SamSuka
ムチユキ
ムチユキ

fanbox


不思議なナイフ

 ほのかな酒の香りや焼き鳥のたれの甘く香ばしい匂いが充満する、夜の飲み屋街。提灯の明かりがぼんやりと滲み、酔客たちの笑い声や、どこからともなく聴こえるカラオケの音が雑然と周囲に響いている。


「いや~、飲んだ飲んだ!!」


 橘(たちばな)が豪快に笑いながら、千鳥足でふらつく。佐々木(ささき)と青山(あおやま)も同じように酔いで頬を赤く染め、肩を揺らしながら歩いていた。


 三人は同じ会社に勤める同期であり、社会人ラグビーチームの仲間だ。仕事でもグラウンドでも信頼し合う仲で、今日は久しぶりに終業後に集まって飲み明かした。酒も強けりゃ、体も強い──。そのせいでついつい飲みすぎてしまうということが、彼らにはよくあった。

 それに明日は会社もラグビーの練習も休みということもあり、ついつい深酒してしまったのだ。


「もう一軒行くか? いや、ラーメンにするか?」


「お前まだ食うのかよ……。さっきまで『腹いっぱい』って言ってたじゃねえか!」


「ワハハ、わかるぞ〜。腹はいっぱいでも、締めは別腹だよな!」


 そんなたわいのない会話をしながら、飲み屋を出た三人は、気づけば人気の少ない裏路地へと入り込んでいた。明かりもまばらなその道には、シャッターの降りた店が並んでいる。繁華街の喧騒から少し離れたそこは、どこか不気味なほどに寂れていた。


「おいおい、こっちの道で合ってるのか?」


「う〜ん……。まぁ、歩いてりゃそのうち大通りに出るだろ」


 そんな適当な会話を交わしていると、不意に背後から声がかかった。


「おい、兄さんたち、ちょっと面白い話があるんだけどよ」


 三人が振り返ると、若い男たちが壁にもたれかかるように立っていた。髪を派手な色に染めた、不良風の若造たち。ジャケットの下に覗くタトゥーと、ニヤニヤとした笑みが不穏な空気を漂わせている。


「なんだ、お前ら?」


 橘が少し面倒くさそうに言った。酔っ払っているとはいえ、三人はラグビーで鍛えた屈強な体の持ち主だ。不良どもに絡まれたところで怯える理由もない。


「いやいや、別に怪しいもんじゃねぇよ。ただ、アンタらみたいなガタイのいい人間にピッタリの……面白いもんがあってな」


 不良たちはゆっくりと歩み寄ってくる。その手には奇妙なナイフ。月明かりに照らされた刃は、まるで黒い液体のように鈍く輝いていた。


「……そのナイフ、なんだ?」


(やばい……!)


 一番手前にいた青山は警戒したが、遅かった。


「ちょっとしたマジックみてぇなもんさ。すぐに見せてやるよ」


 次の瞬間、不良たちが素早くナイフを振るった。


「……え?」


 何が起こったのか、サラリーマンたち三人は理解する間もなかった。斬られたはずなのに、痛みも血もない奇妙な感覚。だが、視界がぐらりと揺れたかと思うと、世界が一瞬、歪んだ。


 そして、三人は目を覚ますことになる。自分たちの体が、何か決定的におかしくなっていることに気づかずに──。



***


「おい、やっぱコイツら、ガタイいいな。最高の素材だぜ♥」


「どれどれ……」



「……うっ……なんだ……?」


 微かに聞こえた声に橘は目を覚ますと、まず視界が異様に低いことに気づいた。自分は座っているのか? そう思ったが違う。いくら何でも地面が近すぎる。しかも風が吹くたびに、何かザラついた感触が顔や頬にまとわりついてくる。


「ゲホゲホッ! ペッ、ペッ!」


 息を吸い込むと、土ぼこりが喉を刺激し、激しく咳き込んだ。


「なんだこれ……? 俺どうなって……?」


 目線を動かすと、すぐ隣に佐々木と青山の顔があった。


「ヒィッ……!」


 生首だ。頭が転がっている。さっきまで和気あいあいと会話していたはずの、同僚の佐々木と青山の頭が……。呆然とする橘に続いて佐々木と青山も目を開き、そして同じように戸惑った表情を浮かべ、口を開いた。


「おい……、なんだこれ?!」


「お前ら、生きてるのか? ……これ、どうなってるんだ。手品か何かか?」


 三人とも意識はある。しかし、動かせるのは目と口だけ。手も、足も、いや、そもそも首から下の体がない。一瞬、体もないのにどうやって会話や呼吸ができているのかという疑問が頭の中で渦巻いたが、そんな些細なことはすぐにどうでもよくなった。


「さっきの不良どもはどこ行った……?」


 橘がそう口にした瞬間、ふたたび近くで話し声がした。


「おいおい、お前チンポだけでいいのか?」


「俺は今の体、気に入ってますからね」


「オレは首から下、全部交換するっす!」


 物が動いて地面を擦るような音や衣擦れの音、笑い混じりの軽い会話。それはまるで、服の試着でもするかのような、日常的なやり取りのようだった。


「……交換?」


 声を絞り出した橘の視界の端に、動く影が映った。何かを品定めするようにうろつく男たち。その彼らの前には、首のない胴体が三つ並べられていた。肩幅が広く、鍛え抜かれた筋肉が浮かぶ、屈強な体。その異様な光景に、三人は小さな悲鳴を上げた。


