「くっくっく。あはぁ……、たまらねぇよ、この能力! 俺の血肉になったやつらの声が頭ン中で響いて、ま~たイッちまいそうだぁ♥」
勃起したチンポが、優秀な能力を持った人間をもっと吸収しろと、俺の脳みそに命令してくる。言われなくても分かってるって。野郎どものスキルを自分のモノにしたときの、得も言われぬ快感といったらないんだからよぉ……。
最初は戸惑った。なにせ、人間を頭から丸飲みにしないと、その相手の能力をゲットできないんだからな。いくら強くなれるっていっても、そんなことをすれば、俺は人間じゃない別の何かになるんじゃないかって、そう思った。
だがそんなある日、不意打ちで能力者に襲われた弾みで、俺は咄嗟に自分の能力を使ってしまった。その瞬間、顎が外れたんじゃないかってくらいに俺の口が開き、俺に向かって両腕を広げて突進してきた熊のような大男が忽然と姿を消した。デカい異物が喉を通った感触がして、胃袋の中がズンッと重くなる。
──まさか、食っちまったのか? 俺が、あの大男を……
顔から血の気が引いて、俺はその場にへたり込んだ。そんな俺に追い打ちをかけるように、頭の中で大男の悲鳴が響いた。『なんだっ?! 暗い!! 助けてくれぇ!!!』って……。その悲鳴はやがて先細りになり、『死にたくない!』という懇願に変わり、そして……『たすげでくれよぉ……』という哀れな命乞いへと変わっていった。その叫びを聞いた途端、俺のチンポは有り得ないくらいに勃起しちまった。ゾクゾクとするような快感が背筋を走り抜け、気が付けば俺は、ズボンの中のイチモツに手を触れることもなく射精していた。
今までに見たことないくらいの、煮詰めたようにドロドロで真っ白な精液。鼻が曲がりそうになるくらいに雄臭い臭気が、股間から溢れ出す。
そして、そのザーメンを垂れ流すチンポは俺のモノじゃなくなっていた。俺の姿は、吸収した大男そっくりになっていたんだ。
それからは、この【能力】を遺憾なく使いまくった。慣れちまえばどうってことはない。むしろ他人の能力を根こそぎ奪う快感を一度味わったら、やみつきになっちまった。罪悪感なんて、もうこれっぽっちも感じない。涙を流しながら嘆きわめく男たちを、じわりじわりと頭から丸飲みにして体内に取り込んでいくとき、甘露を口にしたときのような旨味と、気が狂うくらいの絶頂が俺の脳内を支配する。
「あ、はあぁ……♥ うめぇ……、うめぇよぉ♥♥ もっとだ、もっと俺に力をよこせ!! お前らのすべては俺のモノだぁ!!」
***
『神の降臨』──。20XX年の始まり。一月一日の日の出とともに、全世界の空に、人ではない存在が顕現した。それが何者なのか、人々は正確には知らない。
荘厳なオーラを纏った髭面の老人、誰しもがうっとりとしてしまうほどの絶世の美女、天使と呼ぶに相応しい見た目の羽の生えた赤子。映画のワンシーンに登場するような、超常的な見た目の彼ら。だが、その存在が神であると、なぜか誰もが確信していた。
『神』は何ひとつ言葉を発することなく、ただ両手を広げ、神々しいまでの光とエネルギーを放った。何の前触れもなく空にオーロラが現れたかと思うと、その光は徐々に強まり、無数に分散して周辺に飛び散っていった。人々の頭上でしばらくの間輝いていたそれは、ひとつの例外もなくその場にいる人間たちの額に突き刺さった。
光の粒子がジワリと脳に浸透すると、人々は皆どこか恍惚とした表情を浮かべ、頭上の光を仰ぎ見ながら目から涙を流していた。
その後からだった。世界中の人間が【能力】を授かったのは──。
*
男の名前は、塚本大吾(つかもとだいご)。あの日、彼が神から授かった能力は、【捕食(スティール)】。体内に取り込んだ相手の持つモノを、根こそぎ吸収するという能力だ。その対象は人間だけにとどまらない。動物や虫でさえ食らいつけば能力を奪い取れる。つまりは地球上のすべての存在が、彼の獲物というわけである。取り分け強力な能力を持った相手を捕食したとき、彼のチンポははち切れんばかりに勃起する。
