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ムチユキ
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リアルアバター

「おっし、ガキども! 今日は口うるさい母さんたちもいないし、好きなだけたっぷりゲームに勤しむぞッ!」


 岩のように四角い顔をした男、高見巌(たかみいわお)はその相好を崩しながら、子供たちのノリに乗ったテンションに油を注いだ。拳を握り締めて宙に向かって突きだした彼自身の姿は、まるで子供たち同様、童心に返ったかのようである。


「「おぉ~~~っ!!!」」


 室内では家主である巌と、彼の小学校時代からの親友である臼井竜介(うすいりゅうすけ)、それに彼らの息子である高見玲央(たかみれお)と臼井海成(うすいかいせい)の四人が、VR用のヘッドギアを頭に装着して、おのおのソファーの上や、床に敷かれたマットレスに寝転がって準備を整えている。


 西暦20XX年。時代はバーチャルリアリティゲームが全盛を迎え、ゲーム世界とリアルの世界が融合したかのような仮想空間を、人々は手軽に体験できるようになっていた。VRMMOと呼ばれる、ゲームの中に入りこんで仮想空間を冒険するジャンルは、今や全世界でプレイヤー総数二十億、老若男女問わずの一大人気となっており、もちろん巌たちもその例に漏れない。現代に生きる社会人や学生たちは、日々勤務先や学校から帰宅した後の数時間、ゲーム世界で夢のようなひとときを過ごし、苦痛たっぷりの現実から目をそらすことで、みな精神の均衡を保っているのである。


 普段は妻や母によって時間制限を言い渡され、満足いかずにもどかしい思いをしている高見家、臼井家の父子たち。だが、この日は朝から、厳と竜介の妻は共だって旅行に出かけたため、思う存分ゲームに没頭できる最高の環境が整っていた。四人は同時にヘッドギアを装着すると、ゆっくりと眠りにつくようにVR世界へとダイブを始めた。



***


──エターナル・サンクチュアリ


 数あるVRゲームの中でもよりリアルを追及し、操作するキャラクターは最先端の3Dスキャナーでプレイヤー本人の情報を細部まで取り込まれ、まさに実物と見まごうほどの存在感を実現している。ネックなのは成りすまし防止のため、ログイン時にヘッドギアに備え付けられた網膜スキャンと脳波による認証のせいで、自分そっくりのキャラ以外はプレイアブル不可という点だろう。

 それを鑑みても、このゲームが一世を風靡するのに大して時間はかからなかった。プレイできるゲームは多岐に渡り、ロールプレイングゲームやアクションゲーム、街づくりゲームやクイズ、ボードゲーム等々、いろんな年代の人たちが飽きることのないように考慮されている。


 そんな魅力的なゲームに全世界の人々はもとより、高見・臼井父子もまたどっぷりと漬かり込んでしまっていた。


『エターナル・サンクチュアリの世界へようこそ』


 ログインする度に目にする、絶世の美少女が笑みをたたえて彼らを出迎える。四人は、ログイン用パスワードを入力して、ゲーム世界へと飛び込んだ。いつもであれば数瞬の暗転のあとには、前回ログアウトした場所であるセーブ地点が視界一面に広がるはずなのだが、今回はいっこうに何も現れない。ただただ暗闇だけが視界を覆っている。


──只今、ゲーム内が、混線して──いま──


「おいおいなんだ、バグか? しょうがねえな、運営に文句のメールでも送っとくか。とりあえず、みんなログアウトしようや──」


 ログアウトしようと、巌が空中に浮かんだログアウトボタンをタップしようとしたそのとき──。


「うお゛っ!」「わっ……!」


 反射的に頭を抱え込むほどの激痛。こめかみを襲うズキズキとした疼きに、四人は呻き声を上げた。全員が、驚きのあまりもんどりうって倒れこむ。真っ暗だった視界が開け、彼らは同時に頭を上げた。頭痛のせいで、目の前にはチカチカとした光が見える。


「いてて……。ここ、どこだ?」


 巌は辺りを見回した。四人はいつの間にか草原のど真ん中に立っていた。そこは、ゲームを初めて開始したとき、一番最初に訪れる場所。ログイン時に予期せぬ場所に飛ばされるのは、よくあるバグのひとつである。だが、今回起きたのは異例の事態だった。


「な、なんだ?! 俺? 俺が目の前にいるぞ?!」


 自分の目の前に、自分そっくりの人間が立っていることに、巌は驚きの声を上げた。同じように、他の三人も互いを指さしたあと、自分の顔や身体を確認して驚いている。


「どうやらバグで、俺たちが操作するキャラが入れ替わっちまったみたいだな。こんなバグは初めてだが……」


 【玲央】のアバターを操作する竜介が平静を取り戻し、ため息交じりに呟いた。


「ってことはオレ、いま竜介おじさんの身体使ってるってこと?」


「じゃあ、僕は巌おじさんの身体か。うわぁ、なんか重いし動かしづらいや──」


 玲央と海成が戸惑った声を上げる。


 巌と竜介の親父コンビの頭の中は、運営に対してどう怒りの報告を行おうかという思いでいっぱいになりつつあったが、自分たちの息子の無邪気な姿に冷静さを取り戻していった。そんな彼らの視界の端にピロンという音とともに、ひときわ濃く赤い文字でメッセージが表示される。


