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宗形オリヴァー
宗形オリヴァー

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ペットカメラを覗いたら、好きな人がセックスしていた。


宗形オリヴァーのFANBOXをご覧いただき、誠にありがとうございます!


今月の新作をご案内させていただます。


【新作】R18 BL小説

ペットカメラを覗いたら、好きな人がセックスしていた。(20,000文字)






あらすじ:

画面に映るのは、見知った二人の、見たことのない姿でした───。

実家から出てきた受験生の日浦真昼(ひうら・まひる)は、家庭教師アルバイターである朝道光輔(あさみち・こうすけ)に恋心を抱いていた。

大学でラグビー部に入っている朝道は、爽やかで逞しくて、人当たりのいいガチムチ好青年。

ルームシェアをしている真昼の双子の弟、日浦遊夜(ひうら・ゆうや)を交えて自室で勉強する日々の中で、少しずつ惹かれあった真昼と朝道はめでたく恋人関係となるが……。


<ベッドの上に誰かが映っています>

ペットカメラを覗いた瞬間、画面の中に広がる禁断BL、解禁…!


※分岐がある作品のため、Privatter+にてパスワード公開となります!


作品はこちらからお楽しみください。

該当サイト→ 【 https://privatter.me/page/679be1119e578 】

パスワード→ 【 lookdick 】

今月ギリギリの更新になってしまったため、パスワードを保管していただければ、数ヶ月の間は作品をご覧いただけるように対応させていただきます!


よろしくお願いいたします!

privatter.me
https://privatter.me/page/679be1119e578

【本文サンプル】


アパートの一室。

参考書を広げた丸い机を、オレたちは三人で囲んでいる。

テキストに書かれた問題を悩みながら解いたオレの頭に、大きな手のひらが乗せられた。


「うんうん、真昼(まひる)くん正解だ! よく頑張ってるね!」


顔を上げると、ボクの対面に座るガタイのいい男性の笑顔が目に入った。

大学でラグビー部に入っている筋骨隆々な彼は正座すると小山のようで、目の前の机がまるでミニチュアのように見えてしまう。


オレの家庭教師で、現役の大学生である彼は朝道光輔(あさみち・こうすけ)さん。

角刈りの頭に、キリリとした男らしい眉。

太陽のように明るい性格と爽やかな笑顔。

カッターシャツを筋肉でパツパツに膨らませた姿はいつ見ても眼福で、幼い頃によく見ていた「体操のお兄さん」をイメージさせた。


「えへへ……」


そんなカッコイイ彼に褒められて頬を染めるオレの名前は、日浦真昼(ひうら・まひる)