しかもこの能力は、相手の容姿や人生すらも奪うことができるのだ。今の彼の体や顔、それに肩書きは、スポーツジムで鍛えまくっていたであろう男性から盗んだモノである。一流企業の社会人ラガーマンで、ゴリマッチョな肢体。顔もスポーツマンらしい厳つさで、女性にはあまりモテることはないかもしれない。その点では残念としか言いようがないが、彼は自分の姿を目にした人間が、震えあがって距離を空けることを心地よいと思っていた。
それに、気に入った人間のすべてを乗っ取り、その姿で毎日を過ごしていると、これまでに経験したことのないほどの高揚感が彼を襲い、ハイな気分にさせてくれる。旦那の身体が別の人間に乗っ取られたというのに、それに気付くことなく、マンコをぐちゅぐちゅと鳴らして快感に浸る【塚本大吾】の妻の顔を見るたび、彼は興奮のあまり何発も種付けを繰り返した。
「お、おぉ、また出る……、うお゛ぉぉ、イグッ!!」
ビュルルルッ!!ドビュッ、ドビュルッ!! 大吾がまた射精した。ずる剥けのデカいチンポが暴れまわって、濃いザーメンを何度も放出する。今もまた、使える能力持ちの男を彼は喰らった。バタバタと足を動かしながら、己の体内へと吸収されていくやつらの驚愕する顔。それを目にしたときの快感が、筆舌に尽くし難いほどに彼を刺激する。
「ゲフ~~ッ、はあァ……♥ へへっ、こいつもまあ、なかなかの味だったな……」
また新たな能力が手に入った。だが、まだだ……。この程度で満足していちゃあ、【捕食】の名がすたるってもんよ。
長いゲップをすると、彼はとある場所へと向かった。次に手に入れたいと目している能力持ちが、住んでいる地域だ。お次のターゲットは【操作(パペット)】の能力を持った男。噂では、射程内にいる人や動物を操り人形のようにして、自在に動かせるという能力らしい。それだけ聞けば、かなり優秀な能力だと皆が思うだろう。ただし、操る対象が近くにいないと力が弱まるという欠点があるのだ。ほんの数メートル離れただけでその効力を失ってしまうのだとか。
大吾には、すでに能力持ちの人間を吸収して得た、催眠や洗脳といった類の能力がある。だが、それらの能力には、耐性を持った人間が結構存在する。そのため、彼は【操作】の能力に目を付けたのだ。【操作】に耐性を持つ人間は、これまでに一人として観測されていない。
そんな能力を手に入れれば、俺はもっと強くなれるはずだ──。
「さてと、この辺りでいいかな?」
大吾は三階建てのマンションの前で立ち止まり、物陰に身を潜めた。ターゲットが毎日この時間になると、家を出て、仕事場へ出かけるのは把握済みだ。案の定、数分後にその相手が出てきた。【操作】の能力を持つ男──、糸村忍(いとむらしのぶ)である。忍の歩みはゆっくりとしたもので、特に警戒した様子もない。大吾以外の人間からすれば貧弱な能力持ちだとレッテルを貼られていた彼は、これまでに他者から狙われることなどなかったのだろう。
──へっへっへ……、おめぇが今日の獲物だぜぇ……。
大吾は足音を消す能力を使い、こっそりと忍の背後へと忍び寄った。そして背後から彼の額に手をかざし、能力を発動させる。催眠の能力だ。すると忍は糸の切れた操り人形のように脱力して、その場で膝をついた。これでもう、この男に自由意志はない。
ガバッと大口を開いた瞬間、忍の目が赤く光り、大吾は嫌な予感を覚えたが、気のせいだろうと思い至った。
「いただきま~す♥」
毎度のことながら、この瞬間がたまらねぇ。人間の頭蓋を口の中に招き入れ、んぐんぐと喉を鳴らしながら、その全身をゆっくりと飲み込んでいく。無抵抗になった他人の肉体を、自分の中に取り込んでいく、この背徳的な行為がたまらなく俺を興奮させてくれる。