『一時的にログイン者数が増加し、特定のサーバーが重くなっているようです。ユーザーの皆様から、違うプレイキャラでログインしてしまったという報告を受けております。只今、修正パッチを配布中です。少々お待ちください』


「ちぇっ、なんだよ~。もうちょっと竜介おじさんの身体で、ゲームしたかったな~。なあ、海成?」


 玲央が口を尖らせ、自分の腕や足を触りながら不満の声を上げた。彼と同様、自分の今の肉体をつぶさに観察しながら、首肯で海成も同意する。


『──修正パッチをダウンロード中。20%、40%、50%──』


「おっ! どうやら俺らの身体が入れ替わってる時間も、もうすぐ終わるみたいだな。残念だったな、ガキども。俺たちみたいなマッチョマンな大人になりたいなら、明日からちゃんと筋トレするんだな、わはは!」


 腰に手を当てて大笑いする巌。子供たち二人は、そんな巌をどこか恨めしそうな目で睨みつける。その間にも修正パッチの進行度が上がっていく。


──80%、90%、97%…………、ブツン!!


 あと少しで、いつものようにゲーム世界へと没入できる。しかしそんなふうに期待に胸を弾ませた四人を、ふたたび暗闇が襲った。




「うおっ! なんだ、またかよ!」


「今度は、いったいなんなんだ?」


 混乱しながらもヘッドギアを外した四人の耳に、家の外から響いてくる声が飛び込んできた。


『ご迷惑を~、お掛けしております~~。本日~、十時から電線工事のため~、一時的に停電のご協力をお願いしておりま~す。ただいま~、復旧作業中ですので~、もう少々お待ちくださ~~い!』


「あっ、忘れてた。そういや嫁さんが出掛ける前に、近所の電線工事がどうのこうのって言ってたっけか?」


 窓の外から聞こえてくる、心の籠っていないような抑揚のない声。デスクの上に置かれているチラシには『本日午前十時から、電線工事のため一時停電のお知らせ』という文字が大きく印刷されている。


「修正パッチって、まだダウンロード完了してなかったよね? 大丈夫だったのかな?」


 不安の声を口にした海成は、目線を上げたあとヒュッと喉を鳴らして息を吞んだ。なぜなら、先ほどまでのゲーム内と同様に、目の前に自分の姿があったからだ。他の三人も彼と同様、互いに見つめ合って互いの顔を確認しては目を白黒させている。


「俺たち、まだゲームの中にいるってわけじゃない……よな? まさか、修正パッチがダウンロードし終わる前にログアウトしたせいで、精神……? みたいなのが入れ替わったままになっちまったのか?」


 異様な状況。互いの肉体が入れ替わってしまったというのに、あまりにも違和感がない。目の前にかつての自分の姿をした人間がいなければ、自分の肉体が他人の肉体と入れ替わったという事実に気付きさえしなかったかもしれない。皆が皆、少し離れた場所にいる見慣れた自分の顔をまじまじと見つめては頬を紅潮させ、なんと言葉を紡ぎだせばよいのか逡巡している。こんな大事件が起きたというのに、頭の片隅では、もしかしてこれは夢なのでは……? と疑念が芽生える始末である。

 だがしかし、頬をつねってみても、ヒリヒリとした痛みが伝わってきた。夢などではなく、これは現実なのだ。


「と、とりあえず……、運営にメッセージを、あっと停電中だから無理か……。じゃあコールセンターに電話で……って、繋がらん……」


 アラフォーの立派な大人である巌や竜介でさえ、混乱のあまり頭がうまく働かない。四人の男たちは、運営と連絡が取れるまでただただあたふたと、悪戯に時間を過ごすしかなかった。




 『エターナル・サンクチュアリ』を運営する会社に、自分たちの肉体が入れ替わってしまった旨を報告できたのは、結局翌日だった。四人は本社に呼ばれ、あらゆる検査を受けた。精神鑑定から身体検査、遺伝子検査までありとあらゆる診断を行った結果、ゲーム開始時に登録された四人の脳波と今の彼らの脳波が違う点から、運営側も『入れ替わり』を認めざるを得なかった。


──精神が入れ替わったことは、『入れ替わり』前後の脳波の違いによって確認できましたが、元に戻す方法は今のところありません。


 そう担当医が断言した瞬間、四人は同時に声を上げた。


「ふざけんなっ! 実際にこうして入れ替わったんだから、元に戻る方法もないとおかしいだろっ?!」


 担当医たちは、声を荒げ、顔を青くした四人を宥めると、申し訳なさそうに『調査は今後も続けますので……』と言い残して退室していった。


 おそらく、重役たちのもとへと帰った彼らは、上司に調査継続の意思を打診してくれたのだろう。高見・臼井両家には家族が不自由なく過ごせるだけの賠償金が、即座に支払われることとなった。さらに前代未聞である『入れ替わり』という事象の研究に力を貸すことで、追加で補償が約束された。ただし、今回の入れ替わり事件を決して他言しないようにとの条件つきで──。


