは、結局のところ人間は『無為な人生』というものに耐えられないように出来ており、人が一人で生き続けることができないことを証明するかのように、孤独に生きて、多くの人から見下されて生きる――――そんな人生に耐えられる『限界』というものを、彼は『一年前』の『50歳』になったその日に迎えてしまったのかもしれない。
彼は一年前に、『マッチングアプリ』に手を出したのである。
それも、人生を共に過ごすパートナーを探す類のアプリではなく、もっと原初的な欲望を満たしつつ、もっと退廃的な欲望をくすぐってくれる――――古くは『援助交際』、現在では『パパ活』と呼ばれるような、自分よりも三十以上も年下の少女たちと出会うための、そんなアプリだった。
そして、そのアプリで出会ったとある相手との『パパ活』を、彼は一年経った今でも続けていた。
今日もまたその相手を待ちながら、駅前の壁一面を大きく占めている広告を眺めている。そこには、独り身である彼とはなんとも縁のなさそうな、華やかな美貌の少女が大きく映っており、やはり彼とは縁の遠いティーン向けファッションのモデルとして微笑んでいた。
その美少女モデルの名前は、『SHION』。
快進撃を行っているファッション・ブランド『Galatea』の専属モデルとして活動しており、大人びた美貌と長いまつげにぱっちりと開いた大きな目、そして、華やかなライトブラウンの髪をセミロングで整えた、実にクールな容貌の美少女である。
そして、モデルという肩書に相応しい素晴らしいボディラインを誇っていた。
まだティーンという少女の呼び名が相応しい年齢だが、その胸はすでに豊満に実っており、臀部も平均よりも大きな安産型のスタイルである。
その胸とお尻だけを見るとモデルはモデルでも水着グラビアのモデルではないかと言いたくなるような、男の情欲を煽るような体つきだが――――SHIONが女性たちから羨望と憧憬の目を向けられる最大の要因は、何よりもその細すぎる腰にあるだろう。
本当にその細すぎる腰の中に内臓が入っているのかとになるほどの細さで、プロレスラーや力士と言った巨漢ならばその両手で指が一周させることが出来るのではと思ってしまうような、魔性の柳腰であった。
また、柔らかな媚肉が搭載されながらもスラリと長く伸びた美脚も、ファッション・モデルという肩書に相応しい、異性である男性よりも同性である女性の心を掴んでやまない、素晴らしいボディスタイルをしていたのである。
性的魅力という意味では、彼と最も遠い存在と言えるだろう。彼
頭髪の毛量が非常に少なくなって額が大きく後退してる上に、薄い胸板と狭い肩というひょろりとした痩身を持ち、視力も弱くて分厚い眼鏡をつけているような、貧相な独身男性である彼とは程遠いとしか言いようがない。
彼の通勤ルートでもあるこの駅の壁一面という、最大の広告掲載場所となるがゆえに、朝も晩も、それこそ数え切れないほどに見ているその美しい姿を見ながら、ぼんやりと感じるのだった。
そんな風に見つめていた時のことである。
「――――『おじさん』、待った?」
立ち姿までどこか覇気のない、言うならば、人として枯れた姿そのものである彼に対して、一人の少女が声をかけてきたのだった。
トップスとボトムス、帽子まで含めて暗いモノトーン調でコーデされた、華のない服装の少女だった。
その目深に被った帽子からではその顔立ちははっきりと伺うことはできないが、高い鼻と艷やかな唇、そのシュッとしまった顎のラインから否が応でも女としての魅力の高さを期待してしまう。そんな少女は、その帽子を僅かに上げてその大きな瞳を彼に向けてきたことで、明確に『美少女である』と断言できる美しさを持っていた。
ダボッとしたトップスではあるものの胸だけは女性らしく大きく盛り上がっており、それでいてズボンはお尻の辺りがパツンパツンと悲鳴を上げんばかりに引き締まりつつも、そこから下、太ももからの脚と呼べる部分はダボッとしている。
