──ミーン、ミンミンミーン……
八月の昼日中。真夏の陽射しは容赦なく降り注ぎ、プールサイドにじっと立っていると、足の裏が焼けるように熱い。
遠くからは、グラウンドで部活に励む生徒たちの掛け声や、ボールを打つ乾いた音が聞こえてくる。耳をつんざくような蝉の声が響き、空気そのものが揺らめくほどの猛暑が、補習授業の場を支配していた。
そんななか、プールサイドには、三人の体育教師と三人の生徒が向き合って立っている。
すでに褐色になった肌をさらにジリジリと焼く直射日光に耐えながら、成田進也(なりた しんや)は腕を組み、鋭い視線で生徒たちを見下ろしていた。34歳、既婚息子一人。186センチ、98キロ。屈強な体格に加え、厳格な態度がその威圧感をさらに強めている。陽射しを浴びた分厚い胸板にはうっすらと汗が浮かび、逞しい腕を伝う汗が、日に焼けた肌をきらめかせていた。
「補習授業なんだから、しっかりやるぞ! 今日は泳げるようになるまで、帰さんからな!!」
彼自身は冗談めかして言ったつもりだが、口を真一文字に結んだ真面目な顔と威圧感のある野太い声のせいで、それをジョークだと受け取る人間はおそらくこの世に一人もいないだろう。
その隣に立つ鈴木正剛(すずき せいごう)は、爽やかな笑みを浮かべて明るい表情を崩さず、少しでも生徒たちをリラックスさせようとする。
「怖がるなって。有里、顔が引きつってるぞ。今のは成田先生のジョークに決まってるだろ……。ねえ、ジョークですよね先生? ……ちょっ、成田先生。先生の顔が怖いから、生徒たちが本気にしてるじゃないっすか!」
ひそひそと成田に口添えする鈴木。26歳、独身。179センチ、67キロ。彼の整った顔立ちと、引き締まった体は、自然と人を惹きつける魅力がある。肩から流れ落ちる汗を指で拭い、手首を軽く回しながら準備運動をする姿は、どこか絵になる光景だった。
しかし、そんな鈴木の言葉にも、三人の生徒のうちの一人、有里秀(ありさと しゅう)は小さく肩を竦め、うつむいたまま返事をすることすらできない。華奢な体つきの彼は、まるでここにいること自体が申し訳ないかのように縮こまっていた。
反面、委員長を務める武富理来(たけとみ りく)は眼鏡を指で押し上げながら、真面目な態度を崩さずに教師たちの話を聞いていた。規律を重んじるタイプの彼は、補習とはいえ手を抜くつもりはないようだ。
一方で、もう一人の教師、明石清(あかし きよし)はどこか気だるげに首を回しながら、「ったく、こんな暑い日にプールの補習なんてご苦労なこった」とぼやく。46歳、既婚娘二人。174センチ、87キロ。鍛え上げられた分厚い胸板をあらわにしながら、汗を拭う仕草もどこか投げやりで、少し突き出たビール腹をムニムニと揉んでいる。
「あ〜あっ! プールサイドに裸のねーちゃんでも居たら、やる気も出るってのによ……んっ、もごぉっ?!」
「明石先生! 今はちょっとでも隙を見せれば、ネットに晒される時代なんですから。そういう発言は控えてくださいっ!!」
分厚い掌で口を塞がれた明石は、その掌の持ち主である成田をジト目で見据えると肩を竦め、了解のしるしに両手を軽く挙げてみせる。成田は反省の色を見せない明石の態度に、深いため息をつきながら腕を組み直した。
そんななか、一人だけ異様なテンションの生徒がいた。東谷獅王(あずまや れお)だ。彼はワクワクした様子で手の中の小さな瓶を握りしめ、興奮を隠せないでいた。その視線は、これから始まる出来事を期待するかのようにキラキラと輝いている。
やがて、全員がプールへと身を沈めていった。強い陽射しの下、冷たい水が肌に心地よくまとわりつく。
「お前ら、体調が悪くなったら、いつでも言えよ?」
いつまで経っても慣れない、鼻をつく塩素の匂いに顔をしかめた成田が、低く響く声で生徒たちに問いかける。
「はい……」
秀が小さな声で返事をしながら、水の中でぎこちなく腕を動かす。鈴木は彼の様子を見て、「リラックスしろよ」と励ましながら、軽く水面を叩いた。
「ったく、こんな暑いのに、わざわざ泳げねぇ奴らを指導しなきゃならねぇとはな」
明石が面倒くさそうに首を振る。だが、その視線はどこか愉快そうでもあった。田舎育ちの彼は、真夏に冷たい水に浸かったことで、川遊びをしていた少年時代を思い出しているらしい。
プールに入った全員が水に体を慣らしているなか、獅王はゆっくりと周囲を見回しながら、静かに瓶の蓋へと指を伸ばしていった──。
