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ハセトム(旧:HI)
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東克哉の初体験

俺の初めての性行為は職場の飲み会で使った居酒屋にあったトイレの個室だった。はっきり言って忌まわしい思い出とも呼べる代物である。だが、なぜか脳に焼き付いて離れない。今でも時々唐突に思い出して、いい歳をして思春期のガキのようにチンポを硬くしてしまうことがあるのだ。 同い年の清原はナヨナヨとしていて、「オカマ」だと聴こえるように噂されても聞こえてないフリをするくらいしかできない意気地のない野郎だった。顔色はいつも青白く、頬が痩けていたわけでもないのに、ヒョロ長い印象が残っている。もっとも俺はさほど背が高くはなく、俺と比べてヒョロ長いというだけのことで、特別に清原の背が高かったわけでもなかった。けれど顔の青白さと、根暗な印象の影の薄さとウラハラに、清原には巨根の噂が絶えなかった。 清原の巨根伝説ともいえる噂がたち始めたのは高卒で俺より早く入社していた清原が参加した数年前の社員旅行でのことだったらしい。大卒で採用された俺は年齢こそ同じだが、当時はまだ学生で当然この会社の社員旅行になど参加していないので、人伝てで聞いただけであったが、着替えの際に酔った下ネタ好きな先輩が目についた野郎のチンコを覗き込んではやし立てていたのだそうだ。ひっそりと脱衣所の隅っこで着替えていた清原は、目立たないようにしようとしながら取ったその行動が逆に仇となり餌食になったらしく、清原の顔に似合わない巨根を見て件の先輩は「清原チンポ でかくね!?」と大声で叫んだのだという。それを聞きつけた同じく酔って悪ノリした男どもが清原に群がって、奴の腰に巻かれていたタオルを剥ぎ取ったところ、当時は高卒フレッシュマンであった清原には一見早熟すぎるようなブツがぶら下がっていたのだという。 俺はそれを確かめようと、呑み会の時にわい談を投げかけた所、清原は普段見せぬ積極性でのってきた。普段もいるのかいないのかわからないほどの存在感で、会社でもひっそりと最低限の仕事をしているだけの男とは思えないくらいに食いついてきて驚いたのを覚えている。 「お前、チンポ でかいんだって?」 「なんかそういう話になってるんだよね。自分でそんなこと思ったことないんだけど」 「先輩方みんな言ってたからな。あんだけ噂になったら、さすがに気になるわ。ぶっちゃけどのくらいよ?」 「そんな…言うのは恥ずかしいよ」 「言うのは、ってことは見せろって言ったらOKすんのかよ?」 笑いながら意地悪な質問をしてやると、奴は困ったように笑いながら 「東も見せてくれるならいいよ」 なんて言ったものだから、俺は最初節句してしまった。頬を染めていたように見えたのは、奴も酒が入っていたからだと思いたい。 一応高卒で入って5年目の清原と、2年目のペーペーの俺では上下関係がありそうなもんだが、最初敬語で話しかけると 「年齢は一緒なんだし」 と清原の方から嫌がったので、俺は奴にタメ口で話している。 「ちょっとトイレ…」 気まずさを打ち消すようにトイレに立とうとする清原を逃すまいと 「俺も!」と立ち上がると、一瞬こちらを無表情で見た清原だったが、なぜか少し笑っているように見えた気がした。 二人並んで居酒屋の狭いトイレの立小便器にならんでジョボジョボと水音を立てていた。互いに何も言わずにいたからか、ドア一枚の向こう側の酔っ払いたちの喧騒が夢のようにボヤけて聞こえるトイレの中は、二人の放尿の音だけが響いていた。 しかしやがてその音も止むと、本当の沈黙が訪れる。水の音がしなくなってから30秒ほどが経ったのに、二人とも自身のイチモツを仕舞う気配はない。 「なあ、いいじゃん。ぶっちゃけどうよ?」 