 いわゆる、口止め料というやつだ。もし、この『入れ替わり劇』が白日の下に晒されれば、『エターナル・サンクチュアリ』は大スキャンダルを免れられないだろう。企業としては当然の対応だ。そして四人も、口外しようという気にはならなかった。おそらく誰かに話したところで、頭がおかしくなったと思われるだけだ。妻には話してもよいとのことだったが、海外旅行中の彼女たちには帰国してから告げるほうがいいだろう。



──『入れ替わり』から三日。


 会社や学校を休んでいた四人は、自分たちが行くべき場所へと向かった。高見巌は【臼井海成】として、臼井竜介は【高見玲央】として中学に。そして臼井海成は体育教師【高見巌】として二人と同じ中学校に、高見玲央は消防士【臼井竜介】として地元の消防署へ。四人全員が、交通事故によって『一時的健忘症』を負ったという、ゲーム運営会社によって発行された診断書のおかげで、すんなりと日常生活へと溶け込むことができた。


 精神が入れ替わっても、肉体はそのまま。中学生から突然、体育教師や消防士として勤めることになった海成や玲央は、最初こそ戸惑ったものの、幼いころからVRゲームで培った経験が役に立ったのだろう。自分たちはアバターを使用しているのだと、そう思い込むことですぐに適応することができたようだ。むしろ息子たちのことが心配で気が気でなかった彼らの父である巌と竜介の方が、肉体が入れ替わってしまったという事実にうまく対応できず、四苦八苦する毎日だった。


 あれほどデカかった体が小さくなり、頼りがいのあった筋肉もすっかり削げ落ちてしまった。鋼のように鍛え抜かれた肉体は見る影もなく、鏡を見れば自信がなさそうな瞳が自分のことを見つめ返してくる。


 巌はそんな自分の姿を見て、日々自分が【高見巌】ではないような感覚に襲われ続けていた。時が経つにつれ、その感覚が増していく。あの日から、四人はずっと高見家で共同生活を行っている。家に帰れば、入れ替わった相手であるかつての自分の姿を目にする。その度に、ますます自我が歪んでいくのを感じてならない。


(これは俺の身体じゃない! 俺は高見巌だッ!!)


 口に出すこともできない言葉を、巌は何度も心の中で叫んだ。しかし、苦しめば苦しむほど巌の精神は肉体に蝕まれ、気を抜くと自分は生まれたときから【臼井海成】であると錯覚するようにすらなっていた。




「相変わらず、すげえな。その体は」


「そっちの体の方こそ、かっこよくて僕、なんか変な気分になってきちゃうよ」


 【高見巌】と【臼井竜介】。時計の針が深夜零時を指そうとした頃、その肉体に精神を宿した彼らの息子たち二人は、巌の自室内で下半身を丸出しにして肉体を絡め合っていた。ただし、その愛撫はたどたどしい。

 なにせ今現在、身体こそ大人のモノだが中身は童貞の中学生であり、オナニーすら未経験なのだ。大人の余裕など皆無で、ただ互いの肉体に興奮して、戸惑いながらも夢中で肌とチンポを擦りつけ合っている。


「なんで僕たち、こんなことしてるんだろ? 男同士で、しかもおじさんの身体で……」


「分かんねえよ。でもなんか……興奮する❤」


 玲央は海成の巨体に組み敷かれるような形でベッドに寝転んだまま、彼の股間を覗き込んでゴクリと唾を飲み込んだ。これまで同級生の男子生徒たちが、初恋の女子の名前を言い合うのを横目に、玲央は自分が異質な存在なのではないかと、毎日不安を抱いていた。自分はもしかするとホモなのではないか。いや違う。きっと近い将来、女子に恋をするはずだと。


 しかし、その不安もどうでもよくなっていた。間違いない。自分は男が好きなのだ。大人である【臼井竜介】の肉体になったいま、それが分かる。体が愛する存在を求めている。ガチムチの父──、【高見巌】のたくましい肉体を見ただけで股間が熱い。肉体が入れ替わる前は、父に対してなんの劣情も抱かなかった。だが、血も繋がらない状態へと肉体が変貌を遂げたいま、彼の精神は狂おしいほどにかつての父の肉体を求めるようになっていた。


「よく分かんねえけど、こうしたほうが良い気がする……」


 ゆっくりとした手つきで、玲央は海成の股間へと手を伸ばした。反射的に海成もまた玲央の股をまさぐり、半勃ちになった肉棒をやんわりと握りしめる。中学生の海成や玲央と違い、それは度重なる性行為によって黒ずんだ大人のチンポだ。血管が浮き出たその怒張を前後にさすると、たまらず二人の口から悩ましげな声が漏れる。


「な、なん……だこれ! や、やばい! なんか……、出そうっ!!」


 ゾクゾクと背筋を駆け巡る快感に、海成が身を捩らせながら叫んだ。


「お、オレもだ……!!」


 玲央も驚きの声を上げると、さらに激しく手を上下に動かし始めた。その刺激に海成も反応して、掌を動かす速度を速める。こうするべきだと、体が訴えかけている。


「「あ、ああっ! イクッ♥♥」」


 無意識に彼らがそう叫んだのと同時に、猛り狂った二本の竿からドロリとした濃い液体が飛び出した。練乳のようにねっとりとした真っ白なソレは、海成と玲央の腹の上や顔の上にまで飛び散っていく。