「あ゛っ♥ あっ……♥ ぶはぁ~……、うまかった。最高だぜ♥♥」
大の大人一人を丸飲みにした大吾は、彼の体内で手と足を動かしながら暴れまわる忍の感触を楽しんだ。どうやら忍は、催眠に対しての耐性を多少ながら持っていたらしい。だが、こうして自分の体内に取り込んでしまえば、中で暴れられようがどうってことはない。あとは消化されるのを待つだけだ。今すぐにでも【操作】の能力を試したかったが、飲み込んだ相手を消化するまでは、その能力を自分のモノにすることはできない。
「ふわあ……、あっふ……。んあ゛っ……♥」
胃袋の中の振動が徐々に弱まっていく感覚に、大吾の口元が自然と緩んでしまう。今夜は祝杯だ。
満腹で眠くなった目を擦りながら自宅にたどり着いた彼は、冷蔵庫を開けてビールを取り出すと、缶の蓋を開けて喉を鳴らした。妻はすでに寝室で寝ているようだが、起こしてしまったとしても、催眠の能力を使えばなんら問題はない。
「っぷはぁ! あ~、うめぇッッ!!!」
ドクドクと脈動する腹筋は、男の消化が順調に進んでいる証拠だ。これまでに吸収してきた人間に比べれば、やや消化が遅い気もするが、この調子で行けば明日の朝には【操作】の能力は大吾のモノになっているだろう。
「へへっ……、こいつの能力が使えるようになったら、誰の体を操ってやろうかな……」
大吾はニヤニヤしながら膨れた腹を撫で回すと、ビールを一気に飲み干し、追加でワインを何本も空にした。クラクラとする頭の中では、彼好みのグラマラスな女性たちを能力で操って、好き放題にハメ狂う妄想が浮かんでは消えていく。性行為を行うだけなら、【塚本大吾】の妻を相手にすればいいが、やはり倒錯した状況でのセックスのほうが性的興奮が高まるというものだ。
「あぁ~……、誰でもいいから早く人間を操ってみてぇなぁ……」
腹が萎んで、消化による感触が弱まっていってる。ついにこいつは、俺の肉体の一部として吸収されるんだ……。
「んふふ……、んん゛~っ♥」
大吾はこれから味わうであろう至福の快楽に酔いしれながら、パンツの上からチンポを弄りつつ、いつしかリビングのソファーの上で眠りについていた。
*
「ふぁああぁ~~。う~~~ん……?」
なんだ……? なんだか、体が異様にだるい。重たい瞼をゆっくりと開くと、大吾はいつのまにか自分がリビングのフローリングの上で眠っていたのだということに気付いた。それに股間が妙にスースーする。
バッと上半身を起こして、股間を見下ろす。何も……履いてない……! 確か眠る前は下着を身に着けていたはず……。まさか、寝惚けて脱ぎ散らかしたのか? 昨晩は【操作】の能力を手にすることができたという喜びから、飲みすぎた気がする。そのせいで、記憶があやふやなのかもしれない。酒を飲みすぎて記憶を無くすなんてことは、大吾にとって久しぶりのことである。知らぬ間に、寝惚けてストリップショーでもおっ始めてしまったのだろうか?
「いやいや……、それはねぇだろ……」
そんな独り言を呟きながら、大吾は腰を上げようとした。その瞬間、イカ臭い匂いが彼を襲った。どうやら匂いの出所は、彼の掌だ。恐る恐る、両手を顔の前に持ってくる。すると、その指先にはネトネトとした白い液体が付着しているではないか。
「な……、なんだこりゃ? まさか……、嘘だろ?」
大吾は慌てて周囲を見渡した。頭の中で渦を巻き始めていた問いの答えは、辺り一面に撒き散らされていた。白い液体がテーブルや周辺の家具にも飛び散ってしまっているし、床にはドロッとした精液の湖ができている。
眠る前にオナニーをした? いや、そんな記憶は彼にはない。だが、ザーメンがこんなにも飛び散る状況なんて、オナニーをしたとしか……。能力を得てから初めて感じる身のすくむような感覚に、吐き気がこみ上げてくる。まるで自分の身体が、自分ではない誰かに【操作】されたかのような……。まさか、糸村忍が──?