***
私立F高校。この高校では、主要科目以外の授業は選択制となっており、生徒は美術・音楽・体育の三つの中から一つを選ばなければならない。多くの生徒は自分の興味や得意分野に応じて選択するが、有里秀、東谷獅王、武富理来の三人にとっては、選択の理由がまったく異なっていた。
彼らの目的はただ一つ。憧れの体育教師の授業を受けること。
秀は、根暗で内向的な自分とは正反対の爽やかな鈴木に強く憧れていた。鈴木の笑顔はいつも眩しく、生徒たちに向けられる言葉も優しく温かい。そんな彼のようになれたら──。そう願うことは、秀にとって密かな夢だった。
獅王は、不良である自分と真剣に向き合い、気にかけてくれる成田を尊敬していた。ほとんどの教師が彼を問題児扱いするなか、成田だけは違った。ただ叱るだけではなく、真正面から彼にぶつかり、「お前なら変われる」と信じるような言葉をかけてくれた。強くて、厳しくて、それでいて本気で向き合ってくれる男。そんな彼は獅王にとって、理想の男性像だった。
理来は、幼い頃から厳格な両親に押さえつけられて生きてきた。成績は優秀であるべき、規則は絶対に守るべき。そんな価値観の中で育った彼にとって、自由奔放な明石はまるで異世界の人間のようだった。周囲の目を気にせず、堂々と振る舞い、自分の欲望にも素直な生き方。その姿は理来の目には、今まで目にしてきた誰よりも魅力的に映った。
こうして三人の生徒たちは、迷うことなく、体育の授業を選択した。
それからしばらくして、夏休みに入ったある日の夜、獅王は一人で夜の繁華街を歩いていた。
不意に、屈強な体格をしたスーツ姿の男が声をかけてきた。
「なあ、君。東谷獅王くん……だよな?」
獅王は怪訝な顔で振り向いた。スーツの男は端正な顔立ちで、品のある佇まいをしている。しかし、どこか不気味な雰囲気が漂っていた。
「……あんた、誰だよ?」
男は微笑しながら答えた。
「昔の知人、と言ったら信じてもらえるかな?」
「はあ? ……あんたがオレの知り合い?」
獅王は眉をひそめた。不良である彼には、目の前の男に似た逞しい知り合いは何人かいるものの、肝心の彼に見覚えはない。
「嘘だろ。あんたみたいなやつ、会ったことねぇし」
男は静かに縦に首を振る。
「まあその反応は、至極当然だ。今の私は、昔の私とは見た目だけでなく何もかもが違うからな」
なんだこいつは。頭がおかしいのか? 彼が何を言っているのか、さっぱりわからない。しかし獅王は戸惑いながらも、男の言葉を聞き流せずにいた。そんな彼の前で、男はポケットから小瓶を取り出し、それを差し出した。
「ほら。これを使えば、君は誰とでも肉体を入れ替えられる」
獅王は思わず鼻で笑った。
「あんたいい年したおっさんなのに、頭どうかしちまってんな? そんな漫画みてぇな話、あるわけねえだろ!」
しかし、男の目は本気だった。
「私はもう使ったよ。だからこそ、【オレ】は今の私になったんだ♥」
厳つい顔を一瞬のうちにだらしない表情へと変え、スーツ越しに盛り上がった胸を揉みしだく大男。ぞくりとしたものが、獅王の背筋を駆け上がる。男の言葉は荒唐無稽なはずなのに、その雰囲気には妙な説得力があった。
「ぷははっ、獅王。オレだよオレ! 田中だよ! マジでこの薬のおかげで、くそみたいな不良から妻子持ちのこんなエリートリーマンになれたんだ。まあ、信じられないのはわかるし、別に信じなくてもいい」
とりあえずこれはお前にやるからと、男は小瓶を獅王の手に握らせた。
「お前も、別の誰かになってみたいんじゃないか?」
その問いかけに、獅王は思わず喉を鳴らした。心の奥底に封じ込めていた願望が、ゆっくりと浮かび上がる。なりたい。あの、強く、美しく、逞しい存在に──。
*
獅王はプールの片隅で、密かに海水パンツのポケットから小瓶を取り出した。ガラス越しに揺れる中身は、不気味なほどに漆黒の液体。彼は小瓶を握りしめながら、鼓動が高鳴るのを感じた。
(これを使えば……)
期待と興奮が入り混じるなか、彼は慎重に小瓶の蓋をひねった。その瞬間──。
「東谷!」
鋭い声が響いた。成田進也だった。彼は水をかき分けながら、険しい表情で獅王に近づく。
「お前、何を持ってる……? それを渡せ!」
獅王はギクリと肩を揺らし、咄嗟に小瓶を隠そうとした。しかし、その動きはわずかに遅かった。成田の大きな掌が、獅王の手首を掴む。
「おい、離せよっ!」
獅王は抵抗しようとしたが、成田の力は圧倒的だった。だが、その拍子に──。
ポタリ……。
すでに開いていた小瓶の口から漆黒の液体が一滴──、ただ一滴、静かにプールの水面へと落ちた。その瞬間だった。
──ブワッ!
