デカチンポウイルス〜最初の感染者【第2話】
Added 2018-06-17 13:53:32 +0000 UTC「それでは続いて身体検査の方に移らせていただきます。」 最後のパンツも脱ぎ捨てて、素ッ裸になった沢村に草岡が近づいてくる。 恥ずかしさを感じさせないためか、こちらと視線を合わせないようにしているのがわかるが、その割にはしっかりと体の中心部、沢村の男の象徴がぶら下がる股間の辺りを一瞬だがネットリと見られた気がしたが、考えてみたら今回の治験はペニス増大薬の効能を確かめる為のものということであったし、それも仕方ないものかもしれない。そうは思いながらも、その一瞬の絡みつくような草岡の目つきが脳裏から離れない沢村であった。 しかし、その後の身体検査では再びその熱視線に晒されることもなく、冷徹の仮面でも被っているかのような草岡に淡々と身長や体重、胸囲やウエスト、太ももの太さまで測られるうちに、沢村は先ほどの草岡の一瞬の変貌のことなど忘れてしまっていた。 一通り計測が終わると少しそこで全裸のまま待つように言われ、草岡は壁際の棚に向かった。 「では最後にペニスの計測に入らせていただきます。」 そう言いながら新品のゴム手袋を嵌めながらメジャーを持って戻ってくる。 ゴム手袋は手術に使われるような薄いもので、コンドームを彷彿とさせたが、さすがにこの年齢になるとそんなものを連想するだけで勃起するようなこともない。 悪くない顔、弛まぬよう気をつけた体、それなりに築きあげていた地位。それら全てを一時は手にしていた沢村は、コンドームの世話になった回数などは3桁では足りないほどであった。 先ほど質問された陰毛の生え始めた頃は、自分がこんな大人になるなんて思ってもいなかったっけな。そんなことを思い、自身のムスコに目をやる。 子供の頃に恐る恐る剥いた真っ赤な亀頭は今やドス黒く変色していたし、生え始めた頃は気恥ずかしさも感じていた陰毛はフサフサと茂り、すっかり体の一部になっている。睾丸もいつしか精子を作り始め、2人の息子を作り上げるまでに成熟した。こんな風になるなんて、ガキの頃の俺からしたら、想像もつかないんだろうな。ましてや、それを凡ミスで吹っ飛ばして、こんな実験動物まがいのことをする羽目になってるだなんて。そう考えるとなんだか悲しくなりそうだったので沢村は考えることをやめた。 「ではまず平常時の長さから。」 極めて機械的に草岡はそう言うと、沢村のダランと垂れた陰茎に手を出した。余計なことを考えるのもちょうど中断されたし、ちょうどいいだろう。少しヤケになったような気持ちで沢村はそのままチンポを差し出す。 「11.6cmですね。では続いて太さを。」 そう言って沢村のチンポをつまんで持ち上げる草岡。 白衣を着た鉄仮面の男が自身の陰茎を計測している姿を上から見下ろすのは面白いもので、不意に沢村の中に悪戯心が湧いてくる。 「太さもOKです。では続いて…。」 クリップボードに沢村の身体計測データを記入していた草岡が、沢村のチンポから目を話しているすきに、沢村は自身のムスコに肥大化することを命じてみた。こんな状況でうまくいくか疑問だったが、思いのほかムクムクと育ったムスコは年齢を感じさせない角度で天井を睨みつけている。もちろん先端部分はパンパンに張り詰めて赤黒くテラテラと蛍光灯の光を反射していた。 「…。」 黙り込んでしまった草岡に 「どうしました?次は勃起時のサイズが必要なんですよね?先に立たせてみたのですが?」 大人の男の余裕をわざとらしく顔にはりつけ、沢村は草岡に尋ねた。 何百、何千と使い込まれた沢村のチンポは、主の意のままにそびえ立ち、草岡を挑発するようにクイクイと揺れて見せる。 若い頃は営業という職種もあってか、接待の場などで悪ふざけの延長のような宴会芸を披露することもあった。 