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池野くるめ
池野くるめ

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【小説】これが私達の新しい下着!

 朝から夕方までかかったスタジオでの撮影がようやく終わり、スタッフの運転するワンボックスカーで事務所に戻ってきたころには、辺りはすっかり暗くなっていた。車を降りると少しひんやりと心地よい秋の空気が、背中まで伸びた髪の毛を揺らす。佳境に入った大河ドラマの撮影は順調で、私もヒロインの娘である姫役としての立場にも、そして自身の小此木渚という名前が全国向けのテレビ放送のクレジットに載ることにも慣れてきた。  私は長い一日の撮影をやり切った達成感を感じつつ、私服の白いシャツワンピースに着替え、父親が迎えに来るのを事務所の隅で待っていた。その時、マネージャーの加奈さんがやってきた。 「渚ちゃん、ちょっと話したいことがあるの……」  何か重大な話があるのだろうと、すぐに察した。いつもは明るい加奈さんの表情が、少し硬い。 「これは私も引き受けるべきかちょっと迷っているのだけど……実は大手メーカーからおむつのCM出演のオファーが来ているのよ」  その言葉を聞いた瞬間、胸の中で何かが崩れ落ちるような気がした。おむつのCM?どういうこと?頭の中が一瞬真っ白になり、言葉が出てこない。 「小学生以上を対象にした商品で、渚ちゃんの年齢がちょうどターゲットなんだって」  加奈さんが続けて説明するのを聞きながら、私は自分の感情を必死で抑えた。私はもう「お姉さん」だ。おむつのCMなんて、どう受け入れればいいんだろう。だけど、来た仕事を出来るだけ断らないと決めている私が、今ここで何と言うべきか分からない。 「……わかりました、引き受ける方向でお願いします」  小さな声で答えた。心の中では混乱と戸惑いが渦巻いていたけれど、外にそれを出すことはできなかった。 「でも、渚ちゃんは……。大丈夫? 無理に引き受けなくてもいいのよ……?」  芸能事務所で私のマネージャーを務めている加奈さんは、今や第二の家族のような存在で、もう何年も一緒に仕事をしている。そして、私がまだおねしょが治っておらず、夜眠る時はおむつが手放せないという恥ずかしい秘密を知っている、数少ない人物の一人だ。 「だ、大丈夫です! 私生活とお仕事は、ちゃんと分けられるので!」  役者としての自負が私の口にそう言わせた。でも、心拍数は上がったままだ。 「そう、じゃあ引き受ける方向で返事をしておくわ。あとあなたのお母さんにも。次の週末にメーカーの担当者と打ち合わせを入れさせてもらうわね。それにしても、渚ちゃん、もうすっかりプロの女優さんね」  どう返事をすべきか迷っている時、スマホに通知が入った、父からのメッセージだ。加奈さんに挨拶し事務所を後にする。  事務所を出ると、いつものように家の車が正面に止まっていた。街灯に照らされて、少し汚れた車体が光を反射している。助手席に乗り込むと、父は微笑んで私を見た。 「今日もお疲れ様。撮影、うまくいったか?」  父のその優しい声を聞くと、私はほっとする。そしていつもの私なら、その日の撮影や、新しく決まった仕事のことを話すだろう。大河ドラマの話をもらった時なんて、飛び跳ねるような気持ちで父に話したことを思い出す。でも、今日は違う。言葉が喉の奥で詰まっている。 「うん、まあね……」  曖昧な返事をして、窓の外に視線を移した。父はいつも通り、私の言葉を待っているはずなのに、私の口からは何も出てこない。話したいのに、話せない。それはきっと、言葉にしてしまえば現実になってしまうからだ。  おむつのCM……。その言葉をどうやって父に伝えればいいんだろう?「子供っぽい」と思われるのが怖いわけじゃない。でも、私は「お姉さん」だから、こんなこと話すべきじゃないような気がする。 「なんだ、今日はあんまり元気ないな。疲れたのか?」  父が少し心配そうに私を見た。その視線が、今の私には少し重たく感じられる。父は、私が「いつも通り」の私でいることを当然のように思っている。私も、ずっとそうでありたいと思っている。でも、今は……。 「大丈夫……ちょっと疲れただけ」  結局、私はそれしか言えなかった。車のエンジン音が静かに響き、窓の外を流れる街の風景に意識を逃がす。心の中では、いつかこの秘密を話せる日が来るのか、それともずっと抱えていくのかを考えながら。  でも、そんなことを考えている自分も、どこかで認めたくなかった。だって私は、夢に向かって進む「お姉さん」だから。きっと、そのことさえ乗り越えれば、もっと強くなれるはずだと思いたかった。  家に帰ると、母が夕食の準備を終えていた。テーブルには湯気の立つご飯と味噌汁、それにおかずが並んでいる。私は父と弟と一緒に席に着いた。 「今日は肉じゃがよ、渚。お腹すいてるでしょう?」  母の明るい声が響く。私は「うん」と小さく返事をし、黙々と箸を運ぶ。  父がテレビのリモコンを取ってスイッチを入れた。夕食の時間にテレビを観ることは、我が家の習慣なのだ。私の両手を広げたくらいの幅がある画面が映ると、そこにはバラエティ番組のひな壇に座る、金色のツインテールの少女が目に飛び込んできた。 「……クリス……」  小さな声で呟く。  