受験生であるオレは、半年前から家庭教師を雇うことにした。

なんとなくネットで見つけた会社に電話して、来てくれたのが朝道先生ってわけ。


逞しくて優しい彼に、オレが恋心を抱くのは自然な流れだった。


そしてもう一人。

オレの隣でだらしなく机に突っ伏している男がいる。

その男は降参するように、シャーペンを握った手をゆらゆらと挙げた。

「あーもうだめだ、全然わかりませぇ~~ん」

オレと全く同じ声、そして同じ顔をしているその男。

双子の弟である、日浦遊夜(ひうら・ゆうや)だ。


「おいおい、何度も教えたところだぞ? しっかり思い出してくれよ」


朝道先生がやれやれと呆れ顔を遊夜に向ける。

対する遊夜はふざけた態度でシャーペンを鼻の下に挟んで、後ろ頭に手を組む。


「だってボク、お勉強なんて好きじゃないし。センセーの教え方がよくないんじゃね~?」

「なにおう。同じように教えてる真昼くんはきちんと出来ているぞ。遊夜くんにだって出来るはずだろ?」

「兄貴はボクと違ってもともと勉強できるんだって。じゃあさ、一問正解するごとにセンセーがマックおごってよ。そしたらやる気でるかも」

「コラコラ。大学生のバイト代を舐めるんじゃないよ」

「ちぇー。センセーのケチ~」


いたって真面目で優等生なオレと違って、遊夜は遅くまでゲームをしたりトモダチと朝まで遊び歩く典型的なパリピタイプ。

遺伝子は同じはずなのに、正反対な双子だとよく周りからも言われる。

最初の頃、オレたち双子の家庭教師を受け持つと知って、朝道先生はずいぶん驚いていたっけ。


「おい遊夜、先生に迷惑かけんじゃねーよ。真剣にやれ、バカ」

オレがたしなめると、遊夜はこれ見よがしにあくびをする。

「だって昨日朝帰りだったから眠いんだって。兄貴と違ってボクは忙しいんだよ」

「どうせまた夜遊びだろ、ほどほどにしろよな」

「別にボクが何しようがボクの勝手でしょ。大好きな先生の前だからって、張り切ってお兄ちゃんぶられてもねえ」

「な、な、なんだよ! 別にそんなつもりないっつーの!」

「はい顔に出すぎ~」


ガヤガヤとケンカし始めたオレたちに先生が割って入る。

「はいはいそこまでだ~! まったく、顔はそっくりなのに、ほんと中身は正反対だよなあ、キミたちは」


朝道先生は苦笑しながらも、オレたちを優しい目で眺める。


「大体センセーさあ、家庭教師のくせにカラダ鍛えすぎじゃね? ムキムキすぎて集中できませ~んw」


シャーペンで先生の二の腕をつつく遊夜。


「なんだ? 筋肉が気になるのなら触ってもいいぞ?」


すると先生はまんざらでもなさそうにカッターシャツの袖をめくって、力こぶを見せつけてくる。

(先生、筋肉の話題出すとすぐ調子に乗るんだよな…)

鍛えてる人あるあるかもしれない。


「ほら、もっと見るかい? 今日はジムに行ってきたから胸筋も仕上がってるんだ…!」

先生はウキウキとシャツを脱ぎ出す。

鍛え上げられて膨らんだ上半身をさらけ出されて、オレは鼻を押さえた。


(オレの部屋でマッチョが脱いでいる……! 先生の筋肉、すごい…!)


密かに興奮して顔を真っ赤にするオレとは反対に、遊夜はケラケラと馬鹿にするように笑っている。


「あーやだやだ暑苦しい。こんなんゴリラじゃんゴリラ」

「バカ遊夜! それがいいんだろ! ゴリラはゴリラでも、先生は賢いゴリラだぞ!」

「キミたちさあ…」

オレのフォローに、朝道センセーは複雑な顔をする。


「とにかく、真面目に勉強するぞ! 真昼くんは心配ないけど、遊夜くんはもっと頑張りなさい!」


オレの頭は撫で撫でしながら、遊夜の頬をつまんでみせる先生。


「は~い♡」

「ふぁ~い」


甘い返事と気の抜けた返事。

オレたち三人は毎回こんな感じでゆるく楽しく勉強をしていた。


先生に対しての好意を、オレはあまり隠すことをしなかった。

褒められたり撫でられたりすると顔を真っ赤にして喜んだし、先生が来る日は彼の好きなプロテインジュースを用意したりした。

なにより先生に褒めて貰うために勉強を頑張った。

気持ちを告白するわけじゃないけど、オレは明るく堂々と先生に懐いた。

そんなダダ漏れの好意は、きっと先生にも十分に伝わっていたと思う。


そして、自然といつからか、先生の方からもオレに向ける眼差しがより甘く、より暖かくなっていくのを感じていた。


目が合う回数が格段に増えて、筆記用具をとるための指が不意に触れあったりすると、先生も頬を染めてくれるようになった。


なんとも言えない甘い距離感が、オレと先生の間にあることを感じるのは、幸せだった。


そうしたある日のこと、勉強が終わって、遊夜が遊びに行って部屋に先生と二人きりになったタイミングがあった。


「真昼(まひる)くん、聞いて欲しいんだ」


頬を赤く染めて、いつもと違う神妙な顔でオレを見る朝道先生。


本能的に、何を言われるのか、わかった。


「は、はい……っ!」


呼ばれたオレはドキドキで壊れそうな胸から声をしぼりだす。

半年前に家庭教師として出会ってから、優しくて逞しいこの人にオレは恋い焦がれてきた。

朝道先生の、爽やかに整った顔。

見つめ合うオレと先生のあいだに、緊張した空気が流れる。


「キミのことが好きだ…! 俺と、付き合ってくれませんか!」


緊張した彼の声がオレの耳に届く。


う、嬉しい………嬉しすぎる……!!