「おい……、マジかよ……」


 彼らのがっしりとした、鍛え抜いたラガーマンのガチムチボディが、まるでマネキンのように整列している。その異様な光景に、橘は震えながら声を絞り出した。


「……やめろ……俺の、俺たちの……体を……」


 しかし、その声は軽く鼻で笑われるだけだった。


「はは、何言ってんだ? この体は、もうお前たちのじゃねえよ!」


 アッカンベーをするようにちろりと舌を出した男は、ゆっくりとズボンを下ろした。そして手に持っていた奇妙なナイフを、自分の股間にあてがう。次の瞬間、刃が皮膚に触れ、まるで豆腐でも切るようにスッと滑らかに肉が分かたれた。


「っ……!」


 衝撃的な光景に、橘たちは思わず目を伏せた。男の股間から切り離されたグロテスクなモノが、ぼとりと地面に落ちる。しかし、不思議なことに股の間からも、性器からも血は一滴も流れていない。ただ切り取られたそこからは、滑らかな断面が覗くだけだった。


「ふぅ……、これで準備完了っと」


 男はおもむろに、サラリーマンの一人の体へと歩み寄る。体格とスーツの色から察するに、おそらく佐々木の胴体だろう。そして、彼はその無防備な佐々木の股間にナイフを当て、同じようにスッと滑らせた。鍛えられた体にふさわしい立派なそれが、綺麗に切り取られる。男はその萎えていても大きめのイチモツを拾い上げ、自分の股間へとあてがった。


「……おお」


 ピタリと断面が合わさると、それはまるで元からそうであったかのように馴染んでいく。まるで磁石同士が引き寄せられるように、境目が自然と消えていった。


「ははっ、最高だな♥」


 男が満足そうに笑いながら、自らの股間を軽く撫でる。その様子を、橘たちはただ呆然と見つめるしかなかった。


「さて……、次はもっと凄いぞ」


 重い靴音が響き、男たちの中でも明らかに風格の違う、一人の金髪の厳つい男が歩み出る。鋭い目つきで場を見渡すと、ニヤリと口角を上げた。


「お前、首から下を入れ替えたいって言ってたよな?」


 そう言って、仲間の一人を顎で示す。その仲間は、一瞬驚いたように目を瞬かせたが、すぐにニヤリと笑って頷いた。


「そうっす。お願いできますか?」


 金髪の男は返事をすることなくナイフを振りかぶり、一瞬のうちにその仲間の首を切り飛ばした。


「「「ヒィィッ!!!」」」


 生首がゴロリと転がり、三人の目の前で止まる。表情がそのまま凍りついたままの顔が、まるで蝋人形のようだった。そして首を失った胴体は、フラリと揺れた後、固まったように動きを止めた。


「さあ、それじゃセットするぞ」


 金髪の男が、地面に落ちた仲間の生首を持ち上げ、橘たちの体の一つに向かう。立ち止まったのは青山の胴体の目の前だ。そして、その首のない胴体に合わせるようにそっと乗せた。


「……よし、いいぞ!」


 すると、首と胴の境目がじわじわと馴染んでいった。まるで粘土をこねるように、少しずつつながっていく。そして、次の瞬間、ピクリとその胴体が動いた。


「おお……、おおぉ!」


 生首だった男が、まるで生き返ったかのように目を見開き、手をぎゅっと握りしめる。


「……ヘヘ……思い通りに動くぜ!!」


 男が嬉しそうに腕を回し、屈伸して体を確かめる。その様子を、橘たちはただ愕然と見つめるしかなかった。


「さあ、最後は俺の番だな♥」


 金髪の男が嗤うと、二人の男たちも不気味な笑みを浮かべた。




 薄暗い路地裏で、三人のサラリーマンがゆっくりと目を覚ました。頭がぼんやりと重く、酒がまだ抜けきっていない。辺りはまだ漆黒の闇に包まれており、腕時計の針は午前二時を指している。


「……なあ、ここどこだっけ?」


 佐々木が額を押さえながら立ち上がる。青山もふらつきながら体を起こし、最後に橘がゆっくりと立ち上がった。周囲には見覚えのない建物が並んでいる。記憶が曖昧だ。飲み屋を出た後、何があったのかがうまく思い出せない。


