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【無料公開版】かるちゃあノベルpt3「ツインズピークス」編集版(第1〜3話)

【今月から新連載となるかるちゃあノベル第3弾『ツインズピークス』の無料公開版です。今回は特別に第1〜3話を無料公開用に編集したショートヴァージョンを作ってみました。物語は有料版でこの後も続いていきますが、これだけでも短編小説として読むことが出来ます。双子の姉妹が織りなすエロティック・ラブ・ロマンス、よろしければ是非お試しください。】


『ピンポーン』

気だるい夏の午後に突然鳴り響いたチャイムで私は不用心にも何も考えず玄関のドアを開けた。立っていたのはその夏を全身に浴びたような長身で身体つきもよい爽やかな青年で、汗に濡れたタンクトップが厚い胸板に貼り付いていた。絵に描いたような夏のひとコマは違和感の欠片もなく実に自然だったが、彼はいかにも自然に『不自然なセリフ』を赤の他人の私に投げかけた。

「まったく山下の奴すぐに済むなんて言っときながら、行ったらダンボールの山だよ。あんだけありゃあ普通は引っ越し業者に頼めよな。ポカリ一本じゃ割に合わねぇわ。あ、涼んでっていいよな?」

とこちらの返答も待たずにドカリと座ってはハイカットの靴紐をほどきはじめている。

私が面食らったのはホンの数秒間で、その後すぐにこれは過去に何度も何度も経験したことだと理解する。


『彼は私と美香を間違えているのだ。』


美香というのは私の妹。私は姉の優香。といってもそれはたまたまどちらが後か先かの話なだけで、二人は同じ年、同じ日に産まれた双子だ。一卵性だった私達は実によく似ていて昔から互いに間違えられるのは日常茶飯事だった。といっても20年近くも生きていれば、いや、というより生まれついての性格の差は決定的で、明るく活発な妹に比べて私は彼女ほど外交的ではなく、一人のほうが好きなタイプだった。一人?いや、違うな。私が唯一気兼ねなく喋れたのは美香だけで、私はずっと彼女と二人でいたかったのだ。けれども彼女の背中には大きく美しい羽根が生えてさっさと私の部屋からは飛び立ってしまった。蛹のままの私を、置き去りにして。

この春から私達は通う大学こそ違ったが、互いの学校がそんなに離れていないことから丁度真ん中の距離辺りに二人でアパートを借りて暮らしはじめていた。私はまた子供の頃のように二人で一つの部屋が出来たなんて無邪気に喜んでいたのだが、まだ入学して4カ月と経っていないのに美香は男女問わずに大勢の友達を連れこんでは、私がバイトから帰ると大宴会が催されているなんてことも多かったし、酔っ払って腕をくんで帰ってきた男性と朝まで過ごすこともザラだった。

この人も以前紹介された彼氏なんだっけ?だとしても名前なんて全く覚えてないや…。汗の染みた靴紐と格闘する大きな背中ををボンヤリと見つめながら私はそろそろお決まりの返答を口に出そうと、そうしようとした矢先だった…

「悪りぃけどお茶一杯くんね?」急に顔を上げた彼が大きな口をニカッと開けてそう言った。

気押された私は自分の正体も告げずに

「あ、う、うん。いいよ…」

と思わず返してしまった。彼の顔は別段好みというわけでもなかったが私はすでに蒸した夏が引き立てる彼の『男』にあてられていたのだ。

そそくさとキッチンへ急ぐ私の背中をまた彼の声が突然に撫であげる。

「それから『美香』さぁ!」

「?!…なっ、なぁに?」

振り向いた私を真っ直ぐに見つめて彼が言った。

「そういう格好も可愛いじゃん。お前家ではそんななのな。」

彼が言っているのは普段の派手な美香なら絶対にしない、この少女趣味の抜けきっていない地味なギンガムシャツと白いロングのスカートのことなんだろう。

いよいよムシ暑くなってきた季節にクーラーが故障していると知り、さすがの私もさっきまでその暑さに辟易していたところだった。そんな怠惰に蔓延した熱が私をおかしくしたのだと思いたい。