まるで魔法にでもかけられたかのように、プールが一瞬で真っ黒に染まっていく。透き通っていた水は、あっという間に粘性を帯び、ドロドロとしたタール状へと変質してしまった。
「お、おい東谷。なんなんだ、これは……!?」
成田が驚愕の声を上げた直後、黒い水面がぐにゃりとうねり、まるで意思を持つ生き物のように脈動し始めた。それを見た瞬間、獅王の顔に歓喜の色が広がった。
(やった……! 成功だ!)
思わず笑みがこぼれる。蠢くそれは、まるで意思を持った触手のように、六人の周囲で波打ち、彼らの肉体に絡みつきながら動き出す。そして──。
「がぼっ……!」
粘りつく黒い塊がビュルッと音を立て、目にもとまらぬ速さで六人の体内へと侵入しようと試みる。
「んぶっ……! ぐ、むうぅ……!」
苦しげなうめき声が、周囲に響く。液体は口だけではなく、鼻の穴からも入り込み、喉を犯すように押し広げていく。耳の奥まで犯されるような感覚に、彼らは抵抗しようとしたが、もがけばもがくほど身体が液体に支配されていく。
「く……ぁ……っ!」
体が激しく痙攣するなか、必死に水をかき分けながらも逃れようとした彼らだったが、粘ついた液体は四肢に絡みついて六人を拘束し続けた。
「げぼっ……! うぐっ……!」
もがけばもがくほど、ドロリとした異質な液体が喉を満たし、息をすることさえ許さない。
「や……め、ろ……!」
成田が叫ぼうとした口の奥へ、ダメ押しのように黒い粘液が流れ込んでいく。喉が詰まり、肺が焼けつくような苦しみに襲われる。
目を見開いたまま、六人の意識は急速に暗転していった──。
*
──静寂が支配していた。
さきほどまでけたたましく鳴いていた蝉の声は、まるで最初から存在していなかったかのように聞こえなくなっており、空は曇天となって分厚い雲が広がっていた。真夏のはずなのに、どこか薄暗く、辺りにはひんやりとした空気が漂っている。
いつの間にかプールサイドに横たわっていた六人の男たちは、一人また一人とゆっくりと目を覚ましていった。
教師たちの中で最初に意識を取り戻したのは、成田進也だった。まぶたを重たげに開き、ぼんやりとした視界の中で、冷えたコンクリートの感触を確かめる。次いで、鈴木正剛と明石清も身じろぎしながら、ゆっくりと身を起こした。
ぞくり──。
三人の背筋を、一斉に悪寒が駆け抜けた。
何かがおかしい。空気が、世界が、まるですべてが変わってしまったかのような違和感。
「……?」
鈴木はゆっくりと腕を抱え、身を縮めた。成田も無意識のうちに自分の肩を擦り、明石は軽く震えながら腹をさすった。
気のせいか? ……いや、違う──。
自身の体をゆっくりと見回した彼らは気付いた。自分が【自分】ではなくなったことに。
「……な……んだ、これは……?」
ごくりと生唾を飲み込んだ鈴木が、途切れ途切れに呟く。
本来ならば、彼ら教師三人は白のTシャツを着ていたはずだった。しかし、今の彼らは上半身に、何も着用していない。
それだけではない。彼らは、くさっても体育教師だ。鍛え上げた肉体を持っている。厚い胸板、強靭な腕、どっしりとした足腰。それらが、彼らの誇りでもあった。
そのはずなのに──。
今、彼らの指先が確かめた体は、あまりにも貧弱だった。筋肉の少ない、細く頼りない腕。胸に力を込めても、盛り上がらない大胸筋。しっかりと地面を踏みしめても、まるで自分のものでないかのように心許ない細い脚。
「おいっ! なあ、どうなってんだよ、これぇっ?!」
頭を抱えた明石が、震えた声を漏らした。教師たち三人は互いに顔を見合わせる。
「う、嘘でしょ……?」
「これは、何かの冗談か……?」
戸惑う彼らの視線は、一斉にある一点へと向かった。まだ横たわったままの男たち。彼らは、まるで眠るように微動だにせず、そこに転がっていた。そして教師たちは、息を呑んだ。なぜなら、そこにいたのは──。
三人の【体育教師】たちだったからだ。
*
「う~ん……?」
教師たちの慌てふためく声に反応するように、横たわっていた生徒たち三人がゆっくりと目を覚ました。
まぶたを開け、ぼんやりとした目で空を見上げる秀。次いで、理来が頭を軽く振りながら、咳払いをする。最後に体を起こした獅王が、低く息を吐きながら目を細めた。
最初は三人とも、うつろなまなざしだった。視界に映る世界がぼやけ、現実を認識するまでに時間がかかる。しかし、意識がはっきりするにつれ、彼らは違和感を覚え始めた。
何かが違う。いつもよりも視線が高い。腕を少し動かすと、これまで感じたことのない重量感。自分のものとは思えない分厚い胸板。指を握れば、骨ばった手ではなく、ゴツゴツとした大きな拳がそこにあった。太く力強い両足を確かめ、ふと下腹部へと意識が向かう。そこで、彼らは自らの股間にまで及ぶ異様な感触を知った。
「へ……?」
鈴木の身体と入れ替わった秀が、低く情けない声を漏らした。それぞれが、ようやく理解し始める。今の自分の身体が、以前とは違うのだと。
「お前が東谷だなっ?!」
成田は教師という立場も忘れ、【成田進也】の姿をした獅王に向かって飛びかかった。さっき獅王が持っていた小瓶。この異様な現象を起こした原因は、あれに違いない。
