ソドムの世界〜家庭教師編
Added 2021-11-23 10:51:53 +0000 UTCわけもわからない内に、ある朝から急に世界がどうやら男だけに――それも、同性愛者や両性愛の、要は男を好きになる男だけで構成されるようになったらしいとの国連の発表は、世界中に衝撃を与えたものの、人口が1/20程になった社会は今日もぎこちないながらも動き続けていた。 女やノンケ男が消えてしまってから今日で5日目。3日目の正午にテレビのニュースで発表された「全世界でゲイ・バイ男性だけが残された世界」の字幕に世界は震撼を受けたけれど、そこは単純な雄という生き物であるがゆえか、それから2日経った5日目には多くの男たちが新しい秩序を楽しみ始めていた。 「ああっ♡ソコいいっす♡」 「ちんぽもっと強く握っていいよ♡」 「スラックスの薄い生地越しにアナル撫でられるのやばいな♡」 「Tシャツ越しに乳首コリコリしちゃらめぇっ……♡」 ここは電車の車両内。 男だらけの電車のなかは、一気に減少した人口を考えればスカスカになっているはずなのに、男たちは1つの車両にわざわざすし詰めになっていた。 目的は簡単。痴漢プレイを公に楽しむため。 暗黙の了解で、先頭車両に乗るのは痴漢プレイに興じたい者たちだというルールが、新世界になってから恐ろしい速さで確立していた。 車内ではそこかしこから雄の野太い喘ぎが聞こえてくる。 もう周囲には同好の士しかいないとわかりきっているためか、ギンギンに勃起したチンポを露出している者や、ズボンを下着ごとおろしている者も少なくなかった。車内は精液の匂いと、男の汗の匂いで充満していた。 僕は参ったなとため息をついた。 公共交通機関の新秩序を忘れていた僕は、うっかり駆け込み乗車で先頭車両に乗ってしまったのだ。 息を切らして痴漢車両に駆け込んできた僕を、既に遊戯に耽っていた乗客たちは余程の好き者――或いは溜まっている者だと認識したに違いない。僕の乳首は後ろから抱きしめてくる男によって刺激されっぱなしでコリコリに立ち上がっていたし、股間も揉みしだかれて半勃起してジーパンの上に丘を作り上げていた。 「真面目そうな顔してお前結構好き者だな♡」 顔を真っ赤にさせて、そちらこそ真面目そうな30歳くらいのリーマン風の男が僕の股間を撫でまわしながら言葉で責め立ててきた。 「いや、本当に間違えて乗っちゃったんですよ……あっ♡……まあ、僕もこんな世界で残っちゃってるくらいなんで、こういうの嫌なわけじゃないんですけど、これからバイト行かなきゃいけなくて、あんまり下着とか汚したくないんですよね」 僕の言葉をニヤニヤしながら聞いていた男は、亀頭のカリのあたりを重点的に責め始めた。「あっ♡あっ♡」と僕は嬌声をこぼしてしまう。 「バイト先もどうせみんな盛ってるだろうよ♡ザーメンの匂いさせてく方がむしろマナーかもしれないぜ?ケケッ。何かの縁だからよぉ、気持ちよく搾り取ってやるから、ぶっ放してから行けよ」 男は僕のチンポに込める力を増した。生物としての本能で僕は身を捩って喘ぎながら快感に身を任せそうになる。 「真面目くんの精子は、やっぱ真面目なのかね?ハンカチに出すか?それとも床に出しちまうか?俺のスーツにかけてもいいぞ」 僕は少しずつ高められていく。男の目のぎらつきが増していく。段々と物事を考える余裕がなくなる。あー、この男の言うがままにしてもいいか。バイト先が家庭教師で個人宅だから、精子の匂いぷんぷんさせながら行くのってちょっと抵抗あったんだけど、こんなご時世なら多めに見てもらえるかもなあ。 「あっ、あっ、あっ、出るっ、出ますっ、やばいっ♡」 僕のチンポから白濁がほとばしった。勢いよく飛び出した射精が、男のスーツと真っ白なYシャツにへばりついた。 「へへっ、兄ちゃん。真面目で頭の硬そうな雰囲気のくせに、臍から下はちゃんと男なんだな。精液がドピュドピュ噴き出してるぜ。