「そ、そう?ありがと…」

私はなるべく普段の妹の口調を真似ながら、彼に言葉を返した。


「あっちぃな。クーラー壊れてんだって?」私が慌てて出してきた扇風機のスイッチを強にして彼はソファーでうなだれていた。

「うん、ゴメンね。さっき大家さん…大家に文句言ったところなんだ。」

彼の前に麦茶のグラスを置きながら、小生意気に『美香みたいな』表情を作って私は言い、彼の向かいのソファーに腰掛けた。

果たして彼はいつ私が別人だと気付くだろうか?滅多にしない無邪気な悪戯を私は少しばかり楽しんでいた。

それにしても…なんて逞しい身体なんだろう?扇風機ひとつでは到底ひかない汗にいまだ濡れたタンクトップは彼の上半身のラインを浮き彫りにしていた。固く大きな肩から伸びる太い腕、盛り上がった胸と割れたお腹の線は均整がとれていて美しさすら感じさせた。どんな感じなのだろう?この腕に抱きしめられたら、美香は彼のこの胸にその身体をあずけているのだろうか?…ぼんやりと私は裸で抱き合う2人の姿を頭に描いていた…

「ごめんっ!!」

「?!」

私の淫らな妄想を突き破って太い腕が突然目の前に伸びてきた。

その手の先にはグラスが握られていて、氷だけになったそれをカランと鳴らした彼は

「おかわり!!…もらっていいか?」

と白い歯をみせて言った。

「あ、ああ…あぁ、もちろん!…よ。ちょ、ちょっと待って…あァっ?!」

不意をつかれたことと、恥ずかしさから私はひどく動揺して、立ち上がりざまに手をつけていなかった私の麦茶を派手に倒した。ひっくり返った中味は小さなテーブルを泳ぎ正面の彼の黒いスウェットパンツに氷ごと注がれた。

「冷てえっ!!」

大きく股を広げて彼はソファーに座ったまま後ずさる。

「ごっ、ごめんなさいっ!!」

私は慌ててスカートのポケットからハンカチを取り出すとほとんど反射的に彼の開かれた両足の間に座りこみ染みを拭き取ろうと何度もそれを彼の股間に押し当てた。

「だ、大丈夫だった?」

そう言って彼の顔を見上げたとき私は今自分がどんな行動をとっているのかを冷静に理解した。まだ彼の股間に触れていた私の右手がそのスウェットごしに隆起する彼の固いものを感じた。

私は慌てて手を引いた。

彼は私を見下げ、さっきまでとは違う不敵な笑みを携えて言った。

「乾かしたいからさ…脱いでいい?」

「え?……あ!、あっ!じゃあバスタオルかなんか…も、持ってくるよ!」

酷く狼狽し、私はその場を慌てて立ち去ろうとした。こんなときでも美香の口調を真似ようとしているのがすでに馬鹿馬鹿しかった。

「きゃっ?!」

突然彼に手を引っ張られ私の浮かしたオシリは再び餅をつかされた。

心臓が高鳴る。それは恐怖と好奇心と興奮が混じり合ったもの…。

私は彼にゆっくりと向き直った。


「なんで?そんなの必要ないじゃん。」そう言って彼は少し腰を浮かして片手で何の躊躇もなくスウェットとトランクスを一度に脱ぎ捨てた。再びソファーにデンと腰を下ろした彼は堂々と脚を左右に大きく広げた。その根元にあったのは大きく太く反り上がった男の人のモノだった。私は思わず生唾を飲み、私の中から滲み溢れる情欲に呆けて、しばらくは見慣れぬ淫猥な異物から目が離せなかった。しかしなんとか正気を取り戻してかすれた声を発する。