そこまで考えた瞬間、突然彼の脳を埋め尽くしていた不安が一気に霧散して消え去った。
【そんなことがあるわけねえだろ。この身体は俺だけのモノだ……♥】
全身を蕩かせるような声が、彼の脳に響き渡る。大吾の心を安堵させるセリフ。
(今のは、俺の……声? いや、そんなはずはねぇ。俺は何も口に出していない……。だけど、俺の口から勝手に甘い声が漏れた。まるで、誰かに動かされてるみたいに……。怖い、コワイッ! 俺の体が何者かによって操られている──?!)
【誰かに体を操作されている? いや、これは俺自身の意思だろう?】
(………ああ、そうだ。これは俺の意思だ。まったく、何を俺は不安に思ってんだ?)
「はははっ、そうだよな。俺は、俺の意思で動いてる。何も不安がることはねぇ」
そう呟いた彼は、自分の指先に付着した白い液体を、無意識にペロリと舐めた。途端に口の中に広がるのは、苦みと生臭さ……。まずいっ、まずすぎる……!
「んあぁ……♥ うめぇな、これぇ♥♥」
(なっ……! なんで、俺の口から思ってもない言葉が溢れてくるんだ? ザーメンなんて……、こんな変な舌触りのくせぇ汁が……、んっ♥ 美味くてたまらねぇ♥)
自然とザーメンを味わうことに抵抗が無くなっていく。それどころか、舐め取った液体が喉を通るたびに強烈な快感が走る。全身を撫で回しては、掌にまとわりついた白い液体を口に近づけて、チュバチュバと吸い上げる。
「ぷはぁっ! やべぇ……♥ クセになっちまいそうだ! ああぁ~っ♥♥」
大吾は自分のザーメンが付着した指を舐めるだけで、軽くイッてしまった。自分のチンポから溢れ出たザーメンが愛おしい。女と気軽にセックスしたいという理由で【操作】の能力を手に入れようとしていたのが、なんだかバカらしく思えてくる。
「どう考えても、ガタイのいい男のチンポでケツを犯されるほうがいいに決まってる。女とヤるなんて、気色悪ぃぜ」
気が付けば大吾は、自然とある場所に向かって歩き出していた。
*
「はあっ♥ んああっ♥♥ すげ、やべぇ……♥」
辿り着いた先は、【塚本大吾】が所属しているラグビー部も通う会社内のトレーニングジムだ。本気でスポーツに取り組んでいる社会人たちが大勢いるそこでは、体が引き締まっている男性だけでなく、ナイスバディーのセクシーな女性たちもいる。そういう女性たちを催眠で操ってレイプするという妄想が、過去の大吾の頭の中では何度も湧きあがった。そのたびに自分のチンポをしごき上げていたわけだが、今はもうそんな気など彼の脳裏には一片も湧かない。
「へへっ……、エロい体つきした野郎がいっぱいいるじゃねえか♥」
ジム内を見渡していると、彼の目に一人の男の体が留まった。真っ黒に日焼けした、健康的な体つきをした男だ。
「お前、名前は?」
大吾が問いかけると、男はスッと立ち上がって声を発した。
「はじめまして、佐藤博人(さとうひろと)と申します! 今年からこちらの会社でお世話になってます、よろしくお願いします、先輩ッ!」
そう答えると博人は、ニコッと笑った。スポーツマンらしい精悍な顔付きで、笑うと爽やかな好青年といった感じだ。とてもじゃないが、これから何をされるかなど微塵も理解していないといった無垢な顔である。
──くっくっく、こんな笑顔を向けられたら、女ならイチコロだろうな。だが残念だったな。お前が今日からチンポをハメることになるのは、マンコじゃなくて男のケツの穴だ♥
「俺は、塚本大吾だ。よろしくな、博人」
「はい! こちらこそ!」
大吾が自己紹介をすると、彼はまたも惚れ惚れするような笑顔を向けてきた。その純粋な表情が、大吾の心をさらに昂ぶらせていく。
「なあ博人……、ちょっといいか?」
「なんですか? 大吾さん」
大吾は彼に近づくと、その耳元で【能力】を使用しながら囁いた。
【お前のチンポを、俺のケツ穴に突っ込め】
「は……、はいっ!」