俺のスーツも雄臭さ増し増しだ。ありがとよ」 男は僕のチンポの先端に滲む精液の魂を、ヘリンボーン柄の仕立てのよさそうなスーツで拭き取ってくれた。僕の精液がネットリと彼に絡み付いた。 射精したことにより、僕の頭の中は冷めてきた。車内の案内板を見れば、次がバイト先の武藤家の最寄り駅だった。 「すいません、気持ちよかったです。ありがとうございます。次でちょうど降りるんで」 「おお、そうか。時間があれば俺のも気持ちよくしてもらいたかったが、なら仕方ないな。また会ったら気持ちよくなろうぜ、真面目そうな兄ちゃん。お前、イク瞬間の顔、なかなかエロかったぜ」 男がぎらつきが消えないながらも、若干の爽やかさをまとった気配で僕の肩を叩いてくれた。きっとこの人は、こんな世界になる前はこの爽やかさで世渡りしていたんだろうな、と思えるような板についた爽やかさだった。僕は男の言葉に会釈で礼を返す。 電車のドアのガラス窓には、自分の顔が写っていた。メガネをかけて髪は前髪が眉にかかるくらいのものを七三くらいに分けて流している。昔の文豪みたいな顔だな、と我ながら思った。っぽいだけで、文豪でもなんでもないことは自分が一番わかっているけど。 僕は国立大学の二年生。英文学科で、英語教師志望。今日は今から武藤恭平くんの家に家庭教師で英語を教えに行くところ。恭平くんは進学校に通う三年生。第一志望は僕と同じ大学の経済学部。18歳ながらなかなかのイケメン。シングルファザーのお父さんに育てられて、そのお父さんのはもっとイケメン。こんな世界になっちゃったから、二人もいなくなって家庭教師に行く必要はないかと思われたけど、昨夜電話をかけたらお父さんが40歳ちょっとの渋みも持ち始めたテノールボイスで電話に出てくれた。恭平くんも、一緒にいるとのことで、続けて家庭教師に来てくれと言われた。 ――こんな事態になっちゃったから、先生も消えちゃったかと思ってましたよ。またご一緒できて嬉しいです。恭平をよろしくお願いします。 そう言ってお父さんは快活に笑ったけれど、僕は胸がドキドキでそれどころじゃなかった。 今もまだ恭平くんもお父さんもいるってことは、つまり二人ともゲイまたはバイってわけで。 それでもって世界がこれだけ姿を変えた中で、ほんのちょっとでも僕の恭平くんのお父さんへの気持ちが、何か結果を出せたりするんじゃないかとか夢みたりして。 でも電車の窓に映る自分を見て急速に冷めた。射精直後だったというのも重ねて、怖いくらい冷静に自分を客観視できた。あんな格好いいお父さんと、どうにかなんかなれるわけない。自分は芋っぽすぎる。っていうか、地味。すごい地味。真面目そうって、いい意味っぽいけど、要は地味。 電車のドアが開いた。 「じゃあな」 僕をイカせたリーマンが背中を押して送り出してくれた。彼だってなかなか格好良かったのだから、興奮状態に陥って判断能力が低下してなければ僕なんかを相手にしなくてもよかったんじゃないだろうか。何だか申し訳なくなりながら、僕は電車から降りた。 武藤家までは駅から歩いて10分ほどだ。 シングルファザーでありながら、庭付き一戸建てにすんでいる。車も僕は詳しくないけれど、ちょっと良さそうなやつ。お父さんは外資系の企業で管理職だと聞いたことがあった。イケメンで、高収入、何度かしか会ったことがないけれど伝わる穏やかさと快活さ。なんで未婚の父なんてやってるのか、ひくてあまたで女たちが寄って来そうなのに、と思っていたけれど、理由は新世界の到来でわかった。ゲイ(またはバイ)だっただけだ。 インターフォンを鳴らした。これでいつもなら恭平くんが出迎えてくれて、そのまま2階の彼の部屋に上がって今日の授業の開始というのが通例だ。なのに、今日は鍵が開く音と同時に開いたドアから顔を出したのは、お父さんの方だった。 「どーも、恭平なら部屋にいますよ。