「とりあえず、そこの公園に行こうぜ。顔でも洗って、酔いを覚ましたほうがいい」


 橘の提案に従い、三人は近くの公園へと歩を進めた。足元がやけにふわふわとする。いつもの体じゃないような、言葉にしがたい違和感が彼らの全身を包んでいた。


 公園に着くと、佐々木と青山はそのままトイレへと向かった。橘も続こうとしたが、先に入った二人の悲鳴にも近い叫びを聞いて、思わず立ち止まった。


「……なんだよ、これはぁ?!」


 佐々木がぎこちない動作でズボンをずり下ろし、自分の股間を見つめていた。そこにあったのは、見慣れたはずのモノではなく、別人のチンポだった。


「ふざけんな……! なんだよこれ……?!」


 恐怖に声を震わせる佐々木の隣で、青山も同じく異変に気づいた。彼はシャツを乱暴に脱ぎ捨て、鏡に映る自分の姿を凝視する。


「これ……俺の体じゃない……?」


 首から下が、自分のものではないように見えた。いや、明らかに別人の体だ。腕や脚の太さ、大胸筋や腹筋の付き方、体毛……すべてが違う。


「ちょっと待てよ、俺は……」


 二人が混乱する中、橘だけがどこか落ち着いた様子だった。彼も二人の横に並んで、トイレの鏡に映る自分を見つめる。


「……俺は、どこも変わってないぞ」


 その言葉どおり、橘の体には表面的な変化はなかった。首から下も、顔も、先ほどまでと何も変わらない。


「「なんでお前だけ……?!」」



 佐々木と青山が、怒りと嫉妬の入り混じった視線を橘に向ける。しかし、その感情は次第に霧が晴れるように薄れていった。彼らはうつろなまなざしになると、まるで何かに操られるように、自分の肉体が変化した事実を『仕方のないこと』として受け入れ始めていた。


 彼らを切断した不思議なナイフの効果だ。そして、彼ら二人が橘に対してした非難は間違っていた。


 橘は鏡に映る自分を見つめながら、不敵な笑みを浮かべた。彼の尻の穴が熱を持って、ジンジンと疼いている。


(……俺だけが変わってない? くっくっく……。いや、【俺】も変わったよ)


 そう、橘だけは見た目に変化がない。だが──


 彼の頭の中にあった脳みそは、あの金髪の男のものと入れ替わっていたのだった。




 三人のサラリーマンが目を覚ます二時間前──。


「さあ、最後は俺の番だな♥」


 金髪の男──、矢沢(やざわ)が嗤うと残りの二人──、木島(きじま)と川井(かわい)も不気味な笑みを浮かべた。


「その前に……、お前らはおねんねしてろや」


 矢沢がポケットからスプレーのようなものを取り出し、サラリーマン三人組に向かって吹きかける。甘い、どこか人工的な香りが鼻腔を満たした瞬間、三人の瞼はゆっくりと閉じていった。


「よし、始めるか……」


 不思議なナイフを手に持った矢沢は、ためらいなくその刃を橘の頭皮に滑らせた。先ほどまで会話が可能だった人間の頭皮と頭蓋骨に、切れ込みが入っていく。普通ならば流血必至の作業だが、ナイフが通った跡には一滴の血も滲まない。


「頭蓋骨を切ったのは初めてだが、やっぱこのナイフすげえな……」


 矢沢は感心しながら、慎重に橘の頭蓋骨を開いた。中から脳が露出する。脳の表面がぬらりと光り、微かに脈打っているように見えた。しかし、どれだけ空気にさらされようとも、腐敗する様子はまったくない。


「さて……」


 矢沢はナイフを橘の脳の下部に当て、慎重に切り取り始めた。ナイフの刃が触れた瞬間、脳の繊維が糸をほぐすようにゆっくりと分離し、まるで決められた道筋を辿るかのようにスルリと橘の頭蓋骨から離れた。


「ほらよ、木島」


 矢沢は取り出した橘の脳を木島に渡した。木島はそれを恐る恐るといった具合に両手で支えながら、しげしげと観察する。


「うわぁ……このナイフ、マジで脳みそまで切り取れるんすね? こうして見ると、動物のグロイ内臓みたいにしか見えないっすけど……」


「まあな。でも、それが今度からは【俺】の体を動かすんだから、面白えよな」


 そう言いながら、矢沢はナイフを川井に手渡した。


「それじゃ、次は俺の番だ。頼むぜ、川井」


 ナイフを受け取った川井がニヤリと笑い、今度は矢沢の頭部にナイフを当てる。


「じゃあ、失礼して……」


 川井の手によって矢沢の頭皮が切り裂かれ、頭蓋骨が現れる。川井は手際よくそれを開き、中から脳を露出させた。


「あらよっと……」


 矢沢が橘に行ったのと同じように、川井が矢沢の脳の下部にナイフを当てて刃を滑らせると、矢沢の脳が橘のモノと同じようにズルリと音を立てて外れた。


「……っ」


 脳を取り出された矢沢の目が虚ろになり、ビクンビクンと肉体が痙攣したのち、口元から涎が垂れ落ちた。意識を失ったのではなく、何かが根本的に壊れてしまったかのような状態だ。


「怖っ……。おっと、二人の脳みそを入れ替える前に……」


 川井はナイフを持ち直し、その柄の先を橘の脳にポンッと軽く当てた。


 その瞬間、黒かったナイフの刃がゆっくりと白く変わっていく。


「へえ、これで脳に宿った記憶が手に入るのか」


 木島が興味深げに呟く。川井は次に、その刃が白くなったナイフの柄の先を矢沢の脳に当てる。すると、今度はナイフの刃が白から黒へと変わっていった。


「ヨシッ!」


 満足そうに頷くと、川井が矢沢の脳を橘の頭蓋骨の中へと収め、同じように木島が橘の脳を矢沢の頭蓋骨の中へと移した。



 最後に、橘の頭部を彼本来の首元にくっつけ、丁寧に位置を調整する。


 ぐちゅるぐちゅる、と不気味な湿った音が響く。頭部と体の境界線がゆっくりと馴染んでいき、まるで粘土のように継ぎ目が消えていく。そして──。


 橘の瞼が、ゆっくりと開いた。




 目を覚ました橘は、一瞬虚ろな表情を浮かべた。しかし、その瞳がじわじわと焦点を結び、彼の身体が静かに動き出した。


 橘はスッと立ち上がり、スーツ越しに自分の体を、その無骨な掌で撫で始めた。腕、脚、胸、顔──。皮膚の感触、筋肉の付き方、指を握る力。すべてがこれまでのものとは違うことを確かめるように。