馴れ馴れしさをわざと全開にして清原の小便器を覗き込んだ。 「やめろよ…」ドアの向こうの騒ぎにさえ書き消えそうな小さな聞き取れないくらいの声で清原は抗議の意を示したが、何故か体は半歩下がって、俺の目の前には奴のチンポが姿を現した。 剥けていた。しかし先端は真っ赤になって腫れ上がっており、なぜか勃起している清原のチンポ が、その鎌首を俺の顔へと向けていた。 太いペニスである。親指と人差し指で輪っかを作って扱こうとしても、多分指と指の先端は届かないだろう。一番太いカリの部分はもしも女の股に潜り込んだなら、何もかもを掻き出してしまえそうなほどだ。 長さも申し分ない、というかこんな偉そうに評価することなどできないくらいの男として俺は完全な敗北を味わっていた。 同期の中のヤリチンの名を挙げ、あいつよりもデカイと揶揄すると、ほんのわずかではあったが満更でもなさそうに清原は笑った。 「俺の、見たよね?」 「!…っああ」 「じゃあ、東のも見せて」 怪しい目をして俺の顔を覗き込んでくる奴が言った。ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえる。此処には二人しかいないのに、清原の喉は動いていない。俺はどうやら何かを期待している。 「まだ全部見てないから駄目だ」 「…全部?」 「男だったら精子まで見せろよ」 意味不明な理屈を言っていることは自分でもわかっていた。けれど一刻も早くこの熱病のような感情から逃げ出したかった俺は、とっさに到底、清原が飲みそうにもない条件を叩きつけた。俺の方から迫ったようなものなのに、我ながら勝手だと思う。 だが大概にして、男という生き物は、とりわけ性行為に関することであっては、自分中心となるものである。自身の種こそが優れていて、それを後世に伝える義務があるという優越を、全ての雄はぶらさげた睾丸の中に隠し持っているはずである。 俺は嫉妬以上の感情を覚えていた。でもそれが何なのかを認めるのはプライドが許さなかった。ましてや相手は万年根暗で評判の清原なのだから。こんな奴に何かを頼むのも自分で自分を許せなかったし、調子づいた相手が何か要求でもしてきたらと考えると、俺のこの判断は決して間違っていない筈である。だから俺は普通であれば呑めないだろう条件を突きつけた。正直、清原の噂の巨根を目にした時点で、何かしらの敗北を覚えていたのも事実だし、こいつが言ったような無邪気な比べ合いとやらに付き合って自分を卑下するような嗜虐性も持ってはいない。なぜなら俺は根っからの男なのだから。男である以上、性欲の矛先は女に向いていなければおかしいし、もしも俺の突き出した条件を飲んでまで俺のチンポを見たがったならば、巨腹は多分に同性愛者か、小学校高学年から中学生頃にありがちな幼稚性を孕んだ欲の向け先を、この年齢にしてようやく見つけたという可哀想な雄である。なにせこいつには、いまだかつてこのような秘密を分け合う楽しみを共有する友人などいなかったに違いないのだから。 冷静な時分であったなら、俺はこの俺の思考の異常性に気づくことができたかもしれない。あまりにも拘り過ぎて、幼稚なのは何方かわからないほどである。ましてや清原となど親しくもないというのに、彼にそのような友人がいなかったと決め付けて、自分の頭の中でだけ優位に立ったつもりでいるなど、愚かなことだ。そんな愚かなことをしてまで、俺は清原を征服したかったのである。女にもここまで執拗な欲情を向けたことはなかったのに。 しばらくの沈黙の後に清原は口を開いた。 「いいよ。精液も見せる。東も精液見せてくれるなら。」 俺の願いは叶わなかった。清原も俺と同じく、もしくは俺以上にこの事態に戸惑いつつも興奮を覚えていたらしい。 トイレの個室に入って手招きする清原に呪いでもかけられたかのように、俺は洋式便器に占拠された居酒屋の小さなトイレの個室に男二人で入って鍵をかけた。 