感動して、思わず泣きそうだった。


「お、オレも、朝道先生のことが好きです…っ」


こんな、こんな奇跡があるなんて。

オレは神様に感謝する。


その日から、オレ・日浦真昼は、ガチムチ家庭教師の朝道先生と恋人関係になれたのだった――――。






ペットカメラを覗いたら、好きな人がセックスしていた。(サンプル)




『真昼くん、おはよう! 今日は予定通り、ラグビー部の練習試合だぞ! 会えるのが楽しみだな!』


目覚めた瞬間届いた、付き合って三ヶ月が経つ大好きな恋人からのメッセージ。

オレ、日浦真昼(ひうら・まひる)は幸せを噛みしめる。


「へへ……♪ オレも、朝護先生に会えるのが楽しみです!」


胸にスマホを抱いて、メッセージを反芻してベッドの上で身もだえる。


「わんっ!」


そんなオレのはしゃぐ姿を見て、部屋の中で飼っているダックスフンドのコタローが嬉しそうに吠えた。

しっぽをぶんぶんと振っている愛するペットに、オレは機嫌良く説明してやる。


「コタロー! 今日は家庭教師の朝護先生がこの部屋に来るんだから、良い子にしてろよなっ」

オレの上機嫌を察したのか、コタローは一声だけ吠えてくるくると回った。


コタローは学園に進学するために実家を離れてこのアパートに引っ越すときに実家から連れてきた犬だ。

バイト中も24時間見守りたいために、貯金をはたいて室内にペットカメラを設置しているくらいには溺愛している。


オレがキッチンで朝ご飯を作っていると、ガチャリともうひとつの部屋のドアが開いた。

そこから現れたのは、眠そうにあくびをしている、オレと全く同じ顔の男。


「ふあ~~、だっる……。ねえ兄貴、ボクのスマホしらな~い?」


寝崩れたスウェットでこちらに歩いてくるのは――――双子の弟の遊夜だ。


「お前のスマホなんか知らね~よ。どうせまたクラブとかで落としてきたんじゃないのか?」

「う~ん、昨日オトコと行ったホテルに忘れたのかも。……はあ、あたまいた~い」


ダイニングテーブルにぐでーっと倒れる遊夜。

さらけ出された首筋に、真新しい赤いキスマークが散乱しているのが見えた。


「…………」


遊夜のオトコ癖の悪さには困ったものだ。

でもオレが何を言ってもこいつは悪びれた様子すら見せない。


遊夜がどこの誰と“そういう”遊びをしていても別にオレには関係ないけど。

でも、好きでも何でもない男とそういう行為をできるってことが、オレとは遠く離れた価値観のように思える。

双子なのに未だに童貞処女のオレと、おそらく不特定多数と関係を持っている遊夜。

その性経験の差を考えると少し複雑な気持ちにはなるけど……。


(オレだって、いつか、朝道先生と……)


頭の中に浮かべるのは愛しい恋人の笑顔。

付き合って二ヶ月になる朝道先生との関係は、こないだようやく初めてのキスをした。

きっとオレのことを大事にしてくれているからこその歩みの遅さ。

身体を重ねるなんて……まだまだ先のことに思える。


(それでもいいんだ。二人でじっくり関係を築いていければ……)


手早く朝ご飯を用意して、ぐだぐだしている遊夜を促す。


「だらだらしてないでシャキッとしろよな。前から言ってたように今日はオレ出掛けるから、コタローの世話を頼んだぞ?」


「はいはい。愛しの先生の試合の応援でしょ? ラグビーのルールも知らないくせに、よく行くよね~」

ウインナーをかじりながら遊夜が呆れた目を向けてくる。

どうせ隠すことは出来ないから、先生とオレが付き合っていることを、世界でこいつにだけはカミングアウトしていた。


「い、いいんだよっ! 先生の勇姿を見るのが目的なんだから!」

「大学で泥臭い勇姿を見るだけじゃなくて、早くベッドで裸も拝めるといいね~♪」

「お、お前なあっ!」

イヒヒ、と遊夜がいたずらっぽくからかう。


「あのセンセー、服の上からでもわかるくらいイイカラダしてるし? 爽やかすぎな性格はボクのタイプじゃないけど、ああいう『太陽~!青春~!友情~!』みたいな男がどんなセックスするか、兄貴も興味あるっしょ?」


「な、なな、な……!?」


な、何を言いやがるんだこいつは…!


