デカチンポウイルス〜最初の感染者【第4話】
Added 2018-08-04 12:48:57 +0000 UTC「それでは皆様、食事が終わりましたらお配りするサプリメントをお飲みになってください。」 食堂で集団で食事を取った治験参加者たちに白衣を着た草岡が告げる。 「沢村様、相澤様、金本様は4週間治験とのことでこちらの錠剤をお飲みになって下さい。」 そう言ってペットボトルの水と真っ白な錠剤が手渡される。 「一体どういう仕組みなんでしょうかね?そもそも何でできてるんだろう?これ。」 そう言って相澤が笑いながら手渡された錠剤を口に放り込んで水を飲んだ。 その隣を見ると無言でこちらを見ないようにして金本も同様に渡された錠剤を飲みこんでいる。 元はと言えば、別に自身の逸物に問題などなかったし、なんでこんな治験に参加する羽目になったのか思い返すとため息が出そうになるが、ここではこの製薬会社と関係があるということは伏せなければいけないと言われてるし、会って間もない相澤にこんな話をしても向こうも反応に困るだろうな。 心の中で少し自嘲しながら沢村も諦めたように渡された錠剤をのみこんだ。 視線を感じたような気がして目線を上げると草岡がジッとこちらをみているのがわかった。事情を知る彼のことだから、俺が飲んだふりをして飲まないことでも危惧したのだろうか。そんな心配は杞憂だと言わんばかりにわざとらしく水をがぶ飲みして喉仏をゴクリと動かしてやると目を逸らされた。納得してもらえたらしい。 「この後は就寝時間まで自由時間になります。激しい運動などを控えていただけましたら、どう過ごされても構いません。薬の関係がありますので、入浴は今から1時間以上過ぎてから行って下さい。それではまた明日の朝食時にこの食堂で皆さまに朝の分のお薬をお配りしますので、本日はお疲れ様でした。」 それを聞いて男たちはぞろぞろと食堂を出ていく。 沢村も部屋に戻って本でも読もうかとその人並みの流れに乗ると 「沢村様、相澤様、金本様の3名は連絡事項がございますので少々お待ちください!」 手をメガホンのように口に当てて草岡が叫ぶ。 なんだろう?何かしただろうか?でもそれなら同じ部屋の3人だけ残されるなんてないだろうし…思案しながら草岡のもとへと向かうと金本と相澤は既にその横に立っていた。 「どうしたんですか?」 沢村が尋ねると 草岡は食堂を出る男たちの波を目で追って、全員が退出したのを見てから 「4週間コースの治験にご参加されている方には睾丸への注入薬の治験もございまして…入浴後に再度お部屋に伺い薬を投与させていただきますのでそのご連絡を。他のコースの方々にはないものですので、こうして集まっていただきました。」 と草岡は告げた。 そういえばそんなのあったなぁ…と他人事のように思い出し、もう今更どうでもいいと思い 「ああ、ありましたね。じゃあまた後で部屋で。」 「それもそうなんですが…実はあの合同部屋には他の個室のようなシャワーが完備されておりませんでして…。」 そして何故か沢村・相澤・金本・草岡の4人は洗い場が2つある家族風呂のような風呂場で素っ裸で立っている。一体どうしてこうなったのか。 「は!?そんなの聞いてないですよ!」 部屋にシャワーがないことに真っ先に噛みついたのは金本だった。 「こちらも多数のご応募をいただけると思いませんで…さらに4週間コースを選べくださった方は3名でしたので、経過を長く観察するためにも同室にさせていただいたのですが、いかんせん元々は職員用の部屋でしたので、浴場は共同のものしかありませんでして…。」 「それなら最初から言ってください!…まあ、いいです。共同浴場と言っても1人ずつ入らせてもらえるんですよね?当然ですよね?そちらのミスなんだから。」 「はあ…それは構わないのですが、就寝の12時までには全員の入浴を済ませていただかなければいけませんので、同じお部屋の沢村様と相澤様のご都合も伺いませんと…。それに薬を投与する関係もありますので、皆様の実質入浴可能な時間は30分程度ですので、その間に3名が入れ替わういで入られるよりは、洗い場も2つですし湯船も大きめのものですので、ご一緒に入っていただく方が…。」 「そんな…。」 それを聞いて金本が絶望したような顔をする。 こいつはそんなに俺たちオッサン連中と風呂に入るのが嫌なのだろうか。 「治験に来てるんですから、研究員さんのいう通りにしましょうや。」 