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かるちゃあノベルpt6 超成体ラタイダー第13話

「オルガナイズ‼︎ラタイダーーーーーーーーーーーーッ‼︎」

四つん這いで喘ぐマリーの身体が突然光り輝いた。

その直後、蝿オンタは強烈な後ろ蹴りをくらい天井へと吹っ飛んだ。マリー、いや変身したラタイダーはハコを捕らえている部下達に向かってそのまま突進した。走りながらその口から唾を飛ばすとそれはハコに刀をかまえた部下の手にかかり、彼の手を瞬時に溶かした。まず最初にハコの元に辿り着いたマリーは彼女の猿轡をはがし、吊り下げられていた手錠と鎖を引きちぎった。

「貴様達!よォくもぉおおおおおおおお‼︎」

そのまま襲ってくる部下共を叩きのめすマリー。

ハコに手を出された怒りを抑えきれないマリーは我を忘れ力任せに男達を次々と殺していった。その拳は彼等の腹を刺し貫き、腕や足をひん曲げて引きちぎった。その返り血や飛び散った内臓の肉片を浴び、マリーの白い身体はみるみる紅に染まった。

「ハコ⁈…大丈夫?」

「…あ…ああ……ああああ…」

部下を全て蹴散らしたマリーはハコに優しく微笑みかけたがハコはただ呆然と震えて彼女を見つめるだけだった。

そこに闇の中から数十本の針がマリー達を襲った。マリーは咄嗟にハコを抱きながらそれを交わしたが、全く別の方向から次々にその針はマリー達を襲った。

「フッフッフ、私の動きをそこまでかわすとは。流石ですね神村君!…いや、ラタイダー!」

闇の中からハエオンタの声が響き渡った。

『彼女を巻き込んではいけない!』

そう判断したマリーは、

「ハコ!しっかり捕まってて‼︎」

と叫ぶと、彼女を抱き抱えて窓ガラスを破りビルから飛び降りた。外はいつの間にかもう闇が降りていた。

「うわぁあ‼︎うわぁあああああ‼︎」

急降下に怯えたハコを優しく腕で包むとラタイダーは蜘蛛の糸をビルの出っ張りに発射し、ターザンロープのようにして勢いを殺し上手く地面に着地した。そしてマリーは万一を考え手の平に巨大な泡の玉を作りそのバルーンでハコの全身を包むと草むらの安全な場所に隠した。これは蟹オンタの能力からマリーが独自に発明した防護技術であった。


マリーは中庭へ戻り破れた窓を見上げたが、その時何者かに背中から襲われた。

「キャッ⁈」

勢いよくマリーの身体が地面を転がった。受け身を取り、態勢を立て直したラタイダーだが、再び全く別の方向から強襲を受けた。

「ウゥッ…アアッ!…ゥンッアンッ‼︎」

「ハハハハハハ!私を外へ誘き出したのは、悪手としか言えませんね!神村くん‼︎」

その後も幾度となく蝿オンタの高速襲撃を受けたマリーは、血を流し傷だらけになりながらもなんとかヨロヨロと立ち上がった。しかしそこに容赦なく飛んで来たのは彼の無数の針攻撃だった。

「グハッ‼︎」

血反吐を吐いてマリーは再び地面に崩れ落ちた。


「イーーヒッヒッヒ‼︎身動きが取れなくなったら神村くん!…さっきの続きをしましょう!私はまだイく前だったんでねエ‼︎」

しかし慢心の蝿オンタは気付いていなかった。防戦一方に見えたマリーが満身創痍で仕掛けた罠に。彼女は何度となく倒れ、のたうちながらも徐々に浅縄バエを建物と建物の狭い隙間におびき寄せ、次なる攻撃の方向を前か後ろの二か所に絞らせていたのだ。