「じ、じゃあこれを洗濯機に…」

と彼の脱ぎ捨てた衣類に手を伸ばしたが、

「そんなのいいって!」

またまた彼の声に気圧された。衣類に伸びた手を引いて再び彼を仰ぎ見る。そそり立つ肉の塔の向こうに彼の顔がおどける。

「それより先にこっちだって!ほら、凍傷になってポキッといったらどうすんの?ハハ」

凍傷?それは大変だ!先にそっちをなんとかしなきゃ?でもソレをどうしたらいいの?そもそも男の人のアレってどうして大きくなるの?なんのため?なにかのため??私の頭はもう何も考えられなくなっていた。

「どうした?えらく今日はノリ悪ぃじゃん?別に他に誰もいねぇんだろ?ちょっともう俺我慢出来ねぇんだわ。ほら!な・め・て!」

そう言って彼は座ったままさらに大股になって私に何を舐めればいいかを無言で示唆した。


どうしよう?どうしよう?鼓動が高鳴り、心臓が口から出てきそうだった。もう正直に私は美香ではないと打ち明けるべきだろうか?だけど最初に彼を騙したのも、彼の衣服を汚したのも、彼をその気にさせたのも全部私じゃないか?今更どうして私が美香じゃないって言える?彼だって赤っ恥なハズだ。赤の他人と知らずに自分の興奮した下半身をさらけ出して。

夏のうだる暑さと、焦りで私の頭はとんでもなく馬鹿な決断を下してしまった。

このまま…ウソをつき通すしかない!

私はぎこちなく不敵な笑みを作って言った。

「『お姉ちゃん』が…帰って…くるまでだからね…」


そして私は戸惑いながら、震える手で彼の直立したモノを握った。それは握るというよりも掴むといったほうが正しいくらい彼の身体と同様に逞しかった。

こんなに明るい場所で男の人のココを見るのも触るのも初めてだった。

硬直した生暖かい棒をさすりながら彼を見上げる。彼はニヤついて私を凝視していた。決意して私は震える舌を伸ばし、その赤黒い肉壁を下から上へとゆっくり舐め上げた。汗と尿と、さっきかかった麦茶の味が仄かにして、巨大なキノコの傘を丸呑みするとそれはさらに強まった。美味しくなんて決してなかった。だけど不思議と嫌な気分でもない…いや、それどころか私は口いっぱいに詰まった獣の味と、この背徳の行為に興奮さえ覚えていた。淫猥に絡まる唾液がその臭みを和らげ、私は咥えた肉が口内を滑る感触を、いつの間にか楽しんでいた。


「うっ!、ふうぅん!ふぐうっ!うんっ!うんっ!」

さっきから野太い男根が容赦なく私の喉を行き来していた。そしてどれほど経ったころだろうか「あああっ!イクっ!!イクぞっ!!!」そう言って彼は最後に何度か激しく私の喉を突いたあと私の顔を彼の股間に押し当て小刻みに震えた。


ハァハァと息を切らせてお互い見つめ合う。私の中でくすぶっている熱い情欲と、嘘をつき通せた安堵感がないまぜになった。

お腹の下にまだ熱く溜まるものを感じながらも私はことの終わりを急いだ。『彼にはそろそろ帰ってもらわないと…』

そう思ったときだった。

「?!」

彼は私を突然ソファーに押し倒した。

「ちょっ…なにをっ?!…やめウグッ??」

私の言葉を跳ねのけて彼の舌が私の口内に飛び込んでくる。さっき咥えた化物に比べるとはるかに小柄だけれど、その狡猾な動きは私の口内を激しく刺激して、冷ましたかった欲情の火種をさらに燃やした。

グチュッ、チュプッ、ジュプ…

絡まる舌と唾液の音が口内から脳に抜け、私の思考力をどんどんと奪っていく。だけど私の僅かに残った理性はさっきからこの自らの欲情丸出しの本能と背中合わせに引っ付いた違和の正体を必死に探していた。…見つけた!それは…罪悪感だ。私がいまこんな事をやってるのは美香の彼氏だ!私はいま美香にとてもヒドイことをしているんだ!!