「すげぇ……。これが射精ってやつなのか……? 」


 熱に浮かされたように玲央が呟いた。海成もまた、厚い胸板を上下させ、荒い息を吐き出しながら口を開く。


「射精しただけでこんなに気持ちいいんなら、セックスしたらどんだけ気持ちいいんだろ……?」


 海成はそこで言葉を止めると、興奮を押し殺した低い声で続きを口にする。


「もしかして、セックスって男同士でもできるのかな……?」


 海成の問いに玲央はゴクリと喉を鳴らした。視線を落とし、自分の股間にぶら下がっているイチモツへと目を向ける。それはいまだ天に向かって反り返り、ビクビクと脈打っている。


「引き出しの中で、これ見つけたんだ。これ使って、試してみようぜ……」


 玲央はコンドームのパッケージの封を破ると、保健体育の授業を思い出しながら、硬くなったままの海成の肉棒にコンドームをスルスルと着けていった。そして彼の下腹部の上に跨がると、無自覚のまま自分のチンポから垂れる白濁液を己の尻穴に塗り込んで、ゆっくりと腰を降ろしていく。


「ま、待って……!」


 海成が慌てて制止しようとするも、玲央の尻はどんどんと下がっていき、とうとう海成の竿の先端部分が玲央の穴の中へと吸い込まれてしまった。その瞬間、二人はビクンッと体を震わせる。


「や、やべぇ……。な、なんだこれ? お、オレの体……どうなってんだ……?」


 玲央が戸惑いの声を上げる。その声色には紛れもなく快楽の色が滲んでいる。海成もまた同じだった。


「こ、これが男同士のセックスか……? すげっ……! き、気持ちいいっ!! チンポが溶けちまう♥ 嫁さんとのセックスなんて比べもんになんねぇっ! あ゛っ……♥ 女とセックスなんてしたことねえのに、巌おじさんの記憶が頭ん中に流れ込んで……くるっ! 脳みそおかしくなっちまうぅぅぅっ♥」


 海成はだらりと舌を垂らし、野太い声を上げた。パンパンに張った自分の亀頭をキュウキュウ締め付けてくる【竜介】の肉壁。竿の部分を包み込む腸壁の生暖かい感触。【高見巌】の肉体が記憶する女性との性行為の体験を遥かに凌駕する、雄同士による交尾の快楽。それらが【高見巌】の脳を痺れさせる。


「おっ♥ んお゛っ♥♥ たまらんっ!! オレ……、【俺】は誰なんだ?! なんで、男なのに男にチンポを突っ込まれて喜んでるんだ?! 竜介おじさんの記憶が流れ込んできて……、頭がっ……おかしくなりそうだ……! 男とのセックスなんて気持ち悪いのに、気持ちいいッ!! あ゛~~~っ!! もう、どうだっていいやぁっ!! あひっ……♥ んぐっ、お゛おおおぉぉっっっ♥♥」


 獣じみた咆哮を上げる玲央。二人の男たちは、互いの肉体に酔いしれながら腰を振り続けている。


「もっとぉぉっ!! もっと突いてくれぇっ! 俺のことを壊してくれぇぇええぇええっ♥」


 玲央が、目尻から涙を流して叫ぶ。燃えるように熱くなった肛門が、海成の肉棒を逃すまいと筋肉を収縮させる。


「うっ、だ、ダメだっ……! もう、【俺】……♥」


 海成は背筋を反らすと、歯を食いしばって呻いた。【高見巌】として何度も経験済みの射精感が腰の奥からジワジワと押し寄せてくる。さっき体験したあの天にも昇るような、精子を放出する快感。それを今度は肛門による性交で味わうのだ。


「い、イくぞっ、【竜介】!! う゛う゛ぉおぉぉぉおおぉぉおおぉっ♥♥♥」


 雄叫びを上げながら、海成は玲央の中で射精した。同時に、玲央も自身の肉棒の先端から白い液体を撒き散らす。


「んぐっ♥ お゛ぉっ! いいっ♥ 【巌】のザーメン、ケツマンコに中出しされるの、気持ちいいぃぃっっっ♥♥」


 玲央の口から、またもや歓喜に満ちた声が漏れ出る。先ほどたっぷりと出したばかりだというのに、一度目と同じくらい濃い海成のザーメンが、玲央の腸内を満たしていく。海成は腰を震わせながら、二発目とは思えない量の精子を放出し続けた。そして最後にぶるりと体を震わせると、ゆっくりと竿を引き抜く。

 意思を持ったようにビクンビクンと痙攣するそれは、まだ満足していないとばかりにそそり立っている。もっと、もっと男同士の交尾を楽しみたい。筋肉隆々のたくましい男と、ホモセックスに溺れたい。そんな願望が二人の脳内で湧き上がって止まらない。