その様子だけを見れば、その小顔は引き締まっているのにどこか太った印象を与える姿である。
――――待ってないよ、紫苑ちゃん。
この冴えない独身サラリーマンがかすれた声で呼んだ、どこかチグハグな印象を与える紫苑――『住乃絵紫苑』というこの美少女こそ、彼がこれから行う『パパ活』の相手なのだ。
そんな彼に対して、紫苑はどこかクールな印象を与える視線を向けた後に、ゆっくりと彼が今まで向けていた視線を追っていく。
「おじさんってば、またこんなの見てたの?」
その視線の先にあった、壁一面に大きく貼り出された広告を見て、紫苑はどこか面白くなさそうにつぶやき、その短く整えられた艶のある黒髪を指先で弄りだした。
それは、『たとえパパ活での付き合いでしかない、こんな冴えない中年男性が相手であっても、これから自分と行動をともにする男性が自分とは違う女に見とれているのは面白くない』――そういった様子とも少しだけ違うようだった。
「それじゃ、行こうか」
くるり、と。
周囲から隠れるように帽子をもう一度目深に被った後に、紫苑は向かい合っていた状態からその背中を彼へと向けた。
その背中は、ひょろりとしつつも大人である彼とは違って、まだまだ幼さを感じる小さな、可憐であるとさえ言えるような狭いものである。彼が真っ当な大人ならば、血の繋がりがなくとも、どこか身勝手な父性のようなものを感じてしまうかもしれない。
だが、彼はそうではなかった。
先も述べたことであるが、この小さな背中を見せている美少女・紫苑は、パパ活の相手なのである。情けないことだが、すでにスーツの下ではチンポが勃起をしだし、その勢いは中年男性には相応しくない勢いで、それこそ紫苑のような十代の健康的な男子を思わせる昂ぶり方であった。
そんな自身の昂ぶりを誤魔化すように、彼は笑顔を作りながら紫苑へと話しかける。その内容はいかにも無害な、あるいは余裕があるような内容だった。
「……はぁ? 食事に、カラオケ? 映画? そんなの行くわけないでしょ」
そんな『パパ活』という言葉から想定される通り、ともに食事をしたりカラオケで遊んだりという提案を、紫苑は冷たさすらあるクールな目で切り捨ててみせた。
そして、ちらりと、スーツ越しに勃起しているチンポを見て、黒髪に隠れているその耳を真っ赤に染めながら、スニーカーで地面を叩きながら言葉を続けるのである。
「――――ラブホ、さっさと行こう。食事も食べれるし、カラオケがしたいんだったらホテルで出来るし、映画だってそこのモニターで見れるんだから」
◆
「おじさんは別に部屋の希望とかはないよね? いつも通り、私が勝手に決めちゃうから……なに? 文句でもあるの?」
ラブホテルの受付にて、手慣れた様子で画面をタッチしていく紫苑の姿を見ながら、もうすでに一年近くが経とうとしているのにどこか落ち着かない様子で体を蠢かしていた。
本来というと語弊があるが、多くのパパ活は食事を楽しんだ後に、そこで『はい、ここでさようなら』と終わらせようとする女子側と、『それ以上』を求めるパパである下品なおじさんの攻防が始まったりするのだろうが――この冴えない独身サラリーマンと、クール美少女である紫苑の間にはそういったやり取りは一度として行わなかった。
もはや行っていることだけを見れば、『パパ活』というよりも『セフレ』に近いのかもしれない。年齢差はもちろんのこと、男性的な魅力に乏しい独身男性である彼と、ファッションこそ地味だが美少女だと一目でわかる紫苑を並べてみれば、誰がどう見てもパパ活だとわかってしまうのだが。
それこそ、紫苑が部屋を選ぶのを待っている後ろのカップルだってそう思ったはずである。
「……ちょっと、なんで後ろの人、見てるの? 別の人のパートナーとかをジロジロ見るの、最低だと思うんだけど。今日は私が相手なんでしょう?」