押し寄せる快楽に打ち勝った私は必死に彼の口を引き離した。

「いやっ!…やめて…やめてください…」

「…どうして?まだ『アイツ』帰ってきてないじゃん?」

興奮ではなく、今度は緊張感から心臓が激しく高鳴った。言わなきゃ!言わなきゃ!!はやく!!!

「あっ…あの!……わ、私…ホントは…美香じゃないんです。そ、その…双子の姉の…」

私の決死の告白に彼は眉ひとつ動かさなかった。そして私を羽交い締めにしたまま耳元に顔を密着させて囁いた。


「知ってた」


驚きと羞恥でしばらくは声も出なかった。いつから?!いつから彼はわかっていたの?!そして私はダマされていたのっ?!

「イ、イヤっ!…離してくださいっ!離してえっっ!!」

か細い私の必死の抵抗なんて、彼には子供をあやすようなものなのだろう。どんなにもがいてもその太い腕から抜け出せない私を彼はただニヤニヤと見つめていよいよ諦めかけた私に追い打ちをかけた。

「美香にこの事言っちゃおうかなぁー?悔しがるだろうなぁアイツ、お姉ちゃんのほうがお前よりフェラチオが上手いなんて言ったら。」

「そ…そんな…お、お願いっ!やめてくださいっ!」

彼の口から出たセリフは私を絶望の底に叩き落とした。しかし、そんな中でも不思議に私は妹に対して優越感を持った。ほら、彼女が私よりなんでも優っていると思ったら大間違い…。そしてそんな私の心を見透かしたかのように彼は私に再び深い口づけをした。

「…あっ…ぁうんっ…あむっ…」

私は…もう抵抗しなかった。またもや私の身体はふしだらな肉欲の塊へと変わっていく。私は自分の舌を彼の舌に絡ませて彼の口内に侵入させようとした。途端に彼は口づけをやめその顔を遠ざけた。白い唾液が糸を引き、落ちた。

私はお預けをくらった犬のように

「あぁん…」と情けない声を漏らした。

「お願い…妹には…黙ってて…」

私が妹には言わないでと懇願したのは、彼とのこの情事のことなのか?色欲に溺れた薄汚い姉の姿のことなのか?

もうこの頭では考えようがなかった。



そのあと私はまるで人形のように彼に弄ばれた。その器用な舌や指が火照った身体を這い回る度に私は歓喜の悲鳴をあげた。

「なんだ、結構スケベなんだね。お姉ちゃん」彼の嘲りの言葉ですら今の私にはご褒美だった。彼の首に手をまわし、私は彼に哀願の目を向けた。またニヤニヤと蔑んだ表情で見つめ返される。

「…どうした?どうしてほしいか言えよ。」

「えっ?…あ、あの…」

涎を垂らした下の口までがキュンキュンと鳴きそうだった。理性も羞恥心も、もはや下半身の疼きの前には無力だった。

「…挿れて……挿れてください……」

「しゃーねえなぁ」

ぶっきらぼうに言葉を吐き捨てた彼は、なんのムードもことわりもなく、私の奥にズルリと強く押し入ってきた。

「うんっ…ぁああはあァんっ!」私は歓喜の喘ぎ声を躊躇なく啼き叫び、自らも腰を振った。

そう…私は彼の脅しに屈したのではなかった。密かに期待していた出来事が起こりそうになるや、そのドス黒い性欲を隠しもせずに飛びついたのだ。妹への罪悪感ですら、発火剤にして。

「あんっ!あんっ!はぁアンっ!アンっ!アンッっ!!」剥き出しの感情を恥ずかしげもなく晒しながら考える。

多分ここに愛なんてない。私はただ犯されているだけかもしれない。だけど彼のが深く突き刺さるたびに、私は彼に不恰好で陰気なサナギの皮を剥かれ、女にされていく実感があった。自らが内に閉じ込めて無いフリを決め込んでいた助平で淫乱な女の本性を、彼は認め解放させてくれているのだ。私は彼の横暴で激しい突きを受け止めることにいつしか至上の喜びを得ていた。