博人は一瞬ギョッとしたような顔をしたものの、大吾の命令には逆らえず、すぐに笑顔に戻った。その場でズボンとパンツを脱ぎ捨てると、ギンギンになった博人のチンポがまろび出る。そのサイズに大吾は生唾を飲んだ。でけぇ……!分厚く張りのある若い男の雄っぱい、そして血管を浮き上がらせながら硬く反り返った肉棒。こんなデカマラをケツ穴で味わえば、いったいどうなってしまうのか……。想像しただけで、大吾はイキそうになった。
「い……、行きますよ?」
「おう」
──ズプッ……♥
「ん゛お゛ぉ♥♥ あ゛あ゛あ゛っ♥」
先走りで濡れたチンポがひくつく穴にあてがわれると、その太さと長さに大吾の興奮は最高潮に達した。ノンケの男のチンポが、自分の尻の穴をメリメリと押し広げていく。亀頭が入っただけで、大吾の竿からは我慢汁が飛び散った。
「うお゛おぉぉぉっ♥♥♥」
ドチュンッ!と一気に最奥まで突かれた衝撃で、意識が飛びかける。だが、そんな暇すら与えんと言わんばかりに博人は激しく腰を動かし始めた。どうやら、行為に及んでいる相手が男だということを忘れているようだ。硬くなった彼の男根が、大吾の初心な腸壁を乱暴に擦り上げる。
「んお゛ぉ~っ♥♥ ひぎぃっ♥」
気持ちいいっ! ケツ穴にチンポを出し挿れされるのが……♥ 今まで女のマンコにチンポを突っ込んできた俺が、男にチンポハメられてこんなによがっちまうなんて……。…………ッ?! いや、いやいやいやっ! 俺は、いったい何をやってるんだ……?!
突如として、脳みそを覆っていた分厚いカサブタのようなモノが剥がれた感触が、大吾を襲った。気色悪い、きしょくわるいっ、キショクワルイッッッ!! ケツにチンポをハメられて感じるなんて、どうしちまってたんだ俺はっ?!
「あ~あ、正気に戻っちゃったみたいですね。残念ですけど、もうあなたのすべては僕のモノになっちゃいました♥」
耳元で、誰かの弾んだ声がする。キョロキョロと辺りを見回しても、ジムにいる人間はみな大吾の【催眠の能力】によって彼らに無関心になっているため、誰も二人のことを見ていない。空耳か? そんな思いが頭に浮かんだ瞬間、彼の腹に鈍い痛みが走った。鍛え上げて硬くなった腹筋が、ボコボコと隆起しながら形を変えていく。顔だ。それは顔の形を象っている。まるでデスマスクのようだった。
「ひっ! な……、なんだこれっ!」
大吾の額から脂汗が流れ落ちる。どこかで見た顔……。そうだ、この顔は糸村忍のものだ! な……、なんで俺の腹に、あいつの顔が浮かんでやがるんだ……?!
「塚本大吾さん。あなたの身体、僕が乗っ取っちゃいました♥」
(な……っ! う……、あ……?)
口が勝手に動き、彼の意思に反して言葉が発せられる。俺は、何を言ってるんだ? 俺の身体を『乗っ取った』だと……? 誰が? まさか、糸村が? そんなバカなことあるわけが──
言葉にしたいが、自分の意思では口が一ミリたりとも動かない。大吾は、己の体に明らかな異変が起きていることを実感した。口だけではなく、指先の感覚すらなく、身体のどの部分も自由に動かすことが叶わない。
「はっ♥ う゛っ♥ んおぉぉっ♥♥」
そんな彼の焦りの感情などまるで無視した様子の博人が、異性愛者である大吾のケツの穴を容赦なく犯してくる。抵抗したい。そう思う反面、彼のケツ穴は雄のチンポを咥え込もうと肛門の筋肉を忙しなく動かすばかりだ。
「大吾さんのケツの穴、 女のマンコよりも気持ちいいっす!!」
口の端から涎を溢れさせながら、博人は大吾のケツ穴を激しく犯し続ける。肉同士がぶつかり合う乾いた音、それに加えて淫猥な水音が、トレーニーたちの発する音や声に混じってジム内に響く。激しいピストン運動に、大吾はただ喘ぎ声を上げることしかできないでいた。自分の肉体が乗っ取られ、操られているのではないかという状況なのに、どうして俺のチンポはビンビンになっていやがるんだ?