今日もよろしくお願いしますね」 お父さんはスーツを着てネクタイをしめていた。僕は挨拶をしながら、家の中に入る。そして驚くべき光景に気づく。お父さんは――武藤さんは上半身はスーツのネクタイ、アイロンのきいたYシャツとビシッと決まっていたのに、下半身は黒のボクサーブリーフ1枚だった。 衝撃的なお父さんの格好に固まってしまった僕に、お父さんは思い出したように付け加えた。 「ああ、こんな格好ですみません。異常事態というか、新世界のことですが、それを受けて全世界でオンライン会議を重ねている所で、このところリモートワーク続きなんです。今も会議の休憩時間でして。恥ずかしいですが、家にいる時はパンツ1枚なもので、画面に映らない下半身くらい楽な格好でいたくて。驚かせて申し訳ない」 ハハっとやっぱり快活に笑いながら武藤さんは短めの髪の後頭部をかいた。 「いえ……こちらこそ不躾に眺めてしまってすみません」 「いやいや、俺が悪いんですよ。お客さんである人をお迎えするのにパンツ姿なんてね。お見苦しいものを」 見苦しくなんかなかった。運動でもしているのか、ボクサーブリーフから伸びた太ももは筋肉でスラリと引き締まっており、茶褐色に健康的に日焼けしていた。ものすごく扇情的で、僕は自分の股間がピクリと反応しそうになったのに慌てる。先ほど電車の中で射精しておいて良かった。あそこでヌかなければ、ここでみっともなく勃起させていたかもしれない。 「あっ、じゃあ、僕は恭平くんの部屋に伺いますね」 グラビアみたいなお父さんに見惚れていたのから我に帰り、僕は家庭教師としての職務を思い出した。 「ああ、お願いしますよ。こんなことになっちゃちゃけど、色々教えてやってください」 武藤さんに背中を向けて、階段を上がる直前、僕が見た武藤さんの視線は快活なはずなのに若干粘ついていた気がした。 「先生は無事だったんですね! 嬉しいです」 部屋に入ると恭平くんが歓迎してくれた。 「僕も恭平くんも恭平くんのお父さんも無事で嬉しいよ。……ちょっと、世界が色々変わっちゃったけど、これからもよろしくね」 「こちらこそよろしくお願いします」 武藤さんの息子の恭平くんは、父親譲りと思われる爽やかさでもって答えた。 こういう言い方はよろしくないかもしれないが、この親子は何せ顔がいい。顔だけじゃなく、体もいい。180近い身長と、痩せても太っても見えないけど確かな弾力のありそうな肉厚の体。爽快で賢そうな顔。 これでチンポまででかければ、神は二物も三物も彼ら親子に与えたことになる。お父さんの方は、三物を与えられていると予想される光景を、つい先ほど見かけてしまったけど。 「新しくなった世界は、どう? 困りごととかない? 大丈夫?」 僕は一応年長者の風格を漂わせながら(3歳くらいしか離れてないけど)恭平くんに尋ねた。 「……何も感じなかったと言えば嘘になりますけど、これもこれで良かったんじゃないかって思います。なんでこうなったのかとか、理由はわかんないことだらけですけどね」 「そっか」 僕は少し恭平くんを心配していた。男が好きという嗜好を、この世界では生きているだけで暴かれていることになる。思春期の揺れやすい心が傷ついたり不当に動揺させられたりしていないか、彼の身を案じていた。 「じゃあとりあえず、今日もいつも通りやっていこうか」 別段の問題もなさそうだったので、僕はあえて平常を装いただの家庭教師として恭平くんに接することに決めた。鞄からいつも使っている問題集を取り出そうとする。 「先生」 恭平くんが僕の手を呼び止めた。 「ん? なに?」 僕は手を止めて彼へと向き直った。 すると、僕の顔の目の前に恭平くんの顔があった。 「うわっ」 思わず後退りしそうになったら、素早く腰を抱かれて動けなかった。そういえば、部活ではないけど少年時代からスポーツクラブでラグビーだかアメフトをやっていると聞いたことがあった。お父さんの影響なんだとか。 