西小路クリス、私の役者のライバルで仲間の一人だ。クリスは私と同じくらいの身長で、エメラルドグリーンの瞳と健康的に日焼けした肌が印象的な女の子。父親は京都の出身で、母親はヨーロッパのどこかの国から来た人らしい。「天才子役 西小路クリス」と表示されたテロップの上に彼女が笑いながら周りの大人たちと楽しそうにトークしている姿が映る。  私は箸を持つ手を止め、じっと画面を見つめた。クリスは私よりもずっと大人っぽく見える。一人の役者として、私はお姉さんであろうと努力しているけど、クリスは何もせずともその存在感がある。自分が画面の中にいるクリスと比べて、少し見劣りしてしまう気がして、なんだか悔しかった。 「西小路クリスって言うんだっけ? 最近よくテレビで見るねぇ。渚も負けてられないな」  父が笑いながら言う。私はその言葉に頷くしかなかった。 「うん……そうだね……」  口元に笑顔を作ってみせたけれど、心の中では複雑な思いが渦巻いていた。クリスは私のライバルであり、同じ役者仲間。でも、彼女が自然に大人と交わる様子を見ると、自分がまだ子供のままなのではないかという不安が湧き上がる。  夕食後にお風呂に入るのが私の習慣だ。湯気の中でぼんやりと天井を見上げていると、クリスの姿が頭の中をよぎった。お湯に肩まで浸かると、その温かさが一瞬だけ思考を消し去ってくれる。  お風呂から上がり、バスタオルで髪を拭きながら着替え置き場に目をやると、そこにはいつの間にか母が置いてくれたのであろうきれいに畳まれたパジャマがあった。薄いピンクのフリルが付いた、お気に入りのパジャマだ。だけど、その上に載せられているものを見た瞬間、私は動きを止めた。  パジャマの上に乗っていたのは、布のパンツではなく、かわいらしいイラストが描かれた紙おむつ。色とりどりの文字や絵柄がプリントされたそれは、それが子供のためのものであることを強調している。  手を伸ばして、毎日使っているそのデザインのおむつを軽く持ち上げる。手触りは柔らかく、軽い。そして、無防備なまでに無邪気なデザイン。まるで、私に「まだ子供なんだよ」と言わんばかりだ。でも、これを履かないで寝るなんて……それは、考えられない。  ため息をひとつ、静かに吐く。脱衣場の空気が急に冷たくなり浴室の温かさが急速に消えていく感覚がした。私の手元には、依然としてそのおむつがある。仕方ない。心の中でそうつぶやき、私はそれを広げて腰に通した。  おむつを履くと、夜の失敗を外には漏らさぬよう巧みに設計された腰のゴムと、股下のギャザーが身体にフィットした。その感覚に、少し嫌な気持ちになりつつも、同時にどこか安心感があるのも否定できない。パジャマのズボンを引き上げ、鏡の前で軽く自分を見た。外見はいつもの私。でも、その中にある秘密は私だけが知っている。  タオルで髪を拭いていると、脱衣所のドアがバタバタと開いた。 「お姉ちゃん、まだおむつしてんの?」  弟の声が響いた。彼は笑いながら、私をからかうようにじっと見つめている。今年小学校に入ったばかりの弟だが、もうおむつなんて必要ない。なのに、私はまだこれを履いている。小さな体で無邪気に笑う弟の姿が、今の私には少し遠い存在に感じられる。 「なによ、関係ないでしょ。それに着替えの時は入ってきちゃだめって何回言ったら分かるの」  ぶっきらぼうに言いながら、タオルで弟を部屋の外へ追いやった。弟は、そんな私を見てさらに笑みを深める。普段なら軽く流せるその笑顔が、今日は少し胸に刺さった。  弟は自分が先に「大人」になってしまったことを誇らしげに感じているのだろうか。おむつのいらない弟を見るたびに、私は姉であるはずなのに、どこかで追い越されてしまったような気がしてしまう。  髪を乾かしながら、私は少しだけクリスを思い浮かべた。彼女には、こんなことはきっとないだろう。彼女は本当に大人びて見える。私も、お姉さんになりたい。でも、この瞬間の安心感は、今の私にとって必要なものなのだろう。  髪を乾かし終わり、自分の部屋に戻ると、ベッドに腰掛けた。  自分で引き受けると答えたおむつのCMの話が、心に重くのしかかる。私はお姉さんとして見られているはずなのに、夜になればおむつを履く自分がいる。この秘密は誰にも知られたくない。なのに、どうして今になっておむつのCMなんて話が出てくるのだろう。まるで、自分の秘密が暴かれるような気がして、心が落ち着かない。  ベッドに入る。この瞬間だけは、まだ子供の自分でいられる気がした。お姉さんでいることに疲れた私にとって、この安心感は欠かせないものだった。  でも、クリスはどうだろう? 彼女はきっと、こんな秘密なんて持っていないに違いない。彼女は堂々と、大人の世界で自分を見せている。私は、彼女と比べるとまだ子供のままなのかもしれない……。  お姉さんでいなければならない私と、まだ子供でいたい私。その狭間で揺れながら、私は静かに目を閉じた。 ******  それから数日。今日の朝もまた、目を覚ますとすぐに違和感を感じた。体の下に何かが重く膨らんでいる。それが何かを確かめるまでもなく、すぐに理解できる。おむつだ。  私はそっとシーツをめくり、その膨らんだ感触を確認する。おむつはたっぷりとおしっこを吸い込んで、大きく膨れ上がっていた。そのおかげで、お気に入りのパジャマもその下のベッドも無事だ。  何度見ても、この光景には慣れない。