相澤がイライラした顔で金本に向けて言う。だが金本は顔を下に向けて全くこちらを見ない。 「おい、お前さっきから感じ悪いぞ。」 堪りかねた相澤が怒鳴り声の入り混じった声で金本に感情をぶつけた。 「相澤さん、そんな怒らなくても。彼にも考えることがあるんだろうし。」 「沢村さん、黙ってて下さい。こいつ自分勝手すぎるんだよ。」 「…。」 「申し訳ございません…私どもの不手際で…そこまでお嫌だとは想像もできなかったものですから…。」 「草岡さんも謝る必要なんかねえよ。おい、金本。お前に言ってんだよ。聞いてんのか?あぁっ?」 そう言って相澤が金本の肩を鷲掴みにすると 「…すみません。」 蚊の鳴くような声で金本が答えた。 さすがにそこまで落ち込むと思わなかったのか 「いや…わかりゃいいんだけどよ…。じゃあ、とっとと風呂入ろうぜ。あっ、まさかお前あれか?チンポ見られんのが恥ずかしいのか?だったら絶対俺の方が恥ずかしいよ。俺のなんて親指の先っちょくらいしかねえんだぜ?笑えるだろ?いかつい顔とタッパしてんだけど、そこだけはいかつくなんなかったんだよなあ。」 ハハハと豪快に笑い飛ばしながら相澤が鷲掴みにした肩をバンバンと叩いて金本を励ます。 「あの…相澤様、大変空気を和ませていただいてありがたいのですが、今夕食後の投薬をしたばかりですので、1時間は待っていただいてから入浴していただくことにい…。」 「…。」 「…。」 気まずい沈黙が食堂を覆った。 部屋に戻って沢村は何も言わずに本を開いた。何を話せばいいかわからなかった。 相澤も相澤でピエロになり損が気まずかったのか、スマホを片手にふて寝して何も話さなかった。 金本もカバンを漁って荷物を整理しているようだったが、カバン一つでそれはあまりに時間をかけすぎて不自然だった。 草岡が部屋に来て 「皆さま準備ができましたら、そろそろ入浴をお願いします。私も治験期間中は泊まり込むので、よかったらご一緒してもよろしいですか?」 とタオルを抱えてやって来てくれたのが天の恵みに見えた。草岡なりに気を利かせてくれたのだろう。 そして男4人が風呂場に立っている図の出来上がりだ。 湯船にタオルを持ち込めないと頑なに言い張る草岡に根負けして、タオルも持たせてもらえない。 掌であわ立てて洗う方が肌に良いんですよ!と熱弁していたが、彼の気の使い方は方向性を間違えてる気がする。 金本はサッカーのPKのように両手で股間をしっかりと覆いっぱなしだし、相澤は俺の股間にぶら下がる逸物を見てから 「なんであんたこんな治験にきたんだ?」というような訝しげな顔でこちらを見ている。 「30分しかないので、早く体を洗ってしまいましょう!」 草岡に促されて俺たちは洗い場に向かうが、何故この男はこんなにも張り切っているのだろうか。 そんな横を見ると、金本は片手を決して股間から外さずにボディソープを手にとっている。全身に片手で石鹸を塗り広げながら「絶対に見せないぞ」と溢れんばかりの気概でもう片方の手でイチモツを隠し通す姿を見ていると、宴会芸でそんなのがあったなと若い頃の接待を思い出す。 相澤は吹っ切ったかのようにフルチンでさっさと体を洗い始める。確かに宣言通りに彼のイチモツはかなり残念なものであった。がっしりした体は筋肉に脂がのって男っぷりをあげているし、顔だって野性味が溢れているが悪いもんじゃない。それに反して子供のようなすっぽり皮かむりのイチモツをブルンブルンさせながら、ちゃっちゃと体を洗う様は金本と正反対で見ていて少し面白かった。 入浴が終わって部屋で待つように言われた。3人ともお揃いの入院着のようなパジャマを渡されてそれに身を包んでいる。 これからいよいよ睾丸注入とやらを行うらしい。 「なんか、怖いですね…。」 ずっと無言だった金本がそう呟く。 「金になるならと承諾したけど、確かにな…。」 相澤も不安な気持ちは同じようだ。 「痛みとかあるんでしょうかね…。」 俺のつぶやきは無視される。心なしか風呂で俺の逸物を見てから相澤と金本が謎の結託をしているような気がする。 まあ俺はここの関係者だから、ゲストである2人が少しでも円滑にいけばいいさと営業マン時代を思い出して心のうちで涙を飲む。 「失礼します。就寝前の投薬に参りました。」 草岡がワゴンを押してガラガラと入ってくる。白濁の液体が入った注射器の先端にゴムチューブやら金属の棒がついたものが乗せられている。