「う~ん、いい……な♥」


 口元に笑みをたたえた橘が、ゆっくりと指先で頬をなぞっていく。彼のその表情の変化だけで、川井と木島が矢沢の目論見が成功したのだということを読み取るのは容易だった。


 やがて満足したのか、橘は体を弄るのをやめると、躊躇なくスーツのボタンを外し、ネクタイを緩めた。スーツとワイシャツが地面に落ちて、土ぼこりが舞う。ネクタイも無造作に放り投げられ、やがて下着までもが脱ぎ捨てられた。


 全裸になった橘は、自らの裸体をじっくりと舐め回すように見つめた。


「……むふっ♥」


 その瞳に、狂気じみた光が宿る。頬に深いシワを刻んだ瞬間、彼の背中を伝うように汗が一筋流れ落ちた。厳つい顔は愉悦に歪み、精悍な顔立ちは台無しといっていいほどに崩れている。橘がニヤリと歯を剥き出すと、口の端から涎が垂れた。

 両手を目の前に持っていくと、掌の皺や節ばった指の形をじっくりと確かめる。拳を強く握ると、筋肉が僅かに隆起し、力強さを誇示するように盛り上がった。


「こりゃあ、たまんねえな……♥ エロすぎだろ♥♥」


 ゆっくりと胸を撫で、指先を腹筋へと滑らせる。硬い感触、深く刻まれた溝。腕を持ち上げて力を込めれば、たくましい上腕二頭筋がグッと浮かび上がり、まるで彫刻のようだ。


 橘は路地裏の薄暗い光の下で、自分の体をじっくりと見下ろした。それは紛れもなく橘の肉体──しかし、その中に宿るのは【矢沢】の魂だ。


「この身体も、こいつの人生も……もう俺のもんだ♥」


 その時だった。脳の奥底から、ふっと何かが湧き上がってきた。


(……ああ、これは……)


──橘の記憶だ。


 不思議なナイフによって、橘が持っていたすべての記憶は、矢沢の脳へと刻み込まれている。しかし、それはすぐにすべてが流れ込むのではなく、ゆっくりと滲み出すように、じわじわと矢沢の意識の中へ染み込んできていた。


 橘の子供のころの思い出、学生時代の青春、社会人になってからの葛藤、そして女性とのセックスシーン──。

 矢沢は思わず笑みを零した。自分が経験していないはずの人生が、まるで遠い昔の記憶のように、今の自分のものとして馴染んでいく。別人の記憶の断片が脳に溶け込んでいく感覚が、彼の支配欲をますます刺激する。


(俺が……橘になる……!)


 矢沢の呼吸が、興奮で僅かに荒くなる。すると、意識とは関係なく、身体が悦びに反応し始めた。熱が下腹部に集中し、じわりと膨らむ感覚が広がっていく。まるで、新しい肉体そのものが、矢沢の興奮に呼応して歓喜に震えているかのようだった。


 熱を帯びた肌に滴り落ちる汗の感触が、肌から放たれる体臭が、この肉体こそが彼のものなのだと矢沢に実感させてくれる。悦びの感情が高まるにつれ、彼の全身の筋肉がますます張り詰めるように膨らむ。腕を軽く曲げるだけで、血管が浮き上がり、力が漲ってくるのを感じた。自分の意志では抑えきれない昂ぶりが、橘の肉体の奥底から湧き上がる。圧倒的な高揚感と支配欲に全身を貫かれた矢沢の肉棒は、いつの間にか激しく勃起していた。


「ハァ……ハァ……ッ」


 荒い息を吐きながら、矢沢は唇を嚙みしめた。強烈な興奮が、彼の全身を支配している。もう我慢できない。


「おい、木島、川井! 俺を犯してくれっ!!」


 橘の肉体を我が物にした矢沢が体をくねらせ、懇願するように彼らに向かって手を合わせる。これまで長年、上から目線で命令してきた男の言葉とは思えないその懇願に、川井と木島は呆れたように肩を竦めた。


「おいおい、リーマンの橘さんよぉ。俺らにケツ穴犯して欲しいってんなら、それ相応の頼み方ってもんがあるだろ?」


 木島が意地の悪い笑みを浮かべる。矢沢はそれもそうかと気づくと、満足そうな笑みを浮かべたあとすぐに困惑した表情を浮かべなおし、二人に背を向けて尻たぶを手で広げ、ヒクつく穴を見せつけた。


「お願いしますッ! お、俺の……、ノンケリーマンのケツマンコ、犯してください!!」


 今まで自分たちの上位に君臨していた男が、すっかり別の肉体となって情けなく懇願する姿に、二人は顔を見合わせてニヤリと笑った。木島がおもむろに矢沢の首根っこを掴んで跪かせ、ギンギンに勃起した肉棒で矢沢の頬をビンタする。