「な、何かな」 自分の顔の真ん前に美形の顔があると結構焦る。儚い系の美少年ではなく、雄っぽい存在感の確かな、それでいて力強い美しさのある顔立ち。濃い眉はやや細めに形よく整えられ、その下にあるくっきりした二重の力強い目。鼻筋は真っ直ぐで、日本人にしてはちょっと高い。唇は薄めだけど、顎の筋肉が発達しているせいか弱々しさがどこにも見当たらない顔。 ひょろっとした僕とは、似ても似つかないイケメン。 「先生、俺、質問があるんです」 「何? とりあえず腰を離してもらえると嬉しいんだけどな……」 「先生って、タチですか? ウケですか?」 恭平くんの口から出た言葉で、僕は一瞬キョトンとしてしまったけれど、すぐに顔が赤くなったのを感じた。同時に鼻がくしゃみをしそうにムズムズした。中学生くらいの時から、いやらしいことを妄想するとくしゃみをする。僕の癖だ。 「なっ、何を……大人をからかうなよ」 「からかってなんかいないよ。真剣に聞いてるんだよ」 うろたえながらも、僕は教え子の口から出た卑猥な言葉に少し興奮していた。 でも同時に深く納得もする。男好きな男だけが残った世界で彼も残っているということは、つまり彼も男好きなわけで。それでいて高校生という制欲が人生でピークといっても差し支えない時期の肉体的な男ということは、そういう方面の知識や経験があっても不思議じゃないし…… 「そんなの聞いてどうするんだよ」 「それは先生もわかってるでしょ」 そう言って恭平くんは顔を僕から少し離した。腰を押さえつけていた手は両肩にまわされた。 「先生のポジションによっては保健の実技も俺は教えてもらいたかったりするんだよね」 そう言って笑う恭平くんの顔は、お父さんにそっくりだと思った。階段を上がる直前に見かけた武藤さんの粘ついた視線と同じ眼差しが、真正面から僕の顔を撃ち抜いている。 「保健の実技?」 僕の声は緊張からか上擦るあまりひっくり返って甲高いものになってしまった。高校生相手に大学生が情けないと思ったが、仕方ない。 実を言うと、僕の初体験は3日前だった。世界がゲイだらけになったことが判明し、社会が混乱しつつもぎこちない日常を取り戻そうと動き始めた矢先のことだった。場所は電車の中。さっき体験した痴漢と同じ。見知らぬ男性にペニスを扱かれて射精した。初めて他人から与えられる刺激になすすべもなく、ただただ電車の中でへたり込んでしまわないように必死で相手の手のピストン運動についていこうとしていた。「これからはホモの天国だぜ。にいちゃんも楽しもうぜ」と耳元で囁かれ続け、脳内をこれまでのオナニーで想像したあらゆるシチュエーションが駆け巡り、自分で勝手に興奮して何度もイった。僕が射精するたびに、相手の男は嬉しそうにしてくれた。それが少し嬉しかった。オナニーじゃない初めての性体験だった。 それ以来、病みつきになりいつも電車は痴漢車両に乗っている。と言っても、まだそれも3日だけの話。アナルを弄られたり、誰かに挿入したりなんてしたことは一度もない。フェラチオさえも未経験。そんな僕にタチかウケかなんて質問、答えられるわけがない。 「ぼっ、僕は君に勉強を教えに来てるんだよ! そんなエッチのポジションなんて関係ないじゃないか! そういう話は好きな人としないと」 裏返った声のまま、僕は恭平くんから目を逸らして答えた。 「先生かわいーな。『好きな人としないと』なんて」 恭平くんは指先で僕の頬をくすぐるように撫でた。僕は顔の赤面がさらに悪化したのを自覚する。 「大人をからかうなよ! 第一そういう君はどうなのさ」 「あれ? 好きな人としか話さないんじゃないの? そういう話は。俺にそんな話題持ちかけるってことは、先生俺のこと好きなの?」 「……! そうじゃないけどっ」 「先生、じゃあ俺のこと嫌い?」 急にしょんぼりした顔で下から覗き込むように恭平くんが僕を見てくる。でも目が笑っている。