「あうんっ!あっあっアぁん!…いいっ!いいいっ!!気持ちいいいんっ!!」

「あっ!イク!イクぞっ!!口開けろっ!!」

そして私の口の中にまた彼の肉棒は押し入り、そのまま大量の精液が注がれる。全てを飲みきれず私の口からそれは溢れて垂れた。彼の射精は完全に終わったようだったが私はまだ咥えたままのそれを離したくはなかった。そして最初のときよりもよっぽど激しく、深く彼のを舐め始める。私の口内でまた硬さを取り戻していく肉の棒が愛おしかった。

彼がまた侮蔑を含んだ目と薄ら笑いで私を罵る。

「なんだよ。まだ欲しいのか?ど淫乱。」

私は首を縦にも横にも振らずにただ彼を見つめたまま竿を舐るのを止めなかった。もう一度この怪物に突き上げられたい。下腹部が再び熱くなりだした、そのときだった。


「ただいまーっ!」


それは美香の声だった。


その声が終わらないうちから彼は私の口から肉棒を引き抜き急いでパンツを履き始めていた。私も我にかえり必死でそのあたりに投げ捨てられた下着を探す。

玄関の靴に気付いたのだろうか?再び美香の声がする。

「あれーっ?タケル来てんのォ?」

焦ってスウェットを上げながら彼は答えた。

「お、おう!邪魔してるよ!」

その間に私はソファーを直し、不審な物を急いで片付けていたがもう絶対に間に合わない。玄関からリビングまでは仕切られてはいるがほんの数歩だ。

焦りと罪悪感と恐怖が私を支配していった。そのときだった。

「じゃあさーっタケル!荷物持つの手伝ってよ!ちょっと買い物し過ぎちゃってさ!自転車に引っ掛けたまんまなのぉ!」

また玄関の方から美香が叫んだ。焦っていた彼の表情が一気に冷静さを取り戻していくのがわかった。彼は笑みさえ携えながら返事をする。「しゃーねえなぁ。今行くわ。」そう言って玄関へと向かう。そしてその向かいざま私のお尻を優しく撫でた。美香の言葉にすっかり気を緩めていた私はその感触に今までの快楽に墜ちた痴態を思い出し、身体を反り返らせた。彼の広い背中がそのまま玄関の方へと消えていった。


彼が美香の荷物運びを手伝っている間、私は部屋を完璧に整え、なんの不審も抱かれないようにしていた。そして本当ならもうこの場を立ち去って私の部屋に逃げこみたかった。

だけどただ一点残った大きな不安要素のために私はまだここに留まっていた。


履いていたパンティが見つからないのだ。


ない!ないっ!!テーブルの下やソファーの隙間にも。あんなものを美香に見られたらなんの言い訳もできない。私は焦り狼狽しながら部屋中を探しまわっていた。

そこに大きな紙袋を抱えながら美香と彼(そういえば美香はタケルさんと呼んでいたな。それまで私は名前も知らない人とあんな事をしていたのか…)が入ってきた。

私は慌ててソファーに腰掛ける。


「ゴメンねお姉ちゃん。こんな馬鹿の相手してくれてたんだって?」なんにも知らない美香が笑顔で私に言う。

「そんな事ないって。けっこう・気・が・あ・い・ましたよねぇ?オレたち。」

タケルさんの言い方は明らかに芝居がかっていた。私は二人の顔をまともに見ることすら出来ず、下着のことが気にかかりながらもその場から逃げようとした。

「う、うん楽しかったよ。じ、じゃあ私はお邪魔だろうから…」

「あ、待って待って!前から気になってたケーキ買ってきたのよ!多めに買ったからさ。みんなで食ぁべよっ!」

「そりゃあいいや。そうしましょうよ、お姉さん。」

そして私は立ち去るタイミングを逃してしまった。


「いやぁ、にしても本当によく似てるよな。最初は俺、すっかり美香と間違えてましたもんねぇ?お姉さん」

タケルさんは向かいに並んで座った私達を見比べながら言った。ケーキをつつきながら喋る彼の言葉がわざとらしく感じるのは私の考え過ぎだろうか?いつボロがでないかと始終気が気でない私は会話のテンポに乗り遅れ、美香が代わりに話しだす。