後はお互い無言だった。 俺はゴソゴソとベルトを緩めて革靴の履いた脚の上にスラックスをパンツごと落とす。 斜め上を向いた俺のチンポが清原に真っ直ぐ先端を向けていた。 何故勃起してるのか清原に訝しがられるのではないか。そんな恐怖が一瞬俺を襲ったが、清原は目を丸くして「スゲェ…」と小さな声でささやいた。 俺のモノは正直大きくはない。平均より小さい方だろう。仮性包茎のためか亀頭もさほど発達していない。勃起に伴い後退した皮からは剥きたての赤い亀頭が顔を出している。 「めっちゃエロいね…」 清原は俺の耳元で囁いた。 「…っ。」 俺は何も返事をすることができなかった。それは羞恥だけではなく、清原のモノよりも明らかに劣っている自身の逸物を差し出して、さっきまでのように偉そうに色々と要求をつけることが難しい状態にいるのだと、本能でわかっていたからなのかもしれない。 「っつーか、お前デカすぎだろ…。」 この雰囲気でも俺はリードを握り続けていたくて、わざと強気な口調で切り出した。 「そうかな?でも嬉しい…。」 そう言って照れて微笑む清原を見て、不気味さを感じると同時に、言い知れぬ快感も感じてしまった。なんだ、結局俺は手綱を握れない。 「東もさ、シコったりすんの?」 「っ当たり前だろっ。」 「いっぱいしこったらまだデカくなるんじゃない?男は25まで成長期ってネットで見たことあるよ。」 「なんだその信憑性のない情報」 「俺ね、小学3年の時からオナニーしてたんだ。」 「…早くね?」 「鉄棒に股を挟んでたら、なんかジンジンしてきて、気持ち良くて、ずっとやってた。」 「あー、登り棒とかでも聞くよな。」 「うん。でもまだ精通してないからさ。ジンジンした気持ちよさが永遠に続くんだ。精子出てからはできなくなっちゃって、残念だった。」 いつの間にか俺たちは饒舌になっていた。気恥ずかしい気持ちが、そんな風に俺たちを変えたのかもしれない。 「女のイキ方みたいだな。」 「うん…だから俺オカマとか言われちゃうのかな?そんなつもりないんだけど。でも女の人見てオナニーできないんだよね。」 「は?お前ホモか?」 「そういうんじゃないと思うんだけど…なんか、この男がこの顔でこんなチンチンなんだ。ってことに興奮しちゃって。」 「それホモだろ。」 「でも別に男に恋したりとかはないよ。」 それを聞いて俺はなぜか胸が痛むような気がした。けれどその正体に気づきたくなかったのだろう、清原のワイシャツの胸ぐらを掴んで囁き返した。 「じゃあ試してみろよ。俺がお前のこと犯してやるから。感じたらお前ホモな。」 「…っ。」 顔を赤らめて目を逸らした清原から拒絶を感じ取ることはできなかった。 それを見た俺は無性に苛立ちのような気持ちに襲われた。清原という男のすべてを、何もかもを暴きたくなった。女で興奮できないと言い、男に性的な興奮を覚えているくせに、こちらがそれを可視化した言葉で指摘すると頑なにそれを比定する。そんな男が快楽に屈服して射精する際には、どのような表情を見せるのか。俺が言った「犯す」という言葉に拒絶もしなければ、怯えすら見せもしないこの男は、もしやずっとこうして自身を犯してくれる誰か別の雄を待ち続けていたのではないか。そう考えると俺の清原よりは小振りなペニスはぐんぐんと体積と硬度を増していくのがわかった。清原はどのように喘ぐのだろう、そして俺はどのように奴を犯すのだろう。童貞であった俺には何もかもが想像の世界の産物でしかなかったが、だからこそあれほどの高揚を覚えることができたのかもしれない。 アダルト動画で目にした知識を最大限に駆使して、俺は清原の体を愛撫しはじめた。 「っ…」 息を殺しながら居酒屋のトイレなどという公共の場で清原も昂まりつつあるのがわかった。その事実に更に俺は興奮して、愛撫の手の先をペニスから乳首へと移動する。