「まだだ……♥ もう一発っ、続けてヤろうぜっ、【竜介】……♥ 【俺】のキンタマの中で精子が暴れてんだよ……♥ このまま何度でもイケるぜっ♥♥」


 海成は息を荒げながら言った。その口調はもはや臼井海成のモノではない。大量に精を吐き出したことで、精神が今の肉体に馴染みつつある。彼の精神は、凄まじい速度で【高見巌】のモノへと変わろうとしていた。そしてそれは、玲央も同じだった。


「いいぜっ♥ とことん……やろうじゃねぇか、【巌】! ガチムチ雄セックスをよぉ♥♥」


 互いに笑顔で見つめ合う男たち。入れ替わったばかりの頃に感じていた違和感が、竿を穴に抜き差しするごとに消えていく。もはや彼らはほぼ、【高見巌】と【臼井竜介】という存在へと成り果てていた。


「「んっ♥ あぁ、きもち……いいっ♥♥」」


 二人は向かい合ったまま、肉棒を擦りつけ合う。亀頭が乱暴にぶつかり、裏筋を刺激し合う。中年男の口臭を含んだ唾液を、肉厚な舌を絡めながら相手の口内に流し込み合う。脂の浮いた鼻を互いに押しつぶし合いながら、ギラついた瞳で見つめ合う。


「はぁ、たまんねぇ♥」


 玲央が吐息を漏らすと、自然とそのチンポからは濃いザーメンがドピュッと飛び出し、海成の竿へと降りかかった。ドロリとした白濁液を潤滑油にしてさらに激しく腰を動かす二人。

 男同士での性行為に、【高見巌】と【臼井竜介】の肉体が嫌悪を抱いているのを感じる。そしてその不快感に逆らうことで、ますます彼らに今の肉体が自分たちのモノになったのだということをひしひしと感じさせる。


 当の肉体の持ち主である父親コンビは、中学生の振りをすることによる気疲れと、慣れない体でラグビー部のキツイ練習に励んだことで体力を消耗し、十時過ぎにはいびきをかいて泥のように眠ってしまっている。


──父親たちが眠りについている間に、セックスを繰り返し、肉体を乗っ取ってやろう。


 そんな邪な考えが、彼らの脳内を支配していく。二人ともついさっきまでオナニーすらしたことがなかったというのに、床にはザーメンをたっぷりと含んだコンドームがいくつも散乱している。



「は、早くっ♥ もっと……、もっとぉ♥」


 玲央が甘えた声で海成にねだる。


「もうコンドームが無くなっちまった。そろそろ生でヤッてもいいよな? ザーメンまみれのチンポ、ケツマンコに突っ込まれたいだろ? 【竜介】♥」


「あぁ♥ もうコンドームなんて要らないっ、生でヤろうぜっ♥♥」


挑発するような海成の返事に、玲央は表情を蕩けさせると腰を浮かす。排泄以外で使用されたことのなかった【竜介】のアナルは、もはやチンポを欲しがりヒクヒクと収縮している。


「いくぜっ、【竜介】♥」


 海成がゆっくりと腰を沈めていく。亀頭を穴にあてがうと、そのまま体重をかけてニュルリと一気に根本まで押し込んでいく。ザーメンでコーティングされた竿は、抵抗なく玲央の腸内へと侵入していく。


「お゛っ♥ すげっ! な、生チンポが入ってくるぅ♥♥」


 玲央は今日一番の歓喜の声を上げた。海成もまた、その感触に酔いしれる。コンドーム越しに感じるのとはまた違う。直に伝わる体温が、締め付けてくる腸壁が、彼の脳髄を蕩けさせるような快楽を与えてくるのだ。


「あ゛ぁ~っ♥ 気持ちいいっ!! アナルセックス最高ぉおぉぉっ♥」


 両手で床に爪を立てながら、腰を振る玲央。腸内から溢れ出したザーメンが隙間から漏れ出し、ジュプッ! ジュプッ!と淫らな音を立てる。それだけで海成の興奮は絶頂寸前まで上り詰めていく。


(たまらんっ♥ 巌おじさんの身体で、【俺】のチンポで【竜介】を喜ばせているんだ!)


 そう思うと、心臓が高鳴りすぎて張り裂けそうになる。小学生の頃からの友人と、ノンケ同士の肉体でセックスをしているという倒錯的な状況が、海成の脳内を沸騰させる。


「あ゛っ♥ んお゛ぉっ♥ すげっ、俺の肛門に【巌】の生チンポが出入りしてやがるっ!! あ゛ぁ~っ! たまらんっっっ♥♥」


 同性の友人に尻穴を掘られ、玲央は脳髄が痺れるほどの快感に飲み込まれた。ガツンガツンと尻の穴を掘られる感覚がクセになる。そしてその度に、黒ずんだズル剥けチンポから先走り汁が飛び散り、床に淫らなシミを作る。陰嚢はキュウキュウと収縮を繰り返し、その内部で次々と精子を産みだしては狭苦しい尿道を押し広げ、亀頭から吐き出そうと肉棒を痙攣させている。