「ぐっ……!」
しかし、彼の腕は獅王によってあっさりと捻り上げられ、背中に回された。【東谷獅王】もそこそこ筋肉質ではあるものの、現役体育教師の体と比べればその差は歴然で、力ではまるで歯が立たない。獅王は成田をうつ伏せにさせると、その背中にどっかりと馬乗りになった。まるで力の差を見せつけるかのように。
「おいおい【東谷】、教師である俺に向かってその態度はなんだ? 俺の信頼を裏切るような行為をしてくれるなよ」
成田の耳に届いたのは、間違いなく自分の声。しかも、その口調はまるで成田本人そのものだった。
「なっ……」
「ふはっ♥ さっきのオレ……、めっちゃ成田先生っぽかったな♥♥」
恍惚の表情を浮かべながら、獅王は自らの胸に手を這わせ、天を仰いだ。ブーメランタイプの黒い海水パンツは、興奮のあまり大きなテントを張っている。そんな光景を前に、鈴木と明石は混乱しながらも、成田を助けようと駆け寄った。
「東谷ぁっ!!」
二人がかりで獅王を引き剥がそうとするが、筋肉の鎧を纏った彼の体はびくともしない。
「おい、お前ら! 手伝えっ! お前らも元の身体に戻りたいだろ、なあっ?!」
半狂乱になった明石が額から汗を垂らしながら、秀と理来に向かって、唾を撒き散らす。生徒の二人は顔を見合わせた。秀の表情には、戸惑いの色が濃く残っている。
「……先生たちを助けるのが、正しい……よね?」
理来はそんな秀の言葉に、一瞬ためらいを見せたが、意を決したように口を開いた。
「僕は……、元の身体になんて戻りたくない! 君はどうだ? その身体のままでいたいと思わないか?」
思いもよらぬ返答に、秀の瞳が激しく揺れ動いた。数秒の沈黙の後、彼らが取った行動は──、近くにあった救助用のロープを手に取り、鈴木と明石の手足をそれで縛ることだった。
「は、はぁっ?! なななっ、なにをしてるっ、お前らぁ?! 血迷ったのか?!」
どうにか拘束から逃れようと、じたばたと暴れる明石。
「有里、武富! お前たちは、東谷に脅されてるんだろ?! 先生たちは、お前らの味方だ! お前たちのことを守ってやる。正しい選択をするんだ、できるよな?」
顔面蒼白になりながらも、どうにか生徒たちを諭そうとする鈴木。しかし、秀と理来の表情には、もはや迷いはなかった。
「……すみません、鈴木先生。僕はずっと、明石先生みたいに奔放な生き方を羨ましく思ってました。両親の言いなりになるしかない自分が、嫌で仕方なかったんです。でも、今は……」
理来はそう呟くと、マッチョでありながら少し垂れた胸を揉み、ぷっくりと膨らんだ乳首を指で弄り始めた。
「んっ……、おおぅ……っ♥」
快感と羞恥の入り混じった声を放つ理来に、本来の肉体の持ち主である明石が目を剥く。
「お、お前ぇ、俺の身体で何してっ……?!」
学生のころから教師になるまで、柔道一筋で鍛えぬいてきた。だが年を取ってからは鍛錬を怠りがちなせいで、筋肉の上に分厚い脂肪を纏い、だらしのない体を作り上げている。
理来はそんな肉体を、陶酔の表情で弄んだ。海水パンツの中に手を突っ込むと、股間にぶら下がるペニスを撫で、蜜の絡みついた指をしゃぶる。彼は淫乱な表情を浮かべながら、肉付きのいい全身を揉みしだいた。
明石自身も見たことのない、快楽に満ちた表情。妻とのセックスでも、こんなにエロティックな表情を見せた記憶がない。
「そ、そんなっ……武富っ! 有里ぉっ!」
鈴木が必死に呼びかけるが、二人はまるで聞く耳を持とうとしない。それどころか、今度は秀が鈴木の肉体にまとわりつき始めた。
「……鈴木先生♥」
無骨な手が、鈴木の股間をまさぐる。熱を持った太い指で陰部に触れられた鈴木は、思わず声を漏らした。異性愛者である鈴木にとって、男の手で股間を揉まれる感触は、ぞわりと鳥肌が立つほど気色悪かった。だが、同時にじんわりと熱い快感が込み上げてくるのを抑えられない。
「嘘……だろ有里? お前はこんなことをするやつじゃ、ないはずだ……。正気に戻ってくれ、んあ゛っ……くうぅっ……!」
鈴木は顔を紅潮させ、必死になってその快感から逃れようとした。男にイチモツを撫でられる感触。気持ちが悪い。彼の理性はそう判断している。なのに、気持ちが良いとも思ってしまう。その相反した感覚に、鈴木は混乱せずにはいられなかった。
「なあ【有里】、落ち着け──。先生に身を委ねるんだ……♥」
ねっとりとした甘い囁き。秀からかけられたその安らぐような声色に、鈴木の脳内では大量のドーパミンが放出された。脳が蕩けてしまいそうなほどに心地よい声が、鼓膜を震わせる。同時にさっきまでの嫌悪感や絶望感が消え失せ、恍惚とした感情が彼の心を支配し始めた。
鈴木はぼんやりとした表情で、秀の大きな体にことりと身を預けた。ごつごつとした指先が優しく自分に触れていく感覚を、うっとりと受け入れる。股間を撫でていた手とは別の手が彼の体を抱き寄せ、分厚い胸板が肌にくっついた。その途端、激しく胸が高鳴り、鈴木は自分の下半身に血が集まり始めるのを感じた。
(何でオレ……、男と抱き合って……るんだ?)