「オ、オレと先生は清く正しく交際してるんだ! お前みたいに性欲に流されまくって、せ、せっくす、したりしないんだっ! バカ遊夜っ!」

オレが唾を飛ばす抗議を、遊夜は鼻で笑う。

「あはは、兄貴の貞操感がキツすぎるだけだって。色んな人をつまみ食いした方が楽しいじゃ~ん」

「あーもう、うるさいっ! お前みたいな遊び人と一緒にするな! オレはもう行くからな!」


オレがズカズカと玄関へ歩くのを、遊夜は手をひらひらさせて見送った。

うう……遊夜のやつめ、オレの朝道先生を好き勝手いいやがって……!





大学のグラウンド。

逞しいラグビー部員たちが汗を飛び散らせてガツガツとせめぎ合っている。

陽光を浴びて煌めく汗がこれぞ青春だ。


部員一人一人の体格が、オレとは比べものにならない。

筋肉の嵐が巻き起こるみたいなグラウンドの中、オレの愛する朝道先生の姿もあった。

彼はボールを確保して、ゴールポスト目指して激しく突進していく。


(朝道先生だ……! がんばれ……!)


オレは心の中でエールを贈る。

それが届いたのか、朝道先生は逞しい相手選手のタックルを振り切り、インゴールでトライした!得点だ!


「すごい…!」


オレは恋人の勇姿に目を輝かせる。

土にまみれて立ち上がる朝道先生が、ふいにオレの方を向いた。

汗だくの汚れた顔で、ニカッと太陽みたいな笑顔で親指を立ててくる。


(ふわぁあ……♡)


彼氏のこんなカッコイイ姿を見てキュンとしない人間はいない…。


ドキドキしたまま、オレはラグビーの試合を堪能するのだった。




「ごめんね、お待たせ真昼くん!」

大学の入り口で待っていたオレのもとに、角刈りのマッチョが爽やかな笑顔で駆けてくる。

カラダはゴツいのに顔面は犬系で爽やかなの、破壊力がすごい……。

「いえ…! 今日の試合、めちゃくちゃカッコ良かったです!」

「はは、やめてよ、照れちゃうから…!」

そう言いながら嬉しそうに真っ赤な顔で後ろ頭を掻く朝道先生。

かっこいいなんて絶対に言われ慣れてるはずなのに、その反応がオレをくすぐる。


「さ、それじゃ行こうか」

今日はこのまま一緒に帰って、先生はオレの家で家庭教師をしてくれる予定だ。

カッコイイ彼の隣に並んで歩ける優越感と緊張が、街のショーウインドウに反射する。

まだデートだって数えるほどしかしたことないし、たまにすれ違う男女のカップルみたいに、腕を組んだりはまだ出来ないけど、こうして一緒に歩いているだけでオレは幸せ。


「真昼くん」

そっと名前を呟かれて、オレは隣を歩く先生を見上げた。

「どうしました?」

「そこ、道が少し段差になってるから、手、貸して」

「はは、これくらいの段差、平気ですけどね。でも、ありがとうございます」

先生が指しだした手を、恐る恐る握る。

ぎゅっと向こうからチカラを込めて握ってくれて、オレの体温が上がった。

ほんの少しの段差を越えてまた歩き出す。

繋いだ手は離さないままだ。

だけど、見上げる先生の耳たぶは真っ赤。


「先生……?」

「……ごめん。手、繋ぎたかっただけ」

いつも快活な先生とは思えない、消え入りそうな声が聞こえてきた。

握った先生の手のひらが少し汗ばんでいて、オレは微笑む。

手を繋ぐなんて、コドモでも簡単にできることかもしれない。

オレたちにはそれすら大きな一歩なのだ。

ゆっくり、ゆっくり二人で歩いて行ければいいと、心から思った。



駅のトイレに朝道先生が入ってる間、ふと、道路の向こうに飼い主と散歩している犬が目に入った。


(そういえば……遊夜のやつ、コタローの世話、きちんとしてくれてんのかな?)