ベッドを汚さずに済んだことに安堵しつつも、自分がまだおむつを必要としている事実に、誰にも見られていないはずなのに、情けなさがこみ上げてきた。 「渚、起きた?  今日、マネージャーさんと新しいCM撮影の打ち合わせがあるんでしょ」  部屋の外から母親の声が聞こえた。母親も加奈さんの事をとても信頼しているから、私が引き受けることを決めた仕事に異を唱えることはほとんどない。幸か不幸か、今回も私の意思をきちんと尊重してくれたようだ。  私は反射的に返事をしながら、一晩の役目を終えたおむつを脱ぎ、くるくると巻いてからおむつの背中に当たる部分に付けられたテープで留め、蓋付きのそれ専用のゴミ箱へ捨てた。 「そうそう、CMにはほかにも同年代の女の子が共演するらしいわ。でも、マネージャーさんもまだ誰が出るのか知らないみたい」  私は外から聞こえる母の言葉を気にしつつ、この依頼を受けた時にも着ていたシャツワンピースへ着替えた。共演する子……一体誰なのだろう? もしかして、クリスだったりして……いやそんなことはないか、私の考えすぎだ。  朝食を済ませてから、私は母が運転する車に乗り込み、事務所へ送ってもらう。  事務所で車を降りると、そこには既に加奈さんがいた。私と母はここで別れ、次は加奈さんと打ち合わせ会場へ向かうことになる。誰が共演者なのかを知る瞬間が、少し怖いような、でも気になるような、そんな複雑な気持ちを抱えながら、事務所の車に乗り込んだ。  車は中心街へ向かい、初めて見る高層ビルの地下駐車場に入って行く。車を降り、加奈さんと共にエレベーターに乗り込んだ。  エレベーターを降りると、目の前には昨晩私が履いたおむつのパッケージにも印字されていた企業ロゴ。今日の打ち合わせは、どうやら依頼企業の本社で行われるようだ。受付の人に案内され、打ち合わせ会場に入る。  そこは会議室で、長いテーブルが長細いロの字のように設置されていた。部屋の照明はついているが、窓にかかるブラインドは閉じられていた。テーブルに設置された椅子の数は、すぐには数え切れないが十以上はありそうだ。部屋の天井からはプロジェクターが吊るされ、右手の壁に掛けられたスクリーンには、今日の打ち合わせに使用するであろうスライドが映し出されていた。  そして私の正面には、まるで私の予感が的中したかのように……パーカーを着た西小路クリスと彼女のマネージャーが座っていた。  さらにその横には、やはりマネージャーらしきの女性と共に座る、もう一人の女の子がいた。  髙橋陽菜だ。彼女もまた、私の役者仲間の一人である。肩までの長さの黒髪に黒目、日本人的な顔立ちが印象的で、そのイメージにぴったりと合う白いブラウスに紺色のカーディガンを身に着けている。陽菜は、数ヶ月前まで放送されていた小学校を舞台にしたドラマで主役を演じており、その演技は大変な反響で、一時社会現象にすらなったのが記憶に新しい。  自分でいうのもおこがましいが、今、日本で最も注目されている三人の子役がそろってこの場にいる。まさかこの三人でCMを撮るとは……一体どんな内容になるのか、私には想像もつかない。 「渚ちゃん、久しぶり!」  クリスが明るく声をかけてくる。私は軽く笑顔を作って返事をしながら、彼女たちの隣に座った。クリスと再会するのは今年の春のバラエティ番組の撮影の時以来だ。陽菜とはもっと長い間会っていなかったと思う。最後に会ったのは、確か去年だ。  陽菜は穏やかな笑みを浮かべながら、クリスと私を交互に見つめた。 「ねえ、今回のおむつのCMって……どんな感じになるんだろうね?」  陽菜がそう言いながら、ふと自分の昔のことを話し始めた。  「私だってもちろん昔はおむつしてたけど、もうとっくに卒業しちゃったよ」  その言葉に、私の心は一瞬だけざわついた。陽菜もクリスも、やっぱりもうおむつなんて必要ないんだ。私はうなずきながら、平静を装って「そうだよね、私ももう全然必要ないかな」と、さりげなく話を合わせる。  本当の私は、まだ夜はおむつをしている。でもそれを言うわけにはいかない。私はできるだけ自然に振る舞いながら、二人に悟られないように気をつけた。クリスと陽菜が笑顔で楽しそうに話している中、私はただうなずきながら、その場に溶け込もうと努力する。  そんな時ドアが開き、濃いネイビーのスーツに身を包んだ女性が入ってきた。軽く会釈した後、柔らかい微笑みを浮かべながら私たちに視線を向けた。この人がメーカーの担当者のようだ。 「おはようございます。今日はお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。本日はこれから進めていくCMのコンセプトについて、皆さんにお話ししたいと思います」  そう挨拶し、手元の資料を軽く見ながら、説明を始めた。 「現在、弊社は新しいマーケティング戦略として、小学生向けのおむつ市場を開拓しようとしています。少子高齢化の影響で、赤ちゃん用のおむつ市場は縮小の一途をたどっています。そのため、これまで未開拓だった大きなサイズのおむつにも注力する必要が出てきています。弊社の各種調査により、このサイズの市場はまだ十分に開拓されていないということが判明しています」  スクリーンに複数のグラフが投影される。内容は私達向けというよりはマネージャー向けで、やや理解が追いつかない箇所があるが、どうやら子ども用のおむつの売上などを示しているようだ。  