先ほどまで、この異様な事態に疑問を抱いていたはずなのに、今は何も考えられない。鈴木は無意識のうちに、目の前の秀の顔へと自分の顔を寄せていた。
*
「は~い、そこまで! 有里……だっけ? あと武富も、変態親父みたいなことやってねえで、こっちに集合!」
獅王がパンッと叩いた手の音で、その場にいた全員が正気に戻った。乳首オナニーで射精寸前だった理来。あと少しで、敬愛する鈴木とのキスが叶いそうだった秀。どちらもが一瞬顔を曇らせたが、こんな状況をもたらしてくれた悪魔には感謝しかない。いそいそと獅王の前に集まると、三人はひそひそと会議を始めた。
「大丈夫ですか、二人とも?」
唯一ロープで縛られていなかった成田が、二人の教師に駆け寄って彼らの拘束を解いていく。自由になった三人。
ここから逃げるか? ……いや、この場から脱出し、誰かに助けを求めたところで、今の状況をどう説明すればいい? きっと見た目が生徒である自分たちの方が、頭がおかしくなったと思われるに違いない。
脳内は混沌と化しており、この短い間では教師たち三人とも、一体どういう行動を起こせばいいのか判断がつかなかった。
「なあ先生たちよぉ、賭け……しねえか?」
その場で俯き、ただグルグルと思考を巡らせていた教師たちは、野太い獅王のバリトンボイスに顔を上げた。見上げたその先にいるのは、屈強な肉体を見せつけるように両手を腰に当てて胸を張り、もはや完全に教師のオーラを放つ生徒たち。
「……賭け?」
消え入りそうな声で、明石がオウム返しする。それに対して獅王は精悍な顔を歪めて、下卑た笑みを浮かべた。
「教師 VS 生徒。イかせた方が勝ち、イかされた方が負け。制限時間十分以内に、あんたらの内の誰か一人でもザーメンぶっ放したらオレたちの勝ちで、この入れ替わりは固定されて、みんな永遠にこの肉体で生きていくことになる。あんたらが十分間射精しないで耐えるか、逆にオレたちの内の誰かが射精しちまったら先生たちの勝ちで、身体は元に戻してやるよ」
突拍子もない内容の提案に、教師たちは言葉を失くした。しかし、わずか数秒の沈黙の後、真っ先に声を上げたのは鈴木だった。
「そっ、そんな勝負をオレたちが受けると思ってるのか……?! 正気かお前たちっ?!」
先ほど、キス寸前までいった鈴木が怯えるのも無理はない。そんな彼の言葉に続いて、成田が烈火のごとく顔を赤くして、首を横に振った。
「生徒と教師の関係で、イク……だのイかせるだの……、そんなことできるわけがないだろうっ!!」
「あっ、そう……。それじゃあオレたちの不戦勝ってことで、先生たちの身体はオレらがもらうから。あ~、家に帰ったらオレの新しい家族が待ってんのか。成田先生の奥さんのマンコにチンポ突っ込んだら、すっげえ気持ちいいんだろうな~♥」
パンパンに膨らんだ睾丸を大きな掌で押さえながら、涎を垂らす獅王の様子に、成田は怒りで身を震わせる以外なかった。
*
「ん……? んむっ♥」
仕方なく始まった、教師と生徒の勝負。鈴木の対戦相手は、あの引っ込み思案な有里秀だ。余裕で自分の勝ちだ──。
そう高をくくっていた鈴木は、気付かぬ内に秀と唇を重ね合わせていた。舌を蠢かしながら唾液を交換していると、彼の胸がきゅうっと苦しくなる。いつしか彼は、体の中心に熱が集まるのを感じていた。
(なんだ、これ……? 俺……勃起してるのか……?)