未だに紫苑とのラブホ入場が慣れないのか、落ち着かない様子で別のお客を見ていた彼の振る舞いを、自分という女がいるのに別の女に目移りしているように感じたのだろう。
冷たい美貌にある大きな瞳を、どこか冷たさを感じるほどに細めて彼を睨みつけてくる。
それは批難しているというよりもどこか拗ねているようにも見えて、パネルを押していく指に力が増しているようだった。
「部屋、決めたから。たまたまだけど、フロアに他のお客さん居ないところ。早く行こ」
紫苑が部屋を選び終えて必要なことを終わらせたのとちょうど同じタイミングで、その部屋のあるフロアまで繋がるエレベーターの扉が開いていく。拗ねたようにも見える顔を、やはり何かのクセのように帽子を抑えることで隠しながら紫苑は歩いていき、そんな彼女の後ろを彼は慌てて追いかけていく。
エレベーターの中に飛び入った彼を紫苑は確認すると、ガタガタと親の仇のように『閉』のボタンを押していき、その早さ故に後ろのカップルたちとエレベーターをともにするということもなく、この密閉空間に彼と紫苑だけが残されたのだった。
そう、今まで人の目があったところから一転して――――彼と紫苑は、ようやく『二人っきり』になれたのである。
「――――あぁん、パパぁっ❤ さっきまで、冷たくしてごめんねっ❤」
そうして、二人っきりになった瞬間に紫苑の態度が急変した。
目深に被っていた帽子を脱ぎ捨てる勢いで大きく持ち上げながら彼の薄い胸板にその体を飛び込ませた後に、その大きな瞳をキラキラと光らせ――もはやそんな可愛い表現ではなく、もっと淫靡に、もっと肉欲的に――トロトロと蕩けさせて、彼を見つめながら甘い声をかけてみせたのである
いや、ここは紫苑にしたがって、この冴えない独身サラリーマンのことは今後『パパ』と呼称させていただこう。
本来、紫苑は167センチと十代の少女にしてはかなりの高身長であり、日本人男性の平均よりも数センチほど低い168センチのパパと身長は大きく変わらないのだが、その長い美脚を内股に織り込むことで身をかがめて、パパの胸板へと顔を寄せていったのである。
面白いことに、脚を内股にして折って見せてもなお紫苑の脚が長過ぎるために、パパと紫苑の腰の高さにはさほど違いがないのである。紫苑の脚があまりにも長過ぎることと、パパがどちらかと言えば日本人らしい胴長短足体系であることが噛み合って生まれた状況だった。
しかし、紫苑のこの変貌は一体何なのだろうか。
「ごめんね、パパ……私のワガママで、外ではあんなに冷たくして……その、他の人に見られたり聞かれてると思うと、なんだか恥ずかしくて……❤」
つまりは、そういうことである。
本当はこのような、パパに対して思わず引いてしまうような甘々な態度を取る紫苑なのだが、他人の目を気にする悪癖があるがゆえに、どこで見られているかもわからない状態ではパパに対してそっけない態度を取ってしまうのだ。
「……許してくれるの? ありがとう、パパっ❤ それじゃ……仲直りのチュー、だね❤ あ~、んっ❤ ちゅぅ❤ ちゅぅ❤ むちゅぅっぅ~~❤ れろぉ、れろれろぉぉ❤」
しかも、その甘え方と言えば半端ではない。
狭いエレベーターの中でも、その体を擦り付けるように、それこそパパのスーツに自身の匂いを染み付けようとしているかのように抱きついて、冴えない中年男性フェイスにあるカサついた唇に、自身の瑞々しい唇を押し付けたのである。
ただのキスではなく、唇の間から舌を伸ばして相手の口内へと侵入させ、それこそお互いの唾液を交換しようとしているかのような激しめのディープキスだ。
「んちゅぅ、ちゅぅぅ~❤ れろれろぉぉ、じゅるるうぅ❤ ちゅぅぅ~~❤」
パパは頭がおかしくなりそうなほどの快感に、腰をガクガクと震わせてしまう。口内へと送り込まれた紫苑の唾液を思わず反射的に飲み干した瞬間、脳内に甘い香りが一瞬で広がっていったためである。