私は静かに話を聞いていたが、心は動揺していた。小学生向けのおむつの市場? 自分がその広告に出演するのだと改めて思い知らされ、内心で少し身震いする。 「……ですが、私たちはここで一つ大きな課題に直面しました」と言葉を続ける。 「児童の多くは、おむつの着用に強い抵抗を感じています。たとえ必要があっても、恥ずかしいと感じてしまうため、なかなか普及しないという現状があります」  それはそうだ、おむつの使用に抵抗を感じない子などいないだろう。 「しかし、さらに調査を進めると、より深い事実が判明いたしました。たとえ日常生活でおむつが必要ない児童でも、例えばテーマパークで長時間待たされている時や、渋滞中の車の中で尿意を我慢した経験があることが多かったのです。そして、その中の多くが、もし恥ずかしさがなければおむつを使ってみたいと思っていることもわかりました」  その言葉を聞いた瞬間、私の心は一瞬止まったように感じた。たしかに、そういった経験は私にもある。でも、それをおむつで解決するという発想は、恥ずかしさからどうしても受け入れられなかった。 「だからこそ、私たちはこの抵抗感を取り除くために、新しい広報戦略を打ち出すことにしました。それが、今回の『小学生向けおむつ』のテレビ広告や動画サイトでの広告、量販店でのポスター展開です。そして、その広告に出演していただくのが、小此木さん、西小路さん、髙橋さんの三人なのです。今、日本で一番人気のある皆様に出演していただければ、多くの子供たちも、そしてその保護者も、おむつを使うことへの抵抗感が無くなると考えているのです。その日の必要に応じて、眼鏡を選ぶかコンタクトレンズを選ぶように、布のパンツか、紙おむつかを気軽に選べるようになれば、多くの人にとって過ごしやすい社会になるのではないでしょうか?」  広報担当者の説明が終わると、部屋の中は少しの沈黙に包まれた。普通の女の子ならば、きっと恥ずかしさや戸惑いが先に立つかもしれない。しかし、ここにいる三人は、その歳にして既に多くの現場を経験してきた、言わばベテラン。私もクリスも、陽菜も、すぐに理解した。この企画には相当な熱量と予算がかけられていることを。 「既にマネージャーの皆様と日程調整をさせていただいておりますが、撮影は今から一週間後の週末に行います」  広報担当者はそう話を締めくくった。 一週間後。私は、頭の中でその日を具体的にイメージし始めた。クリスも陽菜も、何かを決意したような顔をしている。ここで引くわけにはいかない。私も、彼女たちと肩を並べるプロとして、きちんとこの仕事を果たさなければならない。 ******  撮影が始まるまでの一週間、最も広告効果が高い演じ方をイメージすることが私の今やるべきことだと自覚していた。家に帰ると、すぐにパソコンを開き、動画サイトで「おむつ CM」と検索してみた。  スクロールしていくと、画面に映るのはやはり、赤ちゃんかせいぜい幼稚園児くらいの子どもたちばかりだ。画面の中をかわいらしい笑顔で、おむつ姿で元気に走り回っている。 「やっぱり……」  記憶の片隅にある、幼い頃に見たおむつのCMのイメージとそう違わない。そして、そんな小さな子どもたちのイメージを払拭するために私自身が新しいおむつの広告に出るのだ。  私は役者としての誇りを持ち、どんな仕事にも全力で取り組むと決めているけれど……部屋の隅に置かれたおむつのパッケージが目に入るたび、情けなくなってその決意がぐらつくのを感じる。 「本当に、これでいいのかな……」  その後も家にいる間、普段の生活の中でふとした瞬間におむつのパッケージが目に入ると、そのたびに気持ちが揺れた。プロの子役としての誇りはあるけれど、心のどこかでは、まだ子どもでいたい自分がいる。その未熟さに対する憤りと、自分が抱える秘密が誰かに知られるかもしれないという不安。  でも、決して逃げるわけにはいかない。私は役者であり、たくさんの人が期待している仕事をこなさなければならない。心の中でそう言い聞かせた。  そして、ついに撮影当日がやってきた。私の心臓はいつも以上に早く鼓動している。大きな役を任されたときのような高揚感と、そして別の不安が入り混じったこの感覚。  普段通りの表情を作りながら、私は家を出た。母の運転する車で事務所に向かい、そこで母と分かれ、加奈さんと合流して撮影現場へと向かう。  撮影現場でクリス、陽菜と合流し、共に撮影スタジオに入ると、まず目に飛び込んできたのは清潔感にあふれる白を基調とした空間だった。天井からは薄紅色のカーテンが柔らかく吊るされ、優しい雰囲気を演出している。そこが今回の撮影の舞台だということは一目瞭然だ。このカーテンの前で、おむつの動画や写真撮影が行われる予定だとスタッフから説明を受ける。  次に控室に向かい、私達に用意された衣装を確認した。パーカーやスカート、ブラウスといった一見普通の服が揃っているが、よく見るとどれも腰から下を覆う部分が極端に短い。おそらく、これがおむつを見せるための工夫なのだろう。動画サイトで見た赤ちゃんや幼児向けおむつのCMを思い出すと、確かにどの子も極端に短いスカートを履いたり、時にはおむつだけを身に着けていた。それと同じ理屈なのだろう。  私はその中からまだ大人っぽく見えるであろうやや青みがかった白のブラウスを手に取りながら、これを着た自分がどう見えるのかを想像してみた。