僕は顔が熱くなって、うまく頭が働かない。 「俺は結構先生のこと気になってたんだけどなあ、元から」 恭平くんは話し続けた。 「ホモだらけの世界になって、先生もきっといなくなっちゃったんだって思ってたら、ちゃんといてくれて嬉しかった。 父さんと二人でさ、先生のこと話してたんだよ。先生も残っててくれたらいいのにね、って。 そしたら本当に残っててくれて、しかも変わらず家にも来てくれるって言うじゃん。俺嬉しかったなあ。本当に嬉しかった」 「……ナチュラルに言ってるけどさ、恭平くんはお父さんとそういう話を普通にしちゃえるわけ?」 「そういう話?」 「男が好きなことだとか……さ。なかなか言いづらいじゃん」 「ああ、そういうことか」恭平くんは納得したように頷いて続けた。 「全然何も問題なんかないよ。だってうちの親が離婚したのって、父さんがゲイだったからだもん」 「えっ」 「先生に教えてあげるね。うちの家の、父さんの、そして俺の秘密……」 そう言って恭平くんは笑った。あっ、またお父さんと同じ、爽やかだけど粘ついた目をしている、と思った。 小学5年生だったある日、恭平くんは学校で熱を出し早退することになったそうだ。 その頃すでに両親は離婚しており、家の鍵を持ち歩いていた恭平くんは鍵を開けて自宅に入った。 玄関を開けて目にしたのはスーツを着た父親のペニスをしゃぶる30歳くらいの男の姿だった。 絶句して固まる恭平くんに父親は熱に浮かされたような顔をしたまま「恭平じゃないか、んっ、どうした? おほっ、体調でも悪くて早退したか? おっと、そのまえにまず玄関を閉めなさい。ご近所に見られたら面倒なことになるからな」 大人しく言いつけに従ってドアを閉めた恭平くんに「よーし、いい子だ。体調が悪いなら部屋で寝るか? 病院に行くか?」とお父さんは言う。恭平くんは頭を左右に振って「病院行くほどじゃない。でも熱出ちゃって、先生に帰れって言われて」 「そうか。じゃあ部屋で寝ていなさい。んああああっ……」 ジュルジュルっと男が父親のペニスを吸い上げる水音が響きわたり、父親は苦しそうにうめいた。 「父さん……何やってるの? 大丈夫?」 恭平くんが尋ねた。すると父親ではなく、父親のペニスを舐め回していた男がチュポンっと音を立てて亀頭から唇をはなし、恭平くんの疑問に答えた。 「まだ小坊か? これはなフェラチオって言うんだよ。男は大人になるとな、チンポ から時々出さなきゃならないもんがあるんだ。お前の親父さんは顔もいいし体もいいからな。俺とセフレっていう友達なんだよ。で、お前がいない時に時々仕事をサボってる悪い父ちゃんは俺を家に呼んで、金玉に溜まったもんを搾り出させてるってわけだ。まあ、お前もあと数年でわかるだろうよ。金玉が疼く感覚と、チンポ が爆発しそうになるムラムラがな」 「おいおい、恭平に変なことを教えるなよ」 お父さんは男の頭を撫でながら苦笑いして答えた。 「事実だろう。ガキ向けに親切にわかりやすく教えてやったほうだ」 「まだこいつには早いよ」 恭平くんはその言葉にムッとしたらしい。「全然早くなんかねーよ。俺だって金玉とかチンポがムズムズすることあるし!」と強がって答えた。 「へえ、蛙の子は蛙というか、武藤さん。やっぱあんたの息子だな。もう精通もしてるんじゃねーの?」 男の手が恭平くんのズボンへと伸びた。その瞬間、お父さんは男の頭を鷲掴みにしてチンポに顔を擦り付けた。 「息子にどんな性教育をするかは親である俺が決めるよ。お前は余計な手を出すな。大人しく普段通り俺のモノをしゃぶってろ」 その時のお父さんは今まで見たことがないくらい低くて体の奥に響く声で男に冷たく言い放ったらしい。不遜な態度だった男は大人にお父さんに命令されると「はい……」と態度を従順に豹変させ、再び父親のチンポをしゃぶり始めた。 「恭平。