正確に言えば酸味を帯びているのだが、しかし、紫苑ほどの美少女から送られてきた唾液という情報が脳を麻痺させて、こんな美少女の唾液なのだからどんな果実の果汁よりも甘いに決まっているという思い込みから、甘いものだと感じているのだ。
「ちゅぅぅ~~、ちゅっ❤ んじゅるぅぅ、れろぉぉぉ~~……ちゅぱっ❤ はぁ……❤ 今日のパパの唾液、ちょっと酸っぱいね。お仕事、いっぱい頑張ったからかな……?」
そして、相手の唾液を嚥下したのはパパだけではなく紫苑も同様である。
アラフィフという年齢にもなればどうしても肉体の内側、内臓にもボロが出始め、その影響で体臭や口臭なども少しきつめになるというものだ。
繊細な年頃である十代の少女には耐えられないはずの加齢臭だが、しかし、紫苑はその整った顔立ちに優しげな笑みを浮かべて、その酸味のきつい唾液を頑張っている証拠だと嬉しそうにつぶやくのだった。
自身のことを肯定してくれるその笑みだけで射精をしてしまいそうなエロさがある。いや、現実としてすでにパパの股間からは我慢汁がダラダラと流れており、その濃いスーツの股間はうっすらと湿り気を帯びているほどだ。
そんな状態の二人を乗せていたエレベーターだが、キスの最中だというのにチーンと音を立てて目当ての階へと到着するのだった。
「こっちだよ、パパ」
先ほど紫苑も言った通り、タイミングよくこのフロアには他の利用客は居ないことがわかっている。
誰かと出会う心配がないことを紫苑自身も承知しているために、ニコニコとした愛らしくも淫靡な笑みを消すこともせずに、パパの腕を掴んでは強引に引っ張って、紫苑自身が選択した部屋へと案内していき、すでに何度も行っているために手慣れた様子で扉を開いて、パパを引き入れていくのだった。
紫苑はその部屋に入室した瞬間に持ち歩いていたバッグと被っていた帽子を部屋の奥に向かって乱雑に投げ捨てて、くるりと振り返ってパパを見つめる。
「もう、我慢出来ないんだね……❤ うん、私も我慢できないから……最初に一発、出しておこうか❤」
そのまま絨毯敷きの床に膝をついて、カチャカチャとやはり手慣れた様子でパパのズボンを脱がしていく。
改めて述べるが、紫苑は美少女である。帽子を脱ぎ捨てたことで余計にそれがはっきりとわかってしまう。それこそ、冴えない中年男性――いや、若い頃であってもパパのレベルでは到底触れ合うことができないほどの、高嶺の花という言葉すら生ぬるいほどの存在なのだ。
ただの街中で偶然見つけた美しい少女というだけではなく、紫苑は一種の社会的な地位というべきか、肩書というべきか、そういった物を持っている。
「Galateaの専属モデル、SHIONがこんなことするの……パパにだけだよ❤」
――――住乃絵紫苑の正体は、人気ファッション・ブランドの専属モデルである『SHION』その人なのだ。
ウェーブのかかったライト・ブラウンの髪色の『ウィッグ』を使うことで髪型を変えているが、ぱっちりと開いた瞳の色などは一切変化を付け加えられていない。つまりは、住乃絵紫苑は特殊なメイクなどでSHIONという大人気モデルを計算で作り上げたのではなく、元から持つ高いポテンシャルを持ってしてトップモデルまで上り詰めたということである。
その持って生まれた『美しさ』ひとつで財産を築くことが出来るほどの美少女は、平凡な人間であるパパとは程遠い、『特別ななにか』と呼ぶに相応しい存在なのだ。
「それじゃ……パパの辛そうなきつきつの股間を、解放してあげるね……❤」
そんな、十代の少女たちに今もっとも人気のあるブランドの、そのブランドが抱えるモデルたちの中でも最も人気のある美少女が、絨毯が敷かれていると言えども、床に膝をついて男を見上げているではないか。