役者として数々の現場を経験してきたが、このような衣装は初めてだ。同時に、普段自分が履いているおむつを、多くの人に向けて広告するという行為に、まだ複雑な感情がつきまとっていた。  撮影自体は、極めてスムーズに進んだ。私を含めた三人は、すでに名の知れた子役。十五秒や三十秒のCM撮影などは手慣れたもので、確実に自分たちの役割を果たしていく。  今回のテーマは、日常生活でおむつを履くのは自然なことであると見せることだった。私達は、その衣装のせいで下半身にはほぼおむつしか履いていない状態での演技を求められていたが、それに違和感を全く感じさせない演技をした。薄紅色のカーテンの前で、私達はお互いにハイタッチをしたり、ジャンプをしたりと、女の子らしい可愛らしい仕草を次々に披露していった。  撮影はスケジュールの関係からほとんど休憩もなく朝から昼過ぎまで行われたが、私達の誰一人として疲れた表情を見せることは無かった。 ******  撮影が終わってから一ヶ月ほど経った頃、私はまた新しい現場にいた。今日は来年の年明けから放映されるドラマの撮影を行っており、共演者にはなんとクリスがいる。再会するのはこの間のおむつのCMの時以来だ。  撮影の休憩時間に、加奈さんがスマホを手にして私のところにやって来た。 「渚ちゃん、こないだ撮ったあのCM、ついに完成したって連絡があったわ。ちょっと見てみる?」  そう言って、加奈さんはスマホの画面を見せてくれた。クリスも気になったようで、私の隣に座り込み、二人でその小さな画面に目を向ける。  加奈さんが再生のボタンを押すと、画面いっぱいにあの白を基調としたスタジオが広がった。撮影時に一緒に録音した「これが私達の新しい下着!」という掛け声と共にピンク色のカーテンが柔らかに揺れ、私達三人が並んで映っている。  笑顔で手を取り合い、楽しそうにジャンプをして、ハイタッチをしている。その瞬間、私の視界に映るのは私自身の姿……そしておむつ。あの撮影時に着ていた短いブラウスの下にはっきりと見えるおむつ。当たり前のようにそれを履いている私たちが、画面の中で笑っている。  クリスも一緒に画面を見つめているが、彼女の表情には何の戸惑いもない。むしろ楽しそうに自分の姿を見つめている。私は心の中で少し息を飲んだ。やはり、彼女はプロだ。私も、何も感じないように努めていたけれど、複雑な気持ちが胸の奥で渦巻いていた。  でも、それがプロの仕事。これでいいのだ。誰にもこの気持ちを悟られないように、私はいつもの笑顔を浮かべ、クリスに声をかける。 「……いい感じに仕上がってるね、クリス」  クリスは私を見て、頷いた。 「うん! 渚もすごく自然だったよ。これでまた一つ、お仕事成功だね」  クリスの正直な言葉に、私は小さく笑った。そして、その堂々とした姿を見ていると、私の胸に何かがこみ上げてきた。  あんなに自然に、自信を持って自分の姿を受け入れているクリスに、私はずっと誰にも言えなかったことを、ここで打ち明けてもいいんじゃないかと思った。しばらく考え、そして覚悟を決めた。 「クリス、実はね……私、まだ夜におねしょしちゃうことがあってね。だから、あのCMで撮影したおむつ、実際に毎晩履いてるんだ」  言葉を口にした瞬間、胸の奥が軽くなるような感覚があった。けれど同時に、クリスがどう反応するかが心配で、目を逸らしたくなる。でも、クリスの返事は予想外だった。 「えっ、そうなんだ? 実は私もね、昼間でもちょっとトイレが不安で、いつもおむつを履いてるんだよ」  私は、驚いてクリスの顔を見た。あんなに堂々とした様子でいた彼女が、おむつを常に履いていたなんて、とても信じられなかった。  確かに、思い返せばCMの打ち合わせの時に、おむつはとっくに卒業したと言っていたは陽菜だけだった。 「えっ……本当に……?」  クリスは頷いて、少し照れくさそうに笑う。 「うん、嘘じゃないよ、本当。私、膀胱の発達が遅いらしくて、昔からトイレに間に合わないことがあってね。だから、お昼もおむつを履いてるし、それで普通に生活できるなら、それでもいいって思ってるの。だから、今回のCMの話を聞いた時も、ためらわずに引き受けたんだ」  彼女の言葉に、私は思わず息を呑んだ。クリスは証拠を見せるとばかりに、周りには分からぬようそっと履いているズボンを少しだけにずらした。すると腰の部分に現れたのは、布地ではなく、私もよく見慣れた白く波打つ不織布だった。 「それと、あのCMの撮影の時は、撮影用のおむつを汚さないようにパッドも入れてたの。あの日は休憩もなかったでしょ? だから撮影が終わった後なんかパッドもパンパンになっちゃってて」  私なら決して話せないことをあっけらかんと話すクリス。 「そ、そうなんだ……なんっていうか、すごくいね……!」  私はそんな曖昧な返事しか返せなかった。 「そうかな……? 普通だよ。だって、みんな何かしら不便なことや、他の人に言えないことがあるでしょ?それが私の場合はおむつだっただけ。渚だって同じじゃない?だから、別に隠す必要なんてないと思うよ」  クリスのその言葉に、私は少しだけ救われた気がした。おむつを履くことが特別なことじゃなくて、ただの生活の一部であると彼女は自然に受け入れているのだ。それな比べて私ときたら……。 「うん……ありがとう、クリス」  私は少し照れながらも、感謝の気持ちを込めて彼女にそう言った。クリスはにっこりと笑う。 