「まぁこのとおり性格だとか服の趣味はまるで違うからさぁ、二人ともを知ってる人は絶対間違えないけどねぇ。ね?お姉ちゃん。」

「あ、う、うん。そうかもね…。」

「よぉし、じゃあ今日はタケルにだけ特別に私達の見分け方を教えてやろう!」

「えぇなになに?気になるわ」

タケルさんが興味深そうにたずねる。すると急に美香がピョンと飛び跳ねてお尻をタケルさんに向けて突き出し短いホットパンツの右半分をペロッとまくり上げた。

「ジャーン!」


美香は一緒にパンティまでめくり上げたのか、もしくは元から紐のような下着なのか、とにかく彼女の可愛いお尻はほとんど右半分が露わになっている。

「見て見て。足の付け根のあたり…」

タケルさんはかぶりつくんじゃないかと思うほどそのお尻を凝視し(不思議なことに私はそんな二人を見て少し嫉妬していた)、私も言われるままそこを注意深く見た。

「あっ」私とタケルさんはほぼ同時にその言葉を発した。

「見つかった?」美香がニコニコして振り向いた。

そこには直径5mmほどの大きなホクロが付いていた。

「これが私とお姉ちゃんの唯一の違いってわけ!」

そうか…美香のはたしかそんなところにあったっけ。私は朧げに小さい頃お風呂場でお互いのを見せ合ったことを思い出した。そう私にも別の場所に同じようなものがある。私のは…

「そんでお姉ちゃんのはさ!」

美香は子供のようにはしゃいで前に向き直る。彼女はスラッと伸びた自分の生足の左太ももの内側、同じように付け根辺りを指差した。

「大体この辺だったよね?」

「あ、う、うん…多分ね…」

「見せてっ!」

「えっ?…」

けろりとそう言った美香に私はひどく驚いて言葉を詰まらせた。

「そ、そんな…男の人の前で見せれないよ…」

この言葉をタケルさんは心の中で笑っているだろうか?でもとにかくそんな場所を見せるわけには絶対にいかなかった。

私は今スカートの下に何も履いていないのだ。

「えーっ!いいじゃん!恥ずかしがるようなとこぉ?私なんて丸出しだよ、ほらっ。」

自分の太ももをピシャピシャと叩きながらまだ美香が食い下がる。私はチラリとタケルさんを見た。

ニヤニヤと笑って彼は言った。

「俺もお姉さんのホクロ見たいなぁ。『今度から』間違えないように。」

一体この人は何を考えているのだろう。今の私のスカートの内側にはさっきまでの貴方の爪痕や体液がこびりついているのかもしれないのに。

「と、とにかく無理っ!わ、私そろそろ用事がある…キャッ!?」

立ち去ろうとする私を美香が急に押し倒した。

「こうなりゃ腕ずくだぁ!おいタケル!お前脚おさえろっ!」

美香は悪戯っぽく大袈裟なセリフをさけんだが私は何かの拍子にスカートがめくれあがるのではないかと気が気でなかった。

「いやっ!お願いっ!本当にやめてよぉっ!!」

私は必死に抵抗した。美香は昔から悪戯好きなので、こんなときにはさらにその動向がエスカレートするのはわかっていた。

「いやよいやよも好きのうちってねぇ。おいタケル!早くしろいっ!!」

「へいへい、わかりやした。」

いよいよタケルさんまでが腰を上げた。私は自由にならないままスカートをまくられる方が危険だと咄嗟に判断した。

「わ…わかった!自分でやるからっ!!やりますから離してぇ!!」

私を押さえつけていた美香の手が緩んだ。私は慌ててスカートや乱れた衣類を正しながらソファーに座りなおした。今からでも美香が冗談だってと言ってくれないかと期待したが、いつの間にやら彼女はタケルさんの横に座り、二人はまるで舞台の最前列席に陣取るかのように目を輝かせてこちらを見ている。私は怯えながらそんな二人を睨んだが、それに動じるような人達ではないのはもう十分わかっている。