気になったオレはスマホを取り出す。

遊夜に電話してみたけどあいつは出なかった。

そのとき、同じタイミングで駅のトイレから何かの音楽が鳴り響いてくる。

きっと中に入ってる誰かがスマホを誤操作したんだろう。

まあ、そんなことはどうでもいい。


(そっか、遊夜、自分のスマホなくしたって言ってたっけ……じゃあ、カメラの方を見てみるか)


オレはスマホを操作すると、自室に設置してある『ペットカメラ』の映像を映した。

こういう時のためにせっせとカメラを設置したのだ。


「おっ、見えた見えた」


【ベッドの上に誰かが映っています】


ペットカメラに生き物が映り込むと、こうしてわかりやすく説明文が画面に表示される。


書かれているうり、オレの部屋、ベッドの上ですやすやと寝ているコタローが映っていた。

その隣で遊夜も一緒に寝ている……。

おそらく散歩に行ったあとに疲れて寝たのか…?


「人のベッドで勝手に寝るなと言いたいところだけど、コタローの面倒見てくれたし大目に見るか……」


ちなみにカメラがあることは遊夜には言っていない。

バレたら面倒なことになりそうだし、これからもしばらくは黙っておくつもりだ。


「お待たせ~」


先生が帰ってきたので、オレはスマホを鞄に仕舞った。






帰宅して、寝ていた遊夜を文字通り叩き起こして勉強を始める。

いつものようにテーブルを三人で囲んで、先生がオレたち2人に優しく教えてくれる時間はあっという間に過ぎていった。


「あーだりー。問題ぜんぜんわかんねーし」

「コラ遊夜くん! 真面目にやれ~~!!」

問題を解かずノートに落書きしていた遊夜に、口角をひくつかせて先生が怒ったり。


「あ、兄貴、もうちょい腕どけて。答えカンニングできないじゃん」

「だぁ~~遊夜くん!! 自分で解け~~!!」

オレのノートを盗み見しようとした遊夜の頬を先生が引っ張ったり。


「なんか暑くない? 一枚脱いじゃおっかな~」

「まあそれくらいは……って、こ、コラ! やっぱり脱ぐな! 早く着ろ!」

羽織っていたシャツを脱いだ遊夜、首筋にキスマークを見つけた先生が慌てて制止したり。


「まっっったく……! 遊夜くん、お前ってやつはどれだけ俺の手を焼かせるんだ……! 真昼くんの爪のアカを煎じて飲ませたいくらいだぞ…!」


いちいち遊夜に振り回されている先生は、無駄にたくさん怒鳴ったせいで、ぜえぜえと肩で息をしている。


そんな先生を遊夜は挑発するように笑い飛ばすだけ。


「てかセンセーさあ、兄貴に教えるときだけ鼻息荒いってw な~んか股間も膨らんでるように見えるンですけど~~?ww」


「え、先生、まさか本当に……?///」


頬を染めるオレの隣で、先生がさらに顔を赤くして股間を両手で隠した。


「ば、馬鹿野郎っ! どこを見てるんだ、どこをっ!!」


「ははは! 引っかかってやんの! カマかけただけに決まってるじゃん! 爽やかな顔で勉強教えながら、下半身はまさか本当に勃起させてたわけ~?w」


遊夜の高笑いに、先生はだらだらと汗をかく。

いや先生、その反応は肯定と同義なんだけど……!?