「私も、渚が秘密を打ち明けてくれて嬉しいよ!」  その瞬間、私も心の中で何かが吹っ切れた気がした。別におむつを履いていても、それでおねしょしちゃってもいいじゃないか。これまで自分が悩んでいたことが急にどうでもよく思えてきた。そしてその時、撮影再開の合図がかかった。  完成したCMが実際に放映されたのは、それからさらにしばらくした後であった。最初の放映は、日曜日の朝、人気アニメの放送時間帯に行われた。朝食を終えたばかりの私は、テレビの前で少し緊張しながらその瞬間を待っていた。  中学生の女の子が魔法少女に変身するアニメの次回予告の直後、画面に流れ始めたのは、クリス、陽菜、そして私が出演したおむつのCMだ。清潔感のある白い背景、薄紅色のカーテン、そして私たちの笑顔。  おむつを履いていることがごく自然なことのように映し出され、軽やかにジャンプしたり、ハイタッチをしたりする私達の姿が次々に映った。  放映が始まって数日の内に、SNS上では、この斬新な演出のCMについての話題が飛び交い始めた。  多くの小学生やその親たちから、トイレの悩みを抱えながらもこれまで誰にも言えなかったという声が上がり、このCMを見て初めて「自分もおむつに頼っていいんだ」と感じたというメッセージが相次いだ。  特に、同じ悩みを持つ子どもたちにとっては大きな希望となったらしく、学校での不安や移動中のトイレ問題に対する安心感を提供するCMとして、大きく受け入れられたのだ。  もちろん、否定的な意見も少なからず存在した。中には「子どもにおむつを推奨するのはどうか」という声もあったが、それらの意見はごく一部に過ぎず、大多数の人々はこのCMを前向きに受け止めてくれた。  私自身もこのCMを通じて、もっと多くの人々が「おむつを履くこと」を恥ずかしいものとしてではなく、生活を支える一つの選択肢として考え始めたことに、少しだけ誇りを感じていた。 ***エピローグ***  それからまたしばらく経ったある日、たまたま私とクリスの休みの予定が重なったのだ、クリスが家に泊まりで遊びに来ることになった。  もう季節はすっかり冬で、昼間だが外は冷えている。クリスからもうすぐ着くと連絡が入り、私は冬物のやや分厚い生地で出来たブラウンのワンピースの上からウインドブレーカーを羽織り、家の外に出た。  車が角を曲がって来た。家の近所ではあまり見ないような、大きくて高そうな四角いワゴン車だ。後部座席のドアが開くと、出てきたのはダウンジャケットを羽織ったクリス。寒いというのに下は膝下くらいの長さのスカートだ。  そして、運転席からはクリスの母親が降りてきた。聞いていた通り外国の人だ。背が高くてスラッとしていて、髪と目の色はクリスとそっくりだ。 「今日と明日、うちの娘がお世話になります。明日のお昼ごろにまた迎えに来ますので」  クリスの母親は、こちらが驚くほど流暢な日本語で私の母親と私に挨拶すると、再び車を運転し、去っていった。 「渚ちゃんのお母さん、渚ちゃん。よろしくお願いします」  クリスを家に招き入れると、母親が紅茶とクッキーを用意した。今日の為にデパートで買い揃えておいたものだ。  私の家族四人とクリスで、クッキーを食べながら様々な話をした。その中には、私達二人が演じたおむつの話も少しあったが、母親が私を気遣ったのだろう、長く話し込むことはなく別の話題に移った。  その後、私は部屋でクリスと一緒に過ごすことにした。  二人で遊ぶことのできるテレビゲームの電源を入れ、コントローラを一つクリスに渡した。久しぶりに女の子同士で遊ぶゲームはとても楽しく、気づけばずいぶん長いこと座りっぱなしだった。 「よし、このステージもクリア!」  私が声を上げると、クリスも「やったね!」と言って笑顔を見せる。  その瞬間、少し変な間があった。もじもじと、なんとなく落ち着きがないように見える。 「大丈夫?」  そう尋ねると、クリスは少し恥ずかしそうに顔を俯けた。 「実は、トイレに行きたかったんだけど、もう行かなくても平気……っていうか……」  私は一瞬、意味がわからずクリスを見つめたが、すぐに何を言いたかったのか悟った。クリスは笑顔を浮かべている。 「渚ならいいかなって思ってさ。今日だけはズルしちゃった」  どうやらトイレに行くことをわざと諦めたようだ。クリスのその無邪気な表情に、なんだかほっとする自分がいた。私たちはお互いに、いつの間にかそういうことを受け入れられる関係になっていたんだ。 「うん、全然いいよ」  そう私は微笑み返したが、クリスの視線がなおもこちらから離れない。これはもしかして……。 「じゃあ、取り替えようか……?」  恐る恐る聞くと、クリスは少し照れながらも頷いた。  私は部屋の隅に置かれたパッケージを手元に寄せ、机の上に常備してあるウェットティッシュを手に取った。  クリスは立ち上がり、自らスカートをたくし上げた。中に見えるのはパンパンに膨らんだおむつ。このゲームの間だけで出たおもらしの量ではない。もしかして……いや、きっとこうしておむつ替えをしてほしくて、朝からちょっとずつ何度も何度も、おむつの中におもらしをしてきてくれたのだろう。そういえばクリスが家に来てからは一度もトイレに行っていない。クリスの家の車にトイレが付いているとも思えないし、かなりの時間トイレに行っていないことは疑いようも無かった。  