鈴木は自分の肉体の変化に驚きを隠せなかった。しかし、それを上回る興奮と、溺れてしまいたくなるほどの快感に理性が侵食されていく。
「あぁ……っ♥」
海パンを押し上げ、勃起するチンポ。鈴木はそれを秀の掌に擦りつけるようにして、腰を動かしていた。思春期の肉体は、ほんの少しの興奮でも睾丸の中で精子を急ピッチで製造し、海パンの一番盛り上がった部分に真っ黒なシミを作っていく。
「ハァ……♥ 大人のキスは気持ちいいだろ、【有里】?」
秀は鈴木の耳元でそう囁くと、彼の歯列を舌でなぞった。ねっとりとした唾液を絡ませながら、鈴木の舌に自分の舌を絡ませる。その感触はまるで女とキスしているようだったが、相手が教え子だという事実に、鈴木は言いようのない興奮を覚えてしまっていた。男と──、しかも【かつての自分】との口づけに、ケツの穴がヒクついてたまらない。
「んふぅ……っ♥」
脳の奥で、警告音がけたたましく鳴り響いている。しかし気の緩んだ鈴木は、迎合するように秀の舌に自らの舌を絡め、その感触を貪った。心を許した途端に、硬く太い指が彼の肛門へと伸び、小さな穴を広げようとグリグリと押し入ってくる。
一本、二本、三本……。グッ、ググッと徐々に直腸内に異物が侵入してくる感覚は、苦痛ではなく甘い疼きだ。
(俺……、ケツの穴いじられて、気持ちいいって思っちまってる……♥)
頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。女性とのセックスでも、こんなに気持ちよくなったことはなかった。【有里秀】の肉体が、他人に犯されることに悦びを覚えるようにできているため、鈴木には抗うすべがない。
だが、耐えねば……。十分間──。そう、ただ十分の間だけ耐えれば、みんな元の身体に戻れるのだ。気を失いそうになるほどの快感に溺れながらも、鈴木は必死に抵抗しようとした。しかし、彼は知らなかった。その【十分】が、あまりにも長い時間だということを……。
熱い吐息を漏らす鈴木の横には、背中を極限にまで反らしてビクビクと痙攣する明石がいた。彼は理来によって、鈴木以上に肉体を隅々まで弄くり回され、無限の絶頂地獄に叩き落されていた。大きな掌で握り締められたピンク色のチンポは、激しく痙攣しながらも、どうにか先走りを溢れさせるだけにとどまっている。だが、その下にぶら下がった睾丸は、早く射精しろと渇望して上下していた。
「もうっ、やめて……くれぇっ♥♥♥」
明石は焦点の定まらない瞳に涙を浮かべ、目の前の理来に対して懇願した。同僚の教師に対しても、こんなへりくだった態度は見せたことがない。しかし、その願いは聞き届けられることはなかった。それどころか理来はさらに激しく、明石の肉体を責め立てるのだった。
*
「ほら、成田先生。早くしねえと、鈴木先生か明石先生……、いや両方ともがイッちまいそうだぜ? せっかくハンデを先生に与えてるんだからさ、早くオレをイかせねえとダメだろ?」
獅王にけしかけられた成田は、全身から血の気が引いていくのを感じた。そしてその血すべてが股間に集まってしまったように、ぐんぐんとイチモツが膨らみ始める。目の前にいるのは降参したように仰向けになって、犯してくれと言わんばかりの態勢を取った獅王。これまで三十四年間、毎日鏡で目にしてきた自分の姿。なのに、なのに──。
顔が沸騰するくらい熱い。これまでの人生で、これほどまでに勃起したことがあっただろうか? 気のせいだと思いたいが、穿いている海水パンツには、きっと我慢汁がべっとりと染みてしまっているはずだ。
「あ〜あ、せっかくのボーナスタイムが台無しになっちまったな。ほ〜ら、【東谷】。成田進也先生、ご自慢のチンポだぞ♥ お前、ずっとコイツを嗅ぎたいと思ってたんだよな?」
見事なテントを張った黒い水着の膨らみが、成田の鼻先へとグイッと押し当てられる。塩素の匂い。それに混じってムンムンとするような三十路男の濃厚な臭気が、成田の鼻腔に突き刺さる。自分の股間の匂いを意識して嗅いだことなど、ついぞなかった彼。運動後に自分の体臭が気になったことは多少なりともあるものの、今目の前に突き付けられた【モノ】から放たれる臭気は、彼にとって別次元のものだった。
他人の眼で見る【かつての自分】のチンポがこれほど雄々しく、他人の鼻で嗅ぐ【かつての自分】のチンポの匂いが、こんなにも香しいだなんて……♥
「んはぁ……っ♥」
成田の膝がガクガクと震え、その場に崩れ落ちる。彼は無意識の内に獅王の穿いた海水パンツに手をかけ、一気にずり下ろしていた。
「うおっ……、【東谷】。大胆だな♥」
ニタリと笑う獅王の海水パンツから、解放されたチンポがブルルンッ! と震えながら、顔を出した。その勢いは凄まじく、へそに当たってべチンと音を立てると、天に向かってそそり立った。太さも長さも申し分のない、まさに巨根と呼ぶにふさわしいイチモツ。それが放つ雄臭さは、海水パンツの中に閉じ込められていた分、より一層濃い。成田が呼吸するたびに、強烈な匂いが鼻を突き抜けて脳にまで達し、クラクラと目眩のような症状を引き起こした。
「んはぁ……♥ あぁ……っ」
──これが、俺のチンポの匂い……♥♥♥
蒸れたチンポは、塩素の匂いも相まって、すでに射精後のような臭気を漂わせている。アンモニアの匂いや、使い古した油のような匂いが複雑に絡み合った香りを嗅いでいるだけで、脳が蕩けそうだ。
気がついたときには、成田は無心で目の前の巨根をしごいていた。だが、それでいい。このチンポをしごいて、先生たち二人より先に東谷を射精させれば、俺たちの勝ちだ……!