部屋に行っていなさい」そう言ってお父さんは恭平くんを促したけれど、あることに気づいたのか目を少し見開いて驚いたように尋ねてきた「お前……興味があるのか?」 お父さんの視線は恭平くんのズボンに注がれていた。 恭平くんのズボンにはこんもりとテントが張っていた。チンチンが突っ張って痛く、けれどその奥でじわじわと何かが沸るような熱を感じていたという。 「親が思うより子供はデカくなってるもんですよ。物理的にもデカくなってるみたいですけどね」 父の股間にむしゃぶりながら、男が茶化すように口を挟んだ。父は男の頭を再度抑えつける。男は無言になって再び父の股間に集中し始めた。 「……やっぱりお前は父さんの息子だな。いいさ。見ていたいなら見ていればいい。でもな、俺はこんなもんじゃおさまらないぞ?」 悪戯っぽく笑った父親は、今度は男を立ち上がらせた。そして男のズボンに手をかけて尻を丸出しにさせると、自身の硬くなったキノコのような形のチンポに手を添えて男の尻穴に向けてズブズブと押し進め始めた。 「ああっ……入ってくるっ……太ってぇ……」 男がうっとりした顔で掠れた声を上げていた。父はゆっくりとピストン運動を進めていく。 恭平くんは何が起きているかわからなかったけれど、それがとてもエロくて、自分のチンポも父親のものと同じように硬くなって天を突いているのがわかったから、自分とも無関係なことではないのだと思えたという。そして、憧れの父親と共通点があるということが、彼のプライドをくすぐった。いつしか彼の手は誰に教えられたわけでもないのに幼いなりに勃起したペニスをめちゃくちゃに弄って、溜め込まれた熱を放出する先を探してさまよっていた。 それから何分間か経った頃、尻穴を掘られていた男が「あーっ、ダメっ、ダメっ……ひゃいんっ♡」とひときわ甲高い喘ぎ声をあげた。 男のペニス、剥き出しにされた尻の前面で父のイチモツと同じように上を向いていたものからドロリと白く濁った粘液が噴出しマグマのように流れ出たのを恭平くんは目撃した。 「ところてんしやがって」 そう言ってお父さんは嬉しそうに腰の動きを早くした。お父さんも熱があるかのように顔を真っ赤にさせて汗ばみながら、やがて「くそっ、俺もいくっ、種付けするぞっ、おらっ」と低く抑えた雄叫びをあげて尻にねじ込むように思いっきり腰を突き上げて動きを止めた。ペニスの先から粘液を漏らした男と同様に、お父さんも小刻みに震えていた。男の尻穴の中にあるお父さんのチンポからも、男のものと同じように白いドロドロが噴き出しているのかと思うと、恭平くんの体は熱くなって、そして、そのまま…… 「だから俺、初めて射精したときに気絶しちゃったんですよ」 ニカっと笑って恭平くんは話を切り上げた。 「それは……僕が聞いていい話だったの?」 「もちろん。だって先生には俺のことも、うちのことも知って欲しいなって思ったから」 「でもそれって、一歩間違ったら虐待だよ。子供にポルノを見せつけるなんて」 しかもビデオでも本でもなく実の親のセックスシーンだなんて。 「先生頭硬いなあ。俺はそんなふうに思ってないよ。父さんから実技で保健の授業をしてもらえて、そのおかげで男が男を抱く世界があることもしれたから、自分がゲイだって気づいた後も何も怖くなんかなかったし、父さんには感謝しかないよ」 「君がそう言うならそうなのかもしれないけど」 「それにさ」 恭平くんは再び僕の方へと身を乗り出して、僕の耳元で囁いた。 「先生も硬いこと言っておきながら、チンポ硬くしちゃってるじゃん」 むんずと股間を鷲掴みにされた。僕は勃起していた。誤魔化していたつもりだったのに、ばれた。恥ずかしい。 「せっかくこんな世界になったんだよ? もう嘘なんかつかなくていいんだ。先生も素直になろうよ。それとも保健の授業は俺が先生にしてあげようか?」 恭平くんが怪しく笑いながら僕に告げる。僕は頷くこともできなかったけれど、拒否する言葉も口にすることができなかった。