そのシチュエーションだけでも十分に勃起を――いや、射精をしてしまいそうなほどに興奮を煽ってくるというものだろう。
いや、そもそも『勃起』という現象に関しては、待ち合わせていた紫苑と出会った時からこの瞬間が来ることを期待していたことで、すでにラブホに来るまでの街中の時点で固く大きく勃起をしていたのだ。
スーツのズボンでは隠しきれないそんな状態だったことから、周囲から怪訝な視線を向けられ、中にはスマホを取り出して警察を呼ぼうとする者も居たが、そういった輩は紫苑から冷たい目を向けられることで『特殊な関係の二人』だと認識させて、眉をひそめて立ち去っていた。
そんな周囲の人物に冷たい視線を向けていた紫苑は今、そんな冷たさなど感じさせない蕩けた表情のまま、その細長い指がズボンのベルトをカチャカチャと外した後に、ズボンの裾と下着の裾を同時に掴んで、ずるりと引きずり下ろしていった。
「はい、ぼろ~ん…………って、きゃぁっ❤」
一瞬だけ、下着が勃起チンポに引掛ってしまったものの、紫苑が力を強く込め直すとやっとそれが露出されていく、それほどの大きさのチンポなのである。
そして、ぼろんと勢いよく露出されたチンポは、ペチペチとパパの貧相なお腹を打ち付けるように猛々しく隆起していた。
「う、うわっ……おっきぃ……❤」
パパの体つきと言えば、先も述べたが、肩幅も狭く胸板も薄く、手足も細くて髪の毛も薄い、『雄』らしさからは程遠いものだった。
だがしかし、男根に関してだけはその頼りなさを感じさせる体躯の中で唯一例外であった。その衣服の舌に隠された男性器、それは『常軌を逸した』という表現が似合うほどの巨根チンポだったのである。
紫苑が作る小さな握り拳よりも大きく見える鬼頭。
紫苑の細い指を五本まとめたものよりも間違いなく太い幹。
紫苑の小さな顔よりも長く伸びる肉竿。
それは、パパ活を続けていたこの一年で何度となく見てきたはずの紫苑であっても息を呑んで、魅入られるように見つめてしまうほどの迫力だった。
「すん、すんすんっ……❤ すぅぅぅ~~……はぁぁぁ~~……❤ 匂いも、すっごいぃ……❤ 仕事帰りだから、一日中の汚れが染み付いちゃってるぅ……❤」
紫苑はそんな勃起チンポを見上げながら、その麗しい顔をピタリとチンポの下へと添えていきながら大きく深呼吸をしていく。そして、誰もが羨む高い鼻をヒクヒクと動かすことで、パパの一日の匂いが溜まりに溜まった体臭で鼻孔と気道、そして肺を埋め尽くしていった。
それは、普通の人間ならばそのままえづいてしまい、場合によっては生理的な嫌悪感から嘔吐してしまうような悪臭とも言えるだろう。
だが、紫苑は違う。
嬉しそうにというよりも幸せそうに頬を緩ませて、うっとりと自身の顔の上に乗った巨根チンポを見つめているのだ。
「はっ、はっ❤ お、お願い、パパァ……❤ 許可っ❤ 許可が、ほしいっ❤ かっこいい男の人しか……❤ 女の子をメロメロにできる選ばれた男の人しかできないぃ……❤ 女の子に偉そうに……ううん、実際に偉いからできる、あの言葉で、許可を出してぇっ❤」
そのまま何度も何度も紫苑は鼻を鳴らす。
時折、その瑞々しい唇の中から赤い舌が飛び出してくるのだが、チンポに触れる直前まで伸ばしたところで慌てたように引っ込ませるという行為を何度も繰り返していた。
そして、紫苑はパパを見つめながら、あまりにも自身を卑下した言葉を口にしていくのである。何の取り柄もない、紫苑よりも上だと言えるものは年齢ぐらいしかないようなさえないサラリーマンであるパパを、紫苑よりも格上の人間であると本気で信じていなければ出せない、甘い声と潤んだ瞳で、ただただ、パパの許可を待っていた。
それは、それを口にしただけで、おおよそどんな行為よりも強烈な快感をえられる魔法の言葉である。