「ほらよ変態サラリーマン、これが欲しいのか?」


 木島の巨根が、矢沢の皮膚に密着する。その熱さを感じただけで、矢沢は【橘】の精悍な顔を蕩かせ、思わず甘い吐息を漏らした。そして我慢できずにゆっくりと頷くと、媚びるような視線で木島を見上げた。


「ははっ、お望み通りくれてやるよ!!」


 ぐちゅっ!!と湿った音が響くと同時に、矢沢の体がビクンッと跳ねる。彼の口腔内に、巨大な肉棒が挿入されたのだ。


「んんっ……!」


 目を見開き、息を詰まらせる矢沢。だが木島はそんなことお構いなしに、激しく腰を打ち付けた。喉の奥まで亀頭が入り込み、気道を塞がれて息苦しさを覚えるも、今の彼はそれすらも悦びに変えてしまっているようだ。野太い肉棒を口いっぱいに頬張りながら、矢沢は恍惚とした表情で木島の腰に手を回した。


「んっ……♥」


 木島の動きに合わせて矢沢が頭を動かし始めると、彼の背後に回った川井が彼の肛門に指を這わせた。


「ちょっと待ってろよ、橘さん……っ」


 川井はそう言いながら、人差し指を彼の肛門にゆっくりと挿入していく。元はノンケの肉体。始めは少しだけ抵抗があったものの、【橘】の尻の穴はゆっくりとその異物を受け入れていった。しかし、初めての感覚に違和感を覚えたのか、矢沢が苦しげな表情を浮かべる。


「ん゛ん゛ん……っ~~!!」


「お、なんだ? へへ、あんたはノンケだもんな。ケツの穴は当然処女だったよな?」


 川井が嬉しそうに笑い、さらに深く指を差し込んでいく。奥まで入れた中指をゆっくりと腸内をなぞるように動かすと、矢沢はたまらず苦しそうな声を漏らした。そしてそれと同時に、木島の肉棒を咥える口の端からダラダラと涎が溢れ落ちていく。三本まで指を挿入したところでようやく柔らかくなった【橘】の肛門から指を引き抜くと、川井はすっかり解れたその穴に亀頭を押しつけ、ゆっくりと挿入を始めた。


「んっ……んんっ!!」


 【橘】の体で感じる強烈な異物感に、矢沢はくぐもった呻き声を上げた。アナルセックスは矢沢の肉体でいたころに、肛門が緩くなってしまうほど経験していた。しかし、橘の肉体を乗っ取ったことで、そのすべての経験がすべてリセットされた。【橘】にとっては初めての肛門性交。勃起した男性のイチモツがミチミチと音を立てながら肛門を割り開く感覚は、ノンケである【橘】にとってはまったくの未経験だ。久しく忘れていた腸内を満たされる感覚は、矢沢の脳をびりびりと痺れさせるようだった。


「あぁ……たまんねえ♥♥」


 矢沢の口から木島が肉棒を取り出すと、ようやく満足に呼吸できるようになった矢沢が歓喜の声を漏らした。整った顔は涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃに汚れ、男前が台無しだ。その無様な姿に二人は満足そうに笑みを浮かべる。


「おらっ! もっと締めろや、変態リーマンさんよぉ!!」


 矢沢の腰を掴むと、川井が乱暴に腰を打ち付けた。パンパンッと乾いた音が路地裏に響くと同時に、矢沢の口からも甘い嬌声が上がる。


「……ん゛あ゛ぁんっ♥」


「へへ、こいつすっかり感じちまってるぜ?」


 木島が嘲笑うような口調で言うと、矢沢は日焼けした顔を真っ赤にしながら、羞恥心に耐えるように唇を嚙みしめた。【橘】にとっての初めてのアナルセックス。矢沢の脳も【橘】の肉体が感じる初めての快楽と彼の記憶に呑まれているのか、矢沢らしさが影を潜めている。彼の頭の中では、不良に屈服させられ、無理やり犯されているという事実へと置き換わっているのだろう。屈辱に顔をしかめつつも、瞳はトロンと蕩けるように潤み、そのマッチョな肉体は快楽に打ち震えている。


「おらっ! ほら、もっと啼けよ!!」


 川井が激しく腰を打ち付ける度に、【橘】の巨根がブルンブルンッと揺れる。そのたびに亀頭の先端からは透明な液体が飛び散り、彼の腹や胸を濡らしては、ほこりにまみれた地面にぼたぼたと落ちた。


「あっ……♥ あ゛ぁっ♥♥」


 矢沢の口から漏れる声が徐々に大きくなる。彼は無意識のうちに腰を動かし始めていた。腸内を抉られる快感に、脳が蕩けていく。体がカッと熱くなり、頭がぼんやりとしてきた。全身の毛穴から汗が吹き出し、全身がしっとりと湿り気を帯び始める。


「ん゛ぁあっ♥ あ゛ぁぁっ♥♥」


 矢沢の野太い嬌声が路地裏に木霊する。涙と涎で顔を汚し、全身を汗まみれにして悶えるその姿を川井は満足そうに見つめながらさらに激しく攻め立て、木島は交換したばかりの【佐々木】のチンポをガチガチに硬くしながら、それを激しくしごいていた。