成田は自分で自分を正当化しながら、一心不乱に握り締めた肉棒をしごいた。指で作ったわっかでエラの張ったカリ首を擦り、裏スジを刺激する。そのたびに鈴口から飛び出す透明な汁に興奮し、血管の凹凸までも感じ取れるほど敏感な掌を滑らせた。
「おぅっ……。上手いぞ【東谷】っ、その調子だ♥」
目の前で繰り広げられる恩師の痴態に舌なめずりをしながら、獅王は成田を優しく褒めてやる。その色気を含んだ声音に、成田はうっとりと目を細めると、声の主を見下ろした。太い眉、大きな瞳、エロティックな唇。毎日目にしてきた自分の顔。慣れ親しんだ己の肉体。それが他人の目を通して見ただけで、これほどまでに魅力的に映るなんて──。
「おお゛っ、イクッ♥♥ 真面目な体育教師として生きてきた【俺】がっ、生徒にチンポしごかれてイッちまう~~~♥♥♥」
豆だらけの成田の掌の中で、獅王のイチモツがビクンと跳ねた。鈴口からは、勢いよくザーメンが解き放たれる。その量たるや凄まじく、ビュルッ! ビュルルルッ! という音とともに飛び出したそれはプールサイドに溜まりを作るだけでなく、成田の顔までも白く染めあげた。生臭い匂いに包まれながらも、慌てて鈴木と明石の方を確認する。その瞬間、二本の竿が激しく震えて、勢いよく精液を吐き出した。
*
「やった! 俺たちの勝ちだぞ、東谷っ!!」
勝利を確信した成田が、獅王に向かって吼えた。僅差ではあったが、勝ちは勝ちだ。これで元の身体に戻れる。生徒に人生を奪われなくて済む。安堵した成田は、胸を撫で下ろしながら、この勝負をけしかけてきた相手の返事を待った。だがようやく開いた彼の口から出た言葉は、驚くべきものだった。
「はぁ……っ、すげぇ……っ♥ これがっ、成田先生の記憶……。これでオレは……、完璧な【成田進也】になれる……♥♥」
恍惚の表情を浮かべ、自らの胸にザーメンまみれの掌を這わせる獅王。大量の精液を放出したにもかかわらず、チンポは勃起したままで、ビクンビクンと痙攣している。その先端からは、いまだザーメンの残滓が垂れており、まるで彼の興奮を物語っているようだった。
「お……おいっ? 東谷お前、何を言って……んひっ♥」
脳みそが何者かの手によってこねくり回されるような感覚が、成田を襲う。同時に洪水となって流れ込む他人の記憶。【東谷獅王】の十六年分の人生の映像が、猛烈な勢いで成田進也という人間の中に注ぎ込まれる。それは完全に、彼のすべてを【東谷獅王】へと作り変えるための儀式だった。
「んお゛っ♥ ん゛おぉ~♥♥♥」
想像を絶する快感。海水パンツの中では何度も何度もチンポが射精を繰り返し、太股を伝ってプールサイドに精液溜まりができていく。息も絶え絶えになりながら、だが成田はどうにか力を振り絞って獅王を問い詰めた。
「東谷……。これは、どういうこと……なんだ?」
【成田進也】の記憶をその脳内にすべてダウンロードし終えた獅王は、誰よりも先に呼吸を整えると、ゆっくりと立ち上がった。
「悪かったな、先生。賭けなんてのは全部嘘。先生たちが快楽で堕ちていくところが見たかっただけ♥ それにな──」
あの薬で入れ替わった二人のうち、どちらか一方でも射精すれば、入れ替わりは永遠に固定される。つまり、オレがイッても、成田先生がイッても、オレたちが永遠に入れ替わることは最初から決定してたんだよ♥
低く甘い、男らしい囁き声。騙されたことに対する怒りは、不思議と湧いてこなかった。むしろ、その逆だ。
「あ……っ♥」
成田は自らのイチモツを握り締めたまま、その場に崩れ落ちた。彼の脳に注ぎ込まれた【東谷獅王】の性的嗜好が、成田進也の理性を上回ったのだ。永遠に肉体が入れ替わる。肉体も奪われ、人生も奪われ、家族も奪われる。そんな非現実的な現実に、彼は興奮を覚えていた。