「イクッ! イクイク、イッグ~~~~~!!!」


 狭い部屋の中に、野太い雄二人の濁声と肉のぶつかり合う音、そして粘着質な水音が響き渡った。先に果てたのは海成だった。彼は歯を食いしばり、両目をつぶりながら【竜介】の中に白濁液を放出する。


「お゛っ♥ お゛ぉ~っ!! ケツマンコでイクッ♥♥」


 獣のような声を上げながら、玲央もまた、自身のチンポからザーメンを噴出させた。黄みがかった粘っこい雄汁が、海成の屈強な腹筋と胸板にぶつかり、糸を引いて玲央の肌へと垂れ落ちた。




「……すい、おい臼井! 寝てるのか?」


「はっ、はい!」と巌は飛び上がるように立ち上がり、生徒たちの前に立っている教師を見上げた。辺りはくすくすという笑い声で溢れている。彼の頬は恥ずかしさで真っ赤に染まった。


「す、すみません……」


 消え入りそうな声で謝罪すると、巌は再び体育館の床に腰を下ろした。クスクス笑いがさらに大きくなる。


(うお~~っ! 俺ってあんな色っぽい声してたっけか?!)


 巌は赤面しつつ、心の中で叫んだ。


 体育教師の【高見巌】。つい先日まで自分の体、自分の声として慣れ親しんでいたその声は、今では他人のモノとして聞こえてくる。朱色のジャージに身を包んだ、筋肉の塊のような男。太い眉に、険しさを感じさせる鋭い目。いつの間にか我を忘れ、ボーっと見つめてしまうほど厳つく魅力的な顔、そしてジャージの股間部分をモッコリと盛り上げたその姿に、巌はゴクリと唾を飲み込んだ。


「な~に、やってんだよ巌。【自分】の身体に惚れ惚れしちまったのか? ……まあ、気持ちは分かるぞ。【お前】の身体……、なんていうか卑猥だもんな」


「なっ……! ひ、卑猥ってなんだよ、卑猥って……」


 バスケットボールのパス練習のペアになった竜介に、ヒソヒソと話しかけられ、巌は頬を赤らめながら反論する。だが、その声は尻すぼみに小さくなった。認めたくない。認めたくはないが、かつての自分──、【高見巌】の身体を他人の目を通して客観的に見た今、背筋がゾクゾクとするような得体の知れない感覚に苛まれているのも事実だ。


 彼らの肉体が、VRゲームのバグによって入れ替わってから四日。若くて順応性があるとはいえ、いくらなんでも成り済ますのが上手すぎやしないだろうか? あれではまるで──、まるで海成こそ最初から、生まれたときから【高見巌】だったみたいじゃないか。言葉では言い表せないような不安感が、巌の目の前を暗くする。


「ほれ、パスだぞ」


 呆然と立ち尽くす巌の胸元に、竜介がボールを投げる。「うおっ!」と慌てた声を上げながらも、なんとか両手でボールを受け止めた。こっちに投げ返せと催促しながら笑顔を向ける竜介に、巌はぎこちない笑みを返す。こんな不可解な状況にあって、竜介のどこか楽観的な態度がありがたかった。




「巌、お前身体が入れ替わってからオナニーしたか?」


 突然の竜介の質問に、巌は口に含んだ給食のおかずを盛大に噴き出した。「汚ったねぇな、おい!」と竜介は眉間に皺を寄せて文句を言いながらも、その表情はどこか楽しそうだ。この男はいきなり何を言うんだと、巌は自らの耳を疑った。


「まあ、いきなりこんなこと聞かれたらビックリするよな。俺も最初はそうだったからな」


 竜介が言うにはこうだ。入れ替わった最初の二日間はまったく気にしなかったし、そもそも入れ替わった相手が親友の息子だったということも手伝って、かなり不思議な感覚だったがそれを楽しむ余裕すらあった。しかし三日目あたりからその状況に慣れてくると、今度は性欲を持て余すようになったという。なにせ己の精神が宿っているのは、性欲旺盛な中学生男子の身体だ。


「で、オナニーはしたのか?」と竜介が再度尋ねる。


「し、してねぇよ」


 巌は目を泳がせながら答えた。実際、彼は海成のことを慮って、用を足すとき以外はなるべく股間に触れないようにしていたくらいだ。


「俺たち、今は中学生男子の身体だろ? なんか、ムラムラしてきてさ。それで俺……、その……なんでか【俺】の身体をオカズにして抜いちまったんだ。そしたらもう、病みつきになってな……」


 友人の放ったその言葉を嚙み砕くのに、巌はしばしの時間を要した。長年付き合ってきた友人の、突然のカミングアウト。身体が入れ替わる前だったなら、驚きこそすれ、笑い話として彼のことをからかうくらいで留めていただろう。


(だけど、今こいつが使っているのは、俺の息子の身体なんだ。俺の息子のムスコを勝手にしごいて、ザーメンをぶっ放したっていうのか?!)


