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カルチューン・C・ラブ
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かるちゃあノベルpt3「ツインズピークス」最終話

ヨーロッパ調の家具に中世のような部屋。淡く揺れる蝋燭の炎。その中で身を寄せて談笑する裸の双子。私達二人は、まるで昔見た絵本の中に迷い込んだようだった。


「だってそりゃ告白した後2週間も放置されてたら普通フラれたって思うよ?」

「そ…そうかな?…」

「アタシに相談してくれたらよかったのにぃ。」

「…だ、だって、そんなことしたら、また…盗られちゃうって思ったから…」

「アハハハ!お姉ちゃん可愛い!…はい、それでまた振り出しに戻る。だねっ。」

美香はそう言いながら私の乳房に人差し指で円を描き最後に乳首をチョンと押した。

「アンっ!…⁈あっ…ゥ、うんっ!…ハァ…はぁ…」

そのまま彼女は私の乳頭を抓み、転がし、口に含んだ。その感触は柔らかくて、優しくて、暖かかった。


次第に彼女の唇は私の身体を滑って、やがて私の手首を愛撫し始める。

そこにはまださっき縛られていたアザがくっきりと残っていた。それは私の罪の証であり、彼女が与えた罰の証だった。まるで彼女の舌使いはそれを治癒し、消そうと必死になっているかのように私には映った。

愛しい妹。憧れの美しい女性。彼女はいつも魅力的な輝きを放つ。ときとして、もう一人の存在を消し去るほどに。だけど彼女自身は、私を消したいなんて思ってはいなかった。それどころか、こんなに大事に想っていてくれていて。

私は今すべてを理解した。

そう…本当は私達の部屋からさっさと飛び立ったのは美香じゃなかったんだ。私がその部屋に鍵をかけて一人で閉じ籠ったんだね。

私は両手で強く彼女の頭を掴んで顔をこちらに向けさせた。

「⁈…ご、ゴメン。やっぱりイヤだよね女同士でこんなこ…うッ⁈…あっ、ああ、あむッ…」

彼女が言い終わらないうちに、不安がらないうちに、私は彼女の唇を奪い、そのまま彼女に覆い被さった。

「ゆ…優香ちゃん…あァん…」

今度は私が彼女の身体を抓み、揉んで、隅々まで舐めまわす。私は彼女のお尻の、彼女は私の太腿の、ささやかなる差異を軽く噛んだあとは、いよいよ二人は互いの蜜を求め、吸えるだけ吸い尽くした。いつしか互いの間に生まれていた飢餓という名の空洞はその美酒によって満たされた。

「優香ちゃん…」

「美香ちゃん…」

彼女も私も泣いていた。

「私、貴方みたいになりたかった。」

「私だって、貴方になれたらってずっと思ってた。」

互いに向き合って、抱き合って、啼きながら泣きあって、溢れる愛欲の泉に浸かった私達は今、自分が優香なのか美香なのかにさえも興味を失い、大きな愛に包まれて、やがて同時に至上の頂きに達したのだった。





春の陽射しがカーテンの隙間から差し込んで、私は目を覚ました。この麗らかな微睡みにもうしばらく耽溺していたかったが、時計を見ると思ったよりも遅い時間だったので、私は慌てて隣の白い背中を揺すった。

「ちょっと!もうこんな時間!美香も今日朝から講義あるんでしょ。」

「うわ?うううむzzz…」

彼女は毎朝こんな調子なので私はいつも朝食の前に彼女にかじりつく。背中から腕を回して彼女の胸を強く揉み、乳首をちょっとキツぐらいに摘む。そして耳の穴に舌をすぼめて突っ込み、「起〜き〜な〜さ〜い」と声を震わせる。

「ひやあああんっ!分かったよぉ!もう!」

背伸びをしながら彼女が上半身を起こすと、「…おはよう…うん…はむっ…チュプッ…」そこでやっと私達は目覚めの熱いキスをしばらく続ける。一度寝転んだまました際にそのまま止められなくなってしまい、お互い大遅刻をやらかしてからは必ずそうしている。

「今日は私どっち?」

「今日は貴方が朝ごはん、私はゴミ出し。」

「わーった。昨夜の残りを適当にでもいい?」

「うん、全然オッケー。じゃあゴミ出してくるから。寝るなよ。」

「ふぁーい。」


パジャマの上にコートを羽織り、大きなゴミの袋を抱えて外に出ると、まだ空気はピリリと冷たく私の肌を刺した。


昨年末のあの夜に、私達はそれを『特別な夜』と取り決めて、しばらくは以前のままの姉妹として過ごした。しかしその誓いは約2ヶ月後、バレンタインの日にあっさり破られた。なぜなら私がその夜に美香の部屋のドアをノックしたからだ。それからは週に1〜2回、いや3〜4回と節操がなくなり、いよいよ私は自分の性への止めどない好奇心がいやになり、迷惑をかけている美香に涙ながらに相談したのだが、彼女は強い口調で「しない日があるから悩むんだ!これからは生理だとか病気だとか特別な理由がない限りは毎日セックスをすること!」と大胆な取り決め内容の変更を提案してくれた。異論の余地もなかった私は、その週末に妹と大掛かりな部屋の模様替えを行い、今では二人のシングルベッドを合わせた巨大なベッドがリビングに鎮座している。

そう、私達はあれから素直になんでも胸の内を話すようになった。少なくとも私は今美香に隠している事は全くないと言っていい。

お互いに羨ましいと思う部分を打ち明け、美香は私に料理を習い、今では姉妹日替わりで料理当番を決めるまでになった。

私は美香にメイクを教わったり、彼女が行きつけの服屋さんやランジェリーショップに連れて行ってもらったりしている。

おかげで二人は最近いい具合に混ざりあって、いよいよ判別がつかなくなってきた。この間なんてお互いになりすまし、共通の友人と3人でショッピングに出かけたが、なんとランチの時間まで友達に入れ替わっているのを気づかれなかったのだ。

そして姉妹という強い絆がすでにあるからなのか、不思議に私達は互いを束縛し、浮気を許さぬ純潔な恋人という間柄でもなかった。あのあとタケルさんとすぐに縁を切った美香にはもうすでに新しい彼氏がいるし、私はこの春から新しく入ってきたバイト先の年下君からのデートの誘いをこの前オッケーしたところだ。(実をいうとそれは美香の強い助言のおかげで、彼女曰く「ほっといたら2週間も待たされる男の身にもなれ」とのこと。)


「あーーっ!寒かったーー!」

「おかえりーっ!…ってまた私のコート勝手に使ってるぅ!」

「いいじゃん、これあったかいんだもん。あっ、いい匂い!美味しそう!」

「ふふん。実はこの前から気になってたスパイスを買っちゃったの。」

「なんていうやつ?」「教えなーい」「えーひどーい!」「いいから食べてみ。あ、今日あのバッグかしてくんな…」「じゃあ私もデートのときに着たいスカートが…」


私は双子の姉の優香。私にはそっくりな妹がいる。そしてこのままだと本当に私達は大きなホクロ以外全く見分けがつかなくなりそうだ。でもそれでもいい。世界中の人がどっちがどっちかわからなくなったってかまわない。だってたった一人だけは、絶対に間違わずに「優香ちゃん大好き」って言ってくれるから。そしたら私もこう言うんだ。


「私もだよ。美香ちゃん大好き。」


おわり


※次回に1話完結の番外編〜美香の場合〜を掲載予定ですが、本編はここでおしまいです。長らくのお付き合い誠にありがとうございました。引き続きご愛顧の程よろしくお願いいたします。



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