「あ゛ぁっ♥♥ あへぇっ♥♥ 気持ち……、いいぜぇ、博人ォ♥♥」
口から勝手に漏れ出す、恍惚とした自分の嬌声に嫌気が差す。こんな情けねぇ声上げたくないのに……、なんで男相手に喘いじまってんだよ!! そんな彼の意思とは無関係に、肉体は極太の博人のチンポを美味そうに咥え込んでいく。身体の隅々までを支配する快楽の嵐に、大吾の理性は飛ばされかけていた。意識が飛びそうになる……。このままイッちまったら、どうなっちまうんだ……?
「イクッす、大吾さん! 大吾さんの尻の中に出しますよ!!」
大吾のアナルにさらに激しく腰が打ち付けられる。ケツの中が燃えるように熱い。太く硬い肉の棒が、体内で擦れるたびに気が狂いそうになる。イキたくない、こんな野郎に犯されてイきたくなんてないのに……!
「んお゛ぉ~~っ♥♥ 博人、ヒロトッ!! いぐっ♥ イグゥッ♥♥」
──ドピュドピュッ……、ドピュゥッ!!
熱いっ! グリグリと前立腺を押し潰され、大量のザーメンがケツ穴に注ぎ込まれる。同時に、大吾は全身を激しく痙攣させてイッてしまった。ケツワレの中では、まるでホースから水を噴射したかのような勢いの精液が撒き散らされ、それが終わると表面に黄色いシミができるくらいに小便を漏らした。気持ちよすぎて、アへ顔をキメているのが自分でも分かる。チンポがぶるんぶるんと暴れ、種付けによる刺激を味わうたびに頭の中でドーパミンがドプドプと生成されているのを感じる。こんなの、おかしい……。俺は女が好きで、男とセックスしたいなんて考えたこと一度もなかったのに……。
「はあ……っ♥ はぁ……っ♥」
尻の穴から博人の肉棒を引き抜くと、大吾はその場にへたり込んでしまった。もう限界だ……。これ以上はおかしくなる! そんな彼の心の声などお構いなしに、体は勝手に立ち上がって足が動き出す。そして部屋の壁に貼られた大鏡に向かって、己の全身を見せつけるようにポーズを取った。
【塚本大吾】の人生を乗っ取ってから、飽きるほどに見てきた自分の裸体。
もはや、完璧に彼のモノになったはずだった厳つい顔、一升瓶のようなぶっとい腕に丸太のような太もも。熊のような巨躯の股間に生えた、誰もが羨むようなデカマラ。そのすべてが大吾の意思に反して勝手に動くと、鏡に映った己の肉体を愛しそうに見つめ、そのまま彼の体は鏡の向こうの自分の唇に口付けを交わした。そして舌を口から突き出すと、イチモツから先走りを垂らしながら、ベロベロと鏡を舐め回しだした。
「んっ……♥ レロォ♥♥ エロすぎだよぉ、僕の新しい身体。ずっと、こんなマッチョな体になりたいって思ってたんだよね~♥ おまけにこの男らしい顔♥」
分厚い掌で紅潮した顔面を確認するようにゆっくりと撫でつけ、筋肉のみっちり詰まった胴体をいやらしくくねらせる。もはや女には一ミリも興味はないと言う様子で、鏡に映った自分の風貌に酔いしれている。まるでナルシストだ。
「んふっ♥ こんなマッチョな体になったからには、もう女とセックスなんてしねえよ。この肉体で、男漁りするんだぁ♥♥ なぁ、博人?」
【塚本大吾】の肉体を奪ってから、大吾が一度も目にしたことのないような満面の笑みを鏡に向かって見せつけた忍は、ザーメンまみれのケツワレを脱ぎ捨てるとイチモツをしごきながら、再び大吾のケツ穴にチンポを挿入するよう博人に指図した。顔から表情を無くしていた博人だったが、大吾の肉体が命令すると同時に、再び爽やかな笑みを取り戻した。
「はい! 大吾さん!」
「おほっ♥♥ お゛っほぉぉ~~ッ♥」
舌を出しながらのアへ顔を鏡に見せつけながら、大吾はケツ穴で博人のチンポを貪り食っていく。この肉体は……もう俺のものじゃねえのか……? いや、そんなはずはない。これは夢だ。そうに違いない。だが、その夢から覚めることはなかった。これからも【捕食】というチート能力を使って他人の肉体を吸収し、もっともっと強くなって誰にも負けない肉体を手に入れる。そう思っていたのに……。