 ぷるぷると身を震わせる巌の額に、血管が浮かんでいるのに気付いたのだろう。竜介は申し訳なさそうにしながら言葉を紡いだ。


「す、すまん、巌。玲央の身体でオナニーしたことについては、本当に悪いと思ってる。だけど言いたかったのは、そのことじゃなくてな……。オナニーしたら流れ込んできたんだよ、お前の息子の記憶がさ」


 竜介が体験したことのない記憶。身に覚えのない、巌や彼の妻との思い出。精液を【高見玲央】のチンポから吐き出した瞬間、それが洪水のように流れ込んできたという。


「それでな、俺思うんだが、あいつら俺らが寝入ったあとになんかやってるんじゃないか? いくらなんでもあいつら、俺ららしく振舞え過ぎてる。お前もそう思うだろ?」


 確かに、肉体が入れ替わってからの海成の立ち居振る舞いや言動は、ゾッとするほどに【高見巌】らしい。もしかすると自分ではなく、彼こそが【高見巌】ではないかと錯覚してしまうほどに──。


「まあ、まだ確証があるわけじゃないけどな。とりあえず今日は部活は休んで体力温存して、こっそり子供たちの動向を窺うことにしよう」


 竜介のその言葉に、巌は給食を口の中にかき込むと、「あぁ」と頷いた。




「ん゛っ……、【竜介】やめてくれよ。こんなの生徒たちに見られたら、軽蔑されちまう……♥」


「な~に、言ってんだよ【巌】♥ お前の身体はもう俺専用なんだ。それにお前みたいな堅物の体育教師が、服の下にこんなガキが書いたみたいなラクガキを隠しながら、生徒たちの前で授業する。それが興奮するんだろ?」


 高見家の巌の自室で、仕事着のまま汗だくで体を密着させ合い、お互いの肉体を貪り合う海成と玲央。そんな海成の筋肉モリモリの肌には、黒の油性マジックでデカデカとしたラクガキが書きなぐられている。


「そう……だな。俺の身体はもう【竜介】のモノだもんな♥」


 海成は蕩けきった顔で答えた。そして自ら足を抱え上げるような姿勢になると、ヒクヒクと蠢く肛門を玲央に見せつける。


「【巌】のケツの穴、めちゃくちゃエロい感じになってるじゃないか。お堅いお前の尻の穴が、まるでチンポ入れてくれって言ってるみたいに、広がってやがるぞ!」


 褐色に日焼けした男らしい顔をだらしなく歪め、玲央が指を突っ込んでくる。グチュグチュという水音と共に中を掻き回され、アナルから生じる快感が全身へと広がっていく。つい先日まで、チンポを弄ることすらなかった自分が突然大人の身体になり、ケツの穴を他人にほじられて感じている。そんな現実とは思えない、倒錯的な状況が海成の脳髄を焼き切った。


「ほ、欲しい♥ ケツマンコにチンポハメてくれぇ♥ 【竜介】ッ、俺の中にお前のチンポ、生で突っ込んでくれよぉっ♥♥」


 海成がそう叫ぶと、玲央はズボンを脱ぎ捨ててパンツをズラした。そしてすでにバキバキに勃起しているチンポを取り出すと、それを海成の恥部へとあてがい、ゆっくりと押し込んでいった。



***


 巌の部屋の扉前。巌と竜介が息を潜める中、部屋の中からはギシギシという床の軋む音が漏れ出していた。二人は顔を見合わせると、巌の部屋の扉をそっと開く。


「やっ♥ いいっ! そこっ、【竜介】ェ♥ お゛ぉっ♥♥」


 床の上で仰向けになり、まるで女のような嬌声を上げる海成。その股間には玲央の腰がピッタリと張り付き、ズボズボと淫らな音を上げている。


「おあっ♥ んあぁ゛っ♥ 【巌】ォ♥」


 海成の両目からは涙、口からは涎が垂れ流れており、普段の【高見巌】にはまったく似つかわしくないアヘ顔を晒しながら、海成はひたすらに快楽を貪っていた。その淫猥なケツ穴には玲央の──、【臼井竜介】の巨砲が出入りし、【巌】の肛門をガバガバに拡げている。ガタイのいい男たち二人の肉体から放たれた雄臭い汗の臭いが部屋中に充満し、扉の隙間から覗く巌と竜介の鼻腔をくすぐる。鼻を摘まみたくなるような濃い匂い。だが、その香りを嗅いだ途端、彼らの股間は知らず知らずのうちに膨らんでいった。


「あ゛ぁっ♥ 【竜介】ッ! やべっ! 俺もうイクぅうぅっ♥♥」


 海成が身体を弓なりにしならせた瞬間、彼の肉棒から白濁液がビュルルと撒き散らされた。自身の褐色の腹に精子をぶちまけると同時に、肛門が玲央のチンポを強く締め付けたのだろう。その刺激に反応し、彼もまた海成の中にザーメンをぶちまけた。