本来はそんな言葉など待つ必要もなく、紫苑が我慢出来ないと言わんばかりに行動に移せば良いだけの話なのに、『パパに従う』ということ自体に強烈な至福を感じるように、結果的に『調教』されてしまった紫苑は、何度もチロチロと舌を蠢かしながら、必死さを感じる視線でパパに懇願をするのだ。
そんな無様とさえ言える紫苑の姿を見下ろしながら、隠しきれぬ卑しさを感じさせる笑みを浮かべながら、パパは『その言葉』を口にしていく。
そう――――。
「むちゅるるぅぅぅぅっ❤ ちゅっぅう、ちゅっ❤ んちゅぅ、ちゅぅぅ~❤ れろっ❤ んれろぉぉ~~……ちゅぅぅ❤ れろれろぉぉ、じゅるぅぅぅ~❤」
――――『しゃぶれ』、と。
その言葉を聞いた瞬間に、紫苑は瞳がハートマークに見えるほどに涙で潤ませながら、その小さな口で大きすぎるパパのチンポを呑み込んでいったのである。
その美しい顔だけで仕事を得て、その仕事で一生を食っていけそうなほどの規格外の美少女に懇願されながら、チンポしゃぶりの許可を出す。
恐らく、普通に生きていれば絶対に体験できないであろう行為に、パパの体に例えようのない優越感が走っていく。
ある意味で、これこそが男が男として生まれてきた最大の理由なのかもしれない。
仮に女性とセックスができる関係になれたとしても、それは対等なパートナーとしての関係であるがゆえに、一方的に命令を出来るような関係になれるとは限らないはずだ。そういった主従関係のあるSM的な関係を結べるというだけでも難しいし、そのパートナーれが紫苑ほどの指折りの美少女となれば、どれほどの確率だろうか。
「んちゅぅ、れろれろぉ~❤ オチンポのここ……カリの溝のところに、チンカス溜まってるね❤ 大丈夫だよ❤ これもパパが毎日に頑張ってる証拠だから、嫌なんかじゃないし……❤ むしろ、パパのだったらそういう汚れもなんだかかっこいいというか……❤ そ、そのかっこいいチンカスも、私の舌でゾリぃ~ってそぎ取って、綺麗にしてあげる❤ むちゅぅ、ちゅぅ、ちゅぅぅ~~❤」
その優越感は精神的な快感に容易く変貌し、紫苑の濃厚な即尺フェラから与えられる肉体的な快感に結びついていく。
がくがくと震える体は、パパの上半身だけを見ればそれこそ救急車を呼ばなければいけないのではと心配になるほどの痙攣っぷりだった。
しかし、そんな心配も濃厚な即尺フェラをしている紫苑の姿を見ればすぐに吹き飛ぶだろう。『なんだ、あれほどの美少女にチンポをしゃぶられてるんだからこんな感じ方するのも当然だよな』と、そんな馬鹿なことを考えさせるほどに紫苑は魅力的なのだ。
「じゅるるぅ、ちゅぅぅ~❤ れろれろぉぉ……ごっく、んっ❤ ぷはぁ❤」
そうして、紫苑が自分で口にした通り、その赤い舌で黄ばんだチンカスを丁寧にそぎ取っていき、それを喉を鳴らして飲み干してしまった。
そのチンカス掃除フェラも激しいもので、紫苑の美しい顔にパパの薄汚い陰毛が乗っているというのに、それを気にする様子もなく唇をすぼめて喉を鳴らしながら続けていく。
冷たさすら感じるクールな美貌の紫苑だが、口内はそんなクールさとは裏腹に非常にあったかくて気持ちのいい穴となっており、そこに紫苑の巧みな舌技も加わったことによって、それこそパパはチンポが――いや、腰から下が溶けて失くなりそうなほどの甘い痺れを覚えるのだった。
「あむぅっ❤ ちゅぅ、じゅるずるるぅぅ~❤ か、勘違いしないで……❤ パパ相手、だけだから❤ こんなやらしぃ~ことするの……パパ活だって、パパが初めてで……最後の相手❤ 『SHION』ってモデルがGalateaの専属モデルみたいに……住乃絵紫苑は、パパ専属のパパ活ギャル……だから❤ こうやって❤ いっつも頑張ってるパパの雄臭いチンカス、まだまだ残ってるから……簡単にそげなかったやつはこうやって、唾液でふやかして~~……れろれろぉ、ちゅぅぅ~❤ もっともっと、綺麗にしてあげるっ❤」