私はクリスのおむつのサイドステッチを破くか、そのまま脱がすかで少し悩んだが、結局そのまま脱がす事にした。両手でクリスのおむつの腰あたりの部分を優しく掴み、下に降ろした。  床の上にどすりと音を立てて落ちたおむつは、やはり相当な量のおしっこを吸収していた。吸収体はお腹から背中まで薄い黄色に染まり、今のおもらしで吸収量の限界をわずかに超えたのだろう。まだ温もりを保ったおしっこがギャザーと吸収体の間に滞留している。  ウェットティッシュをクリスに渡し、自ら拭いてもらったあと、パッケージから新しいおむつを一枚取り出し、クリスに履かせた。 「渚、ありがとう! ……ねえ、渚は夜しかおむついらないのは分かってるけど、もし嫌じゃなければ、今日はこれから履いてみない?」  ちょうど私もそろそろトイレに行こうかと思ってはいたが、予想していなかったクリスからの提案。どうしよう、いくらCMを撮影したからといってもそれには少し抵抗があった。 「渚、大丈夫。メーカーの人も言っていたでしょ。メガネかコンタクトを選ぶみたいに布のパンツかおむつか選べればいいって。ゲームに集中するためにおむつを履くのはおかしなことじゃないはずよ」  そう言うとクリスは、私と同じようにパッケージからおむつを取り出した。 「ほら、恥ずかしくないよ」 「うん……確かにクリスの言う通りかも……」  そう答える私は、それでも少しドキドキしながらワンピースの中に手を入れ、布のパンツを脱ぎ、おむつを履いた。 「ふふ、私とおそろいだね!トイレ、卒業だね」  クリスがからかうように言う。トイレを卒業するという表現は初めて聞いたが、つまり、今日はおむつの中に出しちゃっても良い日ということか。私はワンピースの上からおむつを撫でた。  ゲーム中に何杯も飲んだ麦茶やジュース、それが下腹部にどっしりと溜まっている。  ところがおむつを履いているとは言っても上手く力を抜くことができない。 「渚、ちゃんとお姉さんなんだね。でもね、今日は我慢しなくて大丈夫だよ」  クリスはそう言うと私にギュッとハグをした。どこまでが演技か分からないが、緊張した私の心を解きほぐす、温かくて優しいハグだ。私もクリスの背中に手を回した。クリスが耳元で囁く。 「もう我慢しなくていいんだよ……」  その言葉がトリガーとなり、私は下腹部の力を緩めることが出来た。途端、何時間も我慢し続けたおしっこが一斉に出口へ殺到する。 (じゅ……じゅ……じゅわあああ)  いつもならトイレに流れていくそれが、おむつの中へ注がれていく。  しかし、おむつはそれをただの一滴も漏らすことなく吸収した。股の下だけ、お風呂の中に入っているような温かさを感じる。生まれて初めてのわざとのおもらしを終えた私がその時どんな表情をしていたか分からない。  それから私はクリスにおむつを履き替えさせてもらい、母親に夕食へ呼ばれるまで、麦茶やジュースを何杯も飲みながらゲームをした。その間、小さな尿意があるたびにじわじわと小出しにした。  私の家族との夕食後、お風呂の時間となった。クリスと一緒にお風呂に入るのは初めてだったけれど、不思議と緊張はしなかった。  脱衣所で服を脱ぐと、あらわになるのはお互いのおむつ。パンパンではないものの、複数回のおちびりを受け止めたおむつは少し膨らんでいた。  おむつを抜いで、脱衣場の隅に置かれたゴミ箱に入れてから浴室に入った。湯船に浸かると、全身がぽかぽかと温まって、日中の疲れがじんわりと溶けていく。 「今日、楽しかったね」  クリスが笑顔で言った。私はその言葉にうなずき、彼女にシャワーをかけてあげながら、ふたりでいろんな話をした。テレビの仕事や、今度の撮影のこと、そして子役としてのお互いの悩みや夢。普段は話せないようなことも、自然と口にできる。クリスが隣にいると、もうどんなことでも正直に話せる気がした。  髪を洗い終えたあと、私たちは湯船でしばらくの間、静かに目を閉じてリラックスしていた。湯の音だけが響き、まるで時間がゆっくりと流れているようだった。  お風呂から上がると、脱衣所に並んでいる二着のパジャマと、その上に置かれたそれぞれのおむつが目に入った。以前の私なら、この瞬間が一番苦手だっただろう。でも今は違う。もうおむつを見ても、嫌な気持ちにはならなかった、  私は手に取ったおむつを広げ、その感触を確認した。肌に触れる部分はふわふわとしていている。クリスも同じように、おむつを手に取り、履き始めている。その姿を見て、私も自分のおむつを履いた。パジャマの上からだと、ほとんど目立たない。私たちだけの秘密の安心感がそこにある。  二人で髪を乾かしあい、部屋に戻った。 「準備できた?」  クリスが私に微笑んで言った。 「うん、準備できたよ」  ふたりでベッドに入ると、心地よいシーツの感触が私たちを包んでくれた。ベッドに入ると、クリスが隣で布団をかぶりながら小さく笑った。 「今日はほんとに一緒だね」 「うん、一緒」  そして同じベッド、そして同じおむつ。クリスの温もりを感じながら、私はいつもより深く呼吸をした。  下半身には感じるおむつの感触。そのフィット感が身体を包み込み、そして何よりクリスが隣にいてくれることで、私はただ心地よさに浸っていた。 「おやすみ、クリス」 「おやすみ、渚」  お互いに優しく声を掛け合い、私はそのまま目を閉じた。クリスの存在と、安心感に包まれながら、私はまるで赤ちゃんのように、穏やかな眠りへと落ちていった。