「いいかげんにするんだ、遊夜くん…!」


しかし、冗談めいた場の雰囲気を引き締めるように、先生の鋭い声が遊夜に浴びせられた。


「俺は真昼くんを大切にしたいんだ…! 学園を卒業するまでは手は出さないって決めてるんだからな! お前にからかわれる筋合いはない!」


そう言って先生はオレのカラダを抱き寄せてくる。

唐突に厚い胸板に顔を埋めることになって、オレは「!?」と赤面する。


卒業するまで手を出さないと言ってくれた先生の言葉にも、からかってくる遊夜に堂々と応える行動にも、オレは胸を打たれた。


「朝道先生……」


周りの言葉でオレが不安にならないように、全力で示してくれることが嬉しい。


「はいはい。ちょっとからかっただけじゃん。ムキになるとかダッサ。兄貴、よくこんな熱血ゴリラと付き合えるよな。趣味悪いんじゃねえの~? ボクだったら頼まれても絶対無理だね」


そんな先生の行動を鼻で笑う遊夜。


ここまでしてくれる先生のことを、そんな風に言われては聞き捨てならない。

だけどオレが反論しようとしたとき、先に先生が動いた。


「なにおう! 俺だって、遊夜くんみたいなナマイキなガキは願い下げだ! 言って分からないなら……こうしてやる!」

「わっ!? ちょ、なんだよ、来るな、ゴリラ……ひいっ!」


なんと、先生はおもむろに遊夜を俵担ぎする…!


そして担いだ遊夜のお尻をめがけて──ぺんぺんと叩く!


「お前は反省しなさい、反省を…!」


「ぎゃんっ! ちょ、離せっ! この暴走ゴリラっ! なんだよこの格好っ! ぎゃっ! ぎにゃああ~っ!」


バシッ! バシッ! バシッ!

バシッ! バシッ! バシッ!


抵抗も空しく、先生に容赦なくお尻ぺんぺんされる遊夜。

羞恥に顔を歪めながら、愚かな弟は情けない悲鳴を上げるのだった……。





窓の外で陽が暮れてきて、オレンジ色が疲れた眼球に滲みる。


「あ、オレ、そろそろバイト行かないとだ……」

オレは家計のために近くのラーメン屋でバイトしている。

今日は19時から最終、明日の朝までのシフトが入っていた。


「こんな夜から? 危険だ…! 帰り道に変態に襲われたらどうするんだ…!」

勉強終わりにオレが淹れたばかりのコーヒーを飲んでいた先生が、剣幕を変えて立ち上がる。

「はは、誰も夜勤明けでボロボロのオレのことなんか襲いませんって。すみません、オレはこれで出ますけど、コーヒー淹れたばっかりだし、先生はゆっくりしていってくださいね」