清原は先ほどよりも大きな音の吐息と共に体をくねらせて俺の腕から逃れようとするが、そんなことは許すはずがない。こいつはいまこの瞬間、俺のものなのだから。 下腹部に硬いものが当たるのを感じて、ふっと下を見ると清原のペニスも勃起していた。多分最大級の大きさになっている。なぜそんなことがわかるのかと問われたら理屈で答えることはできないが、男であれば張り詰めた陰茎がもうこれ以上何処にも行けないと分かっていながらも、もっともっととその身を伸ばしたビクンビクンと脈打つ様が分かるであろう。 その巨根からどのように精液は出るのだろうか。俺はそんな興味が湧いてきた。後はもうめちゃくちゃであった。ひたすらに清原を射精させるためだけに俺は動いた。女をいかせるために甲斐甲斐しく愛撫を繰り返す男のように、俺は時折彼の耳元で卑猥な褒め言葉を囁き、そしてまた指先に全神経を集中させて、相手の様子を見ながら的確に感度の高いツボを探して、清原の身体中を這い回った。 「挿れて…みる?」 居酒屋の喧騒を遠いBGMに、俺がセックスに溺れていると、唐突に清原がそう切り出した。 「挿れる…?」 「うん…」 「どこに…?」 「ここ…時々自分で弄ってるから、入ると思う…」 そう言って清原は片足を大きく上げて、自身のアナルに指を入れてる様を見せつけてきた。 「おまえ…」 「やっぱ俺ホモなのかな…?なんか、最近どんどんエスカレートして止まんなくって…でも気持ちいいんだ…今も東に触ってもらいながら、自分で後ろ弄っちゃってたし、東のもすげえデカくなってるし、キツそうだけど…でも、挿れたかったら、挿れてもいいよ?」 一体こいつはなんなのだろうか。苛立ちに一番似ている感情が俺の腹の中を満たしていく。けれどそれ以上に、グジュグジュにほぐれた清原のバックから目を離せない。何度も妄想でペニスを突っ込んだマンコとさほど違いは無いように思えた。 「…ならっ」 「えっ?」 「…お前が頼むなら挿れてもいいぜ」 「東…挿れて」 グジュリと音がたったような気がするが、もはやそんなことは気にならない。挿れようとした瞬間、自身の我慢汁で滑って、清原の尻の割れ目に沿ってペニスが滑り、それだけでイきそうになったけれど、そんな情けないことはできないと俺の中の本能が総出で射精を堪えた。 清原の中は熱かった。そしてグズグズに蕩けていた。一度オナホを使ったことがあったけれど、あれとは全く違う、生きた快感が俺のペニスを包んできた。後はもう本能だ。所詮俺は童貞である。挿れた後も相手を焦らしながら自分の快感をもコントロールするなんて高等な技術はない。 パンッパンっパンッパンっとトイレに響くには不自然な音が鳴り響いている。その合間に堪えきれなかった嬌声が、あぁっ…いぃっ…と意味のない音になってミキシングされて、そして俺はとにかく気持ちが良くて、清原も目をつぶって顔を赤らめていて… そして俺は清原のアナルの中に射精をした。目で見ていないからわからないが多分それまでの人生で最も多量の精液を噴射した自信があった。 ふぅっ…ふぅっ… 情事の後の気配がトイレの個室に漂い始めた。 こんな時にどうしたらいいのか、数分前まで童貞だった俺は全くわからない。肩で息をしている清原から自身のペニスを抜くと、俺の精液がドロリと掻き出されて、清原の太ももへとつたって垂れていった。 清原は甘い声を定期的にあげながら動こうとしない。 トイレットペーパーを巻き取ると、俺は自分のペニスだけを乱雑にぬぐって、精液のついた紙を便器の中に捨てた。そして今までのすべてを打ち消すかのように「やっぱり女とやりてえわ」と俺は呟いて清原を個室に残して俺はさっさとそこを立ち去った。 酒宴の席に戻る途中、すれ違った店員が訝しげに俺をみている気がしてYシャツで顔を拭うと、袖にはどちらのものともわからない精液がついていた。


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