(おしまい)

Comments

お読みいただきありがとうございます! いつも(ここまでの文章にはなっていませんが)こんな感じで登場人物の設定が作者の脳内に浮かべて絵を描いています! 今回は陽菜ちゃんは本当に卒業している設定ですがしかし!地方ロケの長距離移動での失敗を期におむつ沼にハマってしまうとか、そういうパターンもありですね🤔🤔でもその辺りは皆さんの想像にお任せします💪💪

池野くるめ

楽しませて頂きました! 絵のイメージが更に膨らみ、味わい深くなりました。 プライベートのおむつ描写が無かった髙橋陽菜ちゃんの掘り下げも、ちょっと期待してます…!

鳥飼扇

ハッピーエンド大歓迎なので今後もお願いします! 渚は沼にハマらないながらも、クリスと二人きりの時だけはおむつで楽しんでいると思います。 おねしょを卒業してからも、ときどきクリスと二人でおむつの安心感に癒されていることでしょう。 ありがとうございました!

いつもコメントありがとうございます! 基本的にハッピーエンド大好き人間なのでハッピーエンドになりがちです! 今回は絵の段階でいい感じの設定になったので皆さんからの希望と勢いで小説にできてしまいました!ありがとうございます!このまま渚ちゃんがおむつ沼にハマってしまうのか…それとも一回だけの遊びでおしまいなのかは自由にご想像いただければ…!!

池野くるめ

小説のリクエストに応えて頂きありがとうございます! お姉さんであろうとする渚の心をクリスとのふれあいで解けていくのがいいですね。 渚が自分からおもらしする瞬間がたまりません。 朝になったらきっとクリスは渚に併せて自分からおむつを濡らすのでしょうね。 パジャマの上から膨らんだおしりも見てみたくなりました。 また、これだけフェチ心をくすぐるのに、温かい気持ちにさせてくれる読後感が最高です! 素晴らしい作品をありがとうございました!

コメントありがとうございます!!主人公が一人で悩むと思わせておいてライバル視してた子の方がヘビーユーザーだったパターンです!翌朝の会話はご想像にお任せします…っ!🙏🙏

池野くるめ

最高ですね! あの3人のうち2人がリアルユーザーとは思いませんでしたw 渚とクリス、朝どんなやりとりをするのでしょうかね?✨

yu


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