オレは鞄を持って、玄関で靴を履く。

先生は慌ててオレの後を追ってきた。


「いや、せめてバイト先まで送るよ。待ってて、今、部屋から鞄取ってくるから」

オレと一緒に出ようとする先生を、オレは微笑んで止める。


「大丈夫ですってば。先生だって今日はラグビーの試合で疲れたでしょ? ゆっくり休んでください」


「だけど……」


食い下がろうとする先生の背後。

遊夜の手が先生の肩をつかんだ。


「おい暴力ゴリラ! 時間あるんならボクのスマホ探すの手伝ってよ。見つけられたらさっきのお尻への体罰はチャラにしてやってもいいぜ~?」


悪魔のような笑顔で遊夜が囁く。


「まあ……確かにお尻ペンペンはやりすぎたか。仕方ない……」

先生は苦渋の顔でうなだれるが、すぐにパッと顔を上げて遊夜に向き直る。

「って、今スマホって言ったか」

「うん。なんか今朝から見当たらないんだよね~。家の中にあるんならいいけど、外で落としてたらマジ死活問題だよ」

先生の問いかけに、遊夜がじっと先生の目を見る。

先生はそのぶしつけな視線に何かを言いかけようとして、しかし言葉が出てこないようで頬をぽりぽりと掻いた。

「あー、確かに。スマホは大事だよな。仕方ない、探すの手伝うよ」


二人の会話を聞きながら、オレはひとつのことに思い当たる。


「なら、ひとまずオレのスマホから、遊夜のスマホに電話かけてみるよ。家の中にあったらわかるだろ?」

そう言って、二人の反応を待たずに、オレはササッとスマホを操作する。

遊夜の番号にすぐに電話がかかった。



~~~♪♪♪



すると、部屋のどこかから軽快な音楽が鳴り響いてきたじゃないか。

これは……遊夜のスマホの着信音?

どうもオレの部屋の方から聞こえてくるようだ。


「なんでオレの部屋から……?」

「俺、見てくるよ」と先生がオレの部屋へ駆けて行く。

「あー、ボクも行く」それに遊夜もついていく。


オレの視界からは見えないけど、二人はオレの部屋でゴソゴソと着信源を探しているようだ。

ほどなくして。


「あったー! サンキュー、兄貴!」


遊夜の歓喜の声が聞こえた。

どうやらスマホは見つかったみたいだ。

その証拠に、オレのもとへ戻ってきた遊夜の手には見慣れたスマホがしっかり握られていた。


「ったく、なんでオレの部屋なんかにあるんだよ。今度からもっとしっかり管理しろよな」

「はいはい、見つかったんだからお小言はいーじゃないの。さ、兄貴は心置きなく労働してこいよ」

「うるせー。オレだって行きたくて行くわけじゃねーや……って、そういや先生は?」

遊夜と一緒にオレの部屋にスマホを探しに行ったきり、先生が戻って来ていない。


「あー、なんか向こうで慌ててたら、コーヒーこぼしちゃってさ。今、センセーが青くなって掃除してるとこ」


あらら。そんなの気にしなくていいのに。


「てか兄貴、そろそろマジでバイトの時間ヤバくね?」


「え……うわホントだ!? じゃあオレ行ってくるから、先生にくれぐれもよろしく言っといてくれ!」


「りょ~」


ひらひらと手を振る遊夜を尻目に、オレは家を飛び出してバイト先へと向かう。

ちくしょー、先生に挨拶できなかったけど仕方ねえ!


愛しの先生の顔を名残惜しく思い浮かべながら、オレはバタバタと駆けた。









しかし、バイト先のラーメン屋【熊地(くまぢ)】に到着したオレは驚愕の事実を突きつけられてしまう。


「今日、急遽、店が休みになった……!?」


ちょうど店先の暖簾(のれん)を片付けていた、センパイ店員である犬守ケンゴ(いぬもり・けんご)さんがオレに説明してくれる。


「そうらしいぜ。何か店長が急用らしくってさ。今日は夕方までの営業にするとか言って、いきなり店じまいオレに任せて出て行っちまったんだよ。真昼くん、グループライン見てなかったのか?」


う……。慌ててたからラインまで確認してなかった……。


「ま、そういうことだから、今日はもう帰りな。せっかく時間が空いたんだ、受験生だからって頑張りすぎないでたまには羽根のばしちゃいなよ」

「は、はあ……」

気さくに笑う犬守センパイに生返事を返して、オレはとぼとぼと来た道を引き返した。


(せっかくダッシュして来たのに! なんだよ、店長のやつ~~~! こんなことなら、先生ともっと一緒にいられたじゃないか…!)


なんて考えても後の祭りだ。

どうせ今から慌てて帰っても無意味だし、さて、どうしようかなあ。






夜の繁華街で一人行き場を無くしたオレは、とりあえず近くの公園のベンチに腰を下ろした。

辺りはすっかり暗くなってて、夜の公園は他に誰もいない。


なんとなくスマホを開くと、今日の昼に開いたペットカメラのアプリが作動したままだった。


(コタローの顔でも見るか……。えーと、今は何が映ってるかな…?)


画面の中には、誰もいないオレのベッドが映っている。


カメラはリアルタイムでオレの部屋を監視していて、今はオレのベッドにフォーカスが当てられていた。

180度動かせるカメラは、スマホを操作することで角度と向きを自在に変えることが可能だ。


(コタローはどこに居るんだ?)


オレはカメラの角度を調整する。