できれば見たくなかった。 「準備はよろしいですか?整った方から始めさせていただきます。」 この場合の準備とは何なのか。よくわからなうが誰も何も言わない。草岡がチラチラと俺を見てくる。…なるほど、そういうことか。 「私からお願いします。」 土壇場で踏ん切りのつかない人も少なくないのだろう。俺の仕事は多分こういうことだったのだ。 「では沢村様から始めさせていただきます。」 そう言ってオペ用のゴム手袋をはめた草岡が俺のベッドにワゴンを押して近づいてくる。 入院着のような寝巻きは簡単にご開帳できるようになっている。なるほど、こんな格好させられたのはこのためか。 「では注入を開始します。」 「おい、このままやるのか?」 思わず素に戻って尋ねてしまう。 「このまま?」 「パーテーションとか。」 「申し訳ありませんが、ございません。」 えぇっ!?と絶望的な金本の声聞こえたが、絶望してるのは俺の方である。これじゃあ見世物モルモットじゃないか。 「え、ちょっ。」 「では始めますね。」 問答無用で逸物を鷲掴みしてくる草岡。 牛の乳搾りのような巧みな動きで俺のムスコを勃たせようとしてくるが、今ひとつ物足りない。 「うーん、やはり重度のインポテンツの患者様は硬さをなかなか得られないですね。勃起できなかった時用の金属カテーテルを使って投与させていただきますね。」 おい、俺は重度のインポなんか患っちゃいない。お前の生半可な刺激のせいだと言いたかったが 「そうか、それで…みんないろいろあるもんなんだな。」 草岡の向こうから無遠慮にこちらを覗き込んでいた相澤が勝手に納得して金本と顔を見合わせて頷いている。どうやら草岡なりに気を使ってくれたようだ。4週間も一緒だもんな。ありがとう。でも俺はインポテンツではないのだが。 そうこうしてるうちに亀頭の先端に無慈悲に金属棒が差し込まれた。 「挿入しますね。」 ゼリーみたいなのが塗ったくられてるが痛い予感しかしない。 「中に入れてしまうと物理刺激で強制的に勃起してしまいますので。」 挿れることは数多ある人生だったが、挿れられるのは初めてだ。50になってチンポの処女を失うのか。なんだか色々失う気分だ。 予想に反して痛みはなかった。ヌルリ、ヌルリと少しずつ自身の肉棒に金属棒が埋め込まれていくのを見るのは不思議な気持ちである。 「奥に到達しましたので、薬入れますね。」 「ああ…。」 なんだか体を全て征服されてしまったような気分で気怠げに返事をする。 しかし白く濁った液体が注射器越しに俺の体内に入って来たのが見えた瞬間。なんとも言えない疼きのような感覚が睾丸を中心に全身に走って 「うぉぉおっ!?」 と雄叫びを上げてしまった。 それに相澤を金本が驚いている。 「ぐぉおおっ…がぁあっ…。」 目を見開いて太い声で喘いでいるにが自分でもわかる。 「大丈夫ですよ。逆流する違和感で感覚が過敏になっていますが、悪影響のあるものではありません。」 草岡が冷静に説明するが、そんなものではない。 何か、俺の中に全く違う何かが潜り込んでくるかのような、俺が俺じゃなくなるような、そんな感覚を脳のどこかで感じていた。 けれど肉体箱に変化をむしろ受け入れているようで、俺の逸物はますます硬さを増していたし、全身の筋肉にこれまで感じたことのない躍動感が走っている。あり得ないことだが、あの注射器の中身が入ってくるなり即効で俺の体を作り変えているかのような… 唸り声をあげながらチンポ越しに液体を入れられた。睾丸が心なしか膨らんでいる気がする。 「はい、終わりました。棒ももう抜きましたよ。気分は悪くなどないですか?」 いつの間には全て終わっていたようだ。 熱い。 金玉が、チンポが、そして全身が熱くて何も考えられない。 なのに俺の口は 「ああ、全然大丈夫だよ。棒があるっていう違和感だけだな。抜かれたらなんともない。」 なんてことを口走っていた。 じゃあ、お次はどちらにしましょうか? 「「俺が。っぼ、僕が」」 熱に浮かされたような顔で相澤と金本が先を争って薬の注入を求めている。 2人ともあんなギラギラした顔つきだっただろうか。 草岡までも心なしか頬が上気しているように見える。 頭の奥は冷静にそんなことを観察しているのに、俺の9割は生殖器のこと埋まっているような気がした。 俺の全身から流れる汗が気化して、淫靡なガスが部屋に充満しているような奇妙な妄想が頭を覆っていた。