いわゆる「チンポの乾く暇もない」生活を高校生の頃から送ってきていた沢村にとっては、ちょっとした親睦に使えるのであれば自身のムスコをさらけ出すことには何の抵抗もなかった。人よりは大きい沢村のそれは場を白けさせるようなこともなく、むしろそうすることで若干の嫉妬と羨望が周囲の男たちの顔に浮かぶのが気分が良かったりするものだから、少し彼にはやり過ぎるところがあったといえばそうなのだが。 全くの無表情を崩さず、無言を貫く草岡に研究室勤めのインドアな若造には刺激が強すぎたか、少し悪ふざけがすぎたかとやきもきするくらいの沈黙が流れたあと。 「いえ、大丈夫です。ご協力いただきありがとうございます。」 そういうと手袋のゴム越しに容赦なくチンポを握ってきた。 「勃起時の長さは…ご自身の感覚では今で最大の状態ですか?」 「そうですね。これが一番大きい状態だと思います。」 「かしこまりました。念のため勃起促進剤も用意してましたが、不要だったようですね。」 50を過ぎた自分の年齢ではもう男として枯れていると思われたのだろうか。その物言いに少しカチンときてしまった沢村は 「これでも1年前までは現場も飛び回って大忙しでしたからね。接待で女の子のいる店に行くこともあったし、筋トレもチントレも欠かしてませんでしたから。まあ、草岡さんみたいな方は難しいことを机の前で考えるのが仕事でしょうから、私みたいにあくせくしなくてもいいんでしょうけどね。」 言ってから少しトゲがあり過ぎたかと気になってしまったが、この鉄面皮の研究者にはそんな心配は杞憂だろうとすぐに思い直した。 言われた瞬間は一瞬、草岡の手が止まったが、それも0.1秒もなかっただろう。 「そうですね。学生時代から研究尽くしでしたから。沢村さんみたいに活動的な方が健康面でも理想的でしょうね。」 と何の感情も感じさせない声で返し 「勃起時で最大17cmですね。これは元々かなり大きな陰茎の部類に入ります。治験結果によっては最大で20cm程度まで増大してしまうかもしれませんが、大丈夫ですか?」 「デカけりゃデカイ方がいいでしょう。大は小を兼ねると言いますから。」 「スーツなどに膨らみが出てしまう恐れもございますが。」 「その時はその時ですよ。ジムでバイクでも漕いで太ももを太くすれば目立たなくなるでしょう。」 「はぁ…まあ、ではサイズのデータの採取は完了しましたので、最後に射精検査を行わせていただきます。事前にご説明した通り、飛距離などもデータ採取したい為…」 「ここでヌけばいいんですよね?要するに。」 「そうですね。あと、ひとつお願いがあるのですが、お顔は撮りませんので、ビデオ撮影をさせていただいてもよろしいですか?ちょっと今後の研究の為に、沢村さんのような大型の陰茎をお持ちの方の射精シーンは貴重なデータになると思いまして。」 少し悩んだが、顔は映さないというし、「大型の陰茎」「貴重」というワードが沢水の自尊心をくすぐった。 「構いませんよ。いい男に撮ってくださいね。」 「だから顔は映らないんですってば。ありがとうございます。」 そう言って笑いながらカメラを棚から取り出した草岡に 「草岡さん。あなた笑うんですね。」 「えっ?」 「検査の時も、最初から会った時もずっとなんていうか無表情だったので、少し意外でした。」 「…昔からよく言われます。」 少し彼の心を開かせていたのではないかと沢村は自負しかけていたが、またすぐに無表情に戻ってしまった彼を見て、失敗したというよりも、なんだか申し訳ない気持ちになった。 「では、マスターベーションをお願い致します。何か性的刺激となるものが必要でしたら、雑誌やビデオをご用意できますが。」 「いや、いいです。この年齢になると今までの記憶だけでヌくなんてこともできるようになるんですよ。」 