ベッドから、オレたちが勉強していたちゃぶ台を通り過ぎて、部屋の扉までカメラは巡っていく。


【机の周りには誰も映っていません】

【扉の周りには誰も映っていません】


「ん~? だとすると、灯台もと暗し……」


オレはカメラを目一杯、下に向ける。


「お、いたいた」


コタローはオレの部屋の床に置かれた、クッションの上に寝ていた。

このクッションはカメラのすぐそばに置かれていて、よく盲点になるのだ。


(コタローの寝顔も確認したし、ゆっくり帰るか…)


そう安心した時だった。

「あれ?」

あるものが画面の中にあることに気づいて、オレは声を上げる。


コタローが寝ているクッションのすぐそばに、見慣れた鞄が置かれている。

それはオレの部屋に置かれているけど、オレのものじゃない。


朝道先生の、鞄だった。


「先生、まだアパートにいるのか…!?」


どうしてかわからないけど、鞄があるということは本人もそこに居ると思って間違いないだろう。

なんだ、それなら急いで帰ろう。


立ち上がるために、カメラを消しかけたそのときだった。


「――――ん?」


カメラの角度を下げているために、部屋の扉の下半分がコタローの後方に映っていた。


【扉の周囲に誰かが映っています】


表示された文面の通り、部屋の扉の下──そこには誰かの素足だけが、カメラに映っている。

ちょうどふとももくらいまでしか映っていないその二本の足はまるで風呂上がりのように、何も履いていない剥き出しのものだった。


遊夜が風呂上がりにオレの部屋に入ってきたのだろうか。


その考えは打ち砕かれる。


カメラに映った二本の足の後ろから、もう二本の足が歩いてきたから。


「え……?」


四本の足が映っているということは、そこに二人の人間が立っているということだ。


片方はスベスベで、綺麗に毛が剃られた細い足。

もう片方は褐色で、太ももが筋肉で盛り上がった、毛深い足。


そのとき、オレの心臓が、ドクンと跳ね上がった。


あれ……? なんか、おかしくないか……? 


だって、この足、どちらも……何も履いてないぞ?


そして、その四本の足は、それぞれの立つ距離が凄く近かった。

普通の人間同士が、お互いにこんなに近くに立つことなんか、まずない。


向かい合って、膝と膝がぶつかりそうなこの距離は、まるで抱き合っているカップルの足下みたいじゃないか――――。


ドクン。ドクン。ドクン。


痛いくらいに心臓が跳ねている。


だって、今オレの家に居るのは先生と遊夜の二人のはず。

二人はカップルじゃない。

先生と付き合っているのはオレだ。


だから、ここで絡み合っている足は、先生のものなはずがない。

きっと遊夜が誰か、オレの知らない男を連れ込んだんだ。

そうに違いない。


頭の中で自問自答するよりも確かな方法。


オレは、簡単にそれを確かめることができる。


スマホでカメラの角度を操作して、扉にフォーカスを合わせばいいだけだ。


なのに。


「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」


気づかないうちに、大量の汗をかきながらオレは酸欠のようになっていた。

カメラを操作しようとする、指が震える。


もしも、もしも……。

自分にとって、目を背けたくなるようなものが映ったら?


オレは、オレはどうなってしまうだろう。




「はあ、はあ、はあ、はあ……」


それでも。


オレは意を決して、震える指でカメラを操作した。


ゆっくりとレンズが角度を上昇させる。


「あ……!?」


【扉の周辺には誰も映っていません】


カメラがゆっくり動いているあいだに、四本の足は部屋を出てキッチンの方へ行ってしまったようだ。


「はあ、はあ、なんだよ……」


オレは大きく息を吐く。


今は何も映っていない扉を見ると、もしかしたらさっき見えた足は、自分の見間違いなのかもとすら思えてきた。

ピントはコタローに合っていたから、ものすごくぼやけた映像だったし……。

先生の鞄は、きっと何か理由があってオレの部屋に置いたままになっているんだろう。


(そうだよ、オレが想像しちゃったようなことは無いに決まってる)


先生と遊夜が浮気してるかもなんて、バカバカしい。

考えた自分が愚かでバカだった。


「たはは……笑い話にもならないや」

あーあ、ほんのわずかでも疑ってごめん、朝道先生。

さ、気を取り直して……


【扉の周辺に誰かが映っています】


唐突だった。


風呂場の方から扉へ歩いてきた、×××がそこに映し出された────。




<続く本編はこちら>↓ 

パスワードは【 lookdick 】です!

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ペットカメラを覗いたら、好きな人がセックスしていた。 ペットカメラを覗いたら、好きな人がセックスしていた。

Comments

わ~~~申し訳ありません!! 今公開しました!!

宗形オリヴァー

非公開になってます😭

ぱぴぷぺぷっぷ


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