紫苑はパパの体臭、それも悪臭と呼べる種のきつい匂いの全てが詰まった股間に顔を突っ込み、その中でもさらにきつい匂いを放つチンカスを舌でそぎ取っていくのである。
SHIONは女性向けファッションのモデルだが、そのファッションを目的ではなくSHIONという美少女で『抜く』ためにそれらの広告を集める男もいるほどに、住乃絵紫苑という少女は美少女だ。自分とは一生縁が無いはずの男ウケ抜群のクール美少女のチンカス掃除フェラチオを見下ろしながら体験できているパパは、なんとか耐えきれていたものの、もはや我慢など出来ない。
射精る、と。
パパは快感と苦悶が入り混じった声で、紫苑へと射精の予感を告げるのだった。
「射精して❤ お口マンコに……パパだけのゴミ箱の喉奥マンコに❤ んちゅぅぅ、じゅるぅぅ❤ パパのこってりザーメンをいっぱい射精して❤ 私の味覚を壊しちゃった、最高級ザーメン❤ れろれろぉぉぉ~❤ パパ活しちゃう悪い子を窒息寸前まで追い込む、金玉汁いっぱい射精してぇ❤ ちゅぅっぅぅ❤」
射精を促すように紫苑の濃厚なフェラチオがさらに激しくなっていき、その激しい舌技の最中に時折口を離しては言葉を紡ぐのだが、その言葉がまた下品なポルノ作品そのものの卑語なのである。
ただでさえ強烈な快感が満足に呼吸ができなくなるほどの快感へと変貌していった。呼吸が乱れることで筋肉をうまく動かせることが出来ず、射精を堪えるという行為を取ることができなくなり――紫苑の口へと、その迸るような性欲を解き放ったのである。
びゅるるっ! びゅぅ、どぶびゅぅ! びゅびゅっ! どぴゅびゅるるぅぅぅ!
「ふぎゅぐぅぅぅぅ❤ んぷぅぅ、ほおぉぉっ❤ おぶぶ、じゅるぅ、じゅるるるぅ❤ ずるぅぅぅ、じゅちゅぅぅぅぅ~~❤」
射精による快感で全身を痙攣させるパパだったが、紫苑もまたその喉で精液を受け止めた瞬間に全身を痙攣させていく。
ハムスターやリスのように頬を膨らませるほどの勢いの射精は、紫苑の高い鼻の穴から精液が逆流するほどだ。ともすれば、刺激痛とでも呼ぶべきものが紫苑に襲いかかりそうなものだというのに、紫苑はなんとも嬉しそうな、甘美を味わう表情を浮かべているではないか。
「むぅぅぅ~……ごっくんっ❤」
そして、普通の口内射精ならばその流し込まれた精液をティッシュなどに吐き出すのが一般的だが、紫苑はそのままパパの濃厚な精液を嚥下していったのである。
自分とは縁遠いほどの美少女の肉体を形作る栄養の一つが自身の精液が含まれるという情報が、異様なまでにパパの興奮をさらに強めていく。
「んぐぅ、んぅぅ……んぁあぁ~~❤ 見える、パパの出したオチンポ液……綺麗に飲み干したよ❤」
『ふー、ふーっ!』と鼻息を荒くしているパパに対して、紫苑は相変わらず床にぺたりと脚とお尻をつけた『女の子座り』のまま、小さな口を大きく開くという愛らしい挙動でその口内を見せつけてくるのである。
股間の位置のため少々距離が離れているのだが、そこからでも自身の薄汚い精臭と紫苑の酸味があるのに甘さを感じる口臭が混じった、そんな性欲を掻き立てる臭いが鼻に飛び込んできて、頭がクラクラとしてくることをパパは自覚した。
このまま押し倒したいと感じ、そのまま動こうとしたその直前。
「それじゃ、シャワーを浴びようか。私が我慢できなくてオチンポしゃぶりだしちゃって、ごめんねパパ」
すっと紫苑に手を握られて、備え付けの浴室へと導かれてしまう。
巨根チンポこそ『女殺し』と呼ぶに相応しいものだが顔立ちも肉付きもとても女受けするものでもなく、一年前のパパ活アプリの利用まで平凡に、言い換えれば情けなく生きていたほどに行動力のないパパは、女性経験が非常に少ない。
そんなパパが紫苑のような美少女に手を握られれば、それだけで心が中学時代の童貞陰キャ男子に戻ってしまい、なされるがままに浴室へとついていくのだった――――。
(続)