闇の隙間でうつ伏せたままのマリーは全神経を集中させた。

「さぁあその巨乳をまた揉ませろやーーーーーーーーっ‼︎」

ハエオンタの卑猥な叫び声は後ろから聞こえた。マリーは素早くその方向から飛んで来た針を交わすと空中で返りを打って怪人に対峙し、両手を大きく天に掲げた。その10本の指はすでにミミズと化して長く真っ直ぐに伸びていた。彼女は全両指をクロスさせ、頭上に大きな碁盤目を作り出すと向かってくる蝿オンタに渾身の力でそれを振り下ろした。

「必殺‼︎蝿たたきよーーーーーーーーーーーッ‼︎」

「ヒィイッ‼︎グワァハアアッ‼︎」

強烈な一撃を喰らった浅縄は地面に叩きつけられバウンドし、建物の壁に背中から激突した。瞬時に蜘蛛とりもちが飛んで来てその両手両足、そして羽は壁に固定され、彼は身動きがとれなくなった。

闇の中から、血塗れの白い女が大きな胸を揺らして近づいて来た。

「ヒィイッ!お…お助けを‼︎」

浅縄は情けなく泣き叫んだ。

マリーは彼に近づくと人工ペニスを引きちぎった。その中にはまだ浅縄博士自身の逸物が固く反り返っていた。

「…良かったわ、まだ使えそうで。」

「へっ?ええっ⁈な、何を!や、ヤメロォっ‼︎」

マリーは浅縄に密着し、対面でその長い脚を大きく左右に開くとゆっくりと膝を曲げて腰を落としていった。

「だって身動きが取れなくなったらさっきの続きをするんでしょう?んんっ!…アハァアアーン…アンッ!アンッ!」

ラタイダーは蝿オンタの勃起した陰茎を下の口で挟み込むと激しく腰を振り出した。

「な、何をする⁈や、やめろ!やめろ神村くん‼︎」

「アン!アン!私…貴方の事思い出したわ。細菌学研究の浅縄教授。でも影で皆んなが呼んでたあだ名はアサバエ。女の子の事いつもいやらしい目で見て、不潔で、口がとても臭かった。ウンッ!ウゥアン!アンアン!アン!貴方の事、大学の女子全員が嫌ってた!」

「そ、そんな…そんなぁ⁈」

「今もその口が臭くて我慢出来ないの。だから…塞いであげる…アン!アン!アン!アアァン‼︎あーあ、ますます硬く反り返らせちゃって!よっぽど私の胸が好きなのね‼︎」


マリーは揺れる自分の胸を浅縄の顔に密着させた。

「ふ…ふがっ!や、やめっ…あ、ああっ!ああああああああああ‼︎」

彼はマリーの胸に埋もれてその身体を激しく痙攣させた。蝿オンタから離れたラタイダーの股の間から彼の精子が漏れて垂れた。

「……これで貴方の能力が奪えたかしら?」

そう言ってマリーは全身に念を込めた。彼女の背中と足首からベルゼバブの黒い4枚の羽根がニョキリと生え出た。

「どうやら成功ね。あ?いいえ…まだ分からないわ。テストをしなきゃね。飛べるかどうかの。」

マリーはわざとらしくそう言い放つと浅縄バエの身体を左右から強く掴んだ。

「…⁈な、何をする?ま、まさか…や、やめろ!後生だああ!頼むからやめてくれえええっ‼︎」

「うわああああああああああああああああ‼︎」

「ンギャァアアアアアアアアアアア‼︎」

蝿オンタの身体を持ったままマリーは怒声をあげて飛び立った。壁に貼り付けられた浅縄の羽根や手足は千切れ、もげてそのままの場所で揺れていた。

地上数十メートルの高さでホバリングするマリーに持ち上げられた浅縄バエは既に顔と身体だけで虫の息だったがまだマリーに最後の許しを乞うた。

「ハァ…ハァ…お、お願いだ!…殺さないでくれ‼︎そ、そうだ‼︎私が知っている事は全て話す!組織のことも!ワクチンのことも!……分からない事は、せ、先生に、な、なんでも聞いてくれたまえ!か、神村くん‼︎ハハ…ハハハハハ…」