「はぁー…」観念して私は呼吸を整えた。吐いた息の語尾が少し震えている。ゴクッ…。唾を飲み込み私は恐る恐る立ち上がった。座ったまま見せるよりもリスクが少ないように思ったからだ。それが美香にはスイッチが入ったように思えたのか、

「いよっ、優香ちゃん!待ってました!!」

などと酷い野次を飛ばされる。そのたびに私の羞恥と恐怖の心は膨れ上がる。

私は両手をスカートにかけ、震える手でゆっくりとそれを託しあげた。スルリスルリとスカートは上昇し、膝下近くにまでなる。


…それはとても不思議な感覚だった。私の頭は不安と恐怖でいっぱいだというのに、身体はなぜかしら火照りだし、興奮まで覚えてきているのが鮮明にわかった。「…これ以上もう見せられない!…」だけど羞恥心が私の手を止めようとしてもそれを上回る興奮がそうさせようとはしなかった。いよいよスカートは私の震える膝を通過し、幕の下には太ももが姿を現した。美香とタケルさんは2人共身を乗り出してかぶりつくのではないかと思えるほど私の真下でそれを凝視した。『お願い…そんなに近くに来ないで…お願いです…そんなにまじまじと見ないでください…』どうしよう?彼に噛まれ掻き毟られた痕がありなんてしたら。どうしよう?私を汚した彼の淫汁がまだこびりつき獣の臭いを放っていたら。そして何よりどうすればいいのだろう?もし剥き出しの私の助平な肉貝が、我慢出来ずに垂らした涎が太ももの内側を伝い落ちたなら…。


「はぁ、はァ、はァン…ハァ、ハァ…」頭に血が上り過ぎて私は喘いでいるのではないかと思うほどに呼吸を乱していた。もはや震える手は私の意思で動いてはおらず、私はそのままスカートをめくり上げてしまい、興奮した雌の性器を彼等にもし晒したとしてもおかしくはなかった。私は濡れていた。名前も知らぬまま身体を絡ませた男と、その交際相手の…私そっくりな身内の前で。


「あーーーっ!!あった!見つけたァ!」

そして突然美香が無邪気に叫んだ。

「おぉ!こりゃまたホクロの双子みたいに大きさも美香のとそっくりじゃん!」

タケルさんも同様に発見の喜びに相槌を打つ。

正直拍子抜けした。なんだ…そうだよね…タケルさんはともかく美香は単純に私達双子の秘密を再確認したかっただけなんだ。一人欲情のピークに達していた私が無様で惨めだった。

「にしても優香ちゃんの脚きれ〜い!夏ぐらい出せばいいのに」

そう言われて私はまだ自分の両手がスカートを離していない事に気付き、慌ててそのカーテンを降ろした。

「こ、これでわかったでしょ?!それじゃ私本当によ、用事があるからっ!」

もう私は見つからないパンティを気にすることもなく急いでその場を立ち去った。


自室に入り鍵をかけてベッドにうつ伏せで倒れこんだ。気がつけばもう夕方だったが、締め切っていた部屋は昼間の熱を溜め込んで生温い空気が充満していた。窓を開けることもせず、身体全体がじんわりと湿っていく中で、私は何も着けていない女の溝に指を這わした。


クチュ…


『やっぱり濡れてる…』


頭の中を今日起こった数々の奇妙な出来事が思い出され、私の右手はより敏に感じるところへと滑りだし、左の手はシャツと下着をめくりあげて、膨らんだ胸を乱暴に掴んではその先端の硬くなったものを探し出す。

「んっっ!…あっ、あぁん!あんッつ!」

壁一枚隔てた先では妹とその彼氏の笑い声がかすかに聞こえる。


私はその男の股にぶら下がる肉棒を思い浮かべながら、噴き出す汗と涎にまみれて自分を慰めることを止められなかった。


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