「お゛っ♥ おぉぉ……、ヤッベ……、すげえ出てる。やっぱり、女房のマンコとは全然違うなぁ♥♥」


 二人は竿からドロリとした精液を垂れ流しながら、抱き着いて余韻を味わっている。彼らが静かになったのを見計らって、巌と竜介は部屋へと突入した。


「「おい、お前らっ!!」」


「「と、父さん?!」」


 不意を突かれ、驚きの声を上げる二人。海成の肛門からは今しがた種付けされたばかりの精子が溢れ出ており、近くに寄るとますますイカ臭い雄の臭気が強くなる。


「お前ら男同士で、しかも【俺らの身体】でなんてことしてやがる! 早く離れろ!!」


「父さんたち寝てたはずじゃ……?」


 戸惑った様子の海成に、竜介は苛立った様子で詰め寄った。


「お前らが夜な夜なコソコソやってるのは最初から気付いてたよ。だがまさか、セックスしてたとはな……」


 その言葉に、二人の顔がサッと青ざめる。しかし、巌と竜介の股間の膨らみに気が付いた瞬間、その表情は一変した。


「お前ら、俺たちのセックス見て、興奮しちまったのか?」


 口調の変わった海成が、ニヤニヤと笑いながら尋ねる。


「「なっ?!」」


「父さんたちの雄セックスで、チンポ勃っちまったみたいだな♥ お前ら中学生には刺激が強すぎたか? ん?」


「ど、どうしたんだお前ら? 中学生なのはお前らだろ! 俺たちの振りして……、どういうつもりなんだっ?!」


 息子たちの不健全な行為をたしなめる気満々だった父親二人は、彼らの変貌ぶりに当惑し、狼狽えた。その隙を突いて海成と玲央は、巌と竜介の背後に回って、彼らの下着をずり下ろした。窮屈な状態から解放され、ぶるんと飛び出して反り返る二本のチンポ。先端が我慢汁で濡れたそのピンク色のイチモツが、大人のごつい掌に掴まれる。


「あらら、こんなにガチガチじゃねえか。しょうがねえガキたちだな♥」


 海成と玲央の節くれだった大きな手が、二人の肉棒を上下にシコる。その刺激に、二人は思わず腰を引こうとするが、後ろから回された彼らの丸太のように太い腕にがっちりとホールドされては身動きが取れず、ただ快感を受け入れるしかなかった。


「や、やめろっ! お前らッ……!!」「手を離せっ!!」


 巌と竜介の制止などどこ吹く風で、海成と玲央は厳つい顔をいやらしく歪めながら、手コキを続ける。尻の割れ目には熱を持って硬くなった大人の男根を擦り付けられ、耳元には荒い息遣いが届き、二人の思考能力をドロドロに溶かしていく。必死で抗おうとしても、ゲイである【臼井海成】と【高見玲央】の肉体は、初めての他人による奉仕の悦びに抗うことができない。


「このまま射精させてやっから、さっさとイけよ♥」


 その言葉と同時に、彼らの手の動きが速くなる。そのままテンポよくシゴかれると、我慢していた快感が爆発したかのようにザーメンがチンポの先から飛び出した。その勢いは凄まじく、床にべっとりと白い雄汁の溜まりができるほどだった。


「すっげえ濃いのが出たなぁ♥ さすがは性欲旺盛な中学生男児だ」


「ハアァ……、く、くそっ! お前ら、よっぽど俺たちに怒られたいみたいだ……ひぐぅっ!!」


 もっと気持ちよくなりたい。頭の中は、その想いだけでいっぱいだった。だが、屈するわけにはいかない。こんなバカげたことをする息子たちを叱らなければ……。

 巌が咎めるような声を上げようとしたとき、巌と竜介の尻の穴に海成と玲央の熱い男根が潜り込んだ。今まで感じたこともない未知の刺激に、二人の声が詰まる。


「あぁぁ♥ お、お前らっ……!!」「や、やめろっ……ん゛うぅぅぅっ♥♥」


「案外すんなり入ったな。ま、元はといえば【俺ら】の身体だ。精神が、以前の自分の肉体を求めてるのかもな♥」


 玲央はそう言うと、腰を激しく振り始めた。巌も竜介も、今まで味わったことのない快楽が尻から伝わってくることに戸惑いを隠せない。肛門が広がる。腸内を暴力的なまでに太いチンポで擦られる。その快感が、脳髄を痺れさせる。


「やめろっ! お゛ぉっ♥ おぉぉぅ♥♥」


 いつの間にか二人は顔を蕩けさせ、甘い声を漏らしていた。極太のチンポを抜き差しされるたびに、巌と竜介の竿の先から汁が迸り、彼らの精神が【臼井海成】と【高見玲央】の肉体に適したモノへと作り替えられていく。心が若返る不思議な心地よさが、二人を包み込む。自分が、自分ではない存在へと変わっていく。それがたまらない──。


「「「「イクッッッッ♥♥♥」」」」


 前立腺を圧し潰され、マグマのように熱い精液を体内に吐き出された瞬間、二人の男根から勢いよくザーメンが飛び出した。


──もう、元には戻れない。


 頭の中でそんなフレーズが渦を巻く。快楽が全身に行き渡り、ガクガクと腰が震え、玉のような汗が流れ出る。尻の穴からはドロリと白い液体が溢れ出し、床にボタボタと音を立てて垂れる。これから先、自分たちはこの息子たちの肉体を現実世界での【アバター】として利用し、生きていくことになるだろう──。


 身も心も蕩けるような幸福感に支配された【臼井海成】と【高見玲央】は、ぼんやりとそんなことを考えながら、何度も何度も絶頂に達するのだった。


(了)

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