自身の年齢を認めるような言葉は沢村は負けた気がして好きではなかったが、草岡への若干の申し訳なさからかそんな言葉が素直に出た。それに今言ったことは嘘ではない。 目を瞑って人よりも大きめの陰茎を握る彼を見ていた。初めて見た時から心が彼を離さなかった。彼は知らないだろう。自分がまだこの製薬会社に入りたてだった頃、倉庫から資材を持って研究室に戻る途中で、帰社した彼とすれ違った。 年齢的にも間違いなく上司にあたるとわかった為、少し横にずれて道を譲り 「お疲れ様です。」 と声をかけた自分に 「おぅ、君もお疲れ様。」 と快活に笑い去って行く姿が忘れられなかった。 思わず振り返って彼の姿を目で追うと 「おかえりなさいませ!」 と多くの部下たちに慕われている姿が目に入った。 「今回もうまくいきそうだぞ!みんな頑張ったな!」 爽やかに笑うその笑顔が向けられる彼の部下たちが羨ましかった。 理系の学校は根暗が多いなんてのは、作られたイメージでしかない。学生時代も周りはちゃんとコミュニケーションを取っている人間だらけで、いつも自分は1人だった。それが嫌だとか辛いと思うことは滅多になかったくらい自由が好きだったけれど、大人になるにつれて恋人やかけがえのない友情を築き上げて行く周囲の人間を見ていると、自分は誰からも必要とされないような気がしていた。 単に成績的に問題がなく、手に職をつけたくて進んだ薬科大学で身につけた知識を活かして、この会社に入ってすぐ、彼に出会って自分の内面は大きく変わった。 彼に必要とされたいと思った。彼のように燦然と輝く人の側にいたい。こんな気持ちは初めてで、草岡はショックを受けた。 恋と呼ぶのであろうその感情と、その感情の矛先が同性である男に向いていたこと。 そこから草岡はひたすらに研究に没頭した。男性の性機能改善の薬の新規開発が会社全体の方針として力が入れられることが決まった時も、あまり誰も手を上げない中で進んで立候補した。 いつかそこでできたものが、彼に使ってもらえるかもしれない。病気ひとつしなさそうな健康な肉体を持つ彼も、やがて年齢的に衰えを感じるとしたらそれはきっと性器だと、あの時の自分は思い込んでいた。 こうして草岡は「いつか」「自分の知らないところで」自分の開発したものが彼の支えにならないか。そんな邪な気持ちで研究を続けていたのが、今こんな形で目の前で実現していることが信じられなかった。 憧れの男は低く時折唸りながら絶頂へと登って行く。全身の筋肉が張り詰めて、照りついて、一流の彫刻のようだ。今までに抱いてきた女の記憶で彼は自慰ができると言った。当たり前だが自分のことを考えてオナニーをしてくれているわけではないのが悔しかった。 しかし口から出まかせで「データ採取のための撮影」なんてよく思いついたものだ。 このビデオは一生の宝物になるだろう。 顔は映さないと言ったが、少し角度をつけてちゃんと全身を映している。白衣の下では草岡の陰茎も痛いくらいに勃起している。これに彼が気づいたらなんと言うだろうか? 「…っいくっ!」 絶頂は突然に訪れた。 全身の筋肉がビクンッビクンッと波打ち、迸るように彼の剥きあげられた亀頭から白い精液が噴射された。 この種が、この男の睾丸で蠢いていた無数の彼の遺伝子の塊なのだと思うとますます股間が熱くなるのが感じた。この種がこの男の子供の素となり、この男が生きた証を次の世代に紡いだのだと思うと、それを見届けたのが自分ではないことに言いようのない疼きを感じた。 先走り液が出ているかもしれない。安い生地のトランクスが張り付いて、なんだか先端が湿っているような気がする。 その瞬間にゴクリと喉仏が鳴ったのには気づかれていないことを祈りながら 「ありがとうございました。検査は異常で終了となります。」 放たれた白くギラつく粘液からは目を離せず、極めて機械的に言葉を発するので精一杯だった。