「おら! そろそろイこうぜ、橘さん!!」


 川井はラガーマンらしいたくましい【青山】の体で、矢沢の広い背中にのしかかるようにして覆い被さると、巨大な男根の根元までを彼の肛門の中に収めた。そして、彼の尻穴に己の種をぶちまけると同時に、右手で矢沢の勃起チンポを勢いよくしごいて射精を促した。敏感になったチンポは数回擦っただけで限界を迎え、キンタマが持ち上がって猛烈なスピードで精液が尿道を駆け巡る。


「イクッ! 俺、妻と娘がいるのにっ! ケツにチンポハメられて、イッちまうぅ♥ ん゛おぉぉおおおッ♥♥」


 ドビュッドビュッと激しい音を立てて放たれる川井の精子が矢沢の腸内を汚し、彼は白目を剥いて体を痙攣させた。全身が震えるたびに、その巨根から大量のザーメンが飛び散っては地面にボタボタと音を立てて落ちる。まるで煮詰められたジャムのようだ。

 【橘】の肉体で絶頂を迎えた矢沢は、ビクンッビクンッと肉棒を脈動させながら快楽に浸った。


 やがて射精が終わると、川井は満足そうに矢沢の体から離れた。ズルリと音を立てて巨根が引き抜かれると、ぽっかりと開いたままになっている矢沢の尻穴からゴポリと音を立ててザーメンが溢れ出した。



***


 サラリーマンたちと不良たちの邂逅から一週間後の夜更け。三人の男たちが、マンションの一室に集まっていた。橘、青山、そして彼らの上司である課長の柴田。しかし、その彼ら三人の頭の中にある脳みそは、もはや本来の持ち主のものではなかった。


「柴田課長、その後、【その身体】での生活はいかがですか?」


 橘が笑いながら、向かいに座る柴田に声をかける。柴田は端正な顔立ちの口元をほころばせると、顎髭を撫でながら満足げに頷いた。


「ああ、順調だよ。おかげさまでな。この肉体は具合がいいし、気分もいい。まさか私が、こんなエリートサラリーマンになって部下たちからもてはやされる立場になるなんて、思ってもみなかったよ」


「課長は、エリート街道まっしぐらですからね!」


 青山が合いの手を入れて、ニヤリと笑う。


 三人の仕草は、かつての【彼ら】とは微妙に違う。しかしそれは、社内の人間だけでなく【彼ら】の家族でさえも、違和感を覚えるほどではない些細なものだ。彼らはすでに、それぞれが居るべき場所に、完全に溶け込んでいた。


 橘の肉体には【矢沢】の脳が、青山の肉体には【川井】の脳が、そして柴田の肉体には【木島】の脳がそれぞれ入っている。

 青山の体を使っていくうちに、彼という人間になりたいと思い至った川井は、結局彼と頭部も入れ替え、青山のすべてを奪った。そして佐々木とチンポを入れ替えた木島は、矢沢たちから見せられた橘たちの同僚社員の写真から、課長である柴田の肉体を気に入り、彼と脳みそを交換するに至った。


 不思議なナイフの力で、サラリーマン三人の記憶と習慣をその脳に植え付けた彼らは、当たり前のように橘・青山・柴田として振る舞い、会社の業務をこなしている。


「奥さんとはどうなんです?」


 橘が意味深な笑みを浮かべると、柴田は肩をすくめた。


「何も問題はないさ。むしろ、今までよりずっと精力的だと思うぞ。なにせ、ノンケの身体で愛する妻とするセックスは最高なもんでな。新たに子供ができるのも、時間の問題かもしれんぞ♥」


 柴田の肉体を乗っ取った【木島】は、柴田が既婚であり、子持ちであるという事実に興奮していた。柴田の妻を寝取り、彼女と過ごす夜は、木島にとっては新たな楽しみのひとつとなっていた。


「そりゃあ、なによりです」


 彼らは完璧だった。誰も彼ら三人の正体を疑う者はいない。彼らは、橘・青山・柴田として生きている。その肉体を、人生を、そっくりそのままにトレースしながら──。


「……それにしても、課長の肉体はいつ見ても素晴らしいですね」


 青山が改めて柴田の肉体を舐めるように見つめ、感嘆したように言った。


「俺もそう思う。課長の身体は、まさに大人の男の理想形ですよ」


 橘も同意しながらグイッとビールを呷り、口元を拭った。柴田は彼らの言葉に満足げに頷くと、ゆっくりとシャツのボタンを外し始めた。


「ふふ、そうか? 褒められ慣れてないから、なんだか気恥ずかしいな……♥ まあ、せっかくだ。お前たちにも、このエッチな体をよく見てもらおうか──」


 シャツが開かれ、厚みのある胸板が露わになる。続いて、ベルトも外した彼は、スラックスをゆっくりと脱ぎ捨てた。それを合図にするように、橘と青山も次々と衣服を脱いでいった。