***
数日後、冷房の効いた体育教官室に六人の男たちが集まっていた。外では相変わらず蝉たちが大合唱をしているが、その鳴き声も分厚いカーテンに遮られてかすかにしか聞こえない。夏場なのだから、照り付ける日差しを避けるためにカーテンを閉めているのだろう。普通ならば誰しもがそう考えるだろうが、この体育教官室だけは違った。
「んぁ……っ♥」
甘ったるく裏返った声が室内に響き、それとともに肉のぶつかり合う音が続く。真昼間から冷えた室内で絡み合う肉体。ほっそりとした高校生二人を、屈強な肉体を持った体育教師二人が犯している。その横では、身も心も【成田進也】となった獅王が、尻の穴にディルドを突き刺した状態でかつての自分の姿をした男を見下ろしていた。
「ふぬぅ!!」
ズボリと勢いよくディルドを引き抜く獅王。苦痛から解き放たれた快感からか、勃起したチンポからピュッと精子が飛び出した。厳つい顔を真っ赤に染めた彼は、太い吐息を漏らすと、両掌で自身の尻を鷲掴みにしながら腰を下ろしていく。くぱっと口を開いた獅王の窄まりが目指すのは、天を突くようにそそり立った【東谷獅王】の──、成田の肉棒だ。日焼けした浅黒い肌とは違うピンク色の綺麗なチンポ。ヒクヒクと震えるその亀頭は、今か今かと露を垂らしている。
「んぅ……っ♥ いい感じだ、【東谷】……んっ♥♥」
熱く滾ったそれをゆっくりと挿入していくと、獅王はなんとも言えない気持ちになり、目をギュッと瞑って唇を噛み締めた。暴力的な快感が全身の細胞を支配する。身体全体が性器になってしまったように、どこもかしこも気持ちがいい。特に、チンポが腸壁を擦る甘い痺れは、まるで脳天を直撃するかのようだ。
「うお゛ぉっ♥♥ 俺のっ、ケツマンにっ、生徒のチンポが入ってくる♥♥♥」
「あ゛っ♥ ヤバいっす、【成田】先生のケツマンコ♥♥ チンポ、溶けちまう♥♥」
「ン゛ッ♥ フンッ! どうだっ、【東谷】?! かつての自分のケツの穴で童貞を卒業する気持ちは?」
「イイっす♥ 童貞なんて十数年前に卒業したはずなのに、また体験できるなんて……♥ しかも【俺】のケツ穴使って卒業できるなんて、最高っす♥♥」
入れ替わった当初は、あれほど元に戻ろうと躍起になっていた教師たち。しかし永遠に入れ替わることが確定した瞬間、彼らはとてつもない【入れ替わりフェチ】に目覚めてしまった。校内でかつての自分の姿を目にするだけで勃起し、我慢汁が溢れ出してしまうため、ジャージや学生ズボンの中に収まっているチンポにはコンドームと貞操帯を身に着けているほどだ。今では脳みそまで入れ替わってしまった影響で、どっぷりとゲイの思考に犯され、かつての自分のチンポをねだる始末。
肉体が完全に別人のモノと入れ替わってしまったとはいえ、以前の記憶も色濃く残っている。だがそれが余計に【入れ替わりフェチ】となってしまった今、彼らの興奮を高める要因となっていた。かつての自分の顔に見られ、かつての自分の声で言葉責めを受け、かつての自分のチンポで掘られる。元の人生では得られなかった倒錯的な快感に、彼らはすっかりハマっていた。
「んっ♥ ふぉ……っ! 最高だ【東谷】ッ! この身体も【オレ】に乗っ取られて喜んでるぞ♥♥」
獅王はちょうど目の前の姿見に映る自分と向き合いながら、激しく腰を上下させていた。尻の穴からは、ジュポジュポと淫靡な音が出続けている。気持ち良くてたまらない。乗っ取った理想の身体で、その元の持ち主である男を翻弄する。これ以上の快楽がどこにあるだろうか! 金玉の中でぐつぐつと精子が生産され続けるのを感じながら、獅王は新しく自分のモノになったチンポを握り締めると、雄たけびを上げて精子をぶちまけた。
「おお゛ぉっ、獅王! 愛してるぞっ 獅王ぉぉぉっ♥♥♥」
(了)
ムチユキ
2025-04-05 08:43:18 +0000 UTC黒竜Leo
2025-04-04 14:36:38 +0000 UTC