マリーはその言葉に対し、全く躊躇がない訳ではなかった。まだ解かれていない数々の謎、疑問を残したままのワクチンデータ、八百蔵という名の男の事だって。しかし今回は、ハコを…せっかく出来た友人を汚されてしまった怒りと悲しみがそれを上回っていた。

「結構です。」

そう冷たく言い放つと、マリーは手を離した。

男の叫び声があっという間に遠のき、彼女の真下で小さくベチャリというブザマな音が聞こえた。


「ハコ‼︎大丈夫⁈」

ハコを守っていたバルーンを引き破ると心配そうにマリーは彼女に駆け寄った。しかし彼女の事が気がかりで慌てていたマリーはまだ変身を解いていなかった。

「イヤアアッ!イヤアアアアアアアッ‼︎こっ…来ないでェ!ば、化け物ォ‼︎」

ハコは取り乱し、恐怖に顔を歪めて後ずさった。

「⁈」

驚いたマリーはふと建物の割れたガラスに映る自分の姿を見た。白い身体に赤い返り血を散々に浴びた魔獣がそこにいた。

『…ちがいない…』

とマリーは肩を落とした。


船の汽笛がウーウーッと港に響き渡る。

マリーとハコは、バイクを止めて真夜中の波止場にいた。

「………『ハコ』って……呼んでくれたね…」

長い二人の沈黙をハコが破った。

「……なのに…それなのに…ゴメンね……マリー…」

「ううん……ハコ……このこと…」

マリーの言葉を察しているとばかりにハコは遮った。昼間のことを思い出したのか、彼女の顔はまた震えて、目には涙が溜まった。

「誰にも言わない……こんなの…皆んなが知っていいことじゃない!………私ももう…絶対関わりたくない‼︎」

彼女はそう叫んで震える手でカメラから今日の写真を収めたフィルムを取り出すと海へと投げ捨てた。

「…うん……そう……だね……」

マリーはなんとか笑顔を作って返事をした。自分もそうやって逃げる事が出来たらどんなにいいだろうと思った。さらにマリーは寂しさをこらえて、裏腹な言葉を、眼前の、親友になりかけた少女に告げた。

「ハコ……さん。…もう私とは……会わないほうが…いいわ……」

「⁈…マリー……あなた……寂しく…ないの?」

「………………うん。………愛して……くれる……人が……いるから………」

マリーの言葉にハコはエルモサを訪ねたときの彼女と剣三郎の姿を思い浮かべた。店長とバイトというより、まるで夫婦のようにあの小さな店を幸せそうに経営する2人を。

「…⁈……ごめんね、マリー。私!わたしィ‼︎ごめんなさい!ごめんなさぁあい‼︎ウワァアアアアアン‼︎」

全てを察したハコは泣き叫びながら、マリーに抱きついた。

「ううん…私の方こそ…本当にごめんなさい…」

マリーはそう言ってハコを抱きしめ、その頭を優しく何度も撫でた。


霧の深い夜の波止場に、二つの重なる影があった。やがてそのひとつが離れ、影はバイクに跨るとその場を立ち去った。それを見送ったもうひとつの影は、彼女の姿が完全に見えなくなった後に、こうべを垂れ肩を震わせて、その場に泣き崩れた。汽笛は虚しく鳴り響き、闇に揺らめく水面の上を滑った。


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Comments

はい今回はまんま上正イズム、石森イズムの70年代初め頃の暗くてザラっとした等身大ヒーロー特撮物オマージュですね。最後の戦いももし実写で再現するなら画面が暗過ぎて何やってるかよくわからない出来が似合う感じにしました^_^

カルチューン・C・ラブ

エンディングは、上原正三脚本を彷彿とさせる波止場の叙情感ある後味の悪さでした。 彼もリヨン伝説フレアのグローデさまのような鬼畜な方なので、後味に悪さなく納得のいく退場でした。

Kitajima Gaku@Fanbox


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