 三人の男たちは、それぞれの肉体をじっくりと観察し合いながら、熱い吐息を漏らした。


「俺たち、完全に前とは別の人生を歩んでいるんですよね……」


 青山がぼそりと呟く。


「ああ。だが、それがまたたまらないんだよな♥」


 橘が応じるようにして、口元に浮かんだシワを深める。


 柴田の肉体は、筋肉質でありながらも程よく贅肉がついており、成熟した男の色気を醸し出していた。特に厚みのある胸板とがっしりとした胴回りには、単なる筋骨隆々とは異なる、落ち着いた貫禄が漂っている。


「課長の体は、本当に艶っぽいですね。渋みと迫力が絶妙に共存していて……」


「お前たちの体も見事じゃないか。現役ラガーマンらしい、筋肉の鎧をまとったような体ってとこだな♥」


 引き締まった腹筋、隆々とした肩と腕、太く力強い脚。それにどっしりとしたデカいケツ。橘と青山の肉体は、まさに鍛え抜かれた筋肉で覆われていた。どの部位をとっても無駄な脂肪はなく、まさに機能美を追求した肉体だった。


「やはり、長年鍛えられてきた肉体は最高ですね」


 橘は跪くと、肉付きの良い柴田の腹筋に舌を伸ばした。そのままゆっくりと舐め上げると、柴田の腹筋がひくりと震える。


「んっ……♥」


 青山もそれに倣い、橘とは逆側の脇腹に舌を伸ばし、ザリッと音を立てて腋の毛まで舐め回す。厚みのある肉体を堪能するように、二人が舌を滑らせていく。やがて柴田の肌が汗と唾液まみれになると、三人は互いにその分厚い肉体を愛撫し、舐めしゃぶり始めた。


「はぁ……♥ ああ……」


 三人の唇が離れては重なり合い、舌が絡み合う。互いの唾液を交換するようにしながら深い口づけを交わすと、彼らはそのままベッドの上に倒れ込んだ。そして分厚い掌を使って、それぞれの恵まれた体をまさぐり始める。


「チュパッ……、課長の乳首は黒ずんでいて、ご立派ですね♥」


 青山が柴田の豊満な胸に顔を埋めながら、瞳を潤ませる。青山が唇を尖らせてそのワイン色の突起を吸うと、柴田は小さく声を漏らした。


「……んんっ……♥ それを言うなら、青山くんのチンポは立派じゃないか。こんな立派なモノに迫られたら、女だったらひとたまりもないだろうな……♥」


 柴田が妖艶な笑みを浮かべながら、アイスキャンデーを頬張るように青山のイチモツを吸い上げる。その刺激で彼のチンポはビクンッと脈打ちながら硬さを増し、柴田の口内を透明な液体で満たしていった。橘も負けじと手を伸ばすと、青山の胸板を優しく揉みながら、まだ弄られ慣れていない尻の穴に節くれだった二本の指をぐりぐりと挿入する。


「ぅんっ! あ……♥」


 二人の愛撫に甘い喘ぎを漏らす青山。彼の巨根に魅せられた橘と柴田は、我先にと彼の巨根にしゃぶりついた。


「ああっ、そんなっ……!」


 青山が切なげに喘ぐ。二人の口内の温かさと絡みつく舌の感触は、彼にとって快感以外の何物でもなかった。柴田が橘に向かって目配せすると、二人はまるで双子の兄弟のように同時に青山の巨根を根元から舐め上げ始めた。そして先端部分に到達する寸前で動きを止めると、今度は左右から代わる代わる亀頭を口に含みながら舌を激しく動かした。


「うあ゛ぁ!! はあぁ……♥」


 青山の腰が震える。もはや彼の肉棒は、いつ破裂してもおかしくはない状態だ。そんな彼のチンポ目がけ、橘が腰を落としていく。


「あ……♥ 橘の中に俺のチンポが……。やめ……お゛ぉぉっ♥♥」


 青山の言葉など意に介さず、橘は容赦なく腰を下ろした。橘にとって、二度目の男根挿入だ。しかし、以前経験した時よりも、彼の腰の動きははるかにスムーズで滑らかだった。


──ズボッ、ズボズボズボォ!!


 いやらしい音を立てながら、巨大なチンポが橘の腸を満たし、圧迫していく。こんな日のためにディルドで訓練を欠かさなかったため、彼のケツの穴の準備は万全だ。


「あ゛あぁっ! あうっ……んぁあ♥」


 青山はシーツを握りしめ、快楽に悶えながら腰を浮かせた。橘は橘で、青山の腰を押さえつけると、さらに深くまでイチモツを挿入させる。そして、彼の巨根を根元まで咥え込むと、ゆっくりと腰を動かし始めた。


──ズボッ、ヌチュッ、ジュプッ!


