SamSuka
カルチューン・C・ラブ
カルチューン・C・ラブ

fanbox


かるちゃあノベルpt5 はだかんぼの恋 第4話

朝靄を抜けてやって来た日曜の田舎の始発電車内は殆ど貸切状態で、少なくとも私達の車両には他には誰もいなかった。私と彼は向かい合って、両脇のシートに広々と陣取っていた。少し寒の戻りがあったのか、今朝はひどく寒くて思わず着込んでしまったから、マフラーやらセーターやら、私は少しずつ脱いでいく。

なんとなく私はこの前のことが気になっていた。コイツは私の写真を見ながら勃ててたけど当の私には全くだった。だったら私を撮影してるときにはどうなんだろう?って。ファインダー越しに私を見ながら、彼は欲情しているのかな?

スニーカー以外を全て電車の中に捨て散らかした私はゆっくりと両股を広げてみる。彼はカメラ越しにこちらを見ているだけだ。私は自分の指をマイマ◯コに這わせた。

「あんッ…」

もう片方の手はオッパイに、私は自慰ショーを開始する。

「あっ、あァん!あン!あんッ!」


結構真剣にオナニータイムに入ってしまった私だが、彼はそんな姿を見ても微動だにしなかった。そう、シャッター1回すら切ってくれない。

『当然、勃ってもいないんだろうな…』

そう思いながらも気持ちよくなって行為を止められなくなった私に対して、いよいよ彼はカメラを下ろしこう言った。

「…ゴメン…今日は失敗だったかな…ここには風が吹かないからかもしれない…」

そして彼は後ろの流れる風景へと目をやった。

私も彼の目線につられて車外を見た。「あっ…」私はとっくにオナニーの手を止めていた。

彼の後ろにはまだ冬の凛々しさを残す四月の澄んだ朝がいっぱいに広がっていた。冬吉のことばかり考えて、私はその風景を全く楽しんでいなかった。

思わず振り返り今度は私の後ろの景色を見た。寝ぼけまなこのお日様が朝露に濡れた田舎の新緑を照らし、私達はまるで海の上を走っているみたいだった。

「うわあ!」


私は目を輝かせて微笑んだ。そして流れるその景色に飛び込んでいきたい気持ちに夢中で、彼が切り出したシャッター音にも全く気付かない。勢い私は電車の窓を開けた。冷たく透き通った風に身体を射抜かれる。

「寒っ!」

見せているのは平気なのに、寒さのせいで私は身を縮こませ、思わず両の手で胸を隠してしまった。またまた冬吉のシャッターが何度も瞬きする。

「ふふっ…ハハハ」

可笑しくなって私は吹き出した。彼も私を撮り続けながらその口は笑っていた。

良く言えばそれは二人が自分達だけの世界に完璧に没入した瞬間、そして悪く言えばそれは二人が完璧に『油断』した瞬間だった。


「君たち何をやってるんだ⁈」


私達は連結ドアを開けて立つ車掌に全く気付いていなかった。


冬吉は急いで私の服を掻き集めようとしたが、そんなことをしていちゃ捕まっちゃう。私は裸にスニーカーだけのまま彼の手を引っ張って逃げ出した。


「こらっ!待ちなさいっ!!」

一体先に何両あるかなんて分からないがとにかく扉を開けては私達は逃げ続けた。その度に老人だとか、家族連れだとか居合す数人の人が目を丸くする。まぁ、そりゃそうだ。でもこっちだってもうお構いなしだ。

『お待たせしました。まもなく粟生寒駅〜』電車のスピードが弱まる。やったね!

もう次はないというときに電車は止まり、私達は間一髪車両から飛び出した。

田舎の無人駅には自動改札すらなく、私と冬吉はそのまま全力で見知らぬ街へと駆け込んでいく。冷たい風を素っ裸で全身に受けながら全力疾走する私は…笑っていた。気持ちが良すぎて。最高過ぎて!

「おい!」

冬吉が走り続けながら、自分のコートを脱いで私に手渡してきた。

私はそれを受け取ったあと彼に満面の笑みを送り、そのままコートを真後ろに投げ捨てなおも勢いよく走り続けた。彼のあんな素っ頓狂な顔は初めて見た。

「何やってんだぁ!げーじつかぁ!!シャッターチャンスだろうがぁ!!!」


そう言って私はさらに全裸ジョギングのスピードを上げた。

「アッハッハハハハハハッ!!」

後ろで爆笑する彼の声が聞こえる。彼がこんなに笑った声も初めて聞いた。

そのうち私の周りでパシャパシャとシャッターの音が聞こえだした。後ろから。並走して横から。回り込んで前から。撮るのに夢中でつまずいて転んじゃったりして。こんなにも彼が沢山シャッターを切るのは珍しい。二人の大爆笑の早朝ジョギングは続く。

犬の散歩をする奥さんに、新聞をとりに出たおじいちゃんに、すれ違い様思わず急停車して身を乗り出してこちらを見るトラックの運ちゃんに、

『おはようございます!気持ちのいい朝ですねぇ!!』

まったく気持ち良すぎてイッちゃいそうだよ。


私達はやみくもに突き進み、古ぼけた神社に駆け込んで、人気もない御堂に大の字で寝転んだ。

かるちゃあノベルpt5 はだかんぼの恋 第4話 かるちゃあノベルpt5 はだかんぼの恋 第4話 かるちゃあノベルpt5 はだかんぼの恋 第4話 かるちゃあノベルpt5 はだかんぼの恋 第4話 かるちゃあノベルpt5 はだかんぼの恋 第4話

More Creators