「イク! イクイクイッグ~~ッ♥♥」
ドプドプとケツの穴に男の精液を種付けされながら、大吾の意識は快楽の水底へと沈んでいった。
***
「あ~、やべえ……♥ マジでこの身体、顔もガタイも最高すぎるな♥」
鏡に映った己が肉体を視姦しながら、【彼】が満足気に呟いた。あれから間もないというのに、【彼】の魂は完全に【塚本大吾】の肉体に馴染んでしまったようだ。今現在、【塚本大吾】の肉体の主導権を持っている男の名前は、糸村忍。大学三年生の彼は、バイト先に出勤しようとしたある日、背後から襲ってきた【塚本大吾】に全身を吞み込まれた。
──死ぬ。
全身の毛が逆立つ恐怖に忍は思わず目をつぶり、次に目を覚ました時には、この身体を操作できるようになっていた。意識が遠くなるのを実感したあの瞬間、彼は心の中で叫んだ。『助けてくれ』──と。
どうやらその言葉をトリガーにして、【操作】の能力が無意識の内に発動したのだろう。しかし中途半端なその祈りは不完全な形で叶えられ、【糸村忍】の肉体は【塚本大吾】という人間の肉体に完全に吸収されてしまった。意識と能力だけを残して──。
(くそっ! いい加減、俺の身体を返しやがれッ、この寄生野郎!!)
「はあ? 散々、他人の人生を奪ってきた人が何を言ってるんです。人のモノを盗むんなら、盗まれることも覚悟しとくのがスジってもんでしょ? お前もそう思うよな、博人? こんなクソ野郎のせいで、【俺】みたいなおっさんのケツを掘らされるようになったんだ。恨み言のひとつくらい言ってもいいんだぞ?ん?」
「いえ、そんな! 大吾さんのおかげでオレ、今最高の気分です。感謝してます!」
もはや従順なペットになった博人は満面の笑みを浮かべると、再び大吾のケツ穴にチンポをねじ込んできた。
「うおぉっ♥♥♥」
あぁっ♥ 気持ちいい♥♥ 肉体を吸収される前の忍は、お世辞にも同性愛者にモテるような顔や体型でもなく、【操作(パペット)】の能力も弱かったせいで、まともに誰かの身体を操作もできない始末だった。しかし、今となっては違う。【塚本大吾】というチートじみた男と融合したおかげで、彼の能力は数倍以上に強化され、性別や年齢関係なく誰とでもセックスができてしまうような、そんな魅力的で強靭な肉体になったのだ。
今の彼は、吸収すればその相手の能力だけでなく、容姿や癖や記憶までも再現して使用できるのだから、もはや恐いものなしの無敵のチートキャラと言ってしまってもいいかもしれない。
「ぬふっ♥ それもこれも、あなたのおかげです。ありがとな、大吾♥」
鏡に向かって【塚本大吾】の顔でニタリと笑いながらそう言い放つと、目の前で今か今かと待ち構える博人に唇を重ねた。口の中に舌をねじ込み、互いの唾液を交換する濃厚なディープキス。これから始まる酒池肉林を想像してか、どこか遠い目をした彼のチンポはビンビンに勃起している。
「博人、ご褒美にお前のケツに俺のチンポを入れてやるよ。たっぷり味わえ♥」
「ありがとうございますっ! 大吾さんのチンポ、楽しみです!」
ノンケだから当然かもしれないが、まるで処女のような締め付けだ。忍が腰を打ち付けるたびに、ギュウッとキツく閉じた肛門が、膨張したチンポを締め上げてくる。
「あ゛ぁっ……♥ いいぜっ! 博人ッ、お前のケツマンコ最高だ! 俺のチンポに吸い付いてくるッ♥」
「んひぃっ♥♥ 大吾さんのデカマラ、スゴいッ! 奥まで届いてるぅっ♥♥」
筋肉のぶつかり合う激しい音が室内に響き渡り、そのリズムに合わせて、博人のたくましい肉体がブルブルと痙攣する。
「出るっ……♥ 出すぞ、博人ォッッ!!」