「あ゛っ♥ あぅ……んお゛ぉおっ!! 青山のチンポで、ケツが壊れちまうぅぅ♥♥」


 今度は橘が喘ぐ番だ。太い肉の幹が腸壁を抉り、それが引き抜かれるたびに排泄にも似た快感に襲われる。内臓が体外へと引きずり出されそうになるような錯覚。ディルドとは違う、血の通った生身の男の、熱く硬いチンポ。

 橘は無我夢中で腰を上下させ続け、青山も涙目で負けじと腰を動かし始めた。ヘビー級のガタイの二人の凄まじいバトルによって、壊れるのではないかというくらいにベッドが激しく軋む。


「ああっ♥ ああ……あはぁっ♥♥ 橘のケツ、いい゛っ♥」


「お゛ほっ♥ ああぁんっ♥♥ 青山のチンポ、さいこぉっ♥♥」


 快楽の波に飲み込まれる二人。そんな二人を見て我慢ができなくなった柴田は、青山の顔面にまたがり、彼の口内へとチンポをぶち込んだ。そしてそのまま、顔を蕩かせた橘と唇を重ね、舌を絡め合う。


「んむむっ……♥」


「あむ……んっ……♥♥」


 三人の肉体が絡み合い、体液を交換しながら快楽を貪りあう。屈強な雄同士の交尾は、あまりにも淫らだ。室内はむせ返るような雄臭さと熱気で満たされ、ぐちょぐちょと淫靡な音が響き渡っている。


 たくましい三人のサラリーマン。つい先日まで異性愛者だった人間の肉体で同性と性行為に及んでいるという、その強烈な背徳感からくる興奮は果てしない。橘は上司である柴田とのキスに、かつてない快感を覚えながら、肛門を締め付ける。柴田は、自分よりも若い男との甘い口づけに夢中になりながら、陰茎を硬くする。そして青山もまた、彼らに負けじと激しくピストン運動を繰り返していった。


「んふっ……じゅぷっ♥」


「チュパッ……んはあぁっ♥」


「んふぅっ! あぅんっ♥」


 精悍な顔をしたマッチョな男たちはみな、自分が気持ちよくなろうと必死だった。脳みそを入れ替えて乗っ取った肉体。かすかな刺激だけでも、そのガチムチボディから脳へと凄まじい快感が、雷のごとく駆け抜ける。三人はもう完全に我を失っていた。ただひたすらに、快楽を求め続けるだけ。もはや彼らは、新しい肉体の虜となっていた。


「あっ……あ゛ぁあぁぁ♥♥ でるっ! 俺のチンポ汁、橘のケツん中にぶちまけちまうぅぅ♥」


 柴田のチンポを口から吐き出すと、青山が涙目になりながら吼えた。巨体が激しく痙攣し、橘の腸内にドプッドプッと粘っこい液体が大量に放たれる。


「ん゛ぉおっ! あ゛ぁぁっ、青山ァ♥♥ 俺もイグッ♥」


 橘も同時に絶頂に達し、大量の白濁液を青山の腹筋へと放った。彼は青山の怒張した男根を自身の尻の奥深くまで咥え込むと、柴田の口内に自分の舌を捻じ込んだ。尊敬する上司との熱いキス。唾液が口元から溢れるくらいの情熱的な口づけ。舌がぐちゅぐちゅと絡み合う。


「ふむむっ♥ んむ゛っ……ん゛ん゛んんッ♥♥」


 腸壁を叩きつける熱い液体に、橘の勃起したチンポが暴れまわった。ビクンビクンと痙攣を繰り返し、ザーメンを撒き散らすその姿は、さながら壊れた水道管のようだ。柴田もまた、濃厚で粘り気のある白濁液を放出させ、悦に浸っていた。


「ヌフッ……、最高だよ二人とも……♥」


 男たちは荒い呼吸を整えながら、精液まみれになった互いの肉体を優しく愛撫した。汗と体液が混ざり合い、全身から漂う栗の花の濃厚な香りが、彼らから理性を奪っていく。橘と青山は体を起こすと、上司である柴田を跪かせ、彼の口内にチンポを突っ込んだ。そしてそのまま、二人の手で彼の頭を掴み前後に揺する。


「んぶぅっ♥ あむぅ……♥♥」


 まるでオナホのように、部下たちに乱暴に扱われる柴田。その無遠慮な行為に、柴田も興奮を抑えきれない。彼のチンポはギンギンに勃起したままだ。そんな彼の痴態を見て、橘と青山も興奮を高める。


 三人は『不思議なナイフ』に心の底から感謝していた。理想の顔、理想の体、理想の人生。しかもそれらが他人から奪ったものだと思うと、その背徳感だけで何発でも射精できるくらいだった。表情を変えるたびに、体を一ミリでも動かすたびに、そしてチンポに刺激を加えるたびに、全身がとてつもない幸福感に包まれる。


「「課長、イきますっ!!」」


 激しい射精感に、三人の男たちは腰をくねらせながら喘いだ。そして一斉に絶頂を迎えると、チンポからドロドロとした雄汁を放出した。橘と青山は勢いよく放った大量の子種を柴田の顔面にブチまけ、彼はそれを舌で舐め取る。鍛え上げられた肉体を互いに貪りあい、愛し合う彼ら。彼らの欲望を満たす、このうえなく官能的な時間は、いつまでも続く──。


(了)



以下、差分イラストです


















不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ 不思議なナイフ

Comments

コメントありがとうございます! 元のサラリーマンたちは今頃、どうなっているんでしょうね? もしかしたら、不良たちの手によってさらに体のパーツを入れ替えられ、弄ばれてしまったかもしれません……。

ムチユキ

更新お疲れ様でした! まるでマジックの様な、不思議な刃で色々入れ替え取り換え、理想な体を手に入れたなんて、最高ですね! 元のサラリーマンの脳みそが今どの様な状態になったのか、想像したらまた滾っていました。

黒竜Leo


More Creators