ビュルルルーーッ!!!ドピュッドピュッ!!ドクンドクン……
若い雄の肉体が、種付けの快楽に呑み込まれていくのが分かった。壁に備え付けられた鏡には、屈強な肉体を持った男二人の姿が映し出されている。ノンケからゲイへと性癖を捻じ曲げられた佐藤博人、そして忍の肉体と融合した【塚本大吾】。そのたくましい中年の身体を、忍は完全に手中に収めた。もう大吾がいくら抗おうとも、ゼロ距離で【操作】の能力を使用することで、【塚本大吾】の肉体は完全に忍の支配下である。
極太の眉、意志の強そうな鋭い眼、分厚い唇にゴツい顎。女性にはウケが悪い厳つい顔だが、ゲイの中ではモテるだろう。高身長かつ、筋肉もゴリラ並みに発達している。
そんな彼の全身に、室内にいる屈強な男たちが舌なめずりしながら熱い視線を向けている。【塚本大吾】の上司で、彼同様かつてはラグビーで体を作り上げたものの、今となっては脂肪を蓄えてふくよかになった四十代の課長や五十代の部長。全身に鎧のような筋肉を纏った、彼の同期や後輩の若い雄たち。そんな汗臭い野郎どもが、【塚本大吾】の肉体を視姦して興奮している。
「あ゛~っ♥ 最高だ……。気持ちいいぜ、この身体♥」
忍は鏡の前で、己の裸体に酔いしれるようにそう呟いた。鏡に映った鋼のような肉体には、マジックで書かれた大吾を辱めるようなラクガキや、全身を貪られたことによる噛み痕やキスマークまで刻まれ、乳首にはピアスが光っている。しかもケツワレは何日も履き替えていないため、小便や精液のシミで黄色く汚れ、おまけに課長や部長の粘っこいザーメンが肌にたっぷりと付着していて、それがなんともエロさを醸し出している。
忍は自分の肉体を惚れ惚れした表情で見つめながら、汗でテラテラと光る筋骨隆々の肉厚な胸板や尻をいやらしく撫で回しては、快楽に喘いだ。
「あ゛んっ♥ あはぁっ……ん♥ みんな見てくれっ、俺のこのマッチョボディ!!」
「うぉぉっ!! 塚本くんッ!」「 大吾さんっ!!」
彼の痴態に目を輝かせた男たちが、ギンギンに勃起したチンポをシコシコとしごきながら彼の新しい名前を呼ぶ。その声に忍は、ゾクゾクと背筋が震えるのを感じた。室内にいる人間はみな、【操作】の能力によって、永久的に女性よりも屈強な肉体を持つ男性に性的興奮を抱くよう性癖を改変済みだ。
「アァッ! イグッ♥」「イッちまうゥッ♥♥」
鏡の前にずらりと並んだ、忍の愛する性奴隷たちが、一心不乱にオナニーを続けてはアへ顔を晒している。もう理性など残ってないだろう。同僚が、上司が、ここにいるやつら全員が、【塚本大吾】に愛されることを心の底から願い、彼とのセックスを待ち望んでいるのだ。
「あ゛ぁぁ……っ♥ チンポッ♥ イ゛ク♥ 俺のチンポ♥♥」
ほんの数日前までは自分のモノではなかった脳味噌の中が、ピンク色に染まっていく。
(嫌だぁ、男とセックスなんてしたくねえよぉ……。俺の身体、返してくれぇぇぇ……)
頭の中で、悲痛な叫びが聞こえる。運よくチート能力を手にし、これからも大勢の人間を吸収して悪の限りを尽くそうとしていた男の嘆き。だが、そんな戯言など今の忍には聞く価値もない。彼はますますシコる手のスピードを速めると、鏡越しにニタリと笑ってみせた。
「へへ、悪いな。この身体はもう俺のもんだ♥ お前は大人しく見てろ♥♥」
ビュクッ!ドピュッ!!ブピュルルル~ッ!!ドクンドクン……
ああぁ、最高だ……♥ もうこの肉体は自分のモノなのだという征服感がゾクゾクと背筋を駆け上がり、甘い快感となって忍の脳天に突き抜けていく。熱いザーメンを浴びた男たちが、目にハートマークを浮かべ、汗だくの肉体をいやらしくくねらせている。そんな男たちの痴態を眺めながら、【塚本大吾】は再び鏡に映った己の肉体に酔いしれたあと、